【感想・ネタバレ】戻り川心中のレビュー

あらすじ

大正歌壇の寵児・苑田岳葉。二度の心中未遂事件で、二人の女を死に追いやり、その情死行を歌に遺して自害した天才歌人。岳葉が真に愛したのは? 女たちを死なせてまで彼が求めたものとは? 歌に秘められた男の野望と道連れにされる女の哀れを描く表題作は、日本推理作家協会賞受賞の不朽の名作。耽美と詩情――ミステリ史上に輝く、花にまつわる傑作5編。

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感情タグBEST3

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「一作目が面白いし短いから読んでみて。読んで面白かったと思ったら全部読んでみるのもあり」と上手い言葉で勧められてまんまと全部読んだ。

流麗な文章。
ほんとうにその一言に尽きる。

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2024年12月03日

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 花にまつわるミステリーが収録された短編集で、どれも男女の関係や人間の情や業が深く関わったホワイダニットやどんでん返しで意表を突かれ、また登場する花が事件の重要な鍵となる物語の儚くもどこか美しい世界観に惹かれた。

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2024年08月19日

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これだよ、小説はこうでなきゃ…
稚拙な文章、あっさい人間描写にはうんざりだ。
連城三紀彦が日本に生まれてくれて本当によかった。

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2024年06月15日

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【ミステリーレビュー500冊目】自らの命よりも、美しく花を咲かせることの尊さとは… #戻り川心中

■はじめに
レビュー500冊目は、連城三紀彦先生の『戻り川心中』です。ミステリー史上、最も美しいとされている一冊で、どの作品も味わい深く文学的。人間が隠し持っている欲や業、そして愛情を描いた短編集です

時は大正・昭和前期、日本独特の文化や風習が作品全体から漂ってくる。各作品ごとに花や植物が違和感なく小道具になっていて、耽美な雰囲気をよりかもし出してくれます。しかし、いつの時代も男と女の物語は美しくも哀しいですね…

謎解きとしても綺麗な論理性でまとめてくれるし、文芸作品としても質が高い。もしミステリー作家になりたいのならお手本になる一冊で、必ず読んでおくべき作品ですね。

■各短編のレビュー
●藤の香
色街に住む女と呉服屋の主人の出来事、街で発生した殺人事件に隣に住む代書屋が関係しているらしいが…

いつの時代も花街には無情さを感じます、いかに人間というのは弱い生き物なんだろう。物語は淡々と語られますが、命の描写があまりにも儚く、まるで夢をみているかのよう。事件の背景に感じた情け深さが耐え難い。美しいラストが必見の作品。

●桔梗の宿【おすすめ】
川辺で男の死体が発見される、手には桔梗が握られていた。亡くなった男は、ある娼家にいたことがわかり、刑事たちは女性たちに聞き取りを始める。そこの幼い少女が語るには…

この物語では誰が一番悪いのか、それは少女を売りつけて未来を摘んでしまった外道たち。この時代、きっと同じように不幸を抱えた子供たちがいっぱいいたと思うと耐えられない。そして彼女の覚悟があまりにも幼稚すぎて、ただ切ない…

●桐の柩【超おすすめ】
極道の世界で、兄貴に拾ってもらった男の物語。日々、舎弟として手足になるも、兄貴からある女を抱いて来いと言われるのだった。どうやらその女と兄貴には、暗い繋がりがあるようなのだが。

人と人の距離感が素晴らしい!これ映画化してほしい!これぞ色恋沙汰の傑作、謎解きの真相もハッとさせられました。

主人公、兄貴、女、ひとりひとりの情念と行動が罪深すぎるだろ、これ… 業にまみれた醜さと可憐さ、さらに生きることに対する誠実さを感じた一作。

●白蓮の寺
主人公の男は、幼年期の記憶が忘れられずにいた。それは母が血に染まった手で人を殺害している場面であったが… 彼の幼い頃の記憶の真相は。

長い長い幼年期の語りが幻想的で美しい。しかし想像した以上に深い事情で主人公がただ可哀想。後半の展開は見事で、墓場まで秘密にした覚悟が強烈な作品。

●戻り川心中【超おすすめ】
かつて天才歌人だった苑田岳葉、彼は二度の心中で二人の女性を葬ってしまった。さらにその時の想いを歌に残して自殺をしてしまうのだ。どんな背景があったのか…

