【感想・ネタバレ】黒真珠 恋愛推理レアコレクションのレビュー

あらすじ

果てしなくくりかえされる愛憎。反転する虚実。そして待ち受ける驚愕の結末――。
騙りの巨匠の大技が冴え渡る、これまで単著未収録だった貴重な恋愛×ミステリ短篇14篇を初書籍化。
文庫オリジナルアンソロジー、没後十年刊行。
解説=浅木原忍

【目次】
Ⅰ/短篇
黒真珠(1990)
過剰防衛(1982)
裁かれる女(1996)
紫の車(2008)
ひとつ蘭(1997)
紙の別れ(1998)
媚薬(1994)
Ⅱ/掌篇
片思い(1993)
花のない葉(1994)
洗い張り(1988)
絹婚式(2000)
白い言葉(1996)
帰り道(1996)
初恋(1996)

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Posted by ブクログ

ネタバレ

愛憎渦巻く恋愛×ミステリー短編集。
初連城三紀彦作品。ミステリー要素があるドロドロした恋愛大好物なので面白かった。そして文章がとても綺麗。不倫モノが多くて著者の好みがわかりやすい。
個人的には『媚薬』や『絹婚式』みたいな、実は浮気なんてしてなくてちゃんと結婚相手のことが好きだったというオチの話が好き
あと『帰り道』が短いけど衝撃を受けたので印象的。

0
2025年09月22日

Posted by ブクログ

なんとも妖しい世界。
まさに連城ワールド。
短編でもその空気は存分に堪能できる。
表題の真珠の妖しい光、、
温泉旅館の裏側の人間模様。
これを描けるのは連城三紀彦だけなのではなかろうか。

0
2024年09月12日

Posted by ブクログ

甘い恋愛の中に潜む憎悪と裏切り… 人の我欲と冷たい断罪が描かれる恋愛短編ミステリー #黒真珠

■きっと読みたくなるレビュー
連城先生のデビュー当時から晩年まで、未単行本化であった短編七作、掌編七作の恋愛推理小説。

昭和時代のダンディな恋愛小説で、重みと渋みのある文章で綴られています。どの作品も愛情描写よりも、人間のいやらしさや業の深さが綿密に描かれていて醜悪さが満点。

そしていつもの通りミステリーとしても読者を楽しませてくれる仕掛けでいっぱいでした。

■おすすめ短編の感想
・黒真珠
表題作、立場が違う女と女の闘い絵巻。
プライドと意地のぶつかって、吐き出される妬み嫉みが見てられません。でも見ちゃう。最後の一文がカッコよくも、今までの自身への後悔をも表していて只々悲しい。

・裁かれる女
ど真ん中の恋愛ミステリー。弁護士と女の舌戦が見事、捻り具合も素晴らしい。

・紫の車
愛憎まみれる人間の性まるだしの物語。人の本音を知るのは難しい…

・ひとつ蘭、紙の別れ
二つの連作短編、面白い!
主人公である女性柚子が、禁断の恋愛による人生が丸ごと描かれていく。
渦に巻き込まれる落ち葉のごとく翻弄されていくが、女性の静かで強い生きざまが渋い。反して男性の甘えと弱さがあまりにも幼稚で、自身をも顧みて恥ずかしくなりました。

・花のない葉
女学生時代の友人からの施しを巡る掌編。
終盤のセリフがこれまで歩んできた道を辛辣に表現されており痺れました。

・白い言葉
夫婦の出会いと家族の物語、素敵すぎる掌編。
種明かしから最後の文章までの心地よさが大好きでした。

■推しポイント
いつの頃からか、毒々しい大人の恋愛ドラマがテレビで見られなくなりました。そして芸能人が不倫なんかしたら、もはや犯罪者のように袋叩きにされています。

本書で語られるような物語も、現実なら決して褒められたことではありません。ただ人のことを好きになるということは、間違いなく生きる希望にはなっているのです。

人を愛することは自体は純粋で美しい。

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2023年02月21日

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