保阪正康のレビュー一覧
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第一章 旧日本軍のメカニズム
第二章 開戦に至るまでのターニングポイント
第三章 快進撃から泥沼へ
第四章 敗戦へー「負け方」の研究
第五章 八月十五日は「終戦記念日」ではないー戦後の日本
旧日本軍の組織の様子や、どのように戦争に向かっていったか、また戦争が進行し、敗北を重ねた軍部がいかに戦果を取り繕ったか、よく分かる一冊。
対局的な目線も持ちつつ、印象としてはその時その時の人物の行動や発言を取り上げているので、より鮮やかに当時の様子が伝わってくる。
例えば、「日本のマッカーサー」とあだ名されたという堀栄三という人物について。
陸軍参謀本部の情報部に所属しており、アメリカ軍が次にどこを攻めて -
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昭和初期の多くの首相答弁は建前として国民生活の為の経済活性化を狙っての発言が目立つが、本質は軍事費への負担増を如何に対処するかが伺え、軍拡への抑止のたびにテロによって首相が暗殺、抑制された。また、金本位制、金輸出解禁などの政策の陰で操る政治家の一部が大儲けしている姿も垣間見える。当時、景気回復のためには戦争は必須であるという軍需関係の政治家vs軍拡を止め軍需・軍事費削減を図ろうとする政治家の対立構造となったが、国民生活よりも国家主体の軍事的発想が国民を幸せになると解き、陸軍などの圧力から無責任な軍拡への勢いが目立った。
現代のこの「平和論」vs「戦争論」では、ロシアが言う「核の使用もありえる」 -
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最近の社会の流れを読み解くためにも必読の書! 面白かったが、令和の時代の左翼について言及しないのは狡い。「動機至純主義」にななびきやすいという日本人の傾向は昔からあったということを、5.15事件後の国内の反応を紐解きながら述べているが、それは、現在の日本でもあまり変わっていないと思う。特に、オールドメディアやポピュリズム政治家は然りである。
また日蓮主義が国家主義と親和性が高く、むしろ政治・軍事指導者に近い人々に求心力を発揮した。石原莞爾もその中の一人であったということを初めて知った。
「攘夷」の思想は日本に地下水脈として残っているのは実感としてわかる。「攘夷」はそれ以前のどのような -
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本書は「日刊現代」に連載された記事を抜粋して構成されており、昭和100年を前に昭和前期の激動期であったアジア・太平洋戦争、戦時下の様相、そして敗戦の流れを短編でまとめた。第1章では、「日米開戦への道」として戦争に至る外交政策や近衛文麿、東条英機、松岡洋右などの人物評価の検証を行う。第2章では、「戦争の真の姿」として、東条英機の弾圧政治、学徒出陣の運命などを検証する。第3章では、「いかにして戦争は終結に至ったのか?」として、鈴木貫太郎の登場から、ポツダム宣言受諾の経過を検証し、敗戦か、終戦かを問う。第4章では、「平民新聞は時代をどう伝えたか」として、大逆事件の幸德秋水や堺利彦らの言論活動を検証
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昭和だろうと平成だろうと令和だろうと天皇皇后両陛下が大いに語るなんてあるだろうか――。この本も大いに語っているわけではないけど、ちょっと知らなかった明仁さま、美智子さまの姿が感じられる貴重な内容だと思う。
保阪さんと半藤一利さんが2013~2016年に断続的に数回、天皇皇后両陛下に招かれて歓談したときのことが書いてある。えっ、こんなことまで書いていいのかななんて思うような、明仁さまの邪気がないゆえか我を張ってなのかと思わせる発言のことが書かれていたり、保阪さんも平成天皇と明仁天皇の間に二面性がなく過ごしているのではないかと書いているけど、これって言い換えれば公と私というか象徴と私人の間を自由に -
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本書は、2022年1月から12月まで「保阪正康が語る昭和史の謎」の講座を再編集し、大幅に加筆修正した作品である。よって、ロシアのウクライナ侵略の視点は含まれるが、ガザの問題は、含まれていない点を留意した上で、読み進める必要がある。とはいえ、世界がウクライナ戦争で大きく揺らぎ、長期化していく中で、「核抑止力下の平和論」の危機を指摘する。
明治からアジア太平洋戦争を「近代史」とし、日本の敗戦以降を「現代史」とした上で、明治以降、戊辰戦争や西南戦争などの内戦を経て、欧米列強に負けまいとした侵略戦争と植民地支配に加わった日中戦争、日露戦争、第1次世界大戦、アジア太平洋戦争・第2次世界大戦の74年間 -