これも現代の映像技術で映画にしてほしい作品ですね。イケメン俳優と和美人でキャスティングをお願いしたい。

しかしどんなにその人を愛していたとしても、この死生観は理解できない。ただ欲望としてはわからなくもないの。こういった男性が、何故か女性には人気だったりするんですよね。高次元で惹かれ合う、みたいな感じでしょうか。

道づれになった女性たちが憐れすぎるよ。命よりも大切なものはないはずなのに、それよりも美しく花を咲かせることを求めている… 情報化社会の合理性が求められる時代、この狂った恋愛物語を現代人たちはどう思うでしょう。

■さいごに
我々は何のために生きているんでしょうか?

多くの人は、日常は忙しく哲学的なことを考えている暇はない。ただ何か壁にぶつかった時、ふとこの疑問を思い出し、おそらくは何も結論が出ずに考えるのをやめてしまう。

本作の登場人物たちは、全員何のために生きるのか明確なんです。自らの命に代えても守りたいほど強い意志を持っている。それゆえ潔く美しいのですが、悲しくもありますよね。

これからの人生、誰しもゆっくりと死に向かってゆく。いつか絶望を感じた時、きっとまたこの本を読めば、なにか感じることがあるんだろうなと思いました。

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2024年05月23日

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ネタバレ

面白かった。米澤穂信が薦めていたのと評判が良かったので読んでみた。

「藤の香」
代筆屋という伏線。故郷への文と目の前の少女の行く末を考えて、さらに己の寿命まで考えると成敗したくなるのもわかるな。お縫の心情を推し量ろうとするまなざしが良かった。

「桔梗の宿」
二階の窓から花を散らすという仕草になんともいじさらしを感じてしまう。言葉にして直接伝えられない感情を感じる。福村も人形を操ることで何かを伝えていたとしたらそこが二人の共通点になるのかな。

「桐の柩」
主人公がなんか百合の間に挟まる男というか、二人の愛の渦中にいるというか、面白い立ち位置。
主人公のありようがあまりにも希薄なのが良い。
桐の棺というダイナミックな小道具、大道具?の使い方が良い。画面映えしそう。

「白蓮の寺」
花を埋めるという動作について考えたことも無かったので、そんな場面を見たら忘れられないし怖さも覚えるだろうなと思った。
前半の夢の部分はどうにも退屈だった。他人の夢ほどどうでもいいというがほんとそれ。映像化したら美しいだろうが。
なんとも奇妙な出来事を聞いたり覚えていたりで、じゃあ真実は?と探求していくのが面白かった。
母親が目の当たりにした春のあぜ道で女が突然死んだのは、母親の面影に誰か(女の夫か知りあい)を感じたからでは、という考察を見たが、なるほどと思った。それなら、母親も自分の子供が宗田に似てくるかも、似ていると感じるのもわかる。

「戻り川心中」
丹念に過去の場所を訪れて振り返るのが現場百篇って感じで面白かった。また、苑田の在り方が、とんでもすぎて西尾維新を思い出した。己の才のために人生を賭ける。そのまんますぎてすごい。すごいから常人ではないんだろうけど。それに付き合わされての心中はむごいな。トリックのために人を殺す麻耶雄嵩にも通ずるな。

全体的に花をモチーフにしてるが、説明てきではなくさりげなく小道具として、背景や形、匂い、色として登場しているので品があって面白かった。文体も読みやすい。大正時代も感じられて面白かった。

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2023年05月19日

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桐の柩がとても良かった。それはそれとして繊細かつ大胆な登場人物たちを見て、連城三紀彦に女性向けシチュエーションCDのシナリオを書いてほしいと思った。

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2023年04月03日

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最高傑作
女性の美しさ、恋の美しさに満ち溢れていた。文章も美しく、全く飽きなかった。特に桔梗の宿を美しく思う。

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2022年06月10日

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「屍人荘の殺人」に出てきたので読んでみたシリーズ

これは・・・すごい!!
こんなに美しい文章とミステリーが両立するなんて!
でもトリックとかそんなんじゃない、でも立派にミステリー
これが花葬シリーズ!!てなった

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2021年10月11日

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ネタバレ

大正・昭和の男と女を優美な花が彩るミステリー短編集。

どの物語も真実に近づいていくのが心地よく、ただ流れに身を任せて楽しんだ。
短編であるということを忘れるほど濃厚で没入してしまう。匂い立つ花の余韻を噛み締めながら、ずっと浸っていたい美しさ。
粋で情緒のある物語世界を堪能した。

