連城三紀彦のレビュー一覧

  • 造花の蜜(下)

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    シングルマザーの子どもが誘拐された。その真相が明らかになるにつれ、物語が劇的に変化していく作品でした。最終的にはただ唖然しました。
    連城作品をかじり始めて5作目くらいですが、叙述がきれいだなと思います。きれいなのに魅力的というか、魅惑的というか、、、。
    今まで読んだことのない手法の本であり、賛否はありますが、私は気に入りました。トリックや心理描写、情景描写など、あらゆる一文一文がとても心に響く作品でした。

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    2015年02月15日
  • 変調二人羽織

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    変調二人羽織
    ある東京の扉
    六花の印
    メビウスの環
    依子の日記

    依子の日記 が心に残りました。

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    2014年09月18日
  • 嘘は罪

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    ネタバレ

    からみあう愛と憎悪、そしてあなたもだまされてしまう。
    予期せぬ結末が待つ12の物語。

    ■夏の最後の薔薇(1997.1)
    ■薔薇色の噓(1997.4)
    ■噓は罪(1997.6)
    ■罪な夫婦(1997.10)
    ■夫婦未満(1997.12)
    ■満天の星(1998.2)
    ■星くず(1998.11)
    ■くずれた鍵(1999.1)
    ■鍵孔の光(1999.3)
    ■仮橋(1996.9)
    ■走り雨(1999.11)
    ■雨だれを弾く夏(2000.8)

    12編すべてが「浮気」をテーマに男女の様々な人間関係を描いている。
    印象に残った作品は『噓は罪』だろうか。
    三人称と一人称と織り交ぜながら、ラスト3ページは急転

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    2014年08月10日
  • 恋文・私の叔父さん

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    ネタバレ

    恋愛小説をあまり読まない私には、連城さんは縁がない作家さんだと思っていました。表題作の『恋文』を読んだら「やられたー!まずいなぁ」と思いました。いいじゃないですか、とっても。女心も男心も共感せずにはいられません。いや、本当はダメな男は好きではありません(苦笑)が、ヒロインの女性にしてみれば、そんなところもほっとけなくて愛しいのではないだろうかと思うわけです。
    『紅き唇』も好きです。
    この短編集に登場するのはどちらかというとダメ男さんが多いですが、女性は気が強いタイプが多いですね(笑)
    物語が美しいというか情緒的というか、連城さんの恋愛小説は絶品ですね。(この本しか読んでいないですけど^^; )

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    2014年06月28日
  • 造花の蜜(下)

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    ネタバレ

    【生きた花は枯れ、造られた花は蜜を零す】

    二重三重に張られた伏線に気づいたら絡め取られ、終わったときにぽかんと口を開けている事しかできない。

    まず、主人公は誰か?
    犯人は誰か?

    まったくわからないまま終わってしまった。
    最後読み終わっても読後の安堵があるのに、どんな話だったのか上手く想像できない。なのに面白かったと感想が浮かんでくる。まるで洗脳を施すようなミステリ。

    もう一度読んでも理解できるかわからないが、もう一度読み直してみたい。

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    2014年06月25日
  • 私という名の変奏曲

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    連城氏ならではというか、流石というか。
    こまやかなトリックというわけではないけど、流れのテンポがいいのでワクワクしながらアッという間に読んでしまった。最初は「僕が殺しました×7」的な展開になるのかと思ったんだけど、裏切られたー!!面白い!

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    2014年05月13日
  • 密やかな喪服

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    高い叙情性とミステリの面白さの共存......って、これ何回書いたかな?
    すべてを読んだわけではないが、とにかく連城三紀彦の短篇集にハズレなし!

    ハルキ文庫版の『夜よ鼠たちのために』にあった『代役』『ベイ・シティに死す』『ひらかれた闇』は、こちらにも収録されている。
    この三作品だけでも読む価値はあるので、興味のある方は比較的入手しやすい『密やかな喪服』はいかがだろうか。
    もちろん他四篇も面白いのでおすすめ。

    『白い花』
    自宅療養中の書道家と物静かな家政婦。
    犯人もトリックもなんとなくわかる。でも凄いのはそこじゃない。
    わからなかったことが二つあった。その謎が解けるとき......

