連城三紀彦のレビュー一覧

  • 黒真珠 恋愛推理レアコレクション

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    ネタバレ

    愛憎渦巻く恋愛×ミステリー短編集。
    初連城三紀彦作品。ミステリー要素があるドロドロした恋愛大好物なので面白かった。そして文章がとても綺麗。不倫モノが多くて著者の好みがわかりやすい。
    個人的には『媚薬』や『絹婚式』みたいな、実は浮気なんてしてなくてちゃんと結婚相手のことが好きだったというオチの話が好き。
    あと『帰り道』が短いけど衝撃を受けたので印象的。

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    2025年09月22日
  • 青き犠牲(いけにえ)

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    ネタバレ

    著者初読。

    連城三紀彦の『青き犠牲』は、その端正な筆致と哀切な余韻が心を深く揺さぶる傑作だ。不可解な事件の背後にある静かな情念と、人間の業を描き出す構成は、まさにミステリの枠を超えた文学的な味わいがある。登場人物たちは一見冷静に見えて、内側には複雑な感情を抱え、読者に深い共感と静かな驚きをもたらす。

    物語を貫く「犠牲」のモチーフが、青という色彩の象徴性と相まって、美しくも痛ましい印象を残す。真実に近づくたび、事件の構造よりもむしろ、人生の残酷な選択と、そこににじむ愛や優しさに目が向けられる。本作はミステリでありながら、人間そのものに対する深い洞察を持った作品である。

    読み終えたあと、心に

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    2025年07月25日
  • 変調二人羽織

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    「変調二人羽織」
    これが新人賞受賞作ってマ?すでに連城節完成しとる
    鶴は連れて来ちゃだめだよ・・・

    「ある東京の扉」
    密室の東京って他の作品で出てきたね

    「六花の印」
    花葬シリーズのはしり

    「メビウスの環」
    これはちょっと苦手なタイプの連城節

    「依子の日記」
    竣太郎怖すぎ

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    2025年04月30日
  • 白光

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    ある暑い夏の日、幼い女の子が殺され、庭に埋められてしまう。関係者は内面を吐露しその家族の闇が露呈してゆき…
    再読感想、とにかく救いが無く只々悲しい話。
    大人たちの身勝手さ心の闇が少しずつ暴かれる度に見えている世界が変わっていく作者の筆致に巧みさを感じる。

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    2025年04月13日
  • 白光

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     平凡な家庭で起きた幼女の殺害事件から次々に浮かび上がる家族一人一人の異常さとおぞましい真相が家庭を崩壊させていくミステリーで読後に「犯人は分かったけど真犯人は誰だったんだろう?」という奇妙な感覚に囚われた。ひたすら被害者の女の子が可哀想だった。

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    2025年03月03日
  • 戻り川心中

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    5つの短編集。ジャンルは推理小説となっているが、男女の恋愛のもつれ+ミステリ要素があるという世界観でした。5つの物語の中でも表題作である「戻り川心中」が最も印象的で、こうゆうのを趣深いと表現するんだろうなと感じました。歌人の心中の話ですが、後世に残る作品というのは、歌の技巧によって評価されるのではなく、実際の出来事を含めた評価として後世に遺る作品に昇華するのだろうと思いました。

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    2025年01月21日
  • 恋文・私の叔父さん

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    「恋文」惚れた方の負けね
    「紅き唇」なんて切ない でも幸せだったかもしれない
    「十三年目の子守唄」ダメ息子(いや親父か)
    「ピエロ」これまた切ない
    「私の叔父さん」うーん…美しいけど…

    なんて繊細で複雑な人間模様
    自分の単純さが恥ずかしくなるな

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    2025年01月12日
  • 人間動物園<新装版>

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    ネタバレ

    花瓶で一気に高まる緊張感と続く怒涛の展開にハラハラドキドキ
    たまたま雪の降る日に読んだので楽しかった

    しかし元妻に対する気遣いは一切ないところにサイコパス味を感じるわね

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    2025年01月12日
  • 白光

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    それぞれ登場人物が怪しく、全員身勝手!
    でも、なんだか薄気味悪い絶妙な雰囲気が読んでいて癖になりそう。
    著者の本をもっと読んでみたい。

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    2024年12月03日
  • 宵待草夜情

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    明治から大正にかけての時代の不穏な空気感とか、湿度のようなものが伝わる劇画的なストーリーが、惹きつけられます。

