保阪正康のレビュー一覧

  • 戦時下の政治家は国民に何を語ったか

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    昭和の時代に入ってすぐ1928年(昭和3年)、最初の普通選挙が執り行われて以来、様々な政治家、財政家、外交家、軍人などがラジオを通じて、自らの意思や考えを国民に伝えてきた。時はまさに後に続く日本にとって最大の国難、太平洋戦争への道のりを歩む時期であり、それはゆっくりとした歩みから、徐々に加速をつけての激走へと変わっていく。その間、1929年世界恐慌、翌1930年のロンドン軍縮会議、更に翌年の満州事変の勃発、五.一五事件など、社会は不安や不満に満ち溢れ、影響力を持つ政治家などの一挙手一投足が自らの政治生命だけでなく、人生の幕を閉じさせるような暗殺という手段により、命を失ったような時代だ。外交面で

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    2024年11月17日
  • 日本を変えた昭和史七大事件

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    激動の時代、昭和で後の世に影響を与えたであろう7つの事件について取り上げていた。それぞれの事件の概要や裏側がほどよく書かれており、読みやすかった。
    読んで感じたことは、当時の人々の熱量の高さだ。暗殺事件にしろ、学生たちの大規模なデモにしろ、切腹にしろ、主張や行動の善悪や是非は置いておいて、日本がどうしたら良くなるかを本気で考え、行動に移した結果のこと。現在の政治に無関心な国民(若者)とは対照的だなと感じた。

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    2024年11月15日
  • あの戦争は何だったのか―大人のための歴史教科書―

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    「かたばみ」を読んで、太平洋戦争をちゃんと知りたいと思って読んだ。

    戦後60年に書かれた本。戦後80年を迎えようとする現在にとっても貴重な本だと思う。
    著者も戦時に生きており、証人から直接話が聞ける時代。感情的になっている部分も見られるが、それを含めて価値があると思った。
    大局的な判断ができず、思想や理念なく目の前のことに対処療法的に取り組むだけの国民性。説明責任を全く果たさない内閣や軍指導者。なんだか、今も変わってなくて冷んやりした。

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    2024年10月28日
  • あの戦争は何だったのか―大人のための歴史教科書―

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    現代史に精通していない分、筆者の視点を交え
    解説もありわかりやすかった。

    文字でしか見たことのない人の語り
    天皇がどうしてこんな決断をしたのか、など

    最近、北方領土問題について考える機会があり
    その際に8.15で終わっていないということを
    理解した。今のロシアの戦争により
    元島民の話では墓参ができない状況とのことで
    やはり戦争は良くないと思ったし
    制裁により先の戦争の日本のような
    さらにロシアの暴走に繋がらないかの不安もある

    地続きの今の問題を考えるいい機会になる

    また改めてここに出てこない
    日本人の姿にも思いを馳せることができた

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    2024年10月01日
  • 「特攻」と日本人

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    特攻と聞いて先ず考えるのは、将来有望な若者達が命令であれ自分たちの意思であれ、大きな爆弾を抱えて敵の空母や戦艦に体当たりする凄惨なシーンであり、彼らが一体何を考えながら死んでいったのかという事だ。無論、前者のような命令で言ったのであれば、最後まで命令者を恨んだまま逝ったのかもしれないし、後者、自分の意思であったにしろ、死への恐怖を克服する事が果たして出来たのであろうかという事を考える。
    私たちは例えば病気などで余命を告げられ、死を目の前に控えた時、どの様な行動に出るだろうか。何を考えるだろうか。数日後、数時間後に水水盃を交わし、エンジン始動と共に整備兵の少年たちが、自機の周りから離れていく。離

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    2024年04月17日
  • あの戦争になぜ負けたのか

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    6人の学者や作家による座談会。私の理解力が足りないのか、話についていけない部分も多かった。
    だが、どうして戦争が始まってしまったか、当時の状況などはよく分かった。
    特に特攻に関しては考えさせられた。

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    2024年03月06日
  • 参謀の昭和史 瀬島龍三

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    瀬島先生とは、片言ですが会話したことがあります。怖い印象はなかったけれど、瀬島先生に対しては、生きた時代、生き抜かれた軌跡からさまざまな見方があるのだなぁ。その一つの視点として読みました。

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    2024年02月24日
  • 歴史でたどる領土問題の真実 中韓露にどこまで言えるのか

