保阪正康のレビュー一覧

  • 日本人の宿題 歴史探偵、平和を謳う

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    半藤さんが亡くなってから、著書に触れることが多くなった。
    先日、職場の若手から、「どうして西暦と元号にこだわる人っているんですか?どっちでも良いじゃないですか。」と言われてびっくりした。
    彼らにはどうでも良いことで、西暦にこだわる人の思いを知ろうとしないその言動に正直驚くだけでなく失望した。
    この本にも書いてあるが、ネットが広がり便利になる一方で、自分の興味のあることしか目を向けなくなる今の風潮に、この国のこれからについて危機感を持つ。
    教育者として、私は何ができるか、深く考えさせられた一冊。

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    2022年02月10日
  • 陰謀の日本近現代史

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    R3.12.14~R4.2.7

    (あらすじ)
    いつの世も、知恵と知恵の戦いが歴史をつくる。
    時にそれを「陰謀」という。
    よく知られた史実も、
    本来は何者かの陰謀の産物かもしれない――。
    必敗の対米開戦を決定づけた「空白の一日」、ルーズベルトが日本に仕掛けた「罠」、西郷隆盛が見誤った「会津の恨み」、「天皇がいて、いなかった」大正の特異な5年間、大杉栄虐殺の真犯人、特攻攻撃の本当の責任者、瀬島龍三が握りつぶした極秘電報の中身……。
    歴史は陰謀に満ち満ちている。そして真相は、常に闇に閉ざされる。
    近現代史研究の第一人者が、その闇に光を当てる。
    あの戦争を中心に、明治以降の重大事件の裏面と人物の命運

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    2022年02月20日
  • 陰謀の日本近現代史

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    太平洋戦争時、日本がどう判断してどう行動したか。いろんなところで言われていますが、あまり今と変わっていないと感じる恐さ。政治だけでなく社会そのものが…

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    2021年07月06日
  • あの戦争は何だったのか―大人のための歴史教科書―

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    学校の授業は、縄文時代とか弥生時代なんかよりも、まず近現代史から遡っていったほうがいいんじゃないかと思う。

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    2021年06月06日
  • 日中韓を振り回すナショナリズムの正体

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    留学時代、世界の色々な国の友人らと話していて、これまで自分は恥ずかしいほどに歴史を、特に近現代史学んでこなかったと自覚して以来、ずっといつかきちんと考えてみようと思っていた。

    半藤氏の昭和史などを読んでから、ついに気になっていたこの本を手にとった。

    一番印象に残ったのは「過去の戦争の直接の責任は自分にはない。しかし人間としてはあってはならない悲惨なことをしたことが悲しいし、かつての加害国の人間として歴史を繰り返さないよう努力をする」という趣旨の部分だ。
    自分がマジョリティ側、もしくは力を持つ側にいるあらゆる社会問題を考える時にも感じていたことだが、自分自身の行動でないことに対して過剰な罪悪

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    2021年04月04日
  • 昭和の怪物 七つの謎

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    東条英機や吉田茂など6人の人物にフォーカスして、昭和前期の歴史を読み解いた本。

    本書は関係者への取材や文献記録などをもとに、昭和前期(戦前)に起こった出来事に関係する6人の人物を中心にして昭和前期の歴史をひもといていきます。

    歴史から教訓を導き出すことは、未来をより良くするために必要なこと。私たちは昭和前期の歴史から何を学ぶべきか。何を教訓にすべきか。そのことを本書は教えてくれます。

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    2021年02月22日
  • 昭和史の本質―良心と偽善のあいだ―(新潮新書)

