水木しげるのレビュー一覧

  • 敗走記

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    ゲゲゲの女房視聴後、興味を持ち購入。戦争短編数編が収録されているが、そのどれもに共通して感じたのは物語の悲しさと美しさである。戦争モノは戦争の悲劇性ばかりを捉える作品が多い印象を抱いていたが、水木しげるの戦記物は、死のもつ悲しさだけでなく、美しさも描いている。さらに当時の日本軍の描写に関しては、彼らの精神性や価値観に対して、嘲笑するのではなく美しいものは美しいのだ、と誠実さを感じる。「生」の醜さ、素晴らしさ、「死」の悲しさ、美しさ、戦地で実際に戦ったからこそ描けた作品。

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    2018年11月17日
  • ゲゲゲの鬼太郎(8)

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    「むかしからおかみは大会社に対する保護基準は甘いけど貧困者に対する生活保護基準は厳しいからね」とはねずみ男のセリフ。1968年だってさ、マガジンに掲載されたのは。
    今も昔も変わらないんだとさ。

    のっぺらぼうの人だまてんぷらが、なんとも怖かったけどどんな味するんだろう、と思ってみていたのを思い出すなぁ。あれかな、カニクリームコロッケみたいなのかな?

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    2018年10月21日
  • 決定版 日本妖怪大全 妖怪・あの世・神様

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    水木しげるの妖怪研究(?)の集大成ともいえる大作。全923ページにわたり、妖怪・あの世・神様が1ページ1種類で記載されている。

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    2018年10月11日
  • ねぼけ人生

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    奇人変人のイメージが強いし、インターネット上ではかくも鬼畜のように書かれていたり
    本人の言葉でも あまりにもくだらなかったり汚かったり馬鹿らしい話が多いけれど、その バカのマントで身を覆ってきた人なんだろう 本当は誰よりも繊細で、心配性で、悲しがりだったのかもしれん 分からんけど

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    2018年07月25日
  • 猫楠 南方熊楠の生涯

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    ネタバレ

    汚い。汚すぎる。ち●こ、ゲロが出まくりである。だから信頼できる。やべぇ奴すぎて、漫画にピッタリだ。猫可愛い。

     読んでて身体がかゆくなりました。



     はっきりいって、南方熊楠が何をやったかについてはよくわからない。それは他の本で読め。

     でも熊楠の人間味がよくわかる。そういうところがいい。彼の人間性に迫るために、猫の視点にしたのだから。猫の動きが愛嬌があっていいなぁ。

     「タクト」の話が、その部分だけが急激にまじめだったな。
     自然の摂理のような意味でタクトという言葉を使っていたが、鶏の卵を例に挙げている。鶏の卵は外敵に割られないように固いが、中から雛が出てこれるだけの固さでもある。

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    2018年07月12日
  • 補巻 媒体別妖怪画報集 水木しげる漫画大全集(5)

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    『秘密の動物誌』とかから取材したものが描いてある
     「オオナゾベーム」とか「イカモドキ」など、鼻行類も出てくる。
     いいけど松本(長野県)のどこぞにある異世界でどうのって、この絵って「日本の天国」の絵の使ひ回しだってな(話がアレなのだが若干嬉しい)。

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    2018年07月01日
  • 猫楠 南方熊楠の生涯

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    南方熊楠の伝記漫画かな?と思って購入。読んでみると、熊楠の人生を元にしたファンタジーのような妖怪もののような民俗学チックな話のような、不思議な漫画だった。

    幽霊の描き方や、緑深い山林の描き方が素晴らしい。細かな点描による印影のおかげで、一コマ一コマがまさに芸術だ。絵から、草木の生命が空気に満ちているのを感じる。点描はトーンを貼っているのではなくペンで描いたものらしいと聞いたことがある。すごい技術だなと改めて思った。

    南方熊楠がどんな人物だったのか興味が湧いた。

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    2018年06月19日
  • ゲゲゲの鬼太郎(4)

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    四国八百八たぬきとの対決シリーズ「妖怪獣」。
    妖怪狸は剽軽や滑稽なイメージなんですが、こちらの狸は恐ろしさがあふれています。

    結構怖いぞ。

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    2018年06月16日
  • ゲゲゲの鬼太郎(2)

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    鬼太郎第2巻。
    ここで登場、西洋妖怪親玉バックベアード。鬼太郎のおかげで、真女神転生Ⅰでも、外道最上位の悪魔として登場してます。金子一馬画集の解説でも、鬼太郎云々と書いてますね。影響力の強さ。

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    2018年05月22日
  • ゲゲゲの鬼太郎 鬼太郎地獄編 他 水木しげる漫画大全集

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    けっこう あっちとかそっちで出てるやつが入ってて良い。
     『ブルートレインおばけ号』が何となく好きなので、入ってるのは大変よろしい。
     うむっ。

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    2018年05月04日
  • 木槌の誘い 水木しげる漫画大全集

    ネタバレ 購入済み

    『稲生物怪録』を題材に

    『稲生物怪録』に興味があり購読しました。前半は『稲生物怪録』、後半は作者とアリャマタコリャマタ(荒俣宏)らが縄文時代の精霊信仰などから妖怪の真実を追い求めようと不思議体験をする話。

