水木しげるのレビュー一覧
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その飄々としたお人柄に加えて"両親が心配して一年遅らせて小学校に入れた"などのエピソードから想像しがちなのんびりした少年時代、でもそれは水木サン一流の照れ隠しであり実の姿は凄まじい天才少年であったことを裏付ける貴重な書簡集。
その出征を前に懊悩たる思いを書き綴った手記や戦地からの手紙は哲学そのものであり死を前にして生とは何かを自らに問いかける手法は時代を超えて心に強く響く。
愛弟子荒俣氏の解説も良く出来ており戦争と言う狂気の現場に立たされた若者の心の拠り所としての「読書」の意義がつぶさに書き表されている。読書の幸せ…この言葉を今考えなければ -
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ふと気がつくと私の周りには既に戦前戦中、戦後の事を話してくれる人々がいなくなってしまった。
かつて親が戦争中や戦後の混乱した時代の事を話すときにすこしうざったく思っていたのが何とも悔やまれる。
なぜもっと聞いておかなかったのか、もっと尋ねておかなかったのか。
ただ、言い訳ではないが親達の語るそれはそれぞれの偏った思い入れがあるために聞く方にしてみればあまりにも重かったのではないだろうか。
けれども水木さんの「それ」はマンガで語る実体験であり、どのような事を描いてあってもひょうひょうとしていて、右にも左にも偏る事無く、私の胸に重い固まりを抱える事無く入ってくる。
本シリーズの7巻目は私が産まれる前後、終戦を挟んだ日本の混乱と発展が描かれていて、物心つかないながら自分が経験してきたはずの日本も探る事が出来る。 -
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水木しげる追悼の意を込めて再読。
昔NHKでドラマをやっていたが、それが面白くて今でも鮮明に覚えている。
境港=鬼太郎ロードで賑わっているが、賑わう通りを一本脇に入ると、ついと鄙びた港町が現れる。あそここそが、しげーさんの故郷なのだと、久しぶりに読んで実感した。
1922年生まれのしげーさんが、12歳くらいの時の話だから、時は1934年とかその頃。この境港でも人身売買がされていたことが驚きだった。神戸の芸者置屋に売られて行く7歳の少女。東京から肺病で療養に来て亡くなっていく女の子。銀行で働く傍ら活動映写機を使って映画館を始めたり、「勉強なんて落第しない程度にやっておいたらええ、今は今でしか財産をいっぱい作ったらええ」と言うへたれだけど素敵なお父さん。
鬼太郎よりももっと現実的な世界だけに、リアルな時代を生きる人を感じられて面白い。
子どもだからってごまかさないで真剣に話してくれるのんのんばあと、しげーさんは十万億土で再会していることだろう。
それにしても、コテコテの境港弁は、鳥取歴弱冠2年の私にはまだまだ到底未知の言葉だでね。
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それはなあ
千草さんの魂がしげーさんの心に宿ったけん心が重たくなっちょるだがね。
でもしばらくするとその重たさにも慣れるけん。心配はいらんよ。
身体は物を食うて大きくなるけど
人の心はなあ いろんな魂が宿るけん 成長するんだよ
小さい頃からいろんな物を見たり触ったりしてきちょるだろ
石には石の魂があるし 虫には虫の魂があるけんなあ
そげんさまざまな魂が宿ったけんしげーさんはここまで成長したんですなあ
でも ときに宿る魂が大きすぎることがあってなあ
これから先はもっともっと重たい魂が宿るけんなあ
でもしげーさんの心もその重たさをもちこたえるぐらいに大きくなって
大人になっていくんだでね -
Posted by ブクログ
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仏教もやる。博物もやる……いじけるな、自分を小さくするな、俺は哲学者になる。21
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自分と言ふものにびつくりした。俺なる実在は、俺の思考がとうてい及びもつかない程、複雑怪奇だ。ひとつ一生涯をこのものを観察しつゝ暮さうか。24
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芸術品を造るものは何よりも人にならねばならぬ。25
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仏教のような唯心論には反対だ。人間は心と肉とよりなる。27
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一たらんと欲すれど本性が多なる以上、死する決意あらざる限り、一とは成り得ない。30
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宗教には情熱があるけれども道徳にはない。だから道徳はいやだ。32
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「習慣でない限り自分のものではない」とは真理だ。43
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一分でも一秒でも自分になつて行く事だ。自分の中にある自分を進ませまいとするものに一分でも一秒でも心をゆるしてはならぬ。
キリストを見よ。彼は全身を以て、そして一生を以てつ彼自身と戦つたのではないか。油断は禁物だ。48
人生と言ふ広い所での隣人は、努力し、努力し、自分の思ふものを造る人達だ。48
そう言ふ人がキリストの友だ。熱心に人間になろうとする人が友だ。
釈迦でもキリストでも、その教団の凡人共より、漱石やニイチエやそんな人を愛する事を欲したのだ。49
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「学問は分かれて科学と哲学となる。科学の対象は現象であり、哲学の対象は価値である」119
河合は本題の「読書の意義」を次のようにまとめるのです。読書とは自己教育であり、自己とは何であり、何であるべきかの内容を与えるのが読書である。ここに読書の第一の意義がある。121
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「漱石の語を否定する程俺は自惚がない。それは損んだ。こんな時代で一番ものを言ふものは自惚だからな――」
自分を自分にする最大の力は「自惚だ」と語っています。184
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