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2020年12月19日

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ずっと気になっていた作家の本。
とにかく「美しい」という評価がついていたけど、その通り。
こんなに美しい文体の推理小説は読んだことない。
ミステリーとしても極上。あっと驚く展開で引き込まれる。
読み終わるたびにため息をついてしまう。

一番好きなのは「桔梗の宿」
暴かれる真実のあまりの美しさに、最後だけ何回も読み直してしまった。

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2020年05月22日

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ネタバレ

文章が美しい。戦前という時代設定も哀愁漂う雰囲気で良き。やっぱこの人の作品は不倫モノ多いな。
表題作の『戻り川心中』、女の立場から見ると主人公にめちゃめちゃ腹立って終わった。心中してもいいくらい想ってくれてる女性が二人もいたのに結局全部自分の歌に意味を持たせたかったためにやってたことって何やねんそれ〜〜!サイコパスめ!でも女ってそういう危うげな人に惹かれちゃうんだよね。
個人的には『桔梗の宿』と『桐の柩』が好きでした。

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2025年09月22日

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5つの短編集。ジャンルは推理小説となっているが、男女の恋愛のもつれ+ミステリ要素があるという世界観でした。5つの物語の中でも表題作である「戻り川心中」が最も印象的で、こうゆうのを趣深いと表現するんだろうなと感じました。歌人の心中の話ですが、後世に残る作品というのは、歌の技巧によって評価されるのではなく、実際の出来事を含めた評価として後世に遺る作品に昇華するのだろうと思いました。

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2025年01月21日

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どのお話もただ美しい純愛としてだけ了解できるものにはなっておらず、濃淡の違いはあれど底の方にエゴの奔流が流れている。いくつかの事実の断片を手がかりに事件の真相を解き明かすにつれ、そのどす黒い流れが垣間見える仕掛けになっている。そして、偽善であろうと自己満足であろうと情は情であり、純粋なエゴイズムであるがゆえに美しく見えることもある。

個々のエピソードについて話すなら、2つ目の「桔梗の宿」が1番よかった。この話も広義には恋愛をテーマにした短編ではあるが、それらは自由恋愛ではなく、他にすべもなくただ生存本能として選びとらざるをえない恋愛だ。他の恋愛小説のように華々しくなく、重苦しく切実なものだ。花が、そこがどんな荒れた土地であっても自分では咲く場所を選ぶことができずただ種の落とされた地に根を張り芽を出すことしかできないように、花町という土地に、しいてはその時代の日本に生まれついてしまったがゆえの美しさなのだ。愛は美しいが、この物語を美しいと感じてしまう読み手の私のうちにもエゴイズムがある。荒れ野の花はそこが荒れ野であるが故に際立ち人の目には美しく見えるが、初めからそんなところに咲くべきではない。

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2023年07月21日

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東西ミステリ第12位。人間の"想い"や"痴情"を物語のベースに据えた佳作です。あっと驚くようなトリックと言うよりも、あっと驚く動機、真実に重きが置かれています。

この時代(大正〜昭和初期)の暗い世相を背景に"心中"や"自殺"が描かれます。今の自由な時代からすると縁遠い価値観ですが、不自由な時代の人の想いが情緒たっぷりに描かれます。

本のタイトルの戻り川心中は少し独りよがりな気がしたけど、全部良いです。500ページ位の小説を読んでいる気分になりました。
☆×3.8

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2023年05月12日

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花葬シリーズのうちの短編5篇。大正から昭和初期の退廃的、破滅的な世界観を持ち、推理小説と恋愛小説を見事に融合させた不朽の名作。まずは「戻り川心中」。2度の心中未遂事件で2人の女性を死なせ、その情死行を歌に遺して自害した天才歌人、苑田岳葉。その死の理由が明らかになる。そう来たかあ!太宰治の事件もそうだけど頭の中では単純化して思い込んでしまうからね。これは盲点。主役は苑田ではない。道連れにされた女たちの悲哀なのだ。しかし恋愛小説としては「藤の香」が好きだ。色街で起きる連続殺人。死体は顔を潰され身元がわからない。隣家の代書屋が疑われて…という「藤の香」。どれもトリックがしっかりした推理小説なのだ。

