連城三紀彦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ注!思いっきり内容に触れています
途中までは、これは今まで読んだ連城三紀彦の中で一番! 間違いなく★5つ!と思っていたんだけどなー。
なぜか後半、真相が明らかになってきた辺りから、急にイマイチっぽくなっていく。
特に、最後でのブルーノと青木の関わりの展開が、丸っきり見えてしまうのはなー。
よって、★は4つ(他の連城三紀彦の本との兼ね合いがなかったら、もしかしたら3つにしたかもw)
後半辺りからイマイチになってしまうのには、その辺りから話のスケールがなぜか小さくなってしまうように感じるところにもあると思う。
導入部のリオデジャネイロから、ニューヨーク、東京、東西のベルリン、パリ、そして、 -
Posted by ブクログ
ネタバレ注!思いっきりネタバレしてますw
『敗北への凱旋』の内容に辟易して、連城三紀彦ファンはやめた……
つもりだったんだけど、本屋で見たら、無性に読んでみたくなって。またファンになることにした。
読者なんて、いい加減なもんだ(爆)
約10ヵ月ぶりの連城三紀彦は、読み始め、なんだか読みにくい。
“一年以上前に失踪した妻から電話がかかってきて、「自分がテレビに出ているから」と言うので見ると。
白骨化した左足が発見された”とか。“やがて全国各地で女性の体の一部が見つかり”なんて、裏表紙の内容紹介に、やたら「そそる」ことが書いてあるのになぁーw
ま、それは著者独特の、わかったよーな、わかんな -
Posted by ブクログ
連城三紀彦は短編がいいという人が多いように思うが、自分としては連城三紀彦の長編にある、独特の何とも言えない読みにくさに妙な魅力を感じている。
そのアクの魅力ときたら、『戻り川心中』でさえ、何か物足りない気持ちにさせるほどだ。
あと、連城三紀彦というと、文章が美しいみたいに言われるけど、自分はあまりそう思わないんだよなぁ~w
確かに、最近は、とにかく文章を短くブツ切りにして、とにかく読みやすい(読みやすすぎる?)文章の小説が多いんで。それと比べると、著者の個性やこだわりが感じられるところはいいと思うんだけど、ただ、それにしても飾りすぎてないかい?とw
特に、この『女王』は所々、表現が凝りすぎち -
Posted by ブクログ
ミステリーにそんなに興味はないのだけど、「日本語が美しい」と方々から噂に聞く連城三紀彦氏。飛行機移動のおともに、さくっと読めそうな短編をチョイス。
噂に違わぬ美しい日本語!美しすぎて、読んでいる間めっちゃ幸せだった。私もこういう日本語を使える人になりたい…
「ゴースト・トレイン」と「白蘭」がよかった。「他人たち」もよかったけど、いやそんな風にならんやろ!と心の片隅で思ってしまったので…短編でミステリーって、すごく難しいんだろうと思うけど、すべてがおさまりの良い仕上がり。趣の違うミステリー短編を多数生み出している作家さんなんだな、というのを改めて認識。
1作目と比較すると、恋愛小説的な要素の -
Posted by ブクログ
官能小説、少女売春、旅先でのセックス経験、不能の夫に代わって妻とセックスする話、夫婦交換と、セックスに関係した短編五作で、作中にはセックスに関する描写が多い。「少女」と「盗まれた情事」がお勧め。
「熱い闇」
週刊誌編集者の由紀は、官能小説家の上原の担当をしているが、自分と青木との間での情事と瓜二つの内容がその原稿に執筆されている謎。それなりに合理的な説明がなされるものの、そのような行動を取った登場人物の心情はいささか理解しがたい。
「少女」
家賃の支払いに使った紙幣の通し番号から、郵便局の強盗犯人と疑われる主人公。その金は、買春した少女の財布から盗んだものだが、その少女が警察に対して買春も -
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二人の人物の関係性に焦点を当てた作品集で、いずれも騙し絵のように、見た目とは裏腹の真相が判明する。
「能師の妻」
能楽師藤生信雅の死の直前に正妻となった篠と、前妻の子である貢との心理的・肉体的葛藤を描いた物語。技量は秀でているが心が伴わぬ貢がどのようにして「井筒」を見事に舞うことができたのか、貢の遺体の一部だけがなぜ離れた場所に埋められていたのか、といったミステリー要素を持っている。
「野辺の露」
妾を作った夫暁一郎に裏切られた妻杉乃と、杉乃に同情した義弟順吉との道ならぬ恋の顛末を描いた物語。
二人の間にできた不貞の子暁介が暁一郎にいじめられていることを知って順吉が悩み苦しむ、そういう話だ