連城三紀彦のレビュー一覧
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1984年第91回直木賞
受賞作「恋文」を含めた短編5編
昭和59年の作品なのです
このあたりの小説が読みやすいとはいえ
少しロマンが過ぎる「恋文」
ミステリーだけでなく
男女の心理劇を書いても それは上手い
特に本心を隠す男の描写が上手い
本当は違うでしょとわからせつつ
隠し切らせる様子が上手い
5編とも 男女が嘘をつくことで愛を守る
といったストーリー
なんとなく納得し難い「恋文」のご紹介
高校教師の夫と出版社勤めの妻
小学生の息子の三人家族
頼りないけど優しい夫
夫の元に余命短い昔の恋人が会いに来る
夫は独身と偽り 昔の恋人を支える決心
ふらりと家を出る
教師もやめて魚屋で働きながら恋人の看病
妻は夫の優しさと諦めお金を渡して
元恋人の見舞いまではじめる
死ぬ前に結婚したいと離婚までする
元恋人は 結婚してた事も知っていた
離婚届が夫を愛している恋文なのか?
夫も妻も人間的に優しいのかもしれないけれど
どちらも愛情が無くなったのではないのかもしれないけれど
不思議な三角関係 -
Posted by ブクログ
「連城三紀彦」の長篇ミステリ作品『白光』を読みました。
ここのところ「連城三紀彦」の作品が続いています。
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ごく普通のありきたりな家庭。
夫がいて娘がいて、いたって平凡な日常――のはずだった。
しかし、ある暑い夏の日、まだ幼い姪が自宅で何者かに殺害され庭に埋められてしまう。
この殺人事件をきっかけに、次々に明らかになっていく家族の崩壊、衝撃の事実。
殺害動機は家族全員に存在していた。
真犯人はいったい誰なのか?
「連城」ミステリーの最高傑作がここに。
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朝日新聞出版が発行する季刊小説誌『小説トリッパー』の1998年(平成10年)秋季号から2000年(平成12年)冬季号に連載… その後、2002年(平成14年)に単行本化され、その後、文庫化された作品です。
真夏のある日、ありふれた家庭で四歳の少女「直子」が殺され、庭に埋められた… 事件をきっかけに、平凡な家庭の裏側に隠されていたものが次々と明らかになる、、、
「直子」を苦手に思っていた伯母の「聡子」、その夫の「立介」と娘の「佳代」、ボケの始まった舅の「桂造」… 「直子」の母で「聡子」の妹である「幸子」とその夫の「武彦」、そして「幸子」の浮気相手の「平田」、全員に殺害動機はあったのだ…… あの夏、死んだ少女のために― 家族の交錯する思惑と、悪意が招いた「救いなき物語」。
複数の登場人物の独白を利用して多層的に組み上げることで意外な真相を導き出す… という展開の作品でしたね、、、
真相が二転三転するミステリ要素だけでなく、不倫疑惑を軸に進むドロドロの愛憎を描く恋愛小説的な要素、人間のダークな内面を浮かび上がらせる心理描写等々… 「連城三紀彦」らしい作品でした。
ひとつの事件が二つの家族の問題や、それぞれが抱える秘密をあぶり出すのですが… それぞれの感情が噛み合わないところや、いたいけない少女が惨殺されたのに誰も悲しまず、保身に走ったり、事件を冷静に分析したりと、人間の闇の部分、人間が生まれ持った罪深い部分が巧く描かれていたところが印象的でしたね、、、
家庭は安心できる場所、家族は癒しを与えてくれる存在という既成概念が崩される展開だし、悪意が強調されているので好き嫌いが大きく分かれる作品かも… 元祖イヤミスなのかもしれませんね。
以下、主な登場人物です。
「聡子」
主婦。
「立介(りゅうすけ)」
聡子の夫。
「佳代」
聡子の娘。
「桂造」
聡子の舅。
「昭世」
桂造の妻。
「北川幸子」
聡子の妹。
「北川武彦」
幸子の夫。
「北川直子」
幸子の娘。被害者。
「平田直樹」
幸子の浮気相手。大学生。
「山野」
刑事。 -
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「連城三紀彦」の短篇ミステリ作品集『連城三紀彦 レジェンド2傑作ミステリー集』を読みました。
ここのところ「連城三紀彦」の作品が続いています。
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逆転に次ぐ逆転、超絶トリック、鮮烈な美しさ。
死してなお読者を惹きつけてやまないミステリーの巨匠、「連城三紀彦」を敬愛する4人が選び抜いた究極の傑作集。
“誘拐の連城”決定版『ぼくを見つけて』、語りの極致『他人たち』、最後の花葬シリーズ『夜の自画像』など全6編。
巻末に「綾辻」×「伊坂」×「米澤」、語りおろし特別鼎談を収録。
どれも超高密度(「綾辻」)
普通は書けない。(「伊坂」)
驚きは屈指のもの。(「小野」)
その「技」は魔法的(「米澤」)
四人の超人気作家が厳選した究極の傑作集。
特別語りおろし巻末鼎談つき!