これらの小説では主役は花である。華やかに咲き儚く散る花を犯人や被害者と重ねて描く。そして人の命よりも大切なものに焦点が当てられる。命より大切なもの…こういう感覚が好きですね。

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2023年01月28日

Posted by ブクログ

各作品、花が共通項の、時代は大正から昭和初期の、連作短編集。
最近、友人にいただいて、古いものだけど、“凄絶な滅びの美学”と、当時の帯が残っていた。凄まじく、恐ろしいという美学なのです。
各作品、ミステリの構成ですが、犯人やトリックを追うものではありません。彼らが、何故その罪を背負う事になったのか、その動機を消し去る為に身を滅ぼしていく犯罪者への哀悼の物語。

「戻り川心中」
最近、坂口安吾の太宰治情死考を読んでいたので、あゝ、連城さんもそうなのか、太宰治の心中を情死とは思えていないのだろうと。
主人公の歌人岳葉は、二度の心中事件を引き起こし、その事件を題材とした傑作歌集を完成させた後、自害する。彼が遍歴した三人の女性達。彼女達への愛情も自堕落な生活も、全てが作品を完成させるトリックではなかったのかと思いを馳せる。旅館の古びた部屋の花菖蒲。その咲いた花の数から真相が浮かんでくる。

「藤の香」
家族の為、色街で働く女性達。文盲の彼女達の代筆屋。代筆屋は、その実情を知り、彼女達の重荷を背負い、一人罪を負う。

「桔梗の宿」
幼い娼婦の淡い恋心が引き起こす、殺人事件。八百屋お七の筋書きをたどる。

「桐の柩」
犯した罪から、好きな女を抱けなくなった男。自分の手下を女の元へ通わせる。男は、女の香を確かめながら手下を懐く。逆縁橋の上で少しづつ解かれる秘密。

「白蓮の寺」
田舎寺の嫡子であった少年の交錯する幼児期の記憶。母親は、最大の秘密を守る為に、その記憶をも操作しようとしていた。母親は、最期まで秘密を守り通して逝く。

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2022年10月11日

Posted by ブクログ

匂い立つ流麗な文章。その時代に生きていなくても、空気感が伝わってくる。連城三紀彦の文章はすごいなあと思う。どの作品にしっとりとした翳をまとった女たちが現れる。本のタイトルとなった戻り川心中の真相は恐ろしい企み、の一言としか。

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2022年07月18日

Posted by ブクログ

<花葬シリーズ>と銘打たれた短編集。連城氏の紡ぐ文章の美しさは当然知っていたものの、大正という前時代の日陰を生きる登場人物達の姿と相まって、無常感がより一層際立っている。全編【悲恋】がテーマで、前半三作品は思わず『切ないなぁ…』と口に出してしまった程。型破りなトリックが違和感なく溶け込む舞台設定を作り上げる構成力には思わず感服。トリッキーな表題作が成立し得るのも世界観の積み上げあってこそ。それ故に書き込みが不十分な「白蓮の寺」は奇抜さの方が目に付いてしまった。年明け早々凄い作品を読めて幸先良いスタート。

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2021年01月03日

Posted by ブクログ

ミステリーを楽しむぞ〜ってより、各話の情景描写を味わう1冊だった。
というか、こういう文学的な話は読み慣れてないので、雰囲気を噛みしめるので、手一杯だった⤵︎ ︎。
私的なヒットは、藤の香
次点で桔梗の宿と戻り川心中かな

