連城三紀彦のレビュー一覧
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『誤って薄墨でも滴り落ちたかのようにゆっくり夜へ滲み始めた空を、その鶴は、寒風に揺れる一片の雪にも似て、白く、柔らかく、然しあくまで潔癖なひと筋の直線をひきながら、軈て何処へともなく飛び去ったのだと言う』
ミステリ史に残る書き出しといえば、ウィリアム・アイリッシュ『幻の女』。あの洒落た雰囲気とリズムも忘れ難いですが、連城三紀彦の『変調二人羽織』の書き出しも初読時に、その美しさにボーっとなりました。作中の時間が大晦日の話で、おりしも作品と同じ時期に、寒い部屋で読んだのも良かったのかもしれない。
収録作品は5編。先に書いたように表題作の「変調二人羽織」は、冒頭の美しい書き出しからつかまれました -
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「私という名の変奏曲」
犯人は誰だ?
人気と美貌を持つ23歳。愛くるしい笑顔に可憐な美声を持ち、世界的なファッションモデルに駆け上がった美織レイ子。一方で、傲慢でわがままで二重人格。悪魔に人間らしさ全てを売り払ったような娘。カメラマン、女性デザイナー、新進デザイナー、若社長、ファッションモデル、ディレクター。彼らはレイ子を殺したいほど憎んでいると彼女自身が名指しした。しかし、残り1名はまだ名前を明かせないと言う。そんな意味深なメッセージを発した後、レイ子が死んでしまう。
とすると、犯人は誰だ?となる訳だが、捜査線上に浮かんだ7人皆が自分がレイ子を殺したと思い込んでいる。犯人は誰が?から -
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ネタバレ過去読んだことがあったかどうかも覚えてないのに、連城三紀彦という作家になんとなく苦手意識をもっていて、「これはひょっとして食わず嫌いなんじゃないか?」と思っていた。で、どこかであがってた(確かこのミス)この作品を読んでみて、本当に食わず嫌いかどうか試してみようと思ったのだが…。
やはり、得意な作家じゃないなぁ。どうも重いというか暗いというか。ノアールやダークファンタジーの漆黒さじゃない、かといって北欧ミステリーのようなものでもなく、水木しげるなんかに流れる日本固有の薄暗さでもない。
退屈しのぎにつけるともなくつけたテレビにうつってたドラマ。人間関係のドロドロを都合よく映像化したような、なん