連城三紀彦のレビュー一覧

  • 黄昏のベルリン

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    スケールの大きな作品で、これまでの連城作品とは趣向が異なる。
    良い意味で裏切られ、期待を超えてきた。

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    2017年04月03日
  • 顔のない肖像画

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    1.潰された目
    一つの強姦事件について、
    関係者の供述という形で進行する。
    語り手が変わる度、
    事件の見え方が様変わりする。
    真相は予想を上回るものだった。

    2.美しい針
    「先生」と称する男が
    「患者」の女に施そうとする
    「治療」の目的とは。
    激しい官能的描写の行き着く先が
    全く見えずに惹きこまれた。
    これまた驚きの真相。

    3.路上の闇
    連続タクシー強盗が発生する中、
    山岸は1台のタクシーを拾った。
    彼のコートの内のシャツは
    真っ赤な血に染まっていた。
    運転手と山岸の腹の探り合い。
    展開が限られてしまう設定だが、
    それでも読ませる巧さがあった。

    4.ぼくをみつけて
    誘拐されているから助け

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    2017年02月28日
  • 顔のない肖像画

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    めくるめく幻惑と逆転の7編。読む手を止められないが、同時に、一編を読むたびに間をおいて噛み締めたくもある。文体とストーリーと謎をかくも華麗に融合させる作家は今後出てくるのだろうか。8.0

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    2017年01月12日
  • 隠れ菊 上

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    前半を読んで感心したのは、小説の方ではなく、NHKでやってたドラマの方。そのままやん!ってびっくり。完全にあのキャスティングで読んでます。

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    2016年12月25日
  • 小さな異邦人

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    やはり何と言っても表題作に尽きる。魅力的な謎からあっと驚く真相への落としどころが素晴らしい。他の作品も、それぞれに思いもよらない展開を見せてくれるから、面白く読めました。「風の誤算」が特に良かった。

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    2017年05月20日
  • 隠れ菊 下

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    平凡な主婦から料亭の女将への転身とその後の成長を描く。
    真似はできないが、ポジティブな考え方や行動力は応援したくなるし、読んで良かったと思えた小説だった。

    読むきっかけになったテレビドラマの方は、申し訳ないが、興味が薄れてしまった。2話目以降も見ると思いますが…。

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    2016年09月18日
  • 宵待草夜情

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    久しぶりに読んだ連城作品。大変よかったです。
    文章はクラシックな感じがしますが、わかりやすくてストーリーに深みもあって、さすがといったかんじです。

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    2016年09月14日
  • ため息の時間

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    老师这本玩很开心 各种元素都玩到了 由于是meta-mystery 所以做成单行本后气氛比当时连载时要减弱很多 最后还是不得不来怀疑一下连城老师是否是拿自己的真私事来写的..而关于此点 老师当时不接受任何采访(捂嘴

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    2016年08月28日
  • 隠れ菊 下

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    女将になってからの通子の人生は劇的で、数年間の出来事なのに一生分のドラマを見せられた感じの濃さでした。ヒロインの通子は元愛人の多衣とだけではなく、ずっと亡くなった姑のキクとも戦っていた。強い女性は堪能できたけど、男性陣の影が薄くて、魅力的な男性が最後まで現れないのが残念でした。女が強いと男は弱くなるんですかね……。

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    2016年04月16日
  • 隠れ菊 上

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    冒頭の妻vs愛人の場面からゾクゾクして引き込まれました。抒情的な描写もありながら展開が早く、あっという間に読み終えてしまいました。私はあまりよく知らないのだけど花登筺さんの世界ってこんな感じなのかな?連城さんといえば、ミステリーやどんでん返しといったイメージが強いので、細腕繁盛記的な女性が主役のお話も書いていたことに単純に驚きました。
    本当に引き出しの多い作者だったんだなあ……。ただ、旬平さんが、女性2人で取り合いになるような魅力ある男性に見えない点だけが少し残念。

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    2016年04月15日
  • ため息の時間

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    恋愛小説の殻を被ったミステリー? 叙述トリック? メタフィクション的な不思議な構成で読み手を惑わし、置き去りにしていく不思議な手触り。
    精緻な文章は流れ落ちる雨のよう。
    結局皆身勝手で自分のことしか大事ではないのかな、という一人上手で空回る恋模様。

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    2016年03月28日
  • 私という名の変奏曲

