あらすじ
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博物学・民俗学・語学・性愛学・粘菌学・エコロジー……。広範囲な才能で世界を驚愕させた南方熊楠。そんな日本史上最もバイタリティーに富んだ大怪人の生きざまを天才・水木しげるが描く。
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案内役の猫たちが、とぼけたいい味を出している。熊楠はロンドン時代から猫を飼っていたから、まさに適役。(猫と言えば、漱石を連想させるが、熊楠とは大学予備門で同級だったし、同じ時代のロンドンも経験していた)。
破天荒なその生涯。その計り知れない学識。それに輪をかける(あるいは水をさす)ように、下品で猥雑なエピソード、そして数々の奇行。身のまわりも衛生的とは言い難かった(はっきり言うと、汚かった)。水木しげるの絵のタッチは、なぜかしらこれらによく合う。
ここやあそこは話を盛ったかな。そう思って、途中から神坂次郎『縛られた巨人 南方熊楠の生涯』(新潮文庫)を併読するが、そこにもはっきりそう書かれてある。
後年は悲しい。研究所設立の資金集めの苦境、弟・常楠との絶縁、愛息・熊弥の精神病……、昭和天皇への御進講が唯一の救いとなる。亡くなるのは昭和16年12月、日米開戦の直後だった。
熊楠を描き切るには、相当なエネルギーが要ったはず。描いた水木しげるはこの時70歳。その力強い筆致に最後まで圧倒されまくる。
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興味範囲が異分野過ぎておもしろいし、魅力的なキャラクターだし、水木しげる先生もすごい。
坂本龍馬のマンガに寄与した武田鉄矢なみにスゴイ(微に入り細を穿つ的褒め)
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たまたま、和歌山に旅行に行き、南方熊楠記念館で購入した。水木しげる先生が好きだったこともあり、南方熊楠をどういう風に描いているのか興味があったが、まさか猫を通して、話させるとは思わなかった。凄い発想に感服‼︎
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熊楠を水木しげるが描くというだけでわくわくするじゃないですか。怪物と怪物の共演。
基本的には史実にとても忠実だけれど、水木しげるならではの注目ポイントや人物の描きかたがあり、生々しさが良かった。
素晴らしい功績と頭脳やその哲学は知っていたが、パワフルで横暴な熊楠、研究に一途な熊楠、家庭での熊楠。いろんな面を感じることができて面白かった。
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その昔、中一コースの付録、文庫サイズの冊子『知られざる大天才』で熊楠の名を知った。確か「くまくす」とルビが振られていたように思う。
その後、稲垣足穂『少年愛の美学』や水木しげる短編『快傑くまくす』でさらに親しみを覚え、神坂次郎『縛られた巨人』にも手を伸ばした。
バートン版『千夜一夜物語』の該博かつ下がかった訳注に接した時は「イギリスの熊楠!」と思ったものだ。
『猫楠』の自由闊達な展開、これぞ八十代にして到達する境地(幽仙境)に外ならず。
惜しむらくは、後年の昭和天皇が南紀白浜を訪れた際、熊楠を偲んで詠んだ御製が紹介されなかったこと(御製に個人名が詠み込まれることは極めて珍しい)。『猫楠』は『快傑くまくす』との併読が望ましい。
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気にはなっていたけど、学者の一側面しか知らなかった南方熊楠という人は、こんなに痛快な人だったとは。それを水木しげるが描いて、猫が解説してる、なんて凄い漫画。終始、変態(ほめ言葉)しか出てこなかった。とても深く面白く人間を感じる内容でした。
