水木しげるのレビュー一覧

  • 総員玉砕せよ! 新装完全版

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    戦争という極限状態が「普通」になっていく状況で、組織全体が正気を失い、破滅へと進んでいく様子がありありと描かれている。でもそこにいる人間は人間性を失っていない。これが戦争の恐ろしさなんだろうな。

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    2025年07月29日
  • 水木しげるの少年戦記 太平洋戦争1 真珠湾攻撃・ミッドウェー作戦

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    水木しげるによる戦記物。水木しげるといえば反戦的という印象を持っていただけに、ある意味英雄賛美的な作品があることが衝撃的。解説の大木毅氏によると当初はフィクション的な要素も盛り込まれているけれど、徐々にノンフィクションが徹底されていくという。
    それでもまあ結構読み物的な色づけは多いのだけれど、それが故に読みやすさも維持されているということなのだろう。

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    2025年07月26日
  • 総員玉砕せよ! 新装完全版

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    命なんて虫けらのようにあっと言う間もなく消えていなくなってく戦友たち 戦争の無惨さ無意味さ、形容し難い身に余る思いが、今を生きる私には理解しきることは出来ないけれど、目に入る絵と言葉は痛みと空虚でしかなかった

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    2025年07月25日
  • 敗走記

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    水木しげるは鬼太郎などのような妖怪物語作家としても有名だが、戦争経験者としても同じくらいの有名だ。戦争経験者の中でも、水木しげるは漫画家という表現者として語る手段をもっていたのは重要だ。そして、後の世代のために語らなければならない、時には語らされる戦争経験者の中で、水木しげるは作家としての創作意欲からか、積極的に戦争を題材に取り入れていた。そしてその巧みな表現力は多面的な戦争を描いていたと思う。また読み返したくなるときがくるだろう。

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    2025年05月23日
  • 水木サンの幸福論

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    「ベビイ」の頃のやんちゃ話、戦争での壮絶体験、人気漫画家になるまでの苦労―どんな時も自分らしさを忘れない人生だったんですね。生涯現役を貫いた水木先生。まだ読んでない作品もたくさんあるので、大切に読んでいきます。

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    2025年04月06日
  • ヤマケイ文庫 水木しげるの山

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    水木しげる『水木しげるの山』ヤマケイ文庫。

    最近はヤマケイ文庫から矢口高雄、谷口ジロー、手塚治虫、白土三平など名だたる漫画家の作品が続々と刊行されるようになり、時代の変化を感じる。

    ヤマケイ文庫だけに少々値段は張るものの、水木しげるの『山』をテーマにしたオリジナルアンソロジーとなっては、購入して読んでみる価値は大いにある。

    深山や山里に住まう妖怪と人間が織りなす短編漫画12編の他、口絵にカラー版の日本の妖怪画24点とモノクロ版の世界の妖怪画12点を収録。


    『山姫』。青年誌に掲載された短編。山中で迷い、怪異に遭遇するのはよくある話。2人の富山の薬売りが山中を3日間も迷い、辿り着いた灯の

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    2025年03月12日
  • 水木しげるの古代出雲

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    昔の人々の願いや歴史を反映していると考えられる古代神話が好きなので、出雲大社や稲佐の浜、美保関や美保神社も何度かお参りさせてもらっている。合わせて島根県立古代出雲博物館や出雲阿国の墓なども見てまわったので、この中の話が、当時の時代や地理、鉄といった背景から読み解かれるのが興味深い。なお、中は小説ではなく漫画です。

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    2025年02月23日
  • 水木しげるの妖怪人類学

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    前回の「日本人とはなにか」レビューで私は「死後の世界の魂は、日本人の多くは我々の生活圏内の直ぐ近くにいると思っている」という意味のことを書いたが、図らずも、本書を読むとその仮説を応援してくれているみたいに感じた。

    本書は、3つの雑誌に書き継いだ氏の妖怪図鑑のようなものである。学術書ではないので、出典や証言の但し書きがない。人物或いは図が、具体的に何処を示していて、何処から事実に即していて、何処からが氏の創作なのかが判然としない。けれども、紐解けばわかるが、単なる氏の想像の産物として描いているわけではない。ことは推察できる。

    前半160頁に渡り氏のカラー図画があり、後半150頁はその解説とな

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    2025年02月23日
  • 敗走記

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    「戦争は人間を悪魔にする 戦争をこの地上からなくさないかぎり地上は天国になりえない」…前線に送られる。否応なく戦う。現地の人が暮らす生活圏を戦場にする。彼らも巻き込む。敵に通じるスパイか。時に命を奪う。劣勢になる。補給がままらない。食料が不足する。敵が迫る。部隊は崩壊し、命からがら抜け出す。生き残れるのは万分の一の偶然の重なり。逃げ帰っても迎えは冷たい。敗戦後は裁判にかけられる。犯罪者として追われる。囚われて執行される。…敗走。身を持って体験された方の言葉は重い。戦後80年。忘れ去られることのなきように。

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    2025年01月06日
  • 総員玉砕せよ! 新装完全版

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    戦争の恐ろしさは爆撃とかそういう目に見えるものだけではなく、根底にある無意識に強要された思想や価値観にもあると思いました。

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    2024年10月22日
  • 水木しげる厳選集 虚

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    水木作品は結構読んだつもりだったが既読は「古道具屋の怪」1作のみだった。佐野史郎の編の短編集だが、なかなか面白い作がそろっている。前月のヤマザキマリ編もそうだが何か選ばれた作品に通じるものがあるような気がする。

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    2024年10月11日
  • 水木しげる厳選集 虚

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    水木先生は、ねずみ男を産んだのがすごく発明だったというようなことをおっしゃっていたが、
    ねずみ男…もといそれぞれの話で何らか呼ばれている様子…が登場します。

    何らか社会的主張とか、メッセージ性…があるわけではなく、
    不思議な(時に不気味な)短編ばかりです。
    面白いです。
    選者佐野史郎っていうのも…!

