水木しげるのレビュー一覧
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水木しげる『水木しげるの山』ヤマケイ文庫。
最近はヤマケイ文庫から矢口高雄、谷口ジロー、手塚治虫、白土三平など名だたる漫画家の作品が続々と刊行されるようになり、時代の変化を感じる。
ヤマケイ文庫だけに少々値段は張るものの、水木しげるの『山』をテーマにしたオリジナルアンソロジーとなっては、購入して読んでみる価値は大いにある。
深山や山里に住まう妖怪と人間が織りなす短編漫画12編の他、口絵にカラー版の日本の妖怪画24点とモノクロ版の世界の妖怪画12点を収録。
『山姫』。青年誌に掲載された短編。山中で迷い、怪異に遭遇するのはよくある話。2人の富山の薬売りが山中を3日間も迷い、辿り着いた灯の -
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前回の「日本人とはなにか」レビューで私は「死後の世界の魂は、日本人の多くは我々の生活圏内の直ぐ近くにいると思っている」という意味のことを書いたが、図らずも、本書を読むとその仮説を応援してくれているみたいに感じた。
本書は、3つの雑誌に書き継いだ氏の妖怪図鑑のようなものである。学術書ではないので、出典や証言の但し書きがない。人物或いは図が、具体的に何処を示していて、何処から事実に即していて、何処からが氏の創作なのかが判然としない。けれども、紐解けばわかるが、単なる氏の想像の産物として描いているわけではない。ことは推察できる。
前半160頁に渡り氏のカラー図画があり、後半150頁はその解説とな -
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8月、特に前半は散々だった。だから癒やしを求めに旅に出た。そこでせっかくだからと寄った境港にある水木しげる記念館で水木しげる先生の半生に出会い、そして彼の言葉にずいぶん励まされた。そんなとき、この本を購入した。
水木先生の半生についてが大半を占めているこの本だが、冒頭に示されている幸福七カ条には、このようにある。
第一条 成功や栄誉や勝ち負けを目的に、ことを行ってはいけない。
第二条 しないではいられないことをし続けなさい。
第三条 他人との比較ではない、あくまで自分の楽しさを追求すべし。
第四条 好きの力を信じる。
第五条 才能と収入は別、努力は人を裏切ると心得よ。
第六条 なまけ者にな -
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ちくま文庫オリジナルの水木しげるアンソロジーの第2弾。選者は俳優の佐野史郎。
前巻のヤマザキマリとはまた違った貸本時代の短編を中心とした如何にも佐野史郎が好きそうなラインナップ。選者によってここまでテイストの違うアンソロジーが出来るというのが水木しげるという漫画家の凄さとうか捉えどころの無さだなと思う。
水木しげるはヤマザキマリが選んだような割とストレートな社会批判をやったりする一方で、ナンセンスや下ネタ、ねずみ男的なエゴや享楽性の肯定だったり、或るいは全てを突き放したような無常感や諦念、虚無を感じさせるものだったり本当に捉えどころがないが、同時にどれを読んでも「水木しげる」という描かれる -
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水木しげる、佐野史郎・編『水木しげる厳選集 虚』ちくま文庫。
『水木しげる厳選集 異』に次いで2ヶ月連続の刊行。俳優の佐野史郎がセレクトした19編の短編を収録。
ちょっと怖い怪異譚から、人間の愚かさを皮肉るユーモラスな短編など幅広い短編がセレクトされている。
『約束』。絵が『ガロ』っぽい青年向けマンガ。昔、友人と交わした約束。
『魔石』。W・W・ジェイコブスの名作『猿の手』をベースにしたホラー。猿の手が奇妙な石に変わっている。ストーリーは『猿の手』とほぼ同じ。
『はかない夢』。欲を張り過ぎれば良いことは無いということか。ある日の、カン太が家に迷い込んで来たねずみ男のような風体のカミサ
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