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    2020/12/17保阪正康 昭和史の本質
    今日の小利を捨て、明日の大利を得る
    目先の利益は時間を失い未来の大願成就を目標とする視点を失う東條英樹がそう
    100,000人の戦死者を出した中国からの撤退はありえないそして3,000,000人を殺した
    戦時の指導者は兵士に私を強要したひたすら死ねと言う戦争は勝てるわけがない
    戦陣訓 軍事指導者は安全地帯に居る
    人文社会分野の見識がない軍人
    戦時下は偽善がはびこる
    客観的判断より主観的願望、病理的
    高橋是清226で殺害 痛惜!
    時代に生きる、歴史に生きる、逃げる

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    2020年12月18日
  • そして、メディアは日本を戦争に導いた

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    太平洋戦争に向かって社会の様子が変わっていった昭和初期。本書では当時の新聞、雑誌などジャーナリズムが国家による統制を受け、やがて自らを守るため、販売部数を伸ばすため、戦争に協力する記事を掲載するようになった経緯が詳しく述べられている。
    昔の話といって片付けられるものではない。新聞、雑誌であればまだ自分と異なる意見も目に入るが、今はニュースはネットで確認する時代。ネットの悪いところは、自然と自分の賛同するニュースしか見なくなることだ。人々の意見が一気に極端なほうへ片寄るリスクは、当時よりもむしろ今のほうが大きいのではないかと思う。

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    2020年10月16日
  • 田中角栄と安倍晋三 昭和史でわかる「劣化ニッポン」の正体

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    200619田中角栄と安倍晋三 保阪正康☆☆☆
    政治家は誰のために存在するか? 民のため、国家のため
    ところが安部晋三など世襲政治家や、トランプなどは
    自分のため、自分のレガシーのため、君主国家に逆戻りした
    人類が民主主義のためにどれだけの血を流したか!

    「戦争への姿勢」
    安倍首相は積極的 民の苦労は念頭にない
    本当の政治家は戦争を嫌い、回避に全力を挙げる
    田中角栄 大平正芳 野中広務 
    議院内閣制での適切な統治能力とは「戦略的自己抑止能力」
    →戦争メカニズムは特権者が作る(226)

    安倍晋三は「反知性主義」(64) 
    本を読まない 思索しない 言葉に出来ない 議論できない
    話が5分続かな

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    2020年07月24日
  • 昭和の怪物 七つの謎

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    面白い。一気に読んだ。特に犬養道子氏と渡辺和子氏のエピソードは心に迫る。元号が変わり昭和が歴史になりつつある今、こうした切り口の書物は大変意義深いと感じた。

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    2019年07月07日
  • 続 昭和の怪物 七つの謎

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     昭和史において、政界から在野の人物7名へのインタビュー等を通じて述べた本書。
     いくつも初見があって面白い。

     特に気になったのは2点。

     一つは橘孝三郎。この人物についてはまるっと初見である。農本主義者で理想主義者。なおかつ自ら汗を流す実践家でもある。その人物が何故「五・一五事件」に関与したのか?そこに当時における社会の病巣が関係している。大雑把に言ってしまえば、「都市優先・農村軽視」と「富の偏在・格差社会」。
     前者においては、農村の荒廃。今とは比較にならない程、農業者が大半を占める社会において彼らを軽視すればどうなるか。怨嗟の声は天下に満ち、それが動乱への伏流水となっていく。
     後

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    2019年05月07日
  • 平成史

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    【三十年一刻のごとし】約30年に及んだ平成という一つの時代を、政治や経済、社会や皇室といった多様な側面から分析した作品です。著者は、昭和史研究により菊池寛賞を受賞している保阪正康。

    日本近代史の大家とも言える著者の作品ということもあり、時に昭和と比較をしながら進めていく平成論はお見事の一言。教科書的な知識を身につけることとは一味違う、時代の通奏低音とは何だったのかを考える上で有益な作品です。

    〜昭和を因とし、平成を果として多様な光景が生みだされていると言ってもいい。平成史はこの二つを回転軸として回っているとの言い方もできるであろう。〜

    こういう作品は類書をまとめて読むと比較ができて面白い

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    2019年04月08日
  • 昭和の怪物 七つの謎