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2020年10月13日

Posted by ブクログ

皆さまが感想を書かれているように、文学作品であり、ミステリーである珍しい作品だと思いました。

文学っぽくはあるけどミステリー色が強いものは多いけど、ここまでバランスがとれているのは、この作品ならでは。

全体的に暗い時代背景のため、本や文字自体も寂しい雰囲気が漂っていて、元気がない時に読むのは、やや危険な気もする。
心が、もっていかれそう。

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2020年07月01日

Posted by ブクログ

ちょっと胸焼けしてしまった。
一編だけ読む分には楽しいんだけど、並べて読むと疲れる。

全部加害者側に同情的に書かれているから
殺人の言い訳をあの手この手でされているような気分になりました。

加害者の生い立ちによる減刑と似た不条理を感じる。
動機が直接的な恨みとかじゃないから余計に…

一編ずつ読めばエモくて良いミステリーだと思えたんじゃないかと思います。

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2024年04月28日

Posted by ブクログ

1983年の作品です。
1997年に発売された「本格ミステリ・ベスト100」のベスト10です。
本格ミステリかどうかは判断に迷いますが、どの話もミステリではあります。
どれも、壮絶で哀しい物語ばかりでした。
特に、最後の「戻り川心中」は、どんでん返しがあり、物語に引き込まれました。

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2024年03月25日

Posted by ブクログ

ものすごいトリックが!と言うわけではないです。どちらかといえば、動機の方に驚きを持っていったような感じです

とても綺麗で品の良いミステリーでありながら純文学を読んだような気持ちでした

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2024年03月21日

Posted by ブクログ

美しい大人な文章や描写なのもあって高く評価される本だとは思うんだけど、全体的に暗い。名作と言われるのも頷けるんだけど、私にはあまり合わなかったです。

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2023年03月07日

Posted by ブクログ

「痴情のもつれ」って感じの恋愛&ミステリーの短編集だった。
いや、ミステリーというよりサスペンス?人間関係ドラマ?のような…
全体的に静かで暗いけど、どの話も男女ともにめちゃくちゃ情熱的だと思った。愛と憎しみの二つは違うようで、案外ふとしたことで入れ替わってしまったりするのかも。

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2023年02月22日

匿名

購入済み

美しくも破滅的な短編集。
表題に「心中」とあるように、テーマは一貫して男女の恋愛を絡めたミステリ。
どの作品も、大正から昭和初期の雰囲気を内包した美文で綴られている。
おすすめは『桔梗の宿』

#切ない

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2023年02月07日

Posted by ブクログ

美しい文章に引き込まれ、推理することも忘れ淡々と読んでしまいました。

ちゃんとストーリーはミステリーなのですが、ミステリーを読んでいないかのような感覚に陥りました。(自分でも何を言ってるのかよくわかりません笑)

恋と花をモチーフにした短編が5つ収録されていますが、どれも本当に面白い!
トリックよりも動機に重きを置いているのが好みです。

なかでも「桔梗の宿」が好きです。

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2021年12月07日

Posted by ブクログ

以前読んだ『夜よ鼠たちのために』という短編があまりにも素晴らしく、是非他の作品も読んでみたいと思っていた。
大正から昭和にかけて、まだ女性がモノのように売られたり買われたり、それが当たり前だった時代のお話。
モノのような扱いを受けたって、人間なのだから感情はある。体が女になれば、まだ子どもといえる年齢でも、気持ちも女になっていく。
今のように、男性も女性も同等の権利を持つ(または持つことが当たり前とする)社会しか知らない人から見たら、こんな世界はきっとおぞましいおとぎ話みたいに思えるのかもしれない。

花にまつわる・・・という話ではない、でも物語の中で情景の一部である花たちは、そのどれもが哀しい美しさを纏い、わたしたちの胸を苦しくさせる。
ミステリーと呼ぶにはあまりにも文学的過ぎる、泉鏡花を彷彿とさせるような短編集。
それが故に、普通に読むには難しい、または退屈だ、物足りないとさえ思うかもしれない。することをすべて済ませてしまった夜に、お酒でも飲みながらじっくり向き合いたい本だと思う。


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2021年11月08日

Posted by ブクログ

知人に強く薦められて読みました。
良くできてるな~とは思いましたが、そこまでです。
短編集ですが、表題となっている最後の作品があまり受け入れられませんでした。

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2020年12月29日

Posted by ブクログ

非情に評価の高いミステリー。恋愛小説か探偵小説かと言われるほど美してくて静寂な雰囲気。しかし、私にはこの静寂感が苦手です(笑)。謎というより真相はそうだったと言う解明部分は面白いところもあるのですが、何よりも苑田岳葉の行動に全く感情移入できなかったです。相性の問題だからしょうがないなあ。

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2020年11月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「藤の香」★★★★
「桔梗の宿」★★★
「桐の柩」★★★
「白蓮の寺」★★★
「戻り川心中」★★★

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2020年07月30日

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