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対談形式で、昭和の名将と愚将について個々に論評していく一冊。
悪口や皮肉交じりの文体も相まって、読み易く面白かったです。
名将とされた人は、総じて人格的にも優れ自分で責任をきっちり取れる人、一方で愚将とされた人は、責任転嫁をしたり、責任逃れをしながら戦後ものうのうと生きた人、などが取り上げられているように思いました。
ただ、そういう人たちが戦後も生き延びられたってことには、ちょっとやるせなさも覚えます。
知らない人が多かったのですが、名将とされた今村均さんの生き方は、他の書籍も読んでさらに掘り下げたくなりました。
人としてどうあるべきか、ってことが結局は大事な気がする。 -
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BS-TBSで今も放映中のTV番組の一番最初のシーズンを書籍化したもの。
私がこの番組の存在に気づいたのは第二期目に入ってからだったので、この本でカバーされている部分(大政奉還から明治天皇崩御まで)の放映はまるごと見逃している。最初から全部見たかった、と悔しがってもどうしようもないので、書籍化されたものをありがたく読む。
小中高で私が受けてきた歴史の授業は、教科書の前半の古代史とか中世史はたっぷり時間をかけてやるけど、後半の近現代史は途中で時間切れになって終わる、というパターンばかり。たぶん一度も最後までやってないと思うなあ。板垣退助とか日露戦争あたりで記憶が途切れている、、、
でも、ほんと -
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■関東軍の暴走
■国際協調の放棄
■言論・思想の統制
■中国侵攻の拡大
■三国同盟の締結
■日米交渉の失敗
この10年間をこのように分けていくとこんなに解りやすかったとは、という思い。結局国民には事実を伝えることなく、自分達の立場を曲げられないことを前提に「仕方ない」という言い訳でアメリカとの戦争に突っ込んでいった日本。Sunk Cost や他人、上官、天皇の立場を忖度して判断、決断した、責任を取らない、取りたくない、という傾向は何十年も前から培われたものだった。そう思うと、変えるのにはまだまだ時間が掛かりそうだ。誰かに決めてもらう癖、習慣を変えないとこの国はまた低迷するだろう。この変化も外圧 -
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最後に半藤氏が諭すように言われている通り、我々は学び続けないといけない。令和になって戦争を知らない世代だけになり、いつか来た道をまた歩きだしてる気がしている。威勢だけは良いが、覚悟の全く無い人たちが政治を動かし、戦前と同じくらい社会の不平等も拡大してきた。なんとも不気味である。
ただこの本を読んでアメリカ人もいい加減学んだ方が良いとつくづく思った。先日ホーチミン市の戦争記念館に行ってきたが、彼らがベトナムでしたことは東京大空襲や広島長崎と全く同じ。それもそのはず、カーティス・ルメイが空軍参謀総長だったことをそこで初めて知った。ルメイのような明らかな戦争犯罪人を重用し続ける構図は、盧溝橋での牟田 -
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ネタバレ最近なんとなく、日本の政治なのか経済なのかよく分からないけど、よく分からないなりに、なんとなく違和感を感じていて、でもその違和感を言葉にできなくて、何が原因なのかも分からなかった自分は圧倒的知識不足だと思い、とりあえず重い腰を上げて積読になっていたこちらを読んでみた。
読んだら読んだで、最近の本の中で1番おもしろいやないかい!!!何がおもしろいかってこれが限りなくノンフィクションであるということ。
そして日本という国の特色だったり、太平洋戦争で何が起こったか、本当は陰でどんなことがあったのかなど、現代にも繋がるような問題が分かりやすく書かれていて、最後の最後まで驚きや学びの連続だった。
歴史っ -
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「昭和史」ということで、一部にそれ以前やそれ以降の時代も視野に入れながら、社会や人々の来し方を考えるという内容の一冊になるのだと思う。広く、深く様々な「昭和史」を綴っている著者の本は興味深かった。また長く「昭和史」をテーマに様々な人達の話しを聴くというような活動を続ける著者の「蓄積」が本書には大いに反映されているとも思う。
「テロル」とはドイツ語の「Terror」から来ている。直接の語義としては「恐怖」ということになるようだ。暴力や、その脅威というような恐怖を背景に、同調しない人々や敵対的な人々を威嚇しながら何事かを為すというような感じを示すのがこの「テロル」という表現になるであろう。少し踏み