連城三紀彦のレビュー一覧

  • 変調二人羽織

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    連城マジック炸裂。ミステリ色全開です。どれも本当に素晴らしかった。

    変調二人羽織
    ある東京の扉
    六花の印
    メビウスの環
    依子の日記

    表題作は甘美な文章が癖になります。捻りまくった展開に翻弄されます。

    ある東京の扉は変則的な一編。ユーモアが効いてます。

    お気に入りは六花の印。これ超連城。力業決まってます。

    メビウスの環は「美女」に収録されてそうな、連城得意の男女と芝居。

    依子の日記もやられました。気持ち良く騙されました。

    初期からこんなどえらい作品がゴロゴロしてるとは…天才だ

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    2015年11月18日
  • 私という名の変奏曲

    購入済み

    超絶技巧、まさに。

    連城三紀彦『私という名の変奏曲』読了。ジャプリゾ『シンデレラの罠』を連想しつつ、重層化してゆく謎のスパイラルに翻弄されまくる。視点(主観)の切り換えが巧妙に過ぎて嘆息。

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    2015年03月20日
  • 夕萩心中

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    ミステリ短編集。やはり耽美でロマンチックな印象が強いです。だけど案外とどろどろして邪悪な真相……それでも美しい雰囲気は壊されていないので、やっぱり素敵だなあ。
    お気に入りは「花緋文字」。この真相はある意味とんでもなくショックでした。まさかそんなこと、思いもしなかった……。
    「陽だまり課事件簿」も面白かった。前半の作品とうって変わってスラップスティックな感じが意外でした。

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    2015年02月28日
  • 美女

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    ネタバレ

    鬼才の手のひらで踊らされるのも悪くない。
    他人の秘め事を垣間見た感じで面白かったー。
    短編なんて信じられないほど濃密な物語の数々を味わえて幸せなひとときでした。

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    2015年01月20日
  • 美女

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    ネタバレ

    人生は舞台。演ずる芝居は「恋」。
    息を呑む超絶技巧で男と女の虚実を描く、8篇の傑作ミステリアス・ノベル。

    収録作の内『他人たち』以外は、男女の恋愛感情とミステリが上手く絡み合っている。
    解説はお馴染み千街晶之氏。『喜劇女優』を絶賛されている。
    確かにこの作品、凄まじいのだが、その凄さが理解できない。
    (というか、何度読んでも頭の中には?マークしか浮かばない)
    その他には『夜光の唇』『夜の右側』『夜の二乗』が読み応えアリ。

    ミステリ  :☆☆☆☆☆
    ストーリー :☆☆☆☆☆
    人物    :☆☆☆☆
    文章    :☆☆☆☆☆

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    2014年09月30日
  • 造花の蜜(上)

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    ネタバレ

    【生花より造花のほうが好きだ】

    読んでいてすごくワクワクする。上巻を読みきった時点では下巻への期待が高い。

    何が狙いかわからない誘拐が妖しさも怪しさも兼ね揃えた作品。

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    2014年06月25日
  • 恋文・私の叔父さん

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    本自体は短編集で最初の「恋文」から始まり、「私の叔父さん」で締められています。私は短編集だと読み終わるころには最初の方の話がぼんやりしてしまうのですが、私の叔父さんでは写真という形でラブレターが残されていて、初めの恋文を思い出させてくれました。一つ一つの話も短編とは思えないくらい深い味わいがあり楽しめました。
    愛ってなんなんだろーなー

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    2013年10月14日
  • 造花の蜜(下)

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    一気に読んでしまった。すごく面白かった。
    ピリッとした文体で緊張感が漂い、緩急をつけて見せ場のところはページをめくる手が止まらない、そんな本だった。
    まあほんの少し疑問が残ったところはありましたが、最後は大方サッパリと読み終えることができ、大満足です!
    そして日も真っ盛りな今をもって、やっと眠ることができます…!!

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    2013年03月22日
  • 造花の蜜(上)

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    何度も驚かされ、退屈しない小説。
    面白かったけれど、上巻の事件で終わっていた方が、締まりが良く、読者の呆然度は高いのでは?少しクドイ感じがします。
    初・連城三紀彦さんでしたが、他にも読んでみよう。

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    2012年10月17日
  • 恋文・私の叔父さん

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    良かった。と同時に、上手い。と感じた。
    あとがきに書いてあったのだけど、「素人の名優」たちの一瞬の名場面からあれだけの話を紡げるのがすごい。

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    2012年09月27日
  • 造花の蜜(上)

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    誘拐物。

    しかしこれがまた一筋縄ではいかない話。

    身代金をとらなかった犯人の目的とは!?
    そして誘拐された子供と「父親」の関係とは

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    2011年03月01日
  • 変調二人羽織

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    極上の短編5作品。

    一番好きなのは「六花の印」
    明治と現代の物語を交互に紡ぎ、最後に明らかとなる真相は目が覚めるほどの。それに至る伏線も細かい。

    男と女の肉体の交わりにもこの様なものがあるのかと新たな思考に気付かされる。すげえ!

