保阪正康のレビュー一覧

  • 戦争の近現代史 日本人は戦いをやめられるのか

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    勝てる見込みのない戦争に国民を引きずり込んだのは、すべて当時の軍関係者の責任と整理できれば楽なんだろうけど、昭和史の泰斗である著者の考えを聞いていると、日本人そのものの宿痾ではないかという気がしてくる。戦争学を持たないというより、そういう高尚な大人の振る舞いがそもそもできない国民性なのではないか。憲法9条を守れば平和が保障されるかのように叫ぶ連中や日本の正当性のみを声高に主張する連中を見ていると、日本が世界の"鼻つまみ者"にならなければいいがと暗澹たる気持ちになる。

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    2026年08月29日
  • 世代の昭和史 「戦争要員世代」と「少国民世代」」からの告発

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    この本は「世代」に着目して昭和史を語るという、興味深い切り口の一冊です。大正10年〜13年生まれの人たちが受けた過酷な運命や、それぞれの世代が受けてきた教育の実態など、昭和という時代を違った角度から見ることができました。

    戦後、軍隊式教育を行っていた教師ほど民主主義への転身が早かったという事実や、軍人が一般国民を「棄民」として扱う現実、少年兵にも特攻隊と同様に「自ら志願した」という形をとらせるやり方が常態化していたことなど、新たに知ることも沢山ありました。

    様々なエピソードを通して歴史を知ることができ、重いテーマを扱いながらも、あっという間に読み終えました。昭和史を改めて考えるきっかけにな

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    2026年08月28日
  • 虚構の昭和史 海軍善玉論、石原莞爾名将論の陥穽

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    「海軍善玉論」は知らなかったので目からうろこ状態でした。今まで読んできた本に、そういうフィルターがかかっていたのかと実感。日本海軍は山本五十六の戦死で臭いものに蓋ができたとうことか? また黒島亀人の「戦藻録紛失事件」が隠ぺい工作だったとは。陸軍が悪玉で、海軍はまともなのかと思っていましたが、海軍も陸軍に負けず劣らず・・・
    吉村昭氏が「もともな戦争の証言が取れないから、戦記物は書かない」と言っていたというのには納得。吉村昭氏の本は好きで読んでいましたから。

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    2026年08月08日
  • 虚構の昭和史 海軍善玉論、石原莞爾名将論の陥穽

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    軍事学、歴史の泰斗達による質の高い鼎談。山本五十六、石原莞爾について、海軍善玉論などの定説を冷静に冷徹にぶった斬る。
    陸自と異なり海軍から継承された海上自衛隊、さらにいわゆる知識人や国民の軍事知識の欠如の指摘などマニア向けよりもっと深い内容。
    従前の定説をアップデートする必要に迫られる一冊。

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    2026年08月08日
  • 戦後80年 わたしは、この言葉を忘れない

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    言葉が国民の思考を形成していく恐ろしさが伝わってきた。自由に考え、自由に表現できる。現在は本当再生してに幸せだと思う。

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    2026年06月15日
  • 松本清張の昭和史

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    昭和史を学びたくて、保坂氏の書籍に手を延ばした。私は松本清張氏の大ファンであるが、清張氏の推理小説だけではなく、歴史書の中にもここに取り上げられた名著があるとは知らなかった。二・二六事件をもう一度深く学んでみたいと思う。『昭和史発掘』と『日本の黒い霧』をセットで購入した。作中にあった『事実と真実は異なる』と言う言葉が戦後の世代を語っていると思う。また、戦前の時期とこの本が書かれた令和6年の時代が似てると指摘した著者の言葉が、心に強く残った。そのような時代の感受性が、今の時代だからこそ求められるのだと思う。

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    2026年06月03日
  • 令和を生きるための昭和史入門

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    自分がいかに昭和史を知らないかと言うことに気づかされた。筆者の関連する本をもっと読み進めてみたいと思う。あと書きに書かれていた、昭和学ぶ、あるいは知ろうとする時、そのスタートに立って思う。昭和の史実をルールに用いないと言う覚悟。そして、史実を通じて、私たちの父母の時代、祖父母時代がどのように生きたかそれを確かめて、次の世代にしていくと言う姿勢が必要であると言う言葉に感銘を受けた。