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「綾辻行人」、「伊坂幸太郎」、「小野不由美」、「米澤穂信」… 四人の人気作家が選ぶ「連城三紀彦」傑作選の第2弾です。
■ぼくを見つけて
■菊の塵
■ゴースト・トレイン
■白蘭
■他人たち
■夜の自画像
■特別鼎談 ミステリー作家連城三紀彦の魅力をさらに語る--綾辻行人×伊坂幸太郎×米澤穂信
「連城三紀彦」をリスペクトしている四人の人気作家が選んだ作品だけあって、興味深い作品がセレクトされていましたね。
そんな作品の中で、イチバン好きなのは唯一既読だった『ぼくを見つけて』ですね… 誘拐された子どもから警察に電話があり、物語が進むにつれて、何が起きているのかがだんだんと分からなくなってきてという展開、、、
誘拐(本作品では、本人が誘拐されていると気付くのが9年後なんですけどね)を警察に気付かせるため、子どもが一生懸命知恵を絞る姿に泣けそうになりましたね… 切ないミステリ作品です。
その他で印象に残ったのは、明治末期の軍人の自死の謎が明らかとなる『菊の塵』と、大正後期~昭和初期が舞台で殺人事件を目撃した画商の息子が残された絵と羽織で真相に気付く『夜の自画像』かな… トリックそのものよりも、作品の持つ雰囲気がとても良かったなー
「赤川次郎」の『幽霊列車』のバスティーシュ『ゴーストトレイン』は、『幽霊列車』を読んでいれば、もっと愉しめたかも。
芸人二人の生き様が関西弁で語られる『白蘭』は、独特の関西弁の語り口で一気に読ませる巧さがあり、評価の高い作品のようですが… 個人的には、あまり好みではなかったですねー
マンションの住人の関係や経過が語りの中で次々と明かされる『他人たち』は、読み終わって んっ………。 という感じ、自分の中で上手く咀嚼できませんでした。
在庫があるので… もう少し「連城三紀彦」の作品を読んでみようと思います。 -
Posted by ブクログ
「連城三紀彦」の長篇ミステリ作品『黄昏のベルリン』を読みました。
『夜よ鼠たちのために』、『運命の八分休符』に続き、「連城三紀彦」の作品です。
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画家「青木優二」は謎のドイツ人女性「エルザ」から、第二次大戦中、ナチスの強制収容所でユダヤ人の父親と日本人の母親の間に生まれた子供が自分だと知らされる。
平穏な生活から一転、謀略渦巻くヨーロッパへ旅立つ「青木」。
1988年「週刊文春ミステリーベスト10」第1位に輝いた幻の傑作ミステリーがいま甦る。
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1988年(昭和63年)に発表されたスパイ小説… 東西ベルリンに集まるスパイ群像を描いた幻の傑作とも呼ばれている作品です。
■一章 最後の一日
■二章 過去への国境線
■三章 亡霊たち
■四章 第三のベルリン
■五章 黄昏から夜へ
■解説 戸川安宣
日本人の母親、外国人の父親を持つ画家の「青木優二」は、見知らぬドイツ人女性「エルザ」から接触を受けた… 「エルザ」によれば第二次大戦中、ナチスドイツのユダヤ人収容所ガウアーで、ユダヤ人の父親と日本人の母親の間に生れた赤ん坊が「青木」だと言うのだ、、、
「青木」は平穏な生活から一転、謀略が渦巻くヨーロッパへ旅立つ… 四十余年を隔てて蘇える驚異の謎とは何か? 東京―パリ―ベルリン―ニューヨーク―リオデジャネイロを舞台にネオナチと反ナチの陰の戦い。
あの戦争終結直前、日本人「青木」の体に埋めこまれたナチの印しとは? 二転三転、意外極まる結末へ… 壮大かつ緻密な仕掛けの長編推理ロマン……。