    『消え

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    2013年06月27日
  • 変調二人羽織

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    「変調二人羽織」と「依子の日記」がよかった。
    つまらぬ男のエゴに翻弄される「依子」が崩壊していく様がなんとも悲哀的。どんでん返しの嵐のため、終着点が読めないのが面白い。

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    2013年06月02日
  • ため息の時間

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     作者が本人の体験を描いたのではないかと勘繰らせる文脈を挿入し、メタ的な構造を挿入した実験作。(実際にはそうすることによって効果を狙った、私小説を装ったフィクションなのではないかと思われる)
     個人的にメタフィクションというものが苦手なのだけれど、それを脇におけば、本筋が非常に面白かった。同性愛を扱っているのだけれど、愛憎模様というか、すれちがい&憎しみ愛的なものに「滾る!」となる人にはオススメしたい。
     連城三紀彦の恋愛小説に漂う陰のある色気というか、エロスというか、そういう空気感は非常に魅力的だと思うのだけれど、しかし今回、一か所だけ性描写にものすごくエグい表現があってドン引きした……ドン

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    2013年03月09日
  • 黄昏のベルリン

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    冷戦時のベルリンの壁を舞台とした国際謀略小説というところでしょうか。いくつかのエピソードが除々にひとつに収斂していタイプの作品です。突拍子のない物語なのですが、単なる絵空事に終わらなせないところが良いですね。

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    2012年10月30日
  • 恋文・私の叔父さん

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    この作者のどの話も映像化しやすそう。(実際いくつか映画化されてる)
    男性目線(しかも年配)で女を描くとこんなふうになるのか〜。
    (良い意味でね)

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    2012年09月14日
  • 造花の蜜(上)

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    たまたま読んだのだけれども、二重、三重に犯罪が誘拐・身代金が仕掛けられていてなかなか面白かった。上巻を読み終わった段階ではまさか下巻がそんな展開するとは思わなかったし、最後の犯罪も「え?」という感じ。でも他の推理小説とかと比べて何かが足りない気がするのは何だろう・・・それなりに面白かったんだけどな。

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    2012年07月22日
  • 造花の蜜(下)

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    蘭が起こした、第二の事件。
    最初の事件に比べて、描写は少ないけれど、第二の事件は面白かった。
    第二の事件を独白する、主人公の女の子にあっぱれ!

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    2012年06月28日
  • 造花の蜜(下)

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    誘拐された少年の家の従業員《川田》の視点で事件の真相が語られる。《女王蜂》と《働き蜂》の奇妙な共犯関係。加害者&犠牲者関係。
    ラストは「えっ!?」という感じのドンデン返しアリ。

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    2012年05月25日
  • 造花の蜜(上)

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    誘拐小説。だが、ただの誘拐じゃない。被害者家族にいろいろと秘密があったり、犯人が身の代金を要求して来なかったり、人質があっさり帰って来たり。これって誘拐?という感じで犯人の目的が読めない。
    そして、象徴的に出て来る《蜂》が気になる!ところで、下巻に続く。

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    2012年05月24日
  • 恋文・私の叔父さん

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    ちょっといい話の連続なんだけど、
    どこにでもありそうなんだけど、
    読み終わったあと、ふっと心に沁みるものがあって、
    それは結局、とても良質な話を読んだことなんだろうな、と思った。
    そんな感じ。

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    2012年03月09日
  • 変調二人羽織

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    ネタバレ

    著者連城氏の処女作『変調二人羽織』を含む5編の短編集。

    三津田信三氏が著作『忌館』の中で登場人物(雑誌編集者)に述べさせていた連城氏に対する評価があるが、「変調二人羽織」の書き出しにそれが凝縮されていると思う。

    誤って薄墨でも滴り落ちたかのようにゆっくり夜へと滲み始めた空を、その鶴は、寒風に揺れる一片の雪にも似て、白く、柔らかく、然しあくまで潔癖なひと筋の直線をひきながら、やがて何処へともなく飛び去ったのだと言う

    なんと美しく流麗に日本語を駆使する作家さんなのだろうか、そして本格の名に恥じないプロット、伏線の回収、読後感。短編に関していえば、淡坂妻夫氏と連城氏が個人的東西横綱である

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    2012年06月09日
  • 造花の蜜(上)

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    これでもかと言わんばかりの伏線の数に参りました。
    どうやってひっかけられるのか?どきどきしながら楽しめる作品は久しぶりでした。ただ、最後の最大の事件だけは少し、尻すぼみな感が・・・。もうひとひねりほしかったですね。

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    2011年12月19日
  • 造花の蜜(下)

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    造花=FAKE。なるほど。すっかり騙されました。面白かったです。ただしトリックのアイデアはいいけど、この犯行実際はかなり困難かも。人心はそうそうままならないし、予測不可能な事態とは起こるものだから。全体が成り立つためには、犯人をああいう形に着地するしかないだろうな。

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    2011年12月14日
  • 造花の蜜(上)

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    異様な誘拐事件の展開にぐいぐい引き込まれていくのだが、事件に関わる人物たちの隠し事がなかなかわからないのが、やきもきするというよりイラっとする。これはなんとなくうすうすわかってしまうことがだらだら長引くからか? 人物造型も今ひとつ輪郭の定まらない感じで、全体的に平板で一貫性がない印象だった。が、まだ物語はほんの序章らしいので、下巻に期待。

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    2011年12月05日