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世界に誇る民族・博物学者南方熊楠についての本です。
すでに多くの伝記が書かれていますが、熊楠が言葉を越えた神秘の存在とコンタクトをとる世界観は、漫画という表現が一番ふさわしいのかもしれません。
実際に18ヵ国語に通じていたと言われる熊楠ですが、この作品ではプラス猫語を操り、パートナーのトラ猫とのコンビが絶妙です。
天才としての姿だけではなく、家族や自然を愛し苦悩する姿や、可笑し味に焦点をあてた作品です。
ペンネーム 六
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博覧強記の大変態、南方熊楠。その伝説の数々は今更自分の語るところではない。英語、フランス語、ドイツ語はもとよりサンスクリット語に至るまで19の言語を巧みに操り、科学雑誌『ネイチャー』に掲載された論文、記事51編は、未だ世界で最多を誇る。柳田国男をして「日本人の可能性の極限」と言わしめた大天才。無類の酒好き、女好きにして、40歳まで童貞。ついには昭和天皇に進講する際、標本をキャラメルの空き箱に入れて献上したことは、あまりにも有名。なお、そんな南方熊楠に敬愛を表して、さる水木しげるは紫綬褒章受賞の際、その時と同じ燕尾服にシルクハットの出で立ちであったという。
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グループのメンバーの壮行会で、本を贈ろうと思って代官山の蔦谷書店に行った。そのときに見つけた本。実は、贈る本の一冊だったのだが、自分もほしくなって買ってしまった。
南方熊楠の生涯を水木しげるがマンガで描くという、なんともいえぬ世界観になっている。熊楠の生涯が良くわかるし、僕はお勧めしたい。熊楠は猫が好きだったらしい。このマンガの中にも出てくるが、猫が好きなので猫楠ということらしい。
南方熊楠は和歌山の博物学の巨匠。だが、その範囲は広すぎて、どの本を読んだらいいのか分からなかったりする。ともすれば、奇行にフォーカスしすぎだったりもするけど、伝記として読めると思う。写真で見る熊楠は、意外とハンサムだ。でも、裸で過ごしたり、南紀の山奥に入り精霊を感じたり、その行動はとにかく破天荒。だが、今の東大を出て、米国に渡り、そして英国博物館で仕事をこなしながら雑誌ネイチャーに投稿するなど、とにかく、興味と好奇心の塊として何事にも取り組んだ。不思議な人だと思う。
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おちんちんを蟻にかじられて腫れて二倍の大きさになったから、これはと思い、おちんちんを二倍にする研究をしはじめるひとらしいです。猫語も話せるようです。水木さんが描くぐらいだから実在した魑魅魍魎のたぐいであり、おもしろくないわけないでしょう。
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田辺の小さな神社と、そこに息づく生き物達や粘菌を一生をかけて守ろうとした熊楠の生涯。
破天荒な熊楠に翻弄されながらも、同じ志を持ち権力と真正面からぶつかり闘う。熊楠の友人達の優しさに泣ける。
熊楠も仲間がいてくれたからこそ、歴史に名を残す学者になれたんではと思った。
猫楠とその彼女、魔女とタッグを組んでる老猫。猫達が可愛すぎ。
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南方熊楠記念館に行った後、丁度京都の行きたかった本屋さんで見つけて運命だと思って購入
南方熊楠の荒々しいところ、猥談やしょーもないことをするところ、全てが新鮮で、大好きな水木しげるさんで漫画化。面白くないわけがないな〜!
