連城三紀彦のレビュー一覧

  • 女王(上)

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    連城三紀彦の長篇ミステリ作『女王〈上〉〈下〉』を読みました。
    久し振りにミステリを読みたくなったんですよね… 連城三紀彦の作品はアンソロジー作品『鉄ミス倶楽部 東海道新幹線50』に収録されていた『消えた新幹線』以来なので、約1年振りですね。

    -----story-------------
    時空を超える、連城ミステリーの傑作。

    南朝の天皇に仕えた男。
    炎の瞳をもつ古代の女王。
    謎がちりばめられたノート。

    すべてをつなぐ、唯一の答とは。

    〈上〉
    戦後生まれの荻葉史郎の中にある東京大空襲の記憶。
    だが彼を診察した精神科医・瓜木は思い出す、空襲の最中にこの男と会っていたことを。
    一方、史郎の祖

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    2022年11月26日
  • 白光

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    今で言う「マウンティング女子」を含めて、登場人物全てがヤバい。
    人間の裏の顔が見えてくる。
    救われない。

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    2022年10月30日
  • 造花の蜜(上)

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    父に借りました。
    著者の作品を読むのは初めて。いい作家に出会えました。

    人物、風景の描写力が独特ながらも非常に高く、また、文章構成も見事だと思いました。
    ストーリーはというと、誘拐ミステリーなのですが、
    いわゆる普通の誘拐とは趣が異なります。

    離婚後、実家に戻った女性が育てる一人息子・圭太が誘拐される。
    しかしながら積極的な身代金の請求はなく、その額も二転三転し、また身代金の受け渡し場所も渋谷のスクランブル交差点の真ん中、という変わったもの。
    圭太は無事に保護されるものの、そのからくりは驚くべきもので犯人は不明なまま。

    ここまでが上巻で描かれています。

    引き込まれるように読みました。

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    2022年10月14日
  • 造花の蜜(下)

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    面白かったです。
    上巻の続き…なのですが、ある意味別のストーリー。

    下巻の前半は、上巻で起きた誘拐事件のからくりが明かされます。
    それを語るのが犯人のうちの一人の心情と首謀者の手紙、という個人的にはあまり好きではない手法なのですが、そういった私の嗜好をもってしても面白いと思える仕上がりでした。
    独白とも言える首謀者の手紙における、感情・感性の描写の細やかさというか、繊細さというか。

    下巻の後半は舞台が仙台に移り、上巻で起きた誘拐事件そっくりの事件が起きます。
    被害者となる家庭の長女の手記によって記されるこの事件の真相が、とにかく痛快。

    事件はさっぱり解決していないのに、爽快さを覚えるから

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    2022年10月14日
  • 戻り川心中

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    各作品、花が共通項の、時代は大正から昭和初期の、連作短編集。
    最近、友人にいただいて、古いものだけど、“凄絶な滅びの美学”と、当時の帯が残っていた。凄まじく、恐ろしいという美学なのです。
    各作品、ミステリの構成ですが、犯人やトリックを追うものではありません。彼らが、何故その罪を背負う事になったのか、その動機を消し去る為に身を滅ぼしていく犯罪者への哀悼の物語。

    「戻り川心中」
    最近、坂口安吾の太宰治情死考を読んでいたので、あゝ、連城さんもそうなのか、太宰治の心中を情死とは思えていないのだろうと。
    主人公の歌人岳葉は、二度の心中事件を引き起こし、その事件を題材とした傑作歌集を完成させた後、自害す

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    2022年10月11日
  • 変調二人羽織

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    今まで読んだ連城三紀彦作品の中でも一番好みの話が揃ってたかも。依子の日記はじわじわきますね。各々の思惑や感情が同じ方向ではなく、そういった要素がさらに異常さを引き立てたと言うか。何作か読んでるのでこれでは終わらないだろうと思いながら読むのだけど、結局、さらに斜め上の結末で驚かされる。そうしたお話の構成も素晴らしいのだけど、連城作品はどれも文が濡れている。情感溢れる文学作品としても推したい。

