連城三紀彦のレビュー一覧
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二人の人物の関係性に焦点を当てた作品集で、いずれも騙し絵のように、見た目とは裏腹の真相が判明する。
「能師の妻」
能楽師藤生信雅の死の直前に正妻となった篠と、前妻の子である貢との心理的・肉体的葛藤を描いた物語。技量は秀でているが心が伴わぬ貢がどのようにして「井筒」を見事に舞うことができたのか、貢の遺体の一部だけがなぜ離れた場所に埋められていたのか、といったミステリー要素を持っている。
「野辺の露」
妾を作った夫暁一郎に裏切られた妻杉乃と、杉乃に同情した義弟順吉との道ならぬ恋の顛末を描いた物語。
二人の間にできた不貞の子暁介が暁一郎にいじめられていることを知って順吉が悩み苦しむ、そういう話だ -
Posted by ブクログ
1.潰された目
一つの強姦事件について、
関係者の供述という形で進行する。
語り手が変わる度、
事件の見え方が様変わりする。
真相は予想を上回るものだった。
2.美しい針
「先生」と称する男が
「患者」の女に施そうとする
「治療」の目的とは。
激しい官能的描写の行き着く先が
全く見えずに惹きこまれた。
これまた驚きの真相。
3.路上の闇
連続タクシー強盗が発生する中、
山岸は1台のタクシーを拾った。
彼のコートの内のシャツは
真っ赤な血に染まっていた。
運転手と山岸の腹の探り合い。
展開が限られてしまう設定だが、
それでも読ませる巧さがあった。
4.ぼくをみつけて
誘拐されているから助け -
Posted by ブクログ
「私は7人の男女に7回殺される」という書店の紹介に惹かれ、目次を見た時に「誰か」というタイトルが並んでいることに惹かれ即決で買った本。
読み進めて行くうちに登場人物達が巻き起こしていく事件の世界に夢中になれた。
また、タイトルが「誰か」となっているためにすぐに名前は出てこず、これは一体7人のうちの誰なのか考え、読み進め、わかった時の驚きはとても爽快であった。
だが…欲を言うなれば、トリックはわかったものの、全てが終わっていない。これまで完璧に奏でていた奏者がいきなり曲の途中でステージを降りたような虚しい驚愕が残ったまま。私はまさに、どよめきが残る会場に取り残された客の一人となってしまった。
作