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    昭和史は私の世代の歴史教育では把握し難いものがあって、あまりよくわかっていないため、本書は興味深く読んだ。側近へのインタビューを通じて提示されるそれぞれの人物像が新鮮。良いところ(悪いところ)ばかりでないのが良い。一部救いのない人もいるが…

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    2019年02月28日
  • 昭和の怪物 七つの謎

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    180810昭和の怪物 七つの謎 保阪正康 ☆☆☆
    「東條英機」ナンバーワン! 石原莞爾・瀬島龍三が勉強になった
    犬養毅・渡辺和子・吉田茂も良かった

    1.東條英機 選んではならない首相「自省がない」
    昭和天皇と木戸内大臣の奇策 自己保身が国を滅ばした
    (1)軍人の偏狭さ①精神論が好き②妥協は敗北③事実誤認は当たり前
    ⇒安部晋三首相と似ている(14)凄い大胆な発言 選んではならない
    (2)人事大好き 東條人事こそ陸軍最大の誤り
    私情がらみの人事 諫言の士より服従の部下 口を挟まない幕僚
    (3)東條の大いなる勘違い
    あくまで軍事的勝利を目指す、天皇は戦争に負けるより「国体護持」「皇統を守る」

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    2018年11月10日
  • 歴史でたどる領土問題の真実 中韓露にどこまで言えるのか

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    客観的に領土問題について記載されている。
    ただ、現在の日本の政治や現在の情勢を考えるとこのままの状態が続いていくのかなと。

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    2018年08月25日
  • 昭和の怪物 七つの謎

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    平成という時代のが終わろうとしている今、戦前、戦後の昭和の時代に何が起こり、誰がどんな判断をしてきたのかを2018年の今こそ知らしてくれる一冊。

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    2018年08月21日
  • 昭和の怪物 七つの謎

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    講談社現代新書今月の新刊。丁寧なインタビューと一次資料の読み込みにより昭和史の謎に迫る。第1章の東條英機についても予断を排してその存在を再構築していく様が白眉かつ痛快。2章以下は 石原莞爾、犬養毅、渡辺和子、瀬島龍三、吉田茂。2018年必読の書。
    以下本文p13-14より 東條英機論

    …とにかく強引で、自分に都合のいい論理しか口にしない。(中略)いわば人間形成が偏頗なのである。こういうタイプの政治家、軍人は三つの共通点を持つ。「精神論が好き」「妥協は敗北」「事実誤認は当たり前」(中略)(その点では安倍晋三首相に似ているともいえるが)。(中略)つまるところは「自省がない」という点に尽きる。(中

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    2018年07月29日
  • 昭和の名将と愚将

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    多少覚悟はしていたものの、やはり「特攻」の内実は暗澹たる気持ちにさせられる。あまりにも悲惨で、この上なく酷い。「国を護るための尊い自己犠牲」などと美談に仕上げて、思考停止してはならないと強く思った。戦前のごとく世論がどんどん右傾化している昨今、「特攻」や戦争そのものに対し、徹底的に考察されなければ、またこの愚が繰り返されないという保証はどこにも無いぞ……

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    2018年01月08日
  • 「昭和」とは何だったのか

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    アジア・太平洋戦争のさなかにいた軍人・政治家やその身内など、昭和史の当事者"に取材を重ねてきた著者の、「自国の歴史を風化させてはならない」という強い思いを感じた一冊だった。愚かな歴史を繰り返さないために、我々が学ばなけばならないことは、まだ山ほどある……。"

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    2018年01月08日
  • あの戦争は何だったのか―大人のための歴史教科書―

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    結局のところ、今の日本が抱える問題は、「臭いものには蓋」精神であの戦争から目を逸らし続け、十分な総括と教訓化をしてこなかったツケ、なのだろうな。いじましい自己憐憫は当事者たちにとっちゃ気持ちいいだろうが、後世を生きる人間には迷惑なだけだ。

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    2018年01月08日