保阪正康のレビュー一覧
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昭和21年3月、アメリカ軍は関東への上陸作戦を計画していた。昭和20年11月に、九州南部への上陸作戦オリンピック作戦に続くもので、上陸地域は相模湾と九十九里浜の予定だった。 終戦により、この計画は実行されなかったが、もしこれが行われていたら、日米で500万人以上の戦死者を出し、ソ連の参戦により日本が二つに分割され、現在の朝鮮半島のような二つの国家に支配されることになっただろう。 この本では、実際に防空壕の構築に当たった人たちの証言、指揮官たちの考え方、上層部の思惑と著者による現場視察なども含めて、この作戦について考察している。 本土決戦については、以前話を聞いたことはあったけれど、その具体的な
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なぜ戦力差4倍のアメリカに無謀な戦争をしかけていったのか、著者の観点・批判は
①目的も曖昧な戦争を3年8か月も続けたのか説明責任が果たされていない。
➁戦争指導にあたって政治軍事指導者は同時代から権力を付与されたろうが、祖先,児孫を含めてこの国の歴史上において権限を与えられていなかったこと。
著者も言っているが日本人の本質は戦争前も戦争後も何も変わっていないようだ。
日本人り本質とは思想・理念といつた土台はあまり考えず、戦術のみにひたすら走っていく対症療法にこだわり綻びにつぎを充てるだけの対応策に入り込んでいく、現実を冷静にみないで願望や期待をすぐに事実におきかえてしまう。 -
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先日お亡くなりになった半藤一利氏と保阪正康氏の対談集である。
保阪氏は「名将の条件」を、「理知的であること」「原則論に振り回されないこと」と、陸軍士官学校をはじめとする陸軍教育の弊害をあげて話す。半藤氏は、「決断を下せること」「目的を部下に明確に伝えられること」「情報を直につかむこと」「過去の成功体験にとらわれぬこと」「現場に身を置くこと」「部下に最善をつとめさせること」としている。お気づきのように、まさにリーダー論である。
おなじ陸軍士官学校でも、アメリカは違うようだ。『ウエストポイント流 最強の指導力』では、危機に立ち向かうリーダーの三原則として、「リーダーは誰でも危機に直面する」「リーダ -
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昭和史を勉強すると、瀬島龍三(せじまりゅうぞう)という名前がチラつく。「司馬遼太郎が瀬島龍三と対談しているのを読んで、司馬に非協力的になった元軍人がいた」というような話から、瀬島龍三とはどういう人物なのかに興味を持った。
瀬島龍三は陸軍幼年学校、陸軍士官学校、陸軍大学校と進み、陸軍大学校をははな首席で卒業したエリートである。参謀本部の作戦課に長く在籍し、多くの作戦に関わった。
終戦後はシベリアへ11年間抑留され、東京裁判の証言のために一時帰国。その後、昭和31年に正式に帰国。繊維メーカーに過ぎなかった伊藤忠商事に就職し、大手商社にのし上げた実績から、会長にまで上り詰めることになる。
半藤一利 -
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保阪正康氏の本は何冊か読んだがハズレがない。膨大な調査の上に書かれていて信頼できる。
しかし、本書を読み始めてすぐに、自分が昭和の通史を知らないことを痛感して、半藤一利『昭和史』を読むことにした。
『昭和史』を読みながら、本書の関連する箇所を読んでいた。よく分かる。やはり大雑把にでも通史をおさえることが大事だ。何事も全体像をつかんでから部分をおさえることが大切なのだ。
本書で保坂氏は、集めた事実から「確実に言えること」を推論する。そのように推論しようと試みている。
それには高い知性が必要だ。集めた情報の断片から分からないところを推論するのは容易ではないからだ。
本書の最後には保坂氏と原武史氏の -
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保阪正康(1939年~)氏は、北海道生まれ、同志社大文学部卒の作家・評論家。2004年、菊池寛賞受賞。昭和史に関する著書多数。
本書は、1999年に単行本で出版され、2002年に文春文庫、2020年に朝日文庫から刊行された。
本書は、題名の通り、1947年に『きけわだつみのこえ』の元となった『はるかなる山河に』(東大版)が発行されてからこれまでの、『きけわだつみのこえ』を取り巻く歴史を辿ったものである。
著者は「あとがき」で次のように書いている。「『きけわだつみのこえ』(東大版、光文社版、岩波文庫旧版)は、戦後日本の文化的遺産である。この書がこれまでに三百万部近くも売れたという事実が、それを裏 -
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☆☆☆2020年9月☆☆☆
社会全体の倫理観が損なわれていることが恐ろしい。
「五・一五事件」でテロリストが礼賛されたことを指している。「動機が正しければ殺人も許される」という空気。それが毎年のように繰り返されるテロやクーデターにつながり、軍国主義が収まらなくなった原因の一つと考えられる。
僕は、「赤穂事件」が美化されているところにも
日本人の倫理観のおかしさを見る。
翻って現代はどうか? 「自粛警察」など、相互監視社会は続いているし、ちょっと変わった人を皆でたたいて「スッキリした」なんて番組もある。
弱いものいじめ、空気を読めない人の排除、それが日本社会に根付きつつないか?