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    2026年05月29日
  • なぜ日本人は間違えたのか―真説・昭和100年と戦後80年―(新潮新書)

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    年齢的には、遺言とも思える著作。鋭い筆致でズバズバ批判する。それがまたいい。真実を追い求める姿勢に好感が持てる。慎重に丹念に歴史を学んできたからこその自信。角栄をこんなにも高く評価していたのは意外だった。彼だったら戦争を回避できたという。226事件以降まともな人達は完全に抹殺されてしまった。東條をはじめどうしようもないクズが権力を握ってしまった経緯を学ばねばならない。愚かな戦争はペリー来航で端を発したのかもしれないが、世の中が変化していく中で、異分子を排除しすぎたために変化に対応できない人達だけで国の方向を決め、修正できなかったにだなぁと感じた。
    今でもそういう組織はあるが、衰退することは歴史

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    2026年05月09日
  • 保阪正康と昭和史を学ぼう

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     本当に面白い、惹きつけられる一冊だった。それは筆者が膨大な取材、しかも歴史の1ページに名を残した人物や、その周辺の人達に対して丁寧な対面による聞き取りが、歴史の本質に肉薄したものだと思う。 
     私の父は陸軍二等兵として上海で終戦を迎えた。老父を連れて上海を訪れた際、息子達にはこの戦争に歴史をいかに伝えるべきかと思った。昭和から100年、戦後80年、昭和を知る世代が伝える責任はある。この書籍を勧めたい。

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    2026年05月06日
  • 戦後80年 わたしは、この言葉を忘れない

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    2025年8月1日初版発行、その約2ヶ月後の10月4日の自民党総裁選で新しい総裁決定、嫌な予感的中、この本に書かれていることが、「あの時代には絶対に戻ってはいけない」、そんな気持ちで、今日2026年4月4日、読み終えました。

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    2026年04月04日
  • なぜ日本人は間違えたのか―真説・昭和100年と戦後80年―(新潮新書)

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    真説、なんて書かなくても、著者の歴史認識は極めてまっとうで、
    ナショナリズムが吹き荒れる現代に、
    しっかり足元を固めてものを考えるにはぴったりの新書になっている、
    と私は思う。

    昭和100年、、、

    日中戦争から大東亜戦争、そして敗戦、アメリカの占領下、高度成長、バブル、
    そして失われた30年、、
    大雑把にはそんな流れか。

    その100年を、戦争、東京裁判、高度成長、田中角栄、昭和天皇という切り口で
    分析している。

    戦争を止めることができなかった当時の空気。
    ドイツ降伏後は世界中を敵に回して戦争を続け、
    優秀な学生を特攻隊に送り込む狂気。
    敗戦後の東京裁判の理不尽さ。
    東條英機はヒトラー

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    2026年03月16日
  • あの戦争になぜ負けたのか

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    「あの戦争になぜ負けたのか」は、昭和日本の敗戦史を通して、今なお続く日本型組織の病理を炙り出す一冊。
    年功序列、人事ローテーション、合理性軽視――それらがミッドウェーやインパールの失敗と地続きであることに、正直うんざりさせられる。
    昭和が終わっていない会社で働いている人ほど、刺さる内容。

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    2026年02月02日
  • 太平洋戦争、七つの謎 ──官僚と軍隊と日本人

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    分析ではなくあくまでジャーナリストの随想、ただし非常に説得力がある。なぜあの戦争を始めてしまったのか、という問いに対しクリアカットなシナリオを次々と提示。

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    2026年02月02日
  • なぜ日本人は間違えたのか―真説・昭和100年と戦後80年―(新潮新書)

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    証人の裁判での証言だけじゃなくて、その裏側にで本当の事を言っている人がたくさんいるって事。東京裁判は、半分肯定、半分否定。高度経済成長は、大蔵官僚、経済官僚が、軍部を中心に復讐戦争を戦ったと言うのは、腑に落ちた。

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    2026年01月26日
  • なぜ日本人は間違えたのか―真説・昭和100年と戦後80年―(新潮新書)

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    ネタバレ

    そこそこ知ってるつもりで生きてきた
    実際は何も知らないし
    ただただ戦争は反対だと言ってきた
    情けない
    傲慢さと無知の知を思い知られる

