あらすじ
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鳥取県境港に育った水木しげるは幼いころ島根半島によく出かけていった。夢に現れた出雲族の青年の言葉に導かれ、隠岐に水木しげるのルーツを辿り、壮大な出雲神話に隠された謎に肉迫してゆく。水木版・古代出雲史!
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Posted by ブクログ
島根に旅行に行って、出雲大社にも参拝して、出雲の歴史を肌で感じて、ちゃんと神話のことも勉強しようと思った。地元の本屋さんに並んでいたので購入。マンガだし分かりやすくて読みやすかった。入門編&水木しげるの熱い思いが込められた本だと思いました。
Posted by ブクログ
昔の人々の願いや歴史を反映していると考えられる古代神話が好きなので、出雲大社や稲佐の浜、美保関や美保神社も何度かお参りさせてもらっている。合わせて島根県立古代出雲博物館や出雲阿国の墓なども見てまわったので、この中の話が、当時の時代や地理、鉄といった背景から読み解かれるのが興味深い。なお、中は小説ではなく漫画です。
Posted by ブクログ
おおむね古事記の漫画化だが、タイトルどおり大国主命にクローズアップして、出雲王国の滅びに思いを馳せる内容。
奇想天外な語りの古事記は、水木の不気味かわいい漫画と本当に相性がいい。
水木自身が登場して、現代から古代の真実を推し量る場面が随所に出てくるが、このあたりも見所。
Posted by ブクログ
水木しげるは、鳥取の境港育ちで、出雲神話には関心が高かった。番外編には、古代出雲青年とおぼしき人物が何度も夢枕に立ったので、古代出雲のことを書こうと思ったということ。実話かどうか分からないが。
参考文献の多さからも徹底的に調べて書かれた作品であることが伺える。細かく描かれているのでとても勉強になった。
大和朝廷ができる前は、オオクニヌシが日本の天皇であり、国譲りとして古事記で書かれていることも、そんな単純でなかったということで、出雲大社の建立の背景についても触れられている。古代の歴史にふれる良い機会になった。
Posted by ブクログ
出雲から美保関あたりの神社を友人についてまわったばかりで、記憶も新しく関心しきりでした。行く前に読んでいれば、また違った視点で観て回れたのではないかと思います。知的好奇心を刺激されました。
この本は、先生がお年をめしてからの本だと思いますが、先生のパワフルさが溢れています。いくつになっても意欲的に取り組む姿勢に、人のパワーは年齢に非ずだ!と勇気をもらいました。
Posted by ブクログ
最後に現れた番外編にたどり着くことで
随分と理解を深めることができたけれども
それでも情報が少なすぎて物足りない
できればもお一歩踏み込んでほしかった
例えば心の声とかナレーション等で
裏情報を描き込むことで
状況の選択肢を増やしてほしいし
水木流のストーリーを盛り込んでもらえればと残念だ
タタラ族に付いても唐突で
なぜ川を汚すのかとか
どこから来てどんな考えを持った民の可能性が強いのかなどの
空白が気になるし
縄文人についても暮らし振りと衣服のギャップに違和感があるし
何時どこからこの島に辿り着いたのかと思いを巡らすための
手掛かりがほしいし
一番の問題は
スサノオに始まり大国主の命に至る出雲族の立ち位置だろう
又高天ヶ原と天孫族の関係は同族同士なのか?
異なる種族なのか?
縄文人と出雲族と天孫族の関係は?
更には東北の民やアイヌの民や熊曾などの存在とどう関わるのか?
それにしても
大判の本で読めばこの描き込まれた精密な絵を
もっと楽しめたと残念に思う
Posted by ブクログ
荒神谷遺跡から銅剣などが発見され、水木先生は大和政権の前に出雲王朝があったのだと調査をはじめる。
天地創造、スサノオのヤマタノオロチ退治、国譲りなど古代出雲の物語。
出雲風土記や古事記の神話の解釈や意味、こんな風に考えればいいのかと納得。
Posted by ブクログ
せっかく出雲に行くしと思い、別の書籍で古事記をさらってみて、興味がわいた。水木しげるロードにあるお店で購入し、帰路のお供に。神様ってぶっとんでて面白い。
Posted by ブクログ
仕事で水木さんの調布のお宅に伺ったことがある。(僕は出版関係ではありません。)
子供の頃、テレビで最初のモノクロの鬼太郎を見ていた世代。
古代史は好き。水木さんは境港出身で、故郷の無念を露わそうとした漫画を購入。でも子供の頃は水木さんの絵はチョッと苦手だった。今、こうして見るとクセのある絵が凄くイイ。それから、女性を描くのが苦手だなと改めて思う。
朝鮮半島から来たアメノヒボコが播磨を占領したという解釈は賛成。普通、オオクニヌシが播磨まで勢力を伸ばしていた証拠とされる但馬国風土記だけど、普通に読んだら占領されたという解釈の方が正しいと思う。
悪魔くんとか、水木さんの漫画を改めて読んでみようかなと思っている。
Posted by ブクログ
どこまでが神話でどこからが史実なのか、突拍子もない展開に驚きつつもますます古代に興味を持ちました。一見憶えにくく眠くなる名前の長い登場人物も、水木さんに描かれれば記憶に残って理解しやすい。
Posted by ブクログ
水木しげるさん2012年の作品。最晩年の仕事ね…と思ってちょっと調べたら、水木さんは本当に亡くなる間際までほかにもたくさん漫画描いてらしたんですね。すごい。
さて内容はタイトルの通りなのだが、なんでもこの30年来、古代出雲族と思われる青年が水木サンの夢枕に立っては自分たちの無念を訴え続けてきたのだそうで、水木サン自身のルーツとも関わりの深い古代出雲のありし日の姿、そして国譲り神話の真実、これを描くのは自分の使命であると考え研究を続けてきたということである。
古事記はいわば勝者の言い分、そこで語られなかった真実を追い求めるという立場がはっきりしているので、ロマン溢れる読み心地で楽しめます。
でも内容の真偽のほどや、へ~情報よりも、水木翁が古代霊にせっつかれながら色々調べてこれを描いたっていうできごと全体が、なにより楽しい。
出雲での(弟子?の京極夏彦氏を伴っての)フィールドワークにも熱心だし、参考文献には2010年代出版の本も並んでいるし、精力的である。
そして、真面目なのにくすっとくる語り口。独特。