一生を粘菌に捧げ、周りから愛される南方熊楠、もっともっと知りたくなったなあ
生命について
人には魂が3つ4つあるんだという話やその他死生観がなるほどと思わせるものばかりでした。
この時代の人々は、偉い人でも乱暴だったんだなぁとか、、裸が当たり前に出てきますが、なんだかとても自然な感じで描かれてて、ビックリはしつつも読めてしまいました。
人生でこんなにあそこの絵を見たのは初めてでした。
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破天荒な天才、南方熊楠の伝記。
十四か国語を習得した上に、猫語も解したという熊楠を、飼い猫となった「猫楠」の視点から描く。
奇才ぶり、ひとたび戦うことになれば徹底的な戦いぶり、心を病んだ息子への愛情など、どれをとっても規格外。
それでも支持者を得て、やっていける。
私のような凡人には理y解が及ばない。
興味の赴くままに研究した彼が魅了されていたのが、生と死が混在する命の有様で、それを最も感じさせるのが粘菌だった、ということはよく理解できた。
死んだ後の世界がそんな結構なところなら、人間はみんな死にたがるはずだ、というのも、虚を突かれた気がする。
ついでに、猫又踊りが楽しそう。
ちょっと参加してみたい気がする。
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奇才が奇才について書いた漫画。
いや、ちょっと違う。
怪人が怪人について書いた漫画、だ。
南方熊楠と水木しげるの出会いは必然だったのでは、
と思えるほど絶妙な組み合わせだ。
ただ、電車の中など公共の場で読むのはあまりオススメ
しない(笑)。
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汚い。汚すぎる。ち●こ、ゲロが出まくりである。だから信頼できる。やべぇ奴すぎて、漫画にピッタリだ。猫可愛い。
読んでて身体がかゆくなりました。
はっきりいって、南方熊楠が何をやったかについてはよくわからない。それは他の本で読め。
でも熊楠の人間味がよくわかる。そういうところがいい。彼の人間性に迫るために、猫の視点にしたのだから。猫の動きが愛嬌があっていいなぁ。
「タクト」の話が、その部分だけが急激にまじめだったな。
自然の摂理のような意味でタクトという言葉を使っていたが、鶏の卵を例に挙げている。鶏の卵は外敵に割られないように固いが、中から雛が出てこれるだけの固さでもある。絶妙なバランスで硬さがきまっている。これがタクトだという。
人間もまた、外圧と内圧のはざまでバランスをとっている。世間体を演じる自己統制てきな自分と、内面世界の本能に忠実な自分。
建前と本音ってやっぱり大事なんね。天衣無縫の熊楠もやっぱり建前はわかっていたんだもなぁ。
あと、マラにフマキラーを突っ込むところも好き。
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南方熊楠の伝記漫画かな?と思って購入。読んでみると、熊楠の人生を元にしたファンタジーのような妖怪もののような民俗学チックな話のような、不思議な漫画だった。
幽霊の描き方や、緑深い山林の描き方が素晴らしい。細かな点描による印影のおかげで、一コマ一コマがまさに芸術だ。絵から、草木の生命が空気に満ちているのを感じる。点描はトーンを貼っているのではなくペンで描いたものらしいと聞いたことがある。すごい技術だなと改めて思った。
南方熊楠がどんな人物だったのか興味が湧いた。
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水木先生は、信者ぢゃないやお弟子から、南方熊楠と比較されてきたが、なのでまえ「ざっくり熊楠伝」はあったのだが、これは南方大先生が紀州へ引きこもってから、謎のぬこの目を通して彼は幸福だったかを説く。
息子さんが発狂したり隣家と抗争したり、いろいろあった様を書くが、幸福であるかはうにゃうにゃ。
これ読んだ後、南方熊楠全集読んでたら、「フマキラー」が出てきた。あああ、フマキラーだ。
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南方熊楠は、慶応3年、和歌山に生まれた博物学者である。
博物学者とひと言で言うが、その興味は広く、民俗学や生物学、人類学、生態学とさまざまなものに渡った。記憶力は驚異的で、よそで100冊の本を読んできて、家に帰ってから書き起こすほどであったという。語学力も抜きん出ており、18ヶ国語を操った。英学術誌、Natureへの論文掲載は51本あり、単著では最多という。
