保阪正康のレビュー一覧
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私がその歴史観をかなり信頼してる二人による、対談形式の名将論。軍事は、人類の歴史で最も重要な技術であり続けました。ここ暫く平和だからって、忘れていい類のものではありません。昭和の代表的軍人22人を俎上に載せて、リーダーシップとは何かを検討していきます。
名将篇と愚将篇に分かれています。名将篇で登場するのは、栗林忠道、石原莞爾と永田鉄山、米内光政と山口多門、山下奉文と武藤章、伊藤整一と小沢治三郎、宮崎繁三郎と小野寺信、今村均と山本五十六。愚将篇では、服部卓四郎と辻政信、牟田口廉也と瀬島龍三、石川信吾と岡敬純、大西瀧治郎・冨永恭次・菅原道大 (特攻隊の責任者)。
名将必ずしも国家の行く先を過た -
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2004年の夏、鹿児島県の知覧町と加世田市(現・南さつま市)に行って来た。
特攻基地があったところだ。
ちょうどとても暑い日に訪れ、思いにふけた。
特攻に行った人たちよ、安らかにと。
その後この本が出版された。
「国を思って、あの人たちは特攻へ行った」
ある意味、英雄的な感じさえ私は持っていた。
この本によると、特攻へ行った人は、当時の指導者によって特攻へ行かされてし
まった犠牲者だという。
英雄でも、犬死にでもない。
犠牲者である。
私にとって、これは新鮮な論だった。
そうか、当然、犠牲者であるという考えが出てこないとおかしいじゃないか。
この -
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相変わらず「虐殺」を信じていたり、何度もこの人から聞いたとか、そう思われる、では無いかといった感じの推測が多いわけですが、今回はネタ的に面白かったです。
陸軍中野学校、田中角栄、大本営発表、宮中祭祀このあたりは非常に興味深く読めました。
角栄に関しては、なんかのTVの特番でもやっていたりしたけど、まったく違う方向や、TVでは語られなかったコトなどがズラズラ出てきていた。やっぱり、あれは大物だし、すごい人だ。
ゾルゲ事件とかも書いてあるけど、Pert1でもやったことの焼き直しみたいだったし、吉田茂のネタも微妙ですねぇ。
今回は読む価値アリです。 -
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興味深く思った点を幾つか列挙。
・実録執筆者の中に“エース”(昭和史の核心を担う執筆者)を想定し、“エース”が昭和天皇の「天皇像」を明確にし、天皇に「プラスに働く材料」(p.128)がない箇所は、記述が少なくなったりするという保阪正康の指摘。
・「軍部にとって天皇とは、最高指揮官などではなく、神殿の壁のようなもの」(p.81)で、それは幕末の長州藩の藩主が“そうせい様”(報告さえすれば、「そうせい」としか言わず、自由に行動させてくれる)で、この長州藩が後の明治政府の担い手となったことで、この「神殿の壁」構造が引き継がれていったのだ、という磯田道史の指摘。
・戦中戦後を通じて、短波放送が昭和天皇 -
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三島由紀夫の『青の時代』の題材としても知られ、戦後の価値紊乱、典型的アプレゲール型の事件と評された山崎晃嗣の光クラブ事件。
「事件」とは言うものの、東大生が金融業を興したことが物珍しく脚光を浴びただけで、よくよくみると、法のグレーゾーンで運営していた新興金融会社が杜撰な経営と社会の急激な変化により破綻し社長が自殺した、という話である。「東大生」の冠が無ければ話題にもならなかったのではないだろうか。
ただ山崎はその死に際して手記を2点遺しており、また自殺の直前には芥川賞作家らと雑誌で鼎談する等メディアを賑わしていて、その妙に印象的な言説で後々まで語られる存在となった。自己演出の塊のような人物であ -
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二・二六事件、東京裁判、高度成長、田中角栄、昭和天皇など昭和史における歴史的な事象について改めて記した書。「真の保守主義」の立場での現代につながる論考を期待したが、放談のような印象で、やや期待外れな感じ。左翼的史観に対する批判は的を得ているとは思うが、現代では敢えて強調する必要性は薄く、次作では、むしろ昭和史を歴史として語る中で、いわゆる「保守」の無知・不勉強を指摘していくような評論を期待する。
【目次】
まえがき
第一章 「昭和百年」とは何だったのか――左翼史観に歪められた歴史の見方
近代日本を形づくった皇国史観 唯物史観とアメリカ的な実証主義 半藤氏の四〇年周期説、胡耀邦が語った -
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「戦場を知らない人が戦争を語る言は、どこか観念的であり、道徳的である」。この言葉が示す様に、現代に生き戦争史を語る多くの人々は戦場も戦争も経験していない。一昔前なら、当時の参謀クラスや司令官クラスが戦後に自身の経験や判断の経緯などを雄弁に語る書籍も多かったが、それも戦場を体験した内容のものは、全体の中ではごく僅かだ。自身は戦場から遠い場所に身を置きながら、俯瞰的に捉えたものが多く、弾が飛び交い爆弾が炸裂する様な、最前線の兵士の体験とは異なる。だからと言ってそれらに真実味が無いという訳ではなく、戦場とは違う場所から見た戦争体験は、一兵士と違う場所から当時の戦争をリアルに告白するものとして、その後
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10年以上も前に書かれた本なので、現在とは認識の異なることも多い。2人の会話を軸に書かれているため、構成も話題の連続性も恣意的なところがある。中には眉唾物の話題もあって、日中戦争が始まった昭和10年代と比べて昭和初期を美化しすぎているのではと思われる記述も多々あった。それでも彼らの懸念事項は現在確実に深刻化しているし、単純短小化されたネット情報になじんだ人たちの言説には恐怖感しかない。圧倒的な国力のあるアメリカとの戦争になだれ込んだ昭和の失敗を学ぶことなく、圧倒的な国力のある中国との争いにも引きずり込まれる日はそう遠くないのかもしれない。