    1番ぞっとした所
    中国戦線で床候を出す。30人いれば30人の
    ほとんどが殺される。任務の上で殺されるのは
    仕方がないとしても、その後が問題なんだ。
    殺されて、両の腕と脚が切られた
    ダルマのような死体が20〜30メートル間隔で
    道端に並べられていて、中には性器が切られて
    口に突っ込まれたのもある。
    行軍する日本兵たちはそれを見て気がおかしくなる。
    それを知るからこそイギリスは中国奥地で戦争など
    しなかった

    漫画キングダムの六大将軍さながら
    精神的な極限でこのよ

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    2025年12月23日
  • 田中角栄の昭和

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    昭和史で有名な著者が、昭和を語る上で、三人の首相を挙げていて、その一人にフォーカスをあてた著作です
    とりとめもないですが、印象に残った部分を書きます
    ・握手を選挙に持ち込んだのは、日本では角栄が最初だったらしい 立礼文化なのに不思議だなぁとは思っていたのですが、なるほど角栄なら有り得そうでした
    ・権力の頂上を目指すためには、大将に取り入ることと、「人の悪口を言わない」ことが大事とのことです 敵を作らず、自分を好いてくれている広大な中間地帯を作っておくのが重要らしいです
    ・大平正芳さんは、外務大臣より良いポストを求められたのに、日中の国交正常化への意欲から外務大臣を選んだとのことでした なんとな

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    2025年12月03日
  • 右翼と左翼の源流 近代日本の地下水脈II

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    難しかったけど勉強になった。
    右翼と左翼という思想ができる前から丁寧に近代日本史が書かれていた。
    現在の日本で起こっていることも書かれていて歴史は繰り返していて、過去に起こった過ちを繰り返さないためにも個人のできる範囲の事をしようと思った(安倍晋三暗殺事件&岸田文雄暗殺未遂事件から)。
    排外主義についても書かれていて、攘夷志士の頃から見えないだけで存在していて時に顔を出すもので 私自身の無意識の中にもそういうのがあるのかもしれないと恐ろしく思った。

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    2025年10月18日
  • なぜ日本人は間違えたのか―真説・昭和100年と戦後80年―(新潮新書)

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    戦後80年日本は平和を享受してきた。私自身もその中で豊かさを享受してきた1人だが、日本の平和は日米安保つまりアメリカ軍に守られた歪んだ平和という事実がある。
    日本は2度と戦争はしてはいけないという意見を否定する人は少ないだろう。そのための手段が左派と右派で大きく異なる。
    筆者は唯物史観をベースとした左派も皇国史観をベースとした右派も否定し、あくまで実証主義をベースとして歴史を客観的にみるべきと主張する。
    日本はペリーの来航以来、戦前も戦後も現在も良くも悪くもアメリカの影響を受け続けている。
    無批判に戦前の軍国主義を否定し、戦後民主主義を肯定するのは思考停止であり、自分の頭で平和とは何か、どうや

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    2025年10月05日
  • なぜ日本人は間違えたのか―真説・昭和100年と戦後80年―(新潮新書)

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    著者が東條英機は優秀ではあったが人の心がわからなかった、といい、田中角栄は学はなかったが人の心がわかったと評している。敗戦後に生まれた私は、当然のごとく平和を享受しているが、その平和は現実には米によって守られている、という事実は認めなければならない。そして経済復興も。
    ずっと昭和史を追ってきたという老境の著者の達観したような筆致も好感が持てた。

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    2025年10月05日
  • 戦後80年 わたしは、この言葉を忘れない

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    戦後80年の節目に本書を読みました。そこに並ぶ言葉は、人々を縛り、命を奪い、社会を沈黙へと追い込んだ「嫌な言葉」でした。
    特に「国民は無色」という表現に震えました。権力が人を“無色”とみなし、思考を奪う危うさ。私たちは一人ひとり声を持ち、それを発することで社会は形づくられるのだと痛感しました。
    また「諦観」という言葉が示す、恐怖と無力感に支配された時代の重さ。戦争は戦場だけでなく、人々の心をも支配していたのだと深く考えさせられました。
    そして「軍人である前に人間である」という言葉は、今の私にとって「会社員である前に人間であれ」と響きました。立場よりもまず人としての倫理を大切にすべきだと。
    言葉

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    2025年10月04日