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    2022年08月22日
  • 白光

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    様々な思いが水面下で一人の子供に集中していることが恐ろしかった。色んな感情や出来事が絡み合ってて、真実は一つって感じじゃ無い。人の数だけ真相があった。
    視点がどんどん入れ替わることで、登場人物の印象も変わっていく。他の人視点の時は嫌な人だなぁという印象だったのに、その人視点になると思ってたより悪い人じゃ無いなぁみたいな。語り手の主観に引っ張られちゃう。

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    2022年07月22日
  • 暗色コメディ

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    この小説が何十年も前の作品だということがまずおもしろさの第一点だと思う。
    精神患者たちの不可思議な物語を読み進めて行くと、あれこれ松本清張?京極さんだったっけ?思うような、物語が混戦を極めるのだが、終着点は見事に一点にまとまる。そのまとまり方がまた、松本清張とも、京極さんとも違う。連城さんならではの着地点。
    これから『ラッシュライフ』が生まれたというのは、ちょっとわからないが、人生が交差する点では同じく、改めて読み直したくなった。

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    2022年07月19日
  • 戻り川心中

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    匂い立つ流麗な文章。その時代に生きていなくても、空気感が伝わってくる。連城三紀彦の文章はすごいなあと思う。どの作品にしっとりとした翳をまとった女たちが現れる。本のタイトルとなった戻り川心中の真相は恐ろしい企み、の一言としか。

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    2022年07月18日
  • 恋文・私の叔父さん

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    ネタバレ

    知り合いにおすすめされて読みました。『恋文』は感情の表現が素晴らしい。特に好きなシーンは、鉄幹作の小説のことを江津子と話合っているときの描写です。
    「郷子の胸が冷たい一滴を覚えた時である。」
    「今まで胸の奥に隠していた感情が一挙に爆発し、流れ出した気がしたのだった。」
    ラストで離婚届をラブレターと表現するシーンも好きでした。全然共感はできないけど、何故か泣けます。

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    2022年06月30日
  • 白光

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    まさかの展開
    家族やその繋がりのある人、全ての人が一人の少女に関わっていたなんて、、、
    ミステリー好きに読んで欲しい!
    特に人間の裏の顔(人の醜さ)がすごいおもしろい

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    2022年04月20日
  • 恋文・私の叔父さん

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    愛というのはその対象を選ばす、何に対しても惜しみなく注がれるものだと思っている。飼っている猫や育てている植物、勿論本にだって。
    でも恋は違う。
    一般的には、両親や兄弟、子どもに対して抱く感情ではない。そして大抵は一対一のものであり、自分と同じ気持ちでいることを相手に求めてしまうし、始まりがあり終わりがあるものなんじゃないかと思う。

    『恋文』に出てくる郷子と将一は夫婦であり、優という小学生の子供がいる。将一は郷子より一つ歳下で教員をしているが、ある時突然「昔の恋人が不治の病にかかり残り少ない命なので、せめて残された時間を共に過ごしてあげたい」と家を出て行ってしまう。
    恋人の名は江津子といい、漢

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    2022年03月26日
  • 恋文・私の叔父さん

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    <感想>
    初・連城作品。
    評判の良かった短編集から読んでみた。
    もともとはミステリー作家だったとのこと。本短編集はヒューマンドラマがテーマのようだが、ミステリー的などんでん返しもあり、作家の力量の高さを感じる。
    ミステリー要素と「切なさ」を絡めるのが本当に上手い。
    ただ、女性の描き方が昭和感を感じさせる。令和の感覚だとヤバいおじさんの恋愛小説と感じる人もいるかもしれんない。

