保阪正康のレビュー一覧
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対談形式で、昭和の名将と愚将について個々に論評していく一冊。
悪口や皮肉交じりの文体も相まって、読み易く面白かったです。
名将とされた人は、総じて人格的にも優れ自分で責任をきっちり取れる人、一方で愚将とされた人は、責任転嫁をしたり、責任逃れをしながら戦後ものうのうと生きた人、などが取り上げられているように思いました。
ただ、そういう人たちが戦後も生き延びられたってことには、ちょっとやるせなさも覚えます。
知らない人が多かったのですが、名将とされた今村均さんの生き方は、他の書籍も読んでさらに掘り下げたくなりました。
人としてどうあるべきか、ってことが結局は大事な気がする。 -
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BS-TBSで今も放映中のTV番組の一番最初のシーズンを書籍化したもの。
私がこの番組の存在に気づいたのは第二期目に入ってからだったので、この本でカバーされている部分(大政奉還から明治天皇崩御まで)の放映はまるごと見逃している。最初から全部見たかった、と悔しがってもどうしようもないので、書籍化されたものをありがたく読む。
小中高で私が受けてきた歴史の授業は、教科書の前半の古代史とか中世史はたっぷり時間をかけてやるけど、後半の近現代史は途中で時間切れになって終わる、というパターンばかり。たぶん一度も最後までやってないと思うなあ。板垣退助とか日露戦争あたりで記憶が途切れている、、、
でも、ほんと -
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■関東軍の暴走
■国際協調の放棄
■言論・思想の統制
■中国侵攻の拡大
■三国同盟の締結
■日米交渉の失敗
この10年間をこのように分けていくとこんなに解りやすかったとは、という思い。結局国民には事実を伝えることなく、自分達の立場を曲げられないことを前提に「仕方ない」という言い訳でアメリカとの戦争に突っ込んでいった日本。Sunk Cost や他人、上官、天皇の立場を忖度して判断、決断した、責任を取らない、取りたくない、という傾向は何十年も前から培われたものだった。そう思うと、変えるのにはまだまだ時間が掛かりそうだ。誰かに決めてもらう癖、習慣を変えないとこの国はまた低迷するだろう。この変化も外圧 -
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最後に半藤氏が諭すように言われている通り、我々は学び続けないといけない。令和になって戦争を知らない世代だけになり、いつか来た道をまた歩きだしてる気がしている。威勢だけは良いが、覚悟の全く無い人たちが政治を動かし、戦前と同じくらい社会の不平等も拡大してきた。なんとも不気味である。
ただこの本を読んでアメリカ人もいい加減学んだ方が良いとつくづく思った。先日ホーチミン市の戦争記念館に行ってきたが、彼らがベトナムでしたことは東京大空襲や広島長崎と全く同じ。それもそのはず、カーティス・ルメイが空軍参謀総長だったことをそこで初めて知った。ルメイのような明らかな戦争犯罪人を重用し続ける構図は、盧溝橋での牟田 -
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ネタバレ最近なんとなく、日本の政治なのか経済なのかよく分からないけど、よく分からないなりに、なんとなく違和感を感じていて、でもその違和感を言葉にできなくて、何が原因なのかも分からなかった自分は圧倒的知識不足だと思い、とりあえず重い腰を上げて積読になっていたこちらを読んでみた。
読んだら読んだで、最近の本の中で1番おもしろいやないかい!!!何がおもしろいかってこれが限りなくノンフィクションであるということ。
そして日本という国の特色だったり、太平洋戦争で何が起こったか、本当は陰でどんなことがあったのかなど、現代にも繋がるような問題が分かりやすく書かれていて、最後の最後まで驚きや学びの連続だった。
歴史っ -
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「昭和史」ということで、一部にそれ以前やそれ以降の時代も視野に入れながら、社会や人々の来し方を考えるという内容の一冊になるのだと思う。広く、深く様々な「昭和史」を綴っている著者の本は興味深かった。また長く「昭和史」をテーマに様々な人達の話しを聴くというような活動を続ける著者の「蓄積」が本書には大いに反映されているとも思う。
「テロル」とはドイツ語の「Terror」から来ている。直接の語義としては「恐怖」ということになるようだ。暴力や、その脅威というような恐怖を背景に、同調しない人々や敵対的な人々を威嚇しながら何事かを為すというような感じを示すのがこの「テロル」という表現になるであろう。少し踏み -
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黒船来航で、江戸幕府が倒れて大政奉還し、明治政府が樹立されるも外国からの不平等条約で経済困窮に喘ぐ日本。戊辰戦争や西南戦争などの内戦を克服し、欧米列強並みに振る舞おうとして背伸びするが限度がある。歴史では、日清・日露の両戦役に勝利したとされるが、著者の分析では必ずしも日本に有利な条件は引き出せておらず、本当に勝利と言えるか。明治以降、ほぼ10年に1回の戦役を続け、ついにアジア・太平洋戦争で大敗を喫した日本。敗戦の反省の上に平和憲法を樹立し、78年間他国と戦争していない国は珍しい日本。敗戦の反省と被爆という悪夢こそ、戦後日本の復興と勝利があったのではないかと投げかける。
戦争と言えばクラウゼ -
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半藤一利さん、加藤陽子さん、そして編者の保坂正康さんによる対話形式で進む、1931年の満州事変から1941年の日米開戦までの、特に日本がとった行動とその背景について説明してくれる。
軍部を中心とした思い込み、慢心、根拠のない自信、精神論。今までおぼろげながら認識していた昭和史を再認識させてくれた。
折しもロシアによるウクライナ侵攻が進められ、おとしどころが見えない状態だ。一端戦争になれば、終結が難しくなることが現代でも読み取れる。
ただ、お粗末ながら当時民主主義国であり、第一次世界大戦の教訓からつくられた、国際連盟の常任理事国5ヵ国の一翼を担っていた日本ですら、戦争への道を選んでいったのだ -
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戦争で多くの犠牲を強いられた「戦争要員世代」と若者を戦地に駆り立てた世代の比較考察から浮かび上がる日本の未来。
正確な統計はないが大正11,12,13年生まれは太平洋戦争で最も多くの犠牲者を出した世代であるという。一方で東條英機は明治17年生まれ、同じ世代に山本五十六や石橋湛山、三木武吉など。
似たような世代でありながらもちろん、思想は異なるが同じ時代の空気を吸い教育を受けており、共通点も多い。本書はいくつかの世代に分けながら太平洋戦争を通した各世代への影響を戦後も含めて考察する。
筆者は昭和14年生まれ。価値観の大てんかんの後の戦後教育の世代である。筆者は故半藤一利と親交があり多くの対