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    2024年11月30日
  • 変調二人羽織

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    現代風のも面白い。
    個人的な好みとして、あらゆる可能性を考慮して結論を導くタイプのミステリのほうが好きだと再認識。
    悪くはないのだけれども。

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    2024年10月25日
  • 黒真珠 恋愛推理レアコレクション

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    なんとも妖しい世界。
    まさに連城ワールド。
    短編でもその空気は存分に堪能できる。
    表題の真珠の妖しい光、、
    温泉旅館の裏側の人間模様。
    これを描けるのは連城三紀彦だけなのではなかろうか。

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    2024年09月12日
  • 私という名の変奏曲

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    古い本なので「家の留守番電話にテープで吹き込む」とか古めかしい話もあったものの(ナンバーディスプレイすらない時代だろうか)、ラストの展開は予想外でおもしろかった。
    読み進めながら、前提が覆されていくのは快感です。

    私という名の変奏曲って、ずいぶんナルシストなタイトルだなと思ったけど、ラストの共犯者語りはそれ以上のナルシズムでしたな。
    「私」とは、美織レイ子のことなのか、それとも…。

    この本の単行本が発売されたのは1984年。40年前ですか(今は2024年)。
    美容整形についての考え方も、今と当時では全く違う。整形特有の不自然さ…とか今はほぼないよね。技術も進化してるし、芸能人も一般人もみん

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    2024年09月06日
  • 造花の蜜(下)

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    あら!まぁ?
    予想外の展開でした。
    新しい推理小説ってやつですかね
    真相は、…
    長編だったんで、チョッピリ疲れました。

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    2024年04月26日
  • 造花の蜜(上)

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    上下巻あって大作のため、少々疲れますが、
    ストーリーの展開が変わってて、なんとかクリア出来ました。
    さて、後半に続くってところですかね。
    今のところ真犯人が誰だか、まったくわかりませんです。

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    2024年04月25日
  • 恋文・私の叔父さん

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    あとがきの「これは僕の恋文です」が全部持っていった。他の作品も読みたい。
    1984年の単行本だからかバーコードもないし検索でも掛らない…とりあえず文庫で登録

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    2024年03月19日
  • 連城三紀彦 レジェンド2 傑作ミステリー集

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    まさにレジェンド。
    時代背景が、少し昔になるが、人間模様と謎を上手く絡ませ、読者に読ませるのは圧巻の書き振り。

    私は大好き。オヌヌメ。

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    2023年11月26日
  • 顔のない肖像画

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    どんでん返し短編集。

    『瀆された目』
    『美しい針』
    『路上の闇』
    『ぼくを見つけて』
    『夜のもうひとつの顔』
    『孤独な関係』
    『顔のない肖像画』

    最初の二作が生々しすぎてきつくて、全部読めるかなと不安になったけど、『路上の闇』以降は楽しく読めた。
    『ぼくを見つけて』と『顔のない肖像画』が好きかな。
    なんていうか恋愛とミステリというとやたら不倫とか生々しい情事とかが出てきがちで、そういうのは苦手なんだよな…。連城作品を読み進められるか心配になるのはこういうところ。カマトトみたいで我ながら嫌なんだけど、男性視点の生々しい欲望みたいなの描写されるとゾッとしちゃうんだよな。

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    2023年09月28日
  • 敗北への凱旋

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    連続殺人事件と残された楽譜の謎
    楽譜の謎はさっぱりわかりませんでした
    人間関係も入り組んでいて大変でしたが
    楽しめました
    それにしても創元推理文庫は字が小さい・・・

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    2023年09月15日
  • 戻り川心中

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    どのお話もただ美しい純愛としてだけ了解できるものにはなっておらず、濃淡の違いはあれど底の方にエゴの奔流が流れている。いくつかの事実の断片を手がかりに事件の真相を解き明かすにつれ、そのどす黒い流れが垣間見える仕掛けになっている。そして、偽善であろうと自己満足であろうと情は情であり、純粋なエゴイズムであるがゆえに美しく見えることもある。

    個々のエピソードについて話すなら、2つ目の「桔梗の宿」が1番よかった。この話も広義には恋愛をテーマにした短編ではあるが、それらは自由恋愛ではなく、他にすべもなくただ生存本能として選びとらざるをえない恋愛だ。他の恋愛小説のように華々しくなく、重苦しく切実なものだ。

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    2023年07月21日