保阪正康のレビュー一覧
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アジア太平洋戦争を概観するのに、ちょうどいい良書。
軍部のあまりの愚かさに、読んでいて暗澹たる気分になる。
長期的な戦略は無し。
憲法と組織機構の欠陥。
エリート主義。
陸軍と海軍の対立、セクショナリズム。
調査・情報収集、その精査の軽視。
非科学と精神論。
人命の軽視。
etc.
東京裁判だけではなく、日本人が自分たち自身で、戦争犯罪者を裁くことをするべきだった。
そして、我々が本当に感謝し手を合わせるべきなのは、「英霊」ではなく、戦争に反対し殺された人々なのだ。
たとえ、ひとりひとりは微力でも、民衆が力を合わせて権力にはむかえば、戦争を止めることができたはずだ。
「避けられない戦争 -
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2025/05/28「松本清張の昭和史」保阪正康・加藤陽子
松本清張は天才作家 学歴なく、40歳過ぎの作家活動、巨大作品集
世の中は単なる推理小説作家に押し留めようとするが、それでも偉大 テレビでドラマが何度も制作され、再放送されるのは彼しかいない。保阪正康氏は松本清張氏をさらに歴史学者としても大きな評価を明らかにした。アカデミズムや正統派は排除しているが。
特に「昭和前史1926年―1945年」の大東亜戦争は「日本の縮図」、ここを抜きにして日本史は語れない
①なぜ対米戦争を始めたのか
②大衆の戦争意識、戦争の当事者としての現場・現実
松本清張はアカデミズムとは別の視点で「昭和の歴史を紡いだ」 -
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日本は近現代において幾度となく戦争に踏み込んだ。日清・日露戦争は国力誇示の戦いであり、満州事変は軍部の独走、大東亜戦争は国を滅ぼす道だった。なぜ日本は戦争を選び続けたのか。その背景には国際情勢の圧力と天皇制を中心とする国家体制があった。
敗戦後の日本は戦争放棄を掲げ80年にわたり戦火を交えていない。これは戦争の清算がなされた結果なのか、充てがわれた憲法9条によってか、それとも偶然の産物か。戦後天皇制は象徴へと変わり戦争を主導するものではなくなった。
戦争の記憶は薄れつつある。歴史を振り返り戦争を避ける知恵を学ぶことこそが今の日本に求められているのではないか。
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太平洋戦争は侵略の歴史にも関わらず、反戦、平和などの言葉で、臭いものに蓋をして、あまりに無知となっている。本当にそう。
読んでいて、怒りが止まらなかった。
バカと言いたい。
自分の大切な人を戦場に送ること、どれだけ辛かっただろう。
なんのために戦っているのか、軍部の目的は一般人にはどうでもよく、こんなことのためにたくさんの命が犠牲になって怒りしかない。
あの戦争の中に、私たちの国に欠けているものの何かがそのまま凝縮されている。
戦術はあっても戦略がない。
なんのためにやっているのか、いつ終わりにするのか、次どうするのか、まるで考えず、プライドのため、ワンマン体制、傲慢な裸の王様の下、誰 -
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日本が軍国主義化して、戦争の時代に流れ込んでいくプロセスについては、過去にも何冊が読んで、大きな流れは理解しているつもりであったが、これはテロルという切り口でまとめた本。
テロル=恐怖がだんだんと社会全体に染み込んでいく感覚というのは、客観的な記述の歴史書では今ひとつピンとこないところであったが、この本は、著者の長年のインタビューなどの積み重ねもあり、リアリティを感じた。
昭和前半の歴史において、「なぜ、日本はアメリカとの勝つはずのない戦争を始めたのか?」「なぜ日本は軍事独裁的な政治体制になったのか」という問いは、日本だけをみてもダメでドイツやイタリア、ソ連などを踏まえた上で考える必要があ -
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●戦争指導の内幕がよくわかる一冊。
●天皇の命令は中々書かないから読めて良かったと思う。特に年上の陸軍大臣、参謀総長から舐められていたのは悲しい話。東条だって怪しいもんだし、当時の天皇の心中はいかほどのものか。信用できない家臣に囲まれることほど、辛く情けないものはない。
●後半はかなり具体的な名前が出てくるからかなり興味深い。つくづく歴史を記録することの困難さを実感する。神の視点はないわけで、どうしても客観性が怪しくなる。結局、長生きした連中にいいように修正される可能性もあるわけだね。
●昭和の戦争指導はひどいもんだ…かなり頭のいい人たちもいたはずなのにこんなことになってしまって…本土上陸作戦