保阪正康のレビュー一覧
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講談社現代新書今月の新刊。丁寧なインタビューと一次資料の読み込みにより昭和史の謎に迫る。第1章の東條英機についても予断を排してその存在を再構築していく様が白眉かつ痛快。2章以下は 石原莞爾、犬養毅、渡辺和子、瀬島龍三、吉田茂。2018年必読の書。
以下本文p13-14より 東條英機論
…とにかく強引で、自分に都合のいい論理しか口にしない。(中略)いわば人間形成が偏頗なのである。こういうタイプの政治家、軍人は三つの共通点を持つ。「精神論が好き」「妥協は敗北」「事実誤認は当たり前」(中略)(その点では安倍晋三首相に似ているともいえるが)。(中略)つまるところは「自省がない」という点に尽きる。(中 -
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掛けた歳月24年5カ月、総ページ数12,000ページ。87年に渡った昭和
天皇 の生涯を綴った『昭和天皇実録』の編纂が終了し、今上陛下に
奉呈された のが2014年9月。
そして、今年3月から一般刊行が始まった。早々に予約をしたのは
いいが、 全19巻を5年かけて刊行することを予約語に知って愕然とした。
それまで 何があっても生きていなくちゃ。
既に刊行された2巻は手元にあるのだが、未だ手を付けていない。
読もうと思った矢先に、本書が出版されたからだ。昭和天皇の
崩御後、関連の書籍が多く世に出たので時間のある限り読んだ
のだが、それでも知らないことが多い。
なので、『昭和天皇 -
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[時代の御方]戦争、復興、経済成長に代表される出来事が目まぐるしく展開していった昭和という時代。天皇という存在をその時勢に合わせてどのように日本の中に位置付けていくかを呻吟し、何よりも国民と国家の安寧を願い続けた昭和天皇の歩みを、その生い立ちから崩御まで丹念に描いた作品です。著者は、日本の昭和史研究の第一人者である保阪正康。
「何をした・何があった」という事実としての昭和天皇伝に留まっておらず、「何を思った」というところまで踏み込んでいるところに著者の意気込みを感じます。また、そのいわば心情の忖度において、安易な結論や推論を急がず、御製の詩や記者会見録などをつぶさに当たっているところに著者 -
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戦中の挿話に加えて、本書は原子力利用の推移や、近年の原発事故の問題にも筆者の筆は及んでいる。
共感を覚えたのは…「スリーマイル、チェルノブイリ、フクシマ」は判るとして、「ヒロシマ、ナガサキ、フクシマ」には大きな違和感を覚えるという、巻末近くに挙げられた話題だった…原子力の制御が困難で「事故が起こってしまった」ということと、「破壊兵器の駆使」とは“並列”にはなり悪い筈だ…
“原子力”に注目も集まっている状態が継続中であると思うのだが、その“原子力”との「最も不幸な邂逅」とでも言うべき原爆から丁度70年という今年である。“原子力”と人類が出くわしたような時代の物語を読むには好い時期なのかもしれ -
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『原爆を盗め!』とあわせて読むと面白い。
日本での原爆開発についてのノンフィクションだが、仕事のやり方が変わっていないことに驚いた。
分断された部署(陸軍、海軍、さらにはその中でも情報が共有されていない部署がある)の張り合いによるリソースの無駄遣い。
簡単にできると思う上層部とどうせできないので自分たちに都合にあわせてノラリクラリとする実行部。
そもそも物理的にできない(材料がない、施設がない、どちらも入手の見込みがほとんどない)ことを正面から受け止めない(られない)。
結果、ちゃんとした(実現可能性のある)計画がなく、当然実効性のあるトラッキングができない。
とにかく一発逆転・万馬券を狙うメ -