    個人的には水木先生の劇画タッチの漫画も好きですけどね。

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    2024年10月04日
  • ほんまにオレはアホやろか

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    境港のリニューアルした水木記念館にて購入。知っている話も多かったが紙芝居時代など初見エピソードもあり楽しめた。みぃずきせんせーぃ!

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    2024年09月14日
  • 水木サンの幸福論

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    8月、特に前半は散々だった。だから癒やしを求めに旅に出た。そこでせっかくだからと寄った境港にある水木しげる記念館で水木しげる先生の半生に出会い、そして彼の言葉にずいぶん励まされた。そんなとき、この本を購入した。

    水木先生の半生についてが大半を占めているこの本だが、冒頭に示されている幸福七カ条には、このようにある。

    第一条 成功や栄誉や勝ち負けを目的に、ことを行ってはいけない。
    第二条 しないではいられないことをし続けなさい。
    第三条 他人との比較ではない、あくまで自分の楽しさを追求すべし。
    第四条 好きの力を信じる。
    第五条 才能と収入は別、努力は人を裏切ると心得よ。
    第六条 なまけ者にな

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    2024年08月31日
  • 戦争×漫画 1970-2020

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    戦争を扱う作品集。切り口は様々。初出は、古いもので1972年、新しいもので2019年。戦後ある程度経ってから世に出たものである。著者略歴をみると、戦後生まれの方がほとんど。体験していないものが戦争を語る。かつては批判されたものだという。それでは、いつか忘れ去られる。角田光代さんが危機感を述べている。…悲しく終わる話、心に染み入る話、インパクトを残す話、示唆に富んでいる話、残念ながら意味がわからなかった話。漫画という媒体では画の力が大きい。それは毒にも薬にもなるが、描かれることで後の世に伝わる何かがある。

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    2024年08月25日
  • 水木しげる厳選集 虚

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    ちくま文庫オリジナルの水木しげるアンソロジーの第2弾。選者は俳優の佐野史郎。

    前巻のヤマザキマリとはまた違った貸本時代の短編を中心とした如何にも佐野史郎が好きそうなラインナップ。選者によってここまでテイストの違うアンソロジーが出来るというのが水木しげるという漫画家の凄さとうか捉えどころの無さだなと思う。

    水木しげるはヤマザキマリが選んだような割とストレートな社会批判をやったりする一方で、ナンセンスや下ネタ、ねずみ男的なエゴや享楽性の肯定だったり、或るいは全てを突き放したような無常感や諦念、虚無を感じさせるものだったり本当に捉えどころがないが、同時にどれを読んでも「水木しげる」という描かれる

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    2024年08月14日
  • 水木しげる厳選集 虚

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    水木しげる、佐野史郎・編『水木しげる厳選集 虚』ちくま文庫。

    『水木しげる厳選集 異』に次いで2ヶ月連続の刊行。俳優の佐野史郎がセレクトした19編の短編を収録。

    ちょっと怖い怪異譚から、人間の愚かさを皮肉るユーモラスな短編など幅広い短編がセレクトされている。

    『約束』。絵が『ガロ』っぽい青年向けマンガ。昔、友人と交わした約束。

    『魔石』。W・W・ジェイコブスの名作『猿の手』をベースにしたホラー。猿の手が奇妙な石に変わっている。ストーリーは『猿の手』とほぼ同じ。

    『はかない夢』。欲を張り過ぎれば良いことは無いということか。ある日の、カン太が家に迷い込んで来たねずみ男のような風体のカミサ

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    2024年08月11日
  • ゲゲゲの鬼太郎 スポーツ狂時代

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    雑誌「週刊実話」で連載されていた水木しげるの「新ゲゲゲの鬼太郎 スポーツ狂時代」。墓の下高校からドロップアウトした鬼太郎の生活を描いた作品。「青春時代」からの続きで、今回もエロや下ネタがたくさんの大人向けな鬼太郎です。スポーツとして相撲や野球がメインになっているのが時代を感じます。Kissをパロッたバンドを組ませたり水木先生のアンテナの幅広さが凄い。それにしても先祖の霊毛で編んだちゃんちゃんこの扱いが色々と酷い。子供の頃はあんなに大事にしてたのに。「スポーツ狂時代」の続きの「新ゲゲゲの鬼太郎」も読みたい。

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    2024年08月11日
  • ゲゲゲの鬼太郎 青春時代

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    雑誌「週刊実話」で連載されていた水木しげるの「続ゲゲゲの鬼太郎」。墓の下高校に通うことになった鬼太郎の生活を描いた作品。鬼太郎、目玉おやじ、ねずみ男などお馴染みのキャラクターが登場します。掲載誌を見れば分かりますが、ネタがかなりエロ、または下ネタに寄っており、大人向けな鬼太郎です。ある意味、青春時代。なんだかんだ言って鬼太郎とねずみ男は良いコンビです。妖怪よりも宇宙人の出番が多いのはUFOブームだったからですかね。子供には見せられないけど、かつて子供だった人たちには読んで欲しいです。独特な世界観にハマる。

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    2024年08月11日
  • 水木しげる厳選集 異

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    某賞の審査員をしている方が編まれている+水木しげる先生の駆け出しファン(「のんのんばあとオレ」が好きです)なので、編者さんの好きな物語の傾向を知れればというシタゴコロもあったのですが、そこは漫画のパワーに蹴散らされました。コケカキイキイが好きです。

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    2024年08月07日