水木しげるのレビュー一覧
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読書録「ねぼけ人生(新装版)」4
著者 水木しげる
出版 筑摩書房
p240より引用
“人類が進歩するといったって、僕は、進歩
が必ずしも尊いとは思わない。世の中で一番
大切なことは、幸福である。”
目次から抜粋引用
“先祖のこと、家族のこと
爆撃で片腕を失う
紙芝居作者となる
貸本マンガ界の奇人たち
失われた楽園”
日本における妖怪研究の大家の自伝。
著者が生まれるきっかけから妖怪や死後の
世界への傾倒の理由についてまで、切実な状
況であっても実に穏やかな語り口で書かれて
います。
上記の引用は、かつて憧れた南の国の変化
について書かれた話での一節。
進歩が行き過ぎて -
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Posted by ブクログ
その飄々としたお人柄に加えて"両親が心配して一年遅らせて小学校に入れた"などのエピソードから想像しがちなのんびりした少年時代、でもそれは水木サン一流の照れ隠しであり実の姿は凄まじい天才少年であったことを裏付ける貴重な書簡集。
その出征を前に懊悩たる思いを書き綴った手記や戦地からの手紙は哲学そのものであり死を前にして生とは何かを自らに問いかける手法は時代を超えて心に強く響く。
愛弟子荒俣氏の解説も良く出来ており戦争と言う狂気の現場に立たされた若者の心の拠り所としての「読書」の意義がつぶさに書き表されている。読書の幸せ…この言葉を今考えなければ -
Posted by ブクログ
ふと気がつくと私の周りには既に戦前戦中、戦後の事を話してくれる人々がいなくなってしまった。
かつて親が戦争中や戦後の混乱した時代の事を話すときにすこしうざったく思っていたのが何とも悔やまれる。
なぜもっと聞いておかなかったのか、もっと尋ねておかなかったのか。
ただ、言い訳ではないが親達の語るそれはそれぞれの偏った思い入れがあるために聞く方にしてみればあまりにも重かったのではないだろうか。
けれども水木さんの「それ」はマンガで語る実体験であり、どのような事を描いてあってもひょうひょうとしていて、右にも左にも偏る事無く、私の胸に重い固まりを抱える事無く入ってくる。
本シリーズの7巻目は私が産まれる -
Posted by ブクログ
水木しげる追悼の意を込めて再読。
昔NHKでドラマをやっていたが、それが面白くて今でも鮮明に覚えている。
境港=鬼太郎ロードで賑わっているが、賑わう通りを一本脇に入ると、ついと鄙びた港町が現れる。あそここそが、しげーさんの故郷なのだと、久しぶりに読んで実感した。
1922年生まれのしげーさんが、12歳くらいの時の話だから、時は1934年とかその頃。この境港でも人身売買がされていたことが驚きだった。神戸の芸者置屋に売られて行く7歳の少女。東京から肺病で療養に来て亡くなっていく女の子。銀行で働く傍ら活動映写機を使って映画館を始めたり、「勉強なんて落第しない程度にやっておいたらええ、今は今でしか財産
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