保阪正康のレビュー一覧

  • 「特攻」と日本人

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    作者がちょっと感傷的すぎるのが気になる。特攻隊員たちに気持ちが入れ込んでしまうのはわかるのだが…。この本で指摘されているとおり、実は特攻隊員はほとんどが“学徒”だった。学徒ゆえにこの戦争に対する洞察や自分の死に対する悩みが、すごい深く哲学的だ。死を定められた彼らに同情を禁じえないが、その一方で生きる目的、死の意義が短絡的であるにせよできたことは、ひょっとすると、現代の悩める若者より幸せなことだったかもしれないと、不謹慎なことも考えたりした。

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    2009年10月04日
  • 昭和の怪物 七つの謎

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    調査報道になるのだろうが、調査したことが十分整理咀嚼されておらず、無駄な脱線、引用、感想が随所に挿入されていて、読みにくかった。先日読んだ「あの戦争〜」で描かれていた東条英機像と真っ向から対立する、精神論だけで戦略もないまま徹底抗戦を譲らず、日本人の被害を拡大させた独裁者という理解だった。良識的で正義感にあふれ、学識もあり思慮深い石原莞爾との単純な2項対立のようだ。辻田氏の論調が理路整然として冷静な書き方になっている分、こちらのほうが信憑性が高いように思われてしまう。

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    2026年04月18日
  • なぜ日本人は間違えたのか―真説・昭和100年と戦後80年―(新潮新書)

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    二・二六事件、東京裁判、高度成長、田中角栄、昭和天皇など昭和史における歴史的な事象について改めて記した書。「真の保守主義」の立場での現代につながる論考を期待したが、放談のような印象で、やや期待外れな感じ。左翼的史観に対する批判は的を得ているとは思うが、現代では敢えて強調する必要性は薄く、次作では、むしろ昭和史を歴史として語る中で、いわゆる「保守」の無知・不勉強を指摘していくような評論を期待する。

    【目次】

    まえがき

    第一章 「昭和百年」とは何だったのか――左翼史観に歪められた歴史の見方
    近代日本を形づくった皇国史観  唯物史観とアメリカ的な実証主義  半藤氏の四〇年周期説、胡耀邦が語った

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    2026年04月10日
  • 太平洋戦争、七つの謎 ──官僚と軍隊と日本人

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    タイトルの七つの謎を史実のミステリと受け取ると肩透かしを食う。開戦を決めたのは官僚で、人間を武器とした特攻の非道さを説き、天皇の聖断により終戦となったとのオーソドックスな戦後民主主義的太平洋戦争観が語られる。
    戦場体験と戦争体験との違いへの拘りに見られるとおり、著者は一貫して兵士の視点から戦争を見ている。終戦の聖断でも天皇が「軍を切り捨てた」と明言するところには盟友・半藤一利の戦争観と微妙に色合いを異にするように思える。
    講演の書き起こしである。

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    2026年03月28日
  • 太平洋戦争、七つの謎 ──官僚と軍隊と日本人

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    「戦場を知らない人が戦争を語る言は、どこか観念的であり、道徳的である」。この言葉が示す様に、現代に生き戦争史を語る多くの人々は戦場も戦争も経験していない。一昔前なら、当時の参謀クラスや司令官クラスが戦後に自身の経験や判断の経緯などを雄弁に語る書籍も多かったが、それも戦場を体験した内容のものは、全体の中ではごく僅かだ。自身は戦場から遠い場所に身を置きながら、俯瞰的に捉えたものが多く、弾が飛び交い爆弾が炸裂する様な、最前線の兵士の体験とは異なる。だからと言ってそれらに真実味が無いという訳ではなく、戦場とは違う場所から見た戦争体験は、一兵士と違う場所から当時の戦争をリアルに告白するものとして、その後

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    2026年02月26日
  • そして、メディアは日本を戦争に導いた

