ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
2pt
大正歌壇の寵児・苑田岳葉。二度の心中未遂事件で、二人の女を死に追いやり、その情死行を歌に遺して自害した天才歌人。岳葉が真に愛したのは? 女たちを死なせてまで彼が求めたものとは? 歌に秘められた男の野望と道連れにされる女の哀れを描く表題作は、日本推理作家協会賞受賞の不朽の名作。耽美と詩情――ミステリ史上に輝く、花にまつわる傑作5編。
ブラウザ試し読み
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
「一作目が面白いし短いから読んでみて。読んで面白かったと思ったら全部読んでみるのもあり」と上手い言葉で勧められてまんまと全部読んだ。 流麗な文章。 ほんとうにその一言に尽きる。
花にまつわるミステリーが収録された短編集で、どれも男女の関係や人間の情や業が深く関わったホワイダニットやどんでん返しで意表を突かれ、また登場する花が事件の重要な鍵となる物語の儚くもどこか美しい世界観に惹かれた。
これだよ、小説はこうでなきゃ… 稚拙な文章、あっさい人間描写にはうんざりだ。 連城三紀彦が日本に生まれてくれて本当によかった。
【ミステリーレビュー500冊目】自らの命よりも、美しく花を咲かせることの尊さとは… #戻り川心中 ■はじめに レビュー500冊目は、連城三紀彦先生の『戻り川心中』です。ミステリー史上、最も美しいとされている一冊で、どの作品も味わい深く文学的。人間が隠し持っている欲や業、そして愛情を描いた短編集です...続きを読む。 時は大正・昭和前期、日本独特の文化や風習が作品全体から漂ってくる。各作品ごとに花や植物が違和感なく小道具になっていて、耽美な雰囲気をよりかもし出してくれます。しかし、いつの時代も男と女の物語は美しくも哀しいですね… 謎解きとしても綺麗な論理性でまとめてくれるし、文芸作品としても質が高い。もしミステリー作家になりたいのならお手本になる一冊で、必ず読んでおくべき作品ですね。 ■各短編のレビュー ●藤の香 色街に住む女と呉服屋の主人の出来事、街で発生した殺人事件に隣に住む代書屋が関係しているらしいが… いつの時代も花街には無情さを感じます、いかに人間というのは弱い生き物なんだろう。物語は淡々と語られますが、命の描写があまりにも儚く、まるで夢をみているかのよう。事件の背景に感じた情け深さが耐え難い。美しいラストが必見の作品。 ●桔梗の宿【おすすめ】 川辺で男の死体が発見される、手には桔梗が握られていた。亡くなった男は、ある娼家にいたことがわかり、刑事たちは女性たちに聞き取りを始める。そこの幼い少女が語るには… この物語では誰が一番悪いのか、それは少女を売りつけて未来を摘んでしまった外道たち。この時代、きっと同じように不幸を抱えた子供たちがいっぱいいたと思うと耐えられない。そして彼女の覚悟があまりにも幼稚すぎて、ただ切ない… ●桐の柩【超おすすめ】 極道の世界で、兄貴に拾ってもらった男の物語。日々、舎弟として手足になるも、兄貴からある女を抱いて来いと言われるのだった。どうやらその女と兄貴には、暗い繋がりがあるようなのだが。 人と人の距離感が素晴らしい!これ映画化してほしい!これぞ色恋沙汰の傑作、謎解きの真相もハッとさせられました。 主人公、兄貴、女、ひとりひとりの情念と行動が罪深すぎるだろ、これ… 業にまみれた醜さと可憐さ、さらに生きることに対する誠実さを感じた一作。 ●白蓮の寺 主人公の男は、幼年期の記憶が忘れられずにいた。それは母が血に染まった手で人を殺害している場面であったが… 彼の幼い頃の記憶の真相は。 長い長い幼年期の語りが幻想的で美しい。しかし想像した以上に深い事情で主人公がただ可哀想。後半の展開は見事で、墓場まで秘密にした覚悟が強烈な作品。 ●戻り川心中【超おすすめ】 かつて天才歌人だった苑田岳葉、彼は二度の心中で二人の女性を葬ってしまった。さらにその時の想いを歌に残して自殺をしてしまうのだ。どんな背景があったのか… これも現代の映像技術で映画にしてほしい作品ですね。イケメン俳優と和美人でキャスティングをお願いしたい。 