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    「私は7人の男女に7回殺される」という書店の紹介に惹かれ、目次を見た時に「誰か」というタイトルが並んでいることに惹かれ即決で買った本。
    読み進めて行くうちに登場人物達が巻き起こしていく事件の世界に夢中になれた。
    また、タイトルが「誰か」となっているためにすぐに名前は出てこず、これは一体7人のうちの誰なのか考え、読み進め、わかった時の驚きはとても爽快であった。
    だが…欲を言うなれば、トリックはわかったものの、全てが終わっていない。これまで完璧に奏でていた奏者がいきなり曲の途中でステージを降りたような虚しい驚愕が残ったまま。私はまさに、どよめきが残る会場に取り残された客の一人となってしまった。

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    2015年07月16日
  • 隠れ菊 下

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    大きな波が次々に襲いかかるが切り抜けていく。彼女の持ち味は敵を味方につけるところか。夫婦とは不可思議なものだとも思った。面白かった。

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    2015年07月08日
  • 恋文・私の叔父さん

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    『私の叔父さん』が一番好き。
    「大人ってのは、嘘をつけることだ」
    「本当のことでも言ってはいけないことなら口に出さない人のことだ」
    「十九年前、俺も夕季子も真実の気持ちを全部嘘にしたのなら、今この嘘を全部真実にしてやる」
    5枚の写真が語った言葉を知った瞬間は震えた。
    解説で、この本はミステリーだと言っていたが、確かに、ミステリーだと思う。

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    2015年04月24日
  • 造花の蜜(下)

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    後半。主人公からして変わってしまってて、同じ事件を扱っているんだけど、別の視点から綴られた新しい物語、って感もあり。前半の主人公、後半には全く登場しないし。何も起こらなかったはずの事件の裏で起きていた大問題とか、その後に引き続いて巻き起こる、一連のものとも思える事件とか、展開が目まぐるしく変わるけど、その上で保たれている整合性も素敵。連城作品は初めてだったけど、面白かったです。

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    2015年04月23日
  • 造花の蜜(上)

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    今のところ、誰も死なないどころか、誰も損すらしていない。でも実際には、2つの誘拐事件が同時に発生したことになっている。下巻で解き明かされるであろう謎に期待大です。

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    2015年04月10日
  • 造花の蜜(下)

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    ネタバレ

    たどり着いたように思えた真実が見る角度によってまるで違う様相を呈したもう一つの真実を浮かび上がらせる。
    一体どうやってこんな途方も無い物語を考えついたのか。

    すごいなーと思うけどただそんなに好みの話ではなかったです。

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    2015年03月24日
  • 恋文・私の叔父さん

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    恋愛の美しい部分だけを切り取ったような短編集。
    恋愛における「嘘」が軸になり、どれも切ない余韻を残す作品となっています。
    自分のためであれ、相手のためであれ、恋愛を取り巻く嘘はどれも哀しすぎる。

    「恋文」
    登場人物の誰もが少しずつ欠落した部分を持っていてそのちょっとずつの見栄とか同情とか強がりとか中途半端な優しさとかが小さな嘘となって、最終的にどうしようもなく切ない気持ちにさせてくれる作品。

    「紅き唇」
    いつもいつも他人を優先にしてきたおばあちゃんの最初で最後のワガママの叶え方が、なんともいとおしい。パチンコの景品を自分へのプレゼントにするおばあちゃんのいじらしさ。

    「十三年目の子守唄」

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    2015年03月16日
  • 恋文・私の叔父さん

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    直木賞を受賞した短編集です。全5編で、どの作品も男と女の人生が描かれています。有名なのは、表題作『恋文』と『私の叔父さん』でしょうか。
    私は恋愛に関する小説というものが苦手で、これまであまり読んでいません。なぜ苦手なのか考えてみると、なんとなく馬鹿馬鹿しいというか、そのような印象を受けるのです。
    しかし今回の作品達はどれも興味深く読むことができました。それはきっとミステリーだからだと思います。特に好きなのは『恋文』と『ピエロ』です。『恋文』は「愛とは相手に一番やりたいことをやらせる勇気」という言葉とラブレターが感動でした。『ピエロ』は男性の生き方が素敵でした。
    ぜひ読んでみてください。

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    2015年02月25日
  • 嘘は罪

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    一編20頁ほどの短編。タイトルがしりとりになっている。(「薔薇色の嘘」→「嘘は罪」みたいに。)何れもほんの少しの擦れ違いから別々の道を歩むことになった男女のついての短編なんだけど、よくいう、女ってよくわからん、のわからんを素敵に解説してくれているような作品ばかり。怨念を募らせて惨酷な行為に至るというのはある意味で正常で、なんというかじっと押し黙って普通にしていて、何かが起こりそうでやっぱり起こらない、みたいな、そういう土壌では何が醸成されていくのだろうと思ったり。色気のある短編集でした。

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    2015年02月12日