    ●恋文
    別れた女の最後を見取りたいと言い残して消えた夫。妻が最後に送ったものは…。

    ●赤き唇
    死んだ妻の母と暮らす主人公。新し恋人ができるが義母の辛辣な態度で距離ができてしまう。死んだ娘のことは忘れて早く新しい相手を見

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    2022年03月27日
  • 白光

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    少女が殺される。その母親、父親、母の姉、その夫、祖父、他界した祖母、母親の不倫相手。その家庭に関係する人々の心の中に潜んでいる闇が暴かれながら事件の真実が少しずつ明らかになる。作者の小説によく描かれるドロドロの人間関係は、文庫本のカバーにあるように救いのかけらもなかった。読後感が悪いかと言えば、そうは言い切れない気持ちになるところが恐ろしい。

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    2022年02月27日
  • 白光

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    『すぐに門灯がともり、その灯におびえるように周囲の暮色は黒く陰り、花が光って見えるのが、蒸し暑さのために脂汗をしたたらせているかのようでした。』


    この家には戦地経験のある桂造、その息子の立介と妻の聡子、娘の佳代の4人が暮らしている。
    聡子には幸子という妹がいて、その幸子にも直子という4歳になる娘がいるのだが、最近カルチャーセンターに通い始めたという理由から頻繁に直子を預けに来る。聡子はそれをとても迷惑だと感じている。なぜなのかは、複雑な彼女なりの事情があるのだが、上手く断り切れずにまた直子を預かることになってしまった。その日佳代と歯医者に行っている間に、直子が行方不明になってしまった。やが

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    2022年01月28日
  • 暗色コメディ

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    解説で有栖川有栖氏が書かれているように「爽快なカタルシスではない」というところが連城三紀彦作品の特徴で魅力なのかも

    萎びた朝顔を「老人の小指のように」と形容するなど、多彩な比喩表現が素晴らしい

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    2022年01月09日
  • 暗色コメディ

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    自分が自分ではない、あるいは身近な人物が他人にすり替わっている、という考えに憑りつかれた4人がとある精神病院に集合し、程なくして失踪と殺人事件が起きるという、ひとつ間違えばバカミスと呼ばれかねない突飛な設定で、どこに連れて行かれるか分からない展開に読み始めは不安を覚えたのですが、読み終えてみたら全て納得しました。なるほど、伊坂さんが本作を好きというのはすごくよく分かります。
    リアリティ云々で言ってしまうと正直無理があるとは思いますし、真犯人が誰かという点もミステリーを読み慣れている読者であれば恐らく薄々予想はつくので、そのあたりの驚きはそれほどでもないです。また本作で描かれている個人のアイデン

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    2021年10月30日
  • わずか一しずくの血

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    連続猟奇殺人
    日本各地で次々見つかる人間の部位
    一部は犯人からの自白
    いろんな人の視点が入れ代わりで展開される物語で
    いろんなことが起こるのだけどなかなか犯人に
    行きつかずもどかしくも感じましたが
    読み終えてほっとしました

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    2021年10月09日
  • 白光

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    ネタバレ

    いやダークプレイスくらい色々起きるやんとか思ったけど最後の顛末にはグッと掴まれた。色々ありすぎてえええ?ってなったけど、面白かった。女と男と、それらが寄り集まって家族と親類と出来上がっていく中で、その基盤が腐っているという。男女のどろどろが極大化した上で、一つの家族にぎゅっと集約されてるっていう、一番近い肌寒さがあった。幸子好きじゃないなぁ。

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    2021年09月12日
  • 白光

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    自分勝手で一方的な考えから、延々とすれ違いを繰り返すもどかしさ。
    一人の女の子の死をめぐり、全員が「私が殺したのかも。」と、罪悪感と後悔を滲ませるのに、口から出るのは言い訳ばかり…
    一人称で決して交わることがない。どこかで誰かがきちんと向き合っていれば生まれなかった悲劇。人間関係の難しさと怖さを思い知らされた。
    驚愕の展開ととそのための伏線が至るところに張られているが、あまりの救いのなさに爽快感はなく、ある程度の覚悟を持って手に取る必要がある。

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    2021年08月13日