あらすじ
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昭和とはどのような時代だったのか。戦後50年を機に、いまあらためてその時代精神が問われている。それも権力者の視点ではなく庶民の眼で捉えたらどうなるのか。太平洋戦争下、ラバウルでの空襲により片腕を失った筆者が、万感の想いで描ききる。戦争を知らない世代に贈るコミック昭和史・全8巻。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
学校の教科書で習った歴史が、その時代の人々にとってどのような意味を持っていたのかという実情とか感覚が分かる。
俯瞰的な歴史ではなく、参加者、体験者としての歴史。
その一人の例としての水木氏といえばよいのだろうか。
非常に勉強になった。
Posted by ブクログ
「事実上の昭和は、関東大震災(大正12年(1923)9月1日 午前11時58分)から始まった。」から始まる水木しげるの昭和史。
共産主義アレルギーは、大正時代から続く、権力による弾圧によって大衆に広がったんだ。冷戦きっかけだと思ってた。
どうして政府は共産党をおそれたんだ?
天皇を中心とする国体の変革?私有財産の否認?
それにしても、治安維持法はやばいわ。この言論弾圧は理性ある人間のできることじゃない。
何もしてない人でも、「お上が敵視してる」という理由で、「悪人」と見なす人もいるんだ。それが共産主義アレルギーの正体?
芥川龍之介って、大正時代の人だったんだ!夏目漱石はさらに年寄りなのか。
田中義一は狂人だったの?その人よりさらにやばい軍部…。
どうして当時の政府は陸軍を制御できなかったんだ?どうして軍人があんなに力や影響力を持つことになった?
平の軍人は農家の次男以下の男性が多かったということは、経済的徴兵制度だったのかな。徴兵制で軍人の数が多くなったので、力をつけていった?軍に入った息子から、軍を賛美する便りを受けた農民たちが軍を支持するようになった?
昭和初期の政治家、暗殺されたりテロに遭いすぎやばい。どうしてそんなにまで政治に関わろうとしたんだろう?
それにしても、軍人や右翼や国粋主義者って、昔からろくなことをしてこなかったのね。
農村の窮乏がファシズムの引き金となった。
石合戦てなんだそりゃ。昭和初期に比べたら、今の子供たちなんて、心配になるほどおとなしいわ。
WWⅠは、日本も参戦してたんだ。
どうしてロシアあるいはソ連や中国にけんかを売ろうと思ったんだ?どうして資源もなくちっぽけな島国が、大陸の大国と互角に渡り合えると思った?
大正14年(1925)
一部の例外を除き25歳以上の成年男子すべてに選挙権を与えられる。
一部の例外って何だろ?この頃の投票率ってどのくらい?
Posted by ブクログ
これは貴重な資料である。庶民の目線から歴史を語っている。
この本は時が経つにつれて、価値が上がっていくだろう。
例えば太平洋戦争が何だったのかよく分らずに威勢のいい事を言う人は読むべきである。
Posted by ブクログ
「事実上の昭和史は関東大震災から始まった」
作品の最初にこう書かれてある。
明治維新から諸外国に追いつけ追い越せと走ってきた日本の国としての礎が定まり、大正期には比較的のんびりムードの時代になるのだけれど、わずか15年の短いのんびりムードは昭和となって大震災を機に経済恐慌が起き、昭和の大恐慌、さらに満州事変などと波瀾万丈の歴史を刻む事になるのだ。
その時代に身を置いていた人の語る歴史は一味違う。
Posted by ブクログ
ミーハー極まりないですが、水木しげるさんが昨年亡くなられたことを受け読み始めました。現代へつながる大事な時代にも関わらず、学校の日本史でかるーくスルーされてしまう昭和。お恥ずかしながら、今まで歴史にあまり興味がなかったこともあり、あまりよく知らない・・・。海外の人に日本の歴史について訊かれて自分の意見が伝えられないと情けないので、これを機にしかと勉強させていただきます。
Posted by ブクログ
文庫全8巻。
著者誕生の翌年、1923年に「事実上の昭和史は関東大震災から始まった」という
ナレーションで幕を開ける。
きな臭い世間の動向とはまだ関係なく、
境港で生まれた「しげる少年」の幼少期は、とてもやんちゃでかわいらしい。
が、子守役「のんのんばあ」の教育を受けて、
霊界や妖怪の世界と波長を合わせやすい、感度のいい子供に育つ。
ねずみ男が進行係になっているのも微笑ましいが、
ストーリーのメインは戦争で、当事者であった著者の悲惨な体験の描写が凄まじい。
Posted by ブクログ
全8巻。太平洋戦争が中心。
歴史の大きな流れと水木しげる個人の物語が
併行して語られていきます。
水木しげるの語り口が好きであれば、
一気に引き込まれると思います。
Posted by ブクログ
全8巻なんですが一気に読み倒した。
学校とかで勉強すると現代史が多少おろそかになるので
その補完としてよむのにはいいのかも。
戦中のミッドウェーとかガダルカナルの戦地の状況
んで、戦前の東南諸国との繋がりとか、事細かに
書いてあって、直視しなければならない事は
すぐ側に迫っているのかもと思う。
焼け跡からの凄まじい日本の復興劇に驚き、
形を変えながらもループし続ける歴史。
サブストーリーで繋がっていく、水木しげる自身の
話も面白く、ガダルカナルでであった“森の人々”との
交流の話はとても印象に残る。
Posted by ブクログ
wikipediaのページが充実している。
第1巻 関東大震災~満州事変
プロローグ
迷子
初めてのラジオ
初めてサザエを食う
父の事件
治安維持法
満州某重大事件
毎日が運動会
親父大阪へ行く
昭和大恐慌
我が家も大恐慌
ロンドン軍縮会議
煙突男
農村の窮乏
子供大戦争
満州事変始まる
Posted by ブクログ
大戦前の日本の不況、金融の混乱状況を見ていて今のユーロ危機などとさして変わらないというか、繰り返しているじゃないか!とはじめ読んでいて驚き。ただ戦争を放棄しているのは大きく違うし、少なくとも良かったけど。歴史ものは権力側の話が多いけれど、昭和という親世代の過ごしてきた時代はとくに、普通の人々が何を感じていたのかを知りたかったので、同時代を生き抜いた説得力のある作者の、しかも漫画なのでとても分かりやすいし、絵で、当時の町並みなどを知れて良い。
Posted by ブクログ
事実上の昭和史は大正12年の関東大震災から始まる。死傷者13万人以上、この震災が昭和が始まってすぐの金融恐慌の原因になる。
同じころラジオ放送が始まる。情報化社会、大衆化社会の第一歩。円本は文学の大衆化に力を貸した。
水木しげるの生きた昭和を読む。
Posted by ブクログ
水木しげるはまさしく昭和の時代と共に人生を歩んでいることがわかった。独特な子供時代も面白かったが、どちらかというと歴史の勉強的な描写が多く、昭和の歴史を学びたい高校生とかにはとても良いと思う。
全てを読もうとすると8巻読まなくてはならないのが難点。一巻だけだと部分的な昭和史しかわからない。