連城三紀彦のレビュー一覧
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「私という名の変奏曲」
犯人は誰だ?
人気と美貌を持つ23歳。愛くるしい笑顔に可憐な美声を持ち、世界的なファッションモデルに駆け上がった美織レイ子。一方で、傲慢でわがままで二重人格。悪魔に人間らしさ全てを売り払ったような娘。カメラマン、女性デザイナー、新進デザイナー、若社長、ファッションモデル、ディレクター。彼らはレイ子を殺したいほど憎んでいると彼女自身が名指しした。しかし、残り1名はまだ名前を明かせないと言う。そんな意味深なメッセージを発した後、レイ子が死んでしまう。
とすると、犯人は誰だ?となる訳だが、捜査線上に浮かんだ7人皆が自分がレイ子を殺したと思い込んでいる。犯人は誰が?から -
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ネタバレ過去読んだことがあったかどうかも覚えてないのに、連城三紀彦という作家になんとなく苦手意識をもっていて、「これはひょっとして食わず嫌いなんじゃないか?」と思っていた。で、どこかであがってた(確かこのミス)この作品を読んでみて、本当に食わず嫌いかどうか試してみようと思ったのだが…。
やはり、得意な作家じゃないなぁ。どうも重いというか暗いというか。ノアールやダークファンタジーの漆黒さじゃない、かといって北欧ミステリーのようなものでもなく、水木しげるなんかに流れる日本固有の薄暗さでもない。
退屈しのぎにつけるともなくつけたテレビにうつってたドラマ。人間関係のドロドロを都合よく映像化したような、なん -
Posted by ブクログ
謎についての設定は、見事だと思う。
主人公はドイツからやって来た女性から、自分の出生について告げられ、その謎を解き明かしていく。
各国の登場人物たちが、一つのストーリーにまとまっていく過程を読み進めていくのは面白かった。
が、しかし、である。
主人公を始めとして、急に恋人から別の女性に心変わりしたり、また別の女性から元の恋人に戻ったりと、全世界を舞台をしている割に心情を描く部分についてはリアリティに欠けてしまう。
限られたページの中に収めていくには、しょうがない部分があるにしても残念である。
できれば、ラストの終わらせ方についても、もう少し突っ込んで話を終わらせてほしかった。