連城三紀彦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
1.潰された目
一つの強姦事件について、
関係者の供述という形で進行する。
語り手が変わる度、
事件の見え方が様変わりする。
真相は予想を上回るものだった。
2.美しい針
「先生」と称する男が
「患者」の女に施そうとする
「治療」の目的とは。
激しい官能的描写の行き着く先が
全く見えずに惹きこまれた。
これまた驚きの真相。
3.路上の闇
連続タクシー強盗が発生する中、
山岸は1台のタクシーを拾った。
彼のコートの内のシャツは
真っ赤な血に染まっていた。
運転手と山岸の腹の探り合い。
展開が限られてしまう設定だが、
それでも読ませる巧さがあった。
4.ぼくをみつけて
誘拐されているから助け -
Posted by ブクログ
「私は7人の男女に7回殺される」という書店の紹介に惹かれ、目次を見た時に「誰か」というタイトルが並んでいることに惹かれ即決で買った本。
読み進めて行くうちに登場人物達が巻き起こしていく事件の世界に夢中になれた。
また、タイトルが「誰か」となっているためにすぐに名前は出てこず、これは一体7人のうちの誰なのか考え、読み進め、わかった時の驚きはとても爽快であった。
だが…欲を言うなれば、トリックはわかったものの、全てが終わっていない。これまで完璧に奏でていた奏者がいきなり曲の途中でステージを降りたような虚しい驚愕が残ったまま。私はまさに、どよめきが残る会場に取り残された客の一人となってしまった。
作 -
Posted by ブクログ
恋愛の美しい部分だけを切り取ったような短編集。
恋愛における「嘘」が軸になり、どれも切ない余韻を残す作品となっています。
自分のためであれ、相手のためであれ、恋愛を取り巻く嘘はどれも哀しすぎる。
「恋文」
登場人物の誰もが少しずつ欠落した部分を持っていてそのちょっとずつの見栄とか同情とか強がりとか中途半端な優しさとかが小さな嘘となって、最終的にどうしようもなく切ない気持ちにさせてくれる作品。
「紅き唇」
いつもいつも他人を優先にしてきたおばあちゃんの最初で最後のワガママの叶え方が、なんともいとおしい。パチンコの景品を自分へのプレゼントにするおばあちゃんのいじらしさ。
「十三年目の子守唄」