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    10年以上も前に書かれた本なので、現在とは認識の異なることも多い。2人の会話を軸に書かれているため、構成も話題の連続性も恣意的なところがある。中には眉唾物の話題もあって、日中戦争が始まった昭和10年代と比べて昭和初期を美化しすぎているのではと思われる記述も多々あった。それでも彼らの懸念事項は現在確実に深刻化しているし、単純短小化されたネット情報になじんだ人たちの言説には恐怖感しかない。圧倒的な国力のあるアメリカとの戦争になだれ込んだ昭和の失敗を学ぶことなく、圧倒的な国力のある中国との争いにも引きずり込まれる日はそう遠くないのかもしれない。

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    2026年01月20日
  • 戦後の肖像 その栄光と挫折

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    昭和の御代62年間、右も左も中間も皆それなりに必死に生きてきたのだなと思う
    それにしても生き抜くことはなんと難しいことか
    日和見が多すぎる

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    2025年12月21日
  • 右翼と左翼の源流 近代日本の地下水脈II

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    実際難しいというかわかりにくい。
    相関図と年表、語句説明がついて入ればわかりやすくて頭に入ってきたと思う。
    題材は興味深いぶんがっかりが大きい。

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    2025年12月18日
  • なぜ日本人は間違えたのか―真説・昭和100年と戦後80年―(新潮新書)

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    保阪さんてこんな人だっけ?
    大丈夫か?どうしちゃったんだ保阪正泰と言う気持ちになる本。
    乱れぶりを楽しめるといえばいえる。

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    2025年11月16日
  • 昭和陸軍の研究 上

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    内容が詳細でボリュームがあって調査、研究を主とした読書じゃないと読むのはキツい感じ。
    ただ難しいとはいえ昭和陸軍の異常さは十分伝わってきた。

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    2025年11月12日
  • なぜ日本人は間違えたのか―真説・昭和100年と戦後80年―(新潮新書)

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    表題に対する答えは書かれていないようだ。わずかに、「戦後」という括りをなくすべきということが書かれているが、それはそうとしてそれだけでは分からないだろう。
    「あの戦争は何だったのか」のまとめとして、後進帝国主義による先進帝国主義への自滅的挑戦だったという。その通りであろう。
    もしどこかで踏みとどまっていればいったい今どうなっているのか、考えてみたい。
    日中戦争について、「中国の巧妙な罠に嵌ったという見方もできる」というが、それは少なくとも始めたあと、やめられなくなった時のことではないのか。

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    2025年10月30日
  • 昭和の怪物 七つの謎

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    戦中戦後の日本について詳しく書かれていたと思います。私にとっては難しい話が多くて読むのに時間がかかりましたが、それでも最後まで読みました。最後まで読みたい気分になりました。

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    2025年10月18日
  • 戦争という魔性 歴史が暗転するとき

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    ネタバレ

    力作。
    内容は凄い、よく調査されている。作者の主観も入っており、鵜呑みする訳にはいかない。
    ここまで詳細な内容は私には必要なく、読みにくい。

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    2025年10月04日
  • そして、メディアは日本を戦争に導いた

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    この2人の作家はジャーナリスト出身で、15年戦争に至った日本の歴史を冷静に語る著述が多い。彼らが2013年に対談した記録は10年以上を経ているにもかかわらず、先見性のある指摘というか、今も変わらないというか。日本のジャーナリズムの劣化、それが知性の退嬰を招き、民主主義を危機に追いやっており、ファシズムが抬頭していると、昭和一桁年代の状況に似てきたと危機感を共有している。「自虐史観」から「居直り史観」への移行がそれを象徴している。
    日本のジャーナリズムの幕末ごろから、現在に至るまでの流れを書いている中で、明治初期が最も政府に批判的な言論が主張され、日清・日露の頃から、政府の情宣紙のように戦争に賛

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    2025年09月25日
  • なぜ日本人は間違えたのか―真説・昭和100年と戦後80年―(新潮新書)

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    2025/09/22「なぜ日本人は間違えたのか」保阪正康
    著者の「昭和史への見識・真摯さ」
    多くの戦争経験者からヒアリング、その実証性に敬意。
    ただしオーソドックスであり、国内事情に傾斜し、世界事情は弱い。
    (『武藤章』の切れ味はない)

