保阪正康のレビュー一覧
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ネタバレ留学時代、世界の色々な国の友人らと話していて、これまで自分は恥ずかしいほどに歴史を、特に近現代史学んでこなかったと自覚して以来、ずっといつかきちんと考えてみようと思っていた。
半藤氏の昭和史などを読んでから、ついに気になっていたこの本を手にとった。
一番印象に残ったのは「過去の戦争の直接の責任は自分にはない。しかし人間としてはあってはならない悲惨なことをしたことが悲しいし、かつての加害国の人間として歴史を繰り返さないよう努力をする」という趣旨の部分だ。
自分がマジョリティ側、もしくは力を持つ側にいるあらゆる社会問題を考える時にも感じていたことだが、自分自身の行動でないことに対して過剰な罪悪感を持つと、突き詰めれば自分を消さなければいけなくなってしまう。それは健全な考え方ではないと常々思っていたので、この考えには共感した。
私がこの国の態度として一番気になっているのは、過去のことをなかったこと、過ぎたことにしてしまおうとしているように見えるところだ。
戦時中の非道な行為について贖罪は済んでいるという意見もあろうが、「私たちは忘れていない、今後も同じ過ちを繰り返さないよう全力を尽くす」という決意を表明することはずっと続けていくべきである。
韓国人・中国人の友人を持つ者として、K-POPを始めとして隣国の文化に関心を持つ者として、相手の視点と自分の視点の双方で物を考え、この問題について引き続き考えていきたいと思った。 -
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200619田中角栄と安倍晋三 保阪正康☆☆☆
政治家は誰のために存在するか? 民のため、国家のため
ところが安部晋三など世襲政治家や、トランプなどは
自分のため、自分のレガシーのため、君主国家に逆戻りした
人類が民主主義のためにどれだけの血を流したか!
「戦争への姿勢」
安倍首相は積極的 民の苦労は念頭にない
本当の政治家は戦争を嫌い、回避に全力を挙げる
田中角栄 大平正芳 野中広務
議院内閣制での適切な統治能力とは「戦略的自己抑止能力」
→戦争メカニズムは特権者が作る(226)
安倍晋三は「反知性主義」(64)
本を読まない 思索しない 言葉に出来ない 議論できない
話が5分続かない 深みがないから 「恫喝する」権力が必須
安倍も東条も反対意見を力でねじ伏せる ヒトラーも
他者の意見に耳を傾ける柔軟性はない
真摯さはない 米国へ面従腹背 トランプ相手だから
「空虚な言葉」(249) スローガン
一つ一つの言葉に哲学的、政治的、思想的な裏付けが不可欠
①歪んだ民主主義→ファシズム コロナは危機
②社会正義→偏狭なナショナリズム
③復讐心→敗戦国のリベンジ
平成天皇陛下①6月23日②8月6日③8月9日④8月15日
中野正剛 息子を激戦地へ送ると脅した 公私混同 権限の乱用
「己のため」が暴走する
軍隊は戦争があって初めて成果・実績をあげる
爵位、勲章も、社会的評価も戦争があって初めて得られる
戦争を開始、拡大に血道を上げるのは当然(木戸幸一)
「ガバナンス」とは、暴走を外部から止める仕組み -
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昭和史において、政界から在野の人物7名へのインタビュー等を通じて述べた本書。
いくつも初見があって面白い。
特に気になったのは2点。
一つは橘孝三郎。この人物についてはまるっと初見である。農本主義者で理想主義者。なおかつ自ら汗を流す実践家でもある。その人物が何故「五・一五事件」に関与したのか?そこに当時における社会の病巣が関係している。大雑把に言ってしまえば、「都市優先・農村軽視」と「富の偏在・格差社会」。
前者においては、農村の荒廃。今とは比較にならない程、農業者が大半を占める社会において彼らを軽視すればどうなるか。怨嗟の声は天下に満ち、それが動乱への伏流水となっていく。
