保阪正康のレビュー一覧
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反乱、革命、クーデター……昨今、日本という国で、人びとが自分のエネルギーの全てを振り絞って権力や体制に向かって暴動を起こすといった出来事はほとんど見られない。しかし江戸、明治、大正、昭和と、現代に続く日本の歴史の過程では、時代の趨勢に命懸けで抗った男たちがいた。彼ら“反逆者たち”は、決して一個人の理想や空想に目を奪われて無謀な戦いを挑んだわけではない。混沌として先が見えない“時代の文脈”によって歴史の表舞台に呼び寄せられ、その反逆のエネルギーによって次の時代への扉を開く役割を担ったのである。
大石内蔵助、大塩平八郎、高野長英、佐久間象山、西郷隆盛、田代栄助、田中正造、出口王仁三郎、宮崎滔天、石 -
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自分が思っていたこと・感じていたことがずばり書かれていたので衝撃的な作品だった。
自分が思っていること・感じていることとは以下のことだ。
・自分の生まれた昭和という時代を持った良く知りたいと思っていること
・昭和前期の戦争の時代の正しい歴史観をみにつけたいと思っていること
・戦争の悲惨を心で感じて平和を訴えていくこと
・そんな思いを子どもの世代へバトンタッチさせること
作者は、昭和50〜60年代に生まれた世代が昭和という時代の「教訓を整理する役割を担う世代」と位置づけている。自分がふんわりと考えていたことを言説化されるととても衝撃を受けた。今はまだ同時代史という側面があるが、戦後10 -
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2025年の戦後80年だったこともあり、ついつい太平洋戦争にまつわる書籍を読んでしまう。
今回は「あの戦争は何だったのか〜大人のための歴史教科書」(著者:保阪 正康)に挑戦。
今年はほぼ同名タイトルの辻田真佐憲氏版がベストセラーになったが、まずは保坂氏版に手を伸ばしてみた。
本書は2005年発行だから、当時は戦後60年ということになる。
20年前の2005年は、あの戦争をどう見ていたのか。
あれから20年以上経った2025年に生きる我々は、あの戦争をどう見ているのか。
何かが変わったのか。何も変わらないのか。
そんなことも考えながら、本書を読み進めた。
戦後60年から20年経って、戦争を体験し -
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「先の大戦で多くの人命が失われ、また、我が国の戦後の平和と繁栄が、このような多くの犠牲と国民のたゆみない努力によって築かれたものであることを忘れず、戦後生まれの人々にもこのことを正しく伝えていくことが大切であると思ってきました。 平成が戦争のない時代として終わろうとしていることに、心から安堵しています」(二〇一八年十二月)
平成天皇が天皇としての最後のお誕生日に際して仰られたお言葉です
はい、本作は昭和史研究家である保阪正康さんが平成天皇(現上皇)と美智子皇后(現上皇后)との全6回の「雑談」の内容を中心に、両陛下のお言葉をまとめたものです
平成の天皇、明仁天皇と美智子様は、わいの尊敬する -
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2025/12/19 保阪正康「あの戦争は何だったのか」
「太平洋戦争の総括」を日本はしてこなかった。[塩野七生氏]『失敗の本質』が名著と言われる。作戦の反省はあるが、『開戦』の総括はない。80年を経ると、やむを得なかった論が勢力を増やしてくる。
天皇の責任など幾つかのタブーを乗り越えてキチンとした総括が大事。出なければ、世代が変わるとまた同じ失敗を繰り返す。
1.国民皆兵 S19年800万人/人口7,500万人 うち職業軍人は5万人=超エリート
2.2・26事件(S11) 天皇親政を求めた青年将校
天皇の厳命で鎮圧するも、以降「テロの恐怖」「軍部の圧力」が社会を覆う
3.軍部大臣現役武官制 -
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昭和史研究のスペシャリスト3人によるNHKラジオ番組『太平洋戦争への道』を刊行した本。
三人とも昭和史や戦争についてたくさんの著書を出版されており、どんな話になるのか期待感が高まります。
「なぜ日本は無謀ともいえる戦争に向かっていったのか?」歴史のifではなくwhyに浮かび上がってくる答えは何なのか?と興味を惹かれ手に取った作品。
本書で印象的だったのは6つの分岐点!
どの時点でも回避する術はあった。
が、色々な事情が重なり悪い方へ悪い方へ向かってしまった。
日清日露戦争の勝利で世の中は浮かれ、新聞やラジオが戦争を煽り、国民も便乗したり、クーデターや国連離脱など複雑な事情が重なって責任は軍 -
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☆☆☆ 2025年8月 ☆☆☆
戦後80年の節目に手に取ってみた一冊。
昭和史を変えた「七大事件」として筆者は以下の7つの事件を取り上げている。
①五・一五事件
②二・二六事件
③太平洋戦争
④戦後の占領
⑤六十年安保闘争
⑥三島事件
⑦田中角栄とロッキード事件
この本を読んで特に印象に残ったのは「動機至純論」。つまり動機が行動を正当化するというものか。行為の善悪、方法はどうであれ、その行為に至った動機が純粋で至高のものならば一定の評価をする、という日本人の心に深く刻まれたメンタリティ。
「五・一五事件」や「二・二六事件」ではまさにその側面が現れたと言える。
また、東条英機という人物に関 -
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前掲とほぼ同名の新書だが、こちらは刊行が20年前に遡る。著者の世代も二世代ほど差があり、それは戦争を対象化する視線に現れる。本書では戦争をどう語るかよりも、やはり直接的に「何のための戦争だったのか」を(その説明の不在も含めて)検証するオーソドックスな構成となっていて、「大人のための歴史教科書」という副題に沿う作りである。
しかし一方で気になる点もいくつかある。冒頭の広島原爆碑の文言に主語がないとする批判は、今日では右派の戦後民主主義批判の定番であるが、本書の内容はあくまで戦前から終戦までであり、戦後の日米関係も含めた射程は見られず、言いっ放しのように感じてしまう。
海軍悪玉論の根拠とされる「石