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    2018年03月31日
  • ほんまにオレはアホやろか

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    笑った!でも、戦前から戦後を逞しくマイペースに生き抜いて、アホみたいなのに絶対天才だと思う。前向きになれる本。

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    2018年03月24日
  • 神秘家列伝 其ノ壱

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     先生はこの本の中でかういふ企画を興すにあたって、「老けた」的なことを言ってゐるが、ブードゥーの鼻祖マカンダルについてのいろいろでは、ブードゥーの「神話」としてシニカルに捉へてゐたり、けっこうまだまだこのぢぢいは現役。
     その作者の、「幸福観察学」がこの本でも何となく、出てくる。

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    2018年03月20日
  • 猫楠 南方熊楠の生涯

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    水木先生は、信者ぢゃないやお弟子から、南方熊楠と比較されてきたが、なのでまえ「ざっくり熊楠伝」はあったのだが、これは南方大先生が紀州へ引きこもってから、謎のぬこの目を通して彼は幸福だったかを説く。
     息子さんが発狂したり隣家と抗争したり、いろいろあった様を書くが、幸福であるかはうにゃうにゃ。
     これ読んだ後、南方熊楠全集読んでたら、「フマキラー」が出てきた。あああ、フマキラーだ。

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    2018年03月09日
  • 水木版 妖怪大戦争

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    先日の交換会でいただいたので、目の冴えちゃった夜に読んでみました~~w

    いやー、ストーリーはともかく、水木先生の画は素晴らしいな!!!

    京極センセとか登場してるし!www

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    2017年11月05日
  • ほんまにオレはアホやろか

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    自叙伝とは、それを書く事を許される地位のある人によるものだから、どうしてもドラマチックな苦労話からの成功体験仕立てになりがちだ。だから、ストーリーの設定は違えど似たような帰結になり、挙げ句の果てに自己啓発的な売り方がされもすれば、これは、読む前から内容が分かってしまうツマラナイ感じがしてしまう。でも、成功とは何なのかという価値観が常識、というか多数派と違うものならば、顛末が変わってくる。水木しげるは、まさにその価値観が違うのだろう、一味も二味も違う自叙伝。土人の生活を理想かなと感じながら、しかし、食うために生活にしがみつく現実。紙芝居から貸本、漫画雑誌へと、戦後の漫画界における変遷と共に、その

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    2017年10月30日
  • 猫楠 南方熊楠の生涯

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    南方熊楠は、慶応3年、和歌山に生まれた博物学者である。
    博物学者とひと言で言うが、その興味は広く、民俗学や生物学、人類学、生態学とさまざまなものに渡った。記憶力は驚異的で、よそで100冊の本を読んできて、家に帰ってから書き起こすほどであったという。語学力も抜きん出ており、18ヶ国語を操った。英学術誌、Natureへの論文掲載は51本あり、単著では最多という。
    これだけであれば、天才・秀才というところだが、熊楠の尋常ならざるところは、その学識だけではなかった。癇癪持ちで著しい奇行はおよそ凡人のものではなかった。一例を挙げれば自由自在に嘔吐ができ、気に入らない相手には吐瀉物を吹きかけることができた

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    2017年10月29日
  • 完全版水木しげる伝(中)

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    ネタバレ

    漫画なのに、読むのに時間がかかった。
    戦争時の説明は難しくてよくわからなかったけど、ニューブリテン島での生活、引き揚げてからの生活はかなりリアルで、庶民として兵に取られ、マラリアにかかるわ、殺されかけるわ、帰ってきてからも貧困で、奇跡の連続で生き抜いた一庶民としての水木しげる、いや武良しげるの当時の生き様を見ることができる。読み応えがあった。

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    2017年10月25日
  • カランコロン漂泊記 ~ゲゲゲの先生大いに語る~

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    戦争の悲惨な思い出も、貧乏な時代の思い出も、今はもう飄々と語ることができる遠い記憶の中。水木先生はとにかくよく食べる人だったらしい。だから、片腕は失っても、長生きされたのでしょう。人は人、自分は自分、で、ゆったり生きる、そういう生き方も大事かも知れない、と思った。

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    2017年04月28日
  • ねぼけ人生

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    『ゲゲゲの鬼太郎』で有名な水木氏の自伝。戦争に行ったり、極貧の暮らしをしたり、でも前向きに生きる水木氏の姿勢に心を打たれた。
    水木氏の父親は「何とかなる主義」という奇妙な主義を信奉しており、周囲にもその同調者が多かったというが、きっと水木氏も「なんとかなる主義者」なのだろう。


    「死後の世界」「霊的なもの」についてどう考えるかは人それぞれだが、『霊魂が肉体の衣を着る』という水木氏の考えには、成程なぁと思った。
    真っ暗な境港から海峡を隔てた島根半島を見ると何か居そうな気がする、というのもうなずける。電灯なんてあまりない時代だから、闇に浮かぶ巨大な山の影に霊の存在を感じたこともあっただろう。

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    2017年03月26日