これだけであれば、天才・秀才というところだが、熊楠の尋常ならざるところは、その学識だけではなかった。癇癪持ちで著しい奇行はおよそ凡人のものではなかった。一例を挙げれば自由自在に嘔吐ができ、気に入らない相手には吐瀉物を吹きかけることができたという。猥談も大好きで始終一物をぶら下げて歩くが、一方で意中の相手を目の前にするともじもじしてしまう。ある種、無邪気と言ってよく、子供がそのまま大人になったようであった。浮世離れしているというか、出世や金銭には興味がなく、自分の感覚に素直な人物であったのだろう。
そんな「怪人」を、妖怪を描かせたら右に出る者がいない水木しげるが描くのだから、濃くならないはずがない。
水木は怪人・熊楠を描く狂言回しとして、1匹の猫を配す。熊楠は実際、猫好きであったことが知られており、どんなに困窮しても、手元には常に猫がいたという。食べ物は自分がしゃぶった残りかすを猫に与え、布団代わりに猫と寝たというから恐れ入ったものである。
物語は熊楠がアメリカ・イギリスへの外遊後に和歌山に戻ったところから始まる。熊楠は野良猫を飼い、これを「猫楠」と名付ける。実は猫語も操れる熊楠は、それまでの体験を語って聞かせたり、研究に伴ったりする。猫はこの後、熊楠の半生をじっくり見ていくことになる。
熊楠が熱心に取り組んだ粘菌の話もあれば、自身の結婚にまつわる逸話もある。遠野物語のように、妖しのものとのエピソードもある。大小さまざまな事件に熊楠が奮闘する様を、猫楠と仲間の猫たちがゆるりと見守る。猫であるだけに、必要以上に熱くなったり立ち入ったりしない。暑苦しくはないが、さりとて無関心でもない、「猫目線」の距離感が、熊楠ほどの大変人を扱うには、意外にちょうどよいのかもしれない。
全般にこの人は、常人とは違う透徹した目で周囲を見ていたように思われる。同じ世界にいても、他の人と見えるものがまったく違う。それはさながら、ユクスキュルの『生物から見た世界』で、種の違うもの同士がまったく違うものを見ているかのようだ。
晩年、熊楠は昭和天皇に粘菌に関して進講をする栄誉に浴する。それは大きな喜びであったが、一方で、その数年前には、かわいがってきた長男の発狂というショッキングな事件もあった。
粘菌だけでなく、植物や菌類の標本も数多く、熊野の自然を愛し、時代に先駆けて森を守る運動に奔走した。
孫文や柳田国男、ディキンズ(『方丈記』の英訳者)など、多彩な人物との交流もあった。
よく笑い、よく怒り、よく学んだ、密度の濃い一生。
熊楠という複雑な巨人を知るには恰好の1冊だろう。
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漱石の猫方式で南方熊楠の日常を描く傑作。
とにかくチンポと反吐まみれ。
研究成果云々ではなく熊楠自身の人間性により曼荼羅が体感できるよう描かれている。
誠実な描き方で、しっかりと伝わってくる。
バイタリティの固まりにバイタリティを上塗りしたような超人的超人。
こういう人に限って「人が好き」なのだ。
しかし長男の狂気は、なんとも辛く苦しい心情に、こちらの胸も潰れそうだ。
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水木しげるからの視点で描かれる南方熊楠像。猫に語らせるのがまたいい。これと言ったらとことん突き詰めていく探究心、酒好き、豪快さ、子煩悩なところなどなど人間性も、垣間見れて、その偉業さに圧倒。粘菌のことなら一直線な姿、粘菌についての文献を読むのに言語までもマスターしちゃう。本当にすごい人だ。
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水木版南方熊楠の伝記。主として留学から帰国後の歩みを描いている。熊楠は猫好きだったとのことで、猫を熊楠の相棒として登場させている。熊楠には息子と娘がいたが、いずれも子をもうけなかったのでこの破天荒な天才の血は途絶えてしまった。日本はもちろん、もしかしたら世界にとっても大損失のような気がした。
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最近はまっている南方熊楠。。こないだ読んだ伝記本は、最後には涙が止まらないほど、その孤独を孤独として書いたドラマチックな本だった。子どもが生まれたなら、南方熊楠といつまでも肩を組んでいられるような子になることを願った。
でもまあさすが水木しげる先生だこと。熊楠がかわいがった「猫」が見る熊楠は、どうしようもなくて、ひょうきんで、下のことばかり言っていて、学術的名声の反面にみる天才ゆえの孤独というよりは、「本当にどうしようもない人だった」というエピソードばかりの羅列と言うか、ロマンチックに浸りたい熊楠観をがつんと殴られるような気持ちであった。さすが。