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    2011年02月06日
  • 造花の蜜(下)

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    すっきりしないまま下巻に突入…が、しかし

    かなりヤラれた!
    そう来るかっ!

    久々のヤラれた感を味わった作品

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    2011年01月05日
  • 夕萩心中

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    『戻り川心中』に続いて、
    花をテーマにした短編「花葬シリーズ」をまとめたもの。

    これもどんでん返しもののミステリですが、物語全体を覆う花のイメージがうつくしいです。

    客観的に見ると、酷い真相ばかりなのですが、
    重ねられる花の印象が強く、どこか物哀しい後味を残すものばかりです。

    最初に収録されている「花緋文字」が一番好きです。
    どこまでも救いようがない暗い物語と、
    読後に残る美しい過ぎる花の幻影の対比が、印象に深かったです。

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    2009年10月04日
  • 黄昏のベルリン

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    息をつかせぬ展開。

    緻密に組み上げられた謎とその解。

    何よりも場面展開の文章手法の素晴しさ。


    溜め息しか出ません・・・・・・。


    ストーリーは、ある女性に、自分が第二次世界大戦中、ナチスのユダヤ人収容所でユダヤ人と日本人の間に産まれたと知らされた主人公が、権謀術数渦巻くヨーロッパで体験する冒険、といったところ。


    映像が頭を離れません・・・・・・というか、文章が映像として記憶されてますw


    1988年週刊文春ミステリーベスト一位、そしてこの年から始まったこのミステリーがすごい三位の評価を得た傑作ミステリ、ご堪能くださいw

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    2009年10月04日
  • ため息の時間

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    なんとも不思議な作品。
    強いていえば、「恋愛ミステリー」。
    まるで作者の実体験のように書かれているが、実際はどうなんだろう。



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    2009年10月04日
  • 暗色コメディ

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    初めての連城三紀彦ミステリーとの出会い。
    大好きな本です。

    もう一人の自分を目撃
    してしまった主婦

    自分を轢き殺したはずの
    トラックが消滅した画家

    妻にあんたは
    一週間前に
    死んだと告げられた
    葬儀屋

    知らぬ間に妻が
    別人にすり
    替わっていた外科医

    四つの狂気が織りなす
    幻想のタペストリーから
    やがて浮かび上がる
    真犯人の狡知。
    連城ミステリの中で一番好きな
    最高傑作です。

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    2009年10月04日
  • 萩の雨

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    代表作「萩の雨」よりも
    「輪島心中」、たまらなく好き。女の意地とか、見栄っ張りとか、悲しさとか…女って複雑。その複雑さをなぜこの連城という男の人は、こんなにもうまく、こんなにも切ない悲しさを描けるんだろう。
    綺麗な愛だった。
    一番最後の話にしたのがぴったりだと思う。

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    2009年10月04日
  • 美女

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    この人は本当にうまいよなぁ。普通に読めば男女の恋愛だの葛藤だのを描いた小説にしか思えないんだけどどれもこれもかなり高いミステリ技法が使われている。どれも面白かったんだけどやっぱり「喜劇女優」が一番かな。事件なんて起こらずに手紙と電話の会話だけで話が進んでいくのに段々と登場人物が減っていって最後には誰もいなくなると言う…とてつもない。「夜の二乗」「砂遊び」なんかも頭ぐるぐるしてきそうで良かった。

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    2009年10月04日
  • 戻り川心中

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    ネタバレ

    文章が美しい。戦前という時代設定も哀愁漂う雰囲気で良き。やっぱこの人の作品は不倫モノ多いな。
    表題作の『戻り川心中』、女の立場から見ると主人公にめちゃめちゃ腹立って終わった。心中してもいいくらい想ってくれてる女性が二人もいたのに結局全部自分の歌に意味を持たせたかったためにやってたことって何やねんそれ〜〜!サイコパスめ!でも女ってそういう危うげな人に惹かれちゃうんだよね。
    個人的には『桔梗の宿』と『桐の柩』が好きでした。

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    2025年09月22日