後者においては貧民窟の存在。当時の日本自体の貧しさを考えればやむを得ない面もあるが、それにしても指導者層(政界・財界)はあまりにも貧困や格差に対して軽視し過ぎであった。自ら恨みを振りまいている感さえある。
それらの問題に対して理想主義を持って対峙しようとした人物。そしてその理想が崩壊していくのと軌を一にするように、日本もまた崩壊していく。
二つ目は、野村吉三郎。駐米大使であり、米国に最後通牒を行った人物なのは知っていた。だが、実は外務省出身ではなく、海軍出身だったのは初見であり、かつ驚く。当時セクショナリズム激しい中、外務省と軍部が連携取れるはずはない。蛸壺化した連携不足で戦争に勝てるわけもなく、しかも始まりにおいてもそうであったとは…。ある意味、首尾一貫していると言えよう。 -
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【三十年一刻のごとし】約30年に及んだ平成という一つの時代を、政治や経済、社会や皇室といった多様な側面から分析した作品です。著者は、昭和史研究により菊池寛賞を受賞している保阪正康。
日本近代史の大家とも言える著者の作品ということもあり、時に昭和と比較をしながら進めていく平成論はお見事の一言。教科書的な知識を身につけることとは一味違う、時代の通奏低音とは何だったのかを考える上で有益な作品です。
〜昭和を因とし、平成を果として多様な光景が生みだされていると言ってもいい。平成史はこの二つを回転軸として回っているとの言い方もできるであろう。〜
こういう作品は類書をまとめて読むと比較ができて面白い☆5つ -
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180810昭和の怪物 七つの謎 保阪正康 ☆☆☆
「東條英機」ナンバーワン! 石原莞爾・瀬島龍三が勉強になった
犬養毅・渡辺和子・吉田茂も良かった
1.東條英機 選んではならない首相「自省がない」
昭和天皇と木戸内大臣の奇策 自己保身が国を滅ばした
(1)軍人の偏狭さ①精神論が好き②妥協は敗北③事実誤認は当たり前
⇒安部晋三首相と似ている(14)凄い大胆な発言 選んではならない
(2)人事大好き 東條人事こそ陸軍最大の誤り
私情がらみの人事 諫言の士より服従の部下 口を挟まない幕僚
(3)東條の大いなる勘違い
あくまで軍事的勝利を目指す、天皇は戦争に負けるより「国体護持」「皇統を守る」
国家指導者の懸念を理解できなかった(保坂氏は無視というが)
①勝算無く三年八ヶ月もなぜ戦争を続けたのか?
②東條は軍事独裁体制を布いたが、責任は誰が負うと考えたか?
東條は軍人 戦うことしかできない
(4)東條の精神論
戦争は、負けたと思ったときが負け
⇒日本に負けはない 国家が滅びても負けを認めない
(5)理念無き戦争を行なったツケ 軍人にこの国を任せたツケは日本の未来を縛る
軍人は戦争の真の意味を理解していない
⇒この章だけで十分重かった
2.石原莞爾 軍人としてスケールが圧倒的に大きい
満州事変の戦略判断は見事 ソ連スターリンが動かない読み
しかし前例を作ったことの影響は結局日本を滅ぼしてしまった
敗戦の際に、東亜の道義は消えない、くじけてはダメと 拓銀破綻とDNAに似ている -
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講談社現代新書今月の新刊。丁寧なインタビューと一次資料の読み込みにより昭和史の謎に迫る。第1章の東條英機についても予断を排してその存在を再構築していく様が白眉かつ痛快。2章以下は 石原莞爾、犬養毅、渡辺和子、瀬島龍三、吉田茂。2018年必読の書。
以下本文p13-14より 東條英機論
…とにかく強引で、自分に都合のいい論理しか口にしない。(中略)いわば人間形成が偏頗なのである。こういうタイプの政治家、軍人は三つの共通点を持つ。「精神論が好き」「妥協は敗北」「事実誤認は当たり前」(中略)(その点では安倍晋三首相に似ているともいえるが)。(中略)つまるところは「自省がない」という点に尽きる。(中略)その行き着く先は国家存亡の危機である。