水木しげるのレビュー一覧
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水木しげるの鳥取県・境港での幼少期を描いたお話です。
昭和初期、1930年代頃の出来事でしょうか。
私が生まれるずっと前、まだテレビやゲームもなかった時代の物語です。
子供にとって、世の中は不思議なことだらけ。
のんのんばぁがそれを妖怪の仕業だと教えてくれることや、その対処法もとてもユニークで、興味深く読めました。
また、お父さんがとても賢い人で、哲学的なことも幼いゲゲにわかりやすく教えてくれるのが印象的です。
賢いけれどマイペースなお父さん、それをしっかり支えるお母さん、真面目なお兄ちゃん、素直で可愛い弟と、ゲゲの周りの家族もとても魅力的です。
一方で、松っちゃんや千草さんなど、子供が病気で亡くなってしまうことが日常にあった時代なのだと感じました。
友達を亡くした悲しみを抱えるゲゲに対して、お父さんが
「その悲しみは宝だ。ええ思い出をもらったな」
と声をかける場面がとても心に残りました。
また、勉強をそっちのけで絵を描くゲゲに対して、
「勉強なんか落第しない程度にしたらええ」
とたびたび呼びかけるお父さんも素敵です。
怪談界隈でも小説家界隈でも漫画家界隈でも、水木さんは多くの人に愛されている印象がありますが、そうした人間性はこのような幼少期の経験から育まれたのだと感じました。
もちろん、その後の戦争体験も大きく影響しているのでしょうが。
水木さんの著書の中でも、比較的ほのぼのとした雰囲気で読める良い漫画でした。 -
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天才と名高い水木しげるはろくでなし?
ゲゲゲの鬼太郎は今では日本中誰もが知ると言っても過言ではないくらい有名な作品を作り上げた水木しげるですが、実は落ちこぼれでできが悪かったと語る。水木しげる本人が体験した幼少期から漫画家水木しげるに至るまで、自身の底辺人生を綴った自伝ですが、鬼太郎を知る私たちからは想像もつかない内容ばかり。天才と言われればそうかもしれないけど、簡単なことではなかったそうで、大好きな絵や紙芝居、漫画でさえも否定されてきたそう。
波瀾万丈な天才はどうして生まれて、なぜ天才になれたのか?実は遅咲きの水木しげるが今なお愛される人格者なのはきっとこの人の人生にしかわからないのでしょう。
読んでいて途中から戦争で片腕をなくした人とは思えないようになってくるその人生にポジティブとは違う別の次元にいる気がします。もしも水木しげるがお金持ちのエリートで頭もよかったら、きっと彼は生きていたのかと、自分ならばのたれ死んでることかもしれない。だけど彼は最初から最後まで命を投げ出したりしないし、それを当たり前に自然に受け流す努力があって、自然になれることを知っているかのような不思議な魅力がやっぱりあるんですね。
もしかしたら、私たちが失いかけているもしくは失ってきた人生かもしれない。私たちに不足した摩訶不思議なポジティブを読んで感じていただきたいです。 -
Posted by ブクログ
のんのんばあは水木しげるさんの”祖母”にあたる人と単純に思っていたが読んでいく内にそうではないと分かってきた。"のんのんばあ”とはのんのんさんと呼ばれた拝み屋さんの妻で賄いなどに雇われたお手伝いのばあちゃんだった。私の家にも両親が共働きで、しばらく近くの老人ホームから腰の曲がったおばあちゃんが妹の子守や家事手伝いに来ていたのを思いだした。私はそりが合わずに口答えをして良く怒られていたが、しげるさんは少年期に彼女からお化けや妖怪の世界を語って聞かせてもらっていたのだ。ゲゲゲの鬼太郎の世界観が生まれたのは、のんのんばあとしげる少年の豊かな感性からに違いない。といっても風流人であった父の影響はかなり大きい。銀行勤めの傍ら芝居小屋で夕方からの活動写真館(映画館)運営を始めたり、大阪で仕事に就いたりとなかなかの自由人。子供たちにはそれぞれ好きなようにさせており、のびのびと育てている。
鳥取県境町には水木しげるロードもあって、外国人の観光客も押し寄せているとテレビで報道されていた。朝ドラでもお馴染みの島根も出雲神話が残っていて日本海に面する2県はそれなりの素地があるのだろう。
いつか訪れてみたい! -
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水木しげるの実体験がベースとなった戦争漫画。白黒の漫画ですが、南国特有の湿度が伝わってくるようでした。
序盤は軍隊の理不尽さはあるものの、まだ平和。終わりに向けての悲惨さが尚更強調されます。従軍している兵隊も、指揮官も皆、普通の人間。玉砕を判断した若い指揮官に、上に立つ資質があったのか疑問に思うけれど、特定の思想に囚われた人はどこにでもいます。昔だから起こったことではなく、同じような状況があったとしたら、現代でも起こり得るのでは、と暗い気持ちになりました。
関係ない事のように思っても、実際に我が国で昔起こったこと。当然ですが、戦争なんて絶対にしてはいけないよね、と改めて感じさせる作品でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ漫画よりドラマが好きなのですが...
戦前の水木しげるが小学生だった頃のお話。
売られていく美和ちゃんが不憫でならず、茂はついお父さんに「美和を買うてくれ!」と言ってしまい、お父さんは「私には人買いの真似をしろというのか!」と茂を叱ります。
ですが、茂の気持ちに寄り添いながらもとても現実的で大事な話をします。
父「百歩譲ってあの子を買うとしよう。して、その金はどうする?」
茂「じいちゃんに借りる」
父「肝心なところを人に頼ってどうする。この家を売るか?」
茂「え!いや、オレはそげなことまでは...」
と言葉が出ない。
父「いいか、茂。本気で人を幸せにしようと思ったら、自分が傷つくことくらい覚悟しなければならんのだ。あの子は幼い身で不憫ではあると思うが、不幸の中にも何かしらの幸せの芽はあるものだ。」
※私の頭の中にあるものなので正確ではないと思います
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