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    2025年09月22日
  • 昭和史の論点

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    『正論』の連載を新書にまとめたものだが、25年前には保守派の議論もまだしも穏当なものだったとの感に打たれる。ただ座談形式なので仕方がないのかもしれないが、結構重い話なのに(笑)がついていたりすると、どうにも違和感を拭えない。
    ハル・ノートのくだりなどは四人の議論が錯綜し、戦後半世紀を経た評論家の座談会でさえこの調子であれば、中堅幕僚の突き上げを食らっていた当時の政府が完全に当事者能力を失っていたというのも想像に難くない。
    半藤が「元首の天皇が大元帥に命令して2.26や大戦を収束させた」と繰り返している(他の参加者はあまり取り合わないのだが)のは、明治憲法の構造上、「大元帥としての天皇」の戦争責

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    2025年08月18日
  • 太平洋戦争への道 1931-1941

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    敗戦記念日がまた近付いてきたこともあってか、ふと手に取った。お三方(特に加藤さんと半藤さん)の著作はこれまでにちょくちょく読んでいるので、おさらいという感じで読んだ。

    当時の色々な人の色々な思惑と事実とを照合すると、「対米戦を回避する術はあった筈」とやっぱり思ってしまう。

    リットン報告書やハル・ノートに対する、冷静さを欠いた威勢がいいだけの感情的な煽りは、発行部数を伸ばすのにはよかっただろうが、亡国ぎりぎりまで民族を追い込んだ、という面では、マスコミの罪はとてつもなく大きいと思う。

    また、五・一五事件のあと、実行者の助命嘆願書が百万を超える数集まり、裁判でも実行者が自身の信じる主義主張を

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    2025年07月05日
  • 田中角栄の昭和

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    「今太閤」と呼ばれる田中角栄元首相の、成り上がりの歴史と功罪入り乱れた政治実績を説明した内容。田中角栄は昭和時代を代表する政治家であり、それまでの対米従属・外需依存から日本の経済的自立と主権回復を図った功績が挙げられる。一方でロッキード事件に代表される金権政治によって失脚し、角福戦争といった派閥抗争など薄黒い面も多分にあったとされている。

    田中角栄を語る上で、その戦争経験から入らなければならない。陸軍騎兵隊として満州に送られるも結核にかかって本国に帰還したとされるが、その頃の話が積極的に田中角栄の口から語られることはない。部隊が全滅するような過酷な戦場からいち早く抜け出し、戦時経済下で理研の

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    2025年07月03日
  • 昭和史の核心

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    ロシアのウクライナ軍事侵攻から、イスラエルのパレスチナ自治区へのジェノサイドとも言われる攻撃など、ここ数年は戦争を身近に感じる機会が増え、戦後80年が経過して世の中の大きな変換点に来ていると肌で感じる。

    それまでの常識として、他国への軍事侵攻など、今の世の中ではお互いが抑制しあって起きるはずはないと思い込んでいたが、それが一度破られると、至るところで火種が大きくなってきていることを懸念する。また、為政者にも自国第一主義や保護主義を唱えるものが多くなってきていることにも不安を覚える。

    当たり前のように二度と戦争は起こさないし、起こらないよう抑制されると思ってはいても、経済が悪化し、不満がたま

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    2025年06月16日
  • あの戦争は何だったのか―大人のための歴史教科書―

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    読売新聞に著者の履歴書が掲載されているのに触発されて読んでみた。
    非常に真面目に先の戦争を分析していることには敬服した。評価をあまり高くしなかったのは新しい視点を感じなかったため。但し逆にいうと著者の視点が今や一般化しているからかも知れない。
    戦後80年とうとう私たちのまわりでもいつ戦争が起きてもおかしくない時代になってきた。今こそ筆者の言うように、先の戦争をきちんと総括する必要があるのかもしれない。さもなくば我々が同じ轍を踏む可能性は大いにあると思う。

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    2025年03月03日