しかしどんなにその人を愛していたとしても、この死生観は理解できない。ただ欲望としてはわからなくもないの。こういった男性が、何故か女性には人気だったりするんですよね。高次元で惹かれ合う、みたいな感じでしょうか。 道づれになった女性たちが憐れすぎるよ。命よりも大切なものはないはずなのに、それよりも美しく花を咲かせることを求めている… 情報化社会の合理性が求められる時代、この狂った恋愛物語を現代人たちはどう思うでしょう。 ■さいごに 我々は何のために生きているんでしょうか? 多くの人は、日常は忙しく哲学的なことを考えている暇はない。ただ何か壁にぶつかった時、ふとこの疑問を思い出し、おそらくは何も結論が出ずに考えるのをやめてしまう。 本作の登場人物たちは、全員何のために生きるのか明確なんです。自らの命に代えても守りたいほど強い意志を持っている。それゆえ潔く美しいのですが、悲しくもありますよね。 これからの人生、誰しもゆっくりと死に向かってゆく。いつか絶望を感じた時、きっとまたこの本を読めば、なにか感じることがあるんだろうなと思いました。
桐の柩がとても良かった。それはそれとして繊細かつ大胆な登場人物たちを見て、連城三紀彦に女性向けシチュエーションCDのシナリオを書いてほしいと思った。
最高傑作 女性の美しさ、恋の美しさに満ち溢れていた。文章も美しく、全く飽きなかった。特に桔梗の宿を美しく思う。
「屍人荘の殺人」に出てきたので読んでみたシリーズ これは・・・すごい!! こんなに美しい文章とミステリーが両立するなんて! でもトリックとかそんなんじゃない、でも立派にミステリー これが花葬シリーズ!!てなった
ずっと気になっていた作家の本。 とにかく「美しい」という評価がついていたけど、その通り。 こんなに美しい文体の推理小説は読んだことない。 ミステリーとしても極上。あっと驚く展開で引き込まれる。 読み終わるたびにため息をついてしまう。 一番好きなのは「桔梗の宿」 暴かれる真実のあまりの美しさに、最後...続きを読むだけ何回も読み直してしまった。
5つの短編集。ジャンルは推理小説となっているが、男女の恋愛のもつれ+ミステリ要素があるという世界観でした。5つの物語の中でも表題作である「戻り川心中」が最も印象的で、こうゆうのを趣深いと表現するんだろうなと感じました。歌人の心中の話ですが、後世に残る作品というのは、歌の技巧によって評価されるのではな...続きを読むく、実際の出来事を含めた評価として後世に遺る作品に昇華するのだろうと思いました。
どのお話もただ美しい純愛としてだけ了解できるものにはなっておらず、濃淡の違いはあれど底の方にエゴの奔流が流れている。いくつかの事実の断片を手がかりに事件の真相を解き明かすにつれ、そのどす黒い流れが垣間見える仕掛けになっている。そして、偽善であろうと自己満足であろうと情は情であり、純粋なエゴイズムであ...続きを読むるがゆえに美しく見えることもある。 個々のエピソードについて話すなら、2つ目の「桔梗の宿」が1番よかった。この話も広義には恋愛をテーマにした短編ではあるが、それらは自由恋愛ではなく、他にすべもなくただ生存本能として選びとらざるをえない恋愛だ。他の恋愛小説のように華々しくなく、重苦しく切実なものだ。花が、そこがどんな荒れた土地であっても自分では咲く場所を選ぶことができずただ種の落とされた地に根を張り芽を出すことしかできないように、花町という土地に、しいてはその時代の日本に生まれついてしまったがゆえの美しさなのだ。愛は美しいが、この物語を美しいと感じてしまう読み手の私のうちにもエゴイズムがある。荒れ野の花はそこが荒れ野であるが故に際立ち人の目には美しく見えるが、初めからそんなところに咲くべきではない。
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
戻り川心中
新刊情報をお知らせします。
連城三紀彦
フォロー機能について
「光文社文庫」の最新刊一覧へ
「小説」無料一覧へ
「小説」ランキングの一覧へ
愛情の限界
試し読み
青き犠牲(いけにえ)
暗色コメディ
一夜の櫛
一瞬の虹
嘘は罪
顔のない肖像画
「連城三紀彦」のこれもおすすめ一覧へ
一覧 >>
▲戻り川心中 ページトップヘ