日本の作品にしては珍しいグローバルな視点での作品でしたね… かなりインパクトの強い解なのですが、あの男が画家志望だとを知っていれば、主人公の職業が画家という点で、真相に気付く読者も多いかもしれませんね、、、
荒唐無稽な展開ですが、これくらい大胆な展開の方が中途半端な展開よりも清々しい感じがして良いですね… 東と西の入れ替えや、父親の正体、ネオナチとユダヤ人の保護組織等、巧くミスリードさせられる展開も愉しめました。
視点が目まぐるしく変わるし、変わるタイミングが分かり難いので、今が誰の視点なのかちょっと戸惑いもありましたが、中盤以降は文体に慣れて意外とサクサク読めました… 最後の最後まで誰が真実を語り、誰が嘘をついているのか、疑心暗鬼の状態が継続する展開も好みでしたね、、、
1980年代の謀略が渦巻くヨーロッパ、冷戦時代のベルリンを舞台にした、恋愛あり、アクションあり、トリックありの本格スパイ小説… ヨーロッパの香りのする日本産のミステリ小説でした。
以下、主な登場人物です。
「青木優二」
画家、美術大学の講師
「エルザ・ロゼガー」
ベルリンからの留学生
「マイク・カールソン」
ニューヨークの清涼飲料水会社社員
「ソフィ・クレメール」
ガウアー強制収容所の生存者
「ブルーノ・ハウゼン」
東ベルリンから西ベルリンへ脱出した青年
「ホルスト・ギュンター」
東ドイツの元大物政治家
「エドワルト・ヘルカー」
ブルーノの世話をする男
「エディ・ジョシュア」
ユダヤ系の演劇青年
「マリー・ルグレーズ(マルト・リビー)」
元ナチス将校。「鉄釘のマルト」
「ハンス・ゲムリヒ」
元ナチス親衛隊
「野川桂子」
青木の生徒
「三上隆二」
リヨンの通訳の青年
「山崎三郎」
ベルリンの通訳の青年
「ニシオカ」
ベルリンの日本人商社マン
「リタ」
リオデジャネイロの娼婦 -
Posted by ブクログ
期待していた連城三紀彦さんらしさを味わい、そして今までの連城三紀彦さんのイメージを覆される……。まったく正反対の感覚を味わった一冊でした。
収録作品は6編。個人的に連城作品のイメージと言えば、美しい叙情的な文章。レトロなロマン漂う作品の時代設定。恋情と哀感の交差するストーリー。そしてミステリの切れ味となってくるけれど、前半の3編がまさにそのイメージ通りの作品。
それもそのはずで、最初に収録されている「花緋文字」、表題作の「夕荻心中」、そして「菊の塵」は、同著者の名作『戻り川心中』の系譜を継いでいます。
「戻り川心中」収録の5編とこの「夕荻心中」の3編は、一冊に納められていた版もあるらしく、これらは総称して花葬シリーズと呼ばれています。
そう考えると、作品の雰囲気の近さにも納得できるし、耽美な作風や色香を漂わせる文章も素晴らしいの一言に尽きる。
特に「花緋文字」はミステリとして読み終えたときの衝撃もすさまじかった。うかつに他の作品の名前を出すとネタバレになるから書けないけど、昔読んだある傑作を彷彿とさせる。
美しさの中に隠された悪意が一気に噴出したときの、クラクラする感覚。そしてその悪意すらも、黒ずんでいるけれども、美しく思わせてしまう。そんな作品の雰囲気にも酔いました。
後半に収録されているのが「ひだまり課事件簿」という連作短編。大手新聞社の中で閑職に追いやられたひだまり課の面々が活躍するユーモアミステリです。
前半に収録されている花葬シリーズとの落差がすさまじい(笑)
連城三紀彦さんってこういう作品もあったのか、とちょっと意外な気持ちになります。
キャラクターたちのとぼけた会話や個性、ストーリーの雰囲気など、出来が悪いわけではないけれど、前半と後半の作品のテンションが違いすぎて、ちょっと波に乗れませんでした。描写や会話も今の時代から見ると、ちょっと古くささが目についてしまった部分があります。
ひだまり課が悪いというわけではないけれど、花葬シリーズを一冊でまとめて読んでいたとしたら、その時の感動と衝撃はとんでもないものだっただろうな、とも思ってしまいました。