しかし更にすごいのはそれではなくて、この「本当にどうしようもない」奥に見え隠れするしんみりとした孤独がなんとも言えないいい味。というか、この人にしか書けないなあというなんとも人間臭くて、思わず愛してしまう熊楠が見え隠れしている。何を書いても水木しげるだなあとしみじみ感じるというわけです。
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いや…もう、絵がとにかくすばらしすぎる!! コマ割りもネームも、妖怪ものとは違い、細かく、細心の心遣いをしている感じがした。これは本当に水木先生の真骨頂です。
とにかく長く、読み応えは満点。個人的には前半の熊楠のはちゃめちゃな半生より、所帯をもって定住してからのストーリーがよりうならされた。金に汚い弟夫婦だとか、先生とあがめる周辺の人間がびた一文助けないとか、熊楠の視点からの当時の日本文化を描き出しているのも水木先生のお家芸。
息子の熊弥がてんかんでヨイヨイになってしまってからの話も迫力があり、何度も読み返してしまう。息子が描きためた粘菌の絵を、発作を起こして自分でびりびりにしてしまう、そのときの熊楠の涙の描写。熊楠がちゃんと死ぬところまで描いた漫画家は、もしかしたらいないんじゃなかったか? とにかく、名作です。
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『きのこの話』(新井文彦)、『狼 その生態と歴史』(平岩米吉)、『絶滅したオオカミの物語』(志村真幸 渡辺洋子)の3冊をキッカケとして読む事になった『猫楠』(水木しげる)。
この3冊の中に出てきた人物こそ南方熊楠。
紹介内容がユニークで
❶ 昭和天皇にキャラメル箱に入った粘菌進献。
❷狼の糞の相談を受けた人物。
❸ 【オオカミの研究者】として語られ、イギリスにも滞在してロンドン動物園にしばしば足を運んでいた人物。
などなど…。
これだけ連続して読むと「この人物は一体何者?」と気になり本書を手に取った次第でございます。
私自身【きのこ】と【狼】からこんなに読書が続くと思っていなかったので何だか笑えてきた。
南方熊楠が残した業績よりも生涯の話からスタートし、
本書を読んでも【自身の癇癪と闘い続けたエロい学者さんとその家族&仲間たち】という印象しか持てなかったけれど、
「業績に隠れた人の中身ってこんなものなのかもしれない」と思えてきた。
そして、
【学者の好奇心&知識欲】って凄まじいとも思いました。
「何でこれはこうなっているのか?こんな現象が起こるのか?」という問いの中に、
【きのこ】と【狼】がいたんだなぁ。
それにしても…
それらの解明シーンにおいてほぼほぼ全裸なんて人初めて見たわ。
Posted by ブクログ
和歌山に旅行する前に予備知識として読んだ。熊楠の生涯を垣間見るために優れた入門書だと思う。
これを読んで熊楠に興味を持たれたかたには、白浜まで飛んで記念館や資料館まで行かれ、神島を眺めてみることをお勧めします。私のような素人にも十分楽しめました。
Posted by ブクログ
南方熊楠伝を、水木しげるサンが飼い猫「猫楠」の目を通して描く。
前に読んだ「縛られた巨人」も参考文献のひとつに挙げられているし、大まかな系譜やエピソードはほぼ同じなんだけど、「(熊楠が専攻している)粘菌は動植物ともつかぬ奇態な生物や」「生死の現象、霊魂の研究にはもってこいの材料や・・・」(35ページ)という台詞に代表されるごとく、死生や輪廻といった、熊楠の根源的な関心に焦点が当てられている。
水木サンのコマ割は、そもそも普通のマンガの語法と比べて微妙に時空の取り方が違っているので、熊楠の独特かつ奇態な人生風景にはぴったりハマっている。熊楠そのものがある意味妖怪なので、水木サンが取り上げる必然性も感じつつ、よくぞ描き残してくれたという嬉しさが湧いてくる。
巻末に中沢新一氏(宗教学者)との対談が載っていて、そこで中沢氏が「粘菌学に集中することで、巨大な脳の分裂状態を繋ぎ止めていた」という意味のことを語っているのも面白い。
Posted by ブクログ
キノコに詳しい粘菌学者、という漠然としたイメージしかなかった南方熊楠。この漫画を読んでいかに破天荒でいかに人を、世界を、そして見えざるものを愛していたかよく理解できた。
息子の熊弥との壮絶なシーンで思わず涙が…
水木先生による、水木先生にしか描けなかった熊楠像。この先どの伝記を読んでもきっと水木熊楠が浮かんでしまうだろうなぁ。