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    昭和史研究の第一人者・保阪正康の著書『歴史でたどる領土問題の真実 中韓露にどこまで言えるのか』を読みました。
    保阪正康の作品は、8年近く前に読んだ半藤一利との共著『そして、メディアは日本を戦争に導いた』以来なので久し振りですね。

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    尖閣、竹島、北方四島――どう守り、返還させるか? 威勢のいい言葉だけでは進展はない。
    解決策は「歴史」の中に書かれている! 明治維新時の領土と、その後の戦争による拡大。
    敗戦での急激な縮小と、戦後の枠組み。
    それらの歴史の裏側までを厳正に検証する。
    21世紀の視点に立った日本の主張!
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    2024年02月18日
  • 参謀の昭和史 瀬島龍三

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    ・著者は瀬島龍三氏に様々な期待をしているのに、瀬島氏はそれに応えていないという構図。
    ・後講釈だが、おそらく瀬島龍三氏は終戦で人生の全てが終わったと思っていたのではないか。財界活動や臨調委員をしても、大本営参謀本部での仕事ほど夢中にはなれない。そして、瀬島氏のその気持ちを分かち合える人は誰もいないのだ。
    ・戦争のことを語りたがらない人の中には、自分の卑怯な行動を悔やんでいる人が恐らく沢山いる。戦争とは尋常ならざるものであり、我々戦争を知らない人間がとやかく言うことはできない。だがそれ故に後の世代のために、教訓を残してほしいとは思う。

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    2023年08月27日
  • 関口宏・保阪正康の もう一度! 近現代史 戦争の時代へ

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    ネタバレ

    関口氏と保阪氏の対談で進んでいく一冊。
    わかりやすくて大正〜昭和史をザックリ知りたい人にはオススメの一冊。
    教科書には載らない話などもちらほらで、「尼港事件」(ロシア革命時、出兵していた日本に対しロシアのパルチザンが日本人を虐殺した事件)
    なんかはお恥ずかしながら全く知らなかった…。
    教科書にも載せるべきだと思うんやが。

    大正天皇と昭和天皇の話も良かった。
    体調を崩されてから、昭和天皇が摂政として務められてたらしいけど、
    やっぱり天皇にも自分なりの権威というものがあるんやね。
    摂政としての仕事をどこまでやっているか、という点をすごく気にされていたエピソードに納得でした。

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    2023年08月23日
  • 歴史の定説を破る あの戦争は「勝ち」だった

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    「歴史」は暗記するのではなく、意味・教訓を見出す。
    「トゥキディデスの罠」の教えも同じ歴史の教訓
    著者は日本の歴史の第一人者 半藤一利・加藤陽子らと共に
    1.戦争 目的・やり方・原価計算と決算
     →軍事哲学と算盤が不 賠償金可欠
    2.巨額の軍事予算と日清戦争での巨額賠償金
     →軍部も政治も国民も病みつきになった
      遅れてきた帝国主義国家
      戦費2億円(予算の三倍) 賠償金3億円
     ⇒日本人は浮かれてしまった
      「戦争をビジネスのように捉えた」
      政治から独立させてしまった=統帥権独立
      軍部は独立採算で自由にやると
    3.軍事哲学なき場当たり的対処
      戦争の本質を深く考えない 陸海軍

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    2023年07月04日
  • 続 昭和の怪物 七つの謎

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    「昭和の怪物」シリーズ第二弾。今回は、三島由紀夫、近衛文麿、橘孝三郎、野村吉三郎、田中角栄、伊藤昌哉、後藤田正晴の7人。
    中でも駐米大使で、真珠湾攻撃のだまし討ちの責任者となった野村吉三郎(武官時代、ハーバード大学でルーズベルト大統領と同窓だった)についての考察が面白かった。宣戦通告電報の遅延という凡ミスの原因は、大使館内の人間関係の悪さ、事務連絡の不手際、開戦前の緊張感不足が重なり合った結果だった。そもそも参謀本部は奇襲攻撃の事前通告に反対しており、外務省はそれに協力させられたが、その経緯が駐米大使には知らされていなかったという点で、本来の責任は、米国課長の加瀬俊一、参謀本部の戸村盛雄と瀬島

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    2023年06月28日
  • 昭和の怪物 七つの謎

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    東條英機、石原莞爾、犬養毅、渡辺和子、瀬島龍三、吉田茂といった昭和史の著名人を手際よくまとめた労作です。
    特に、戦中最も日本の舵取りが重視された局面で、最もつけてはいけない人物がトップに配置されてしまった、それが東條英機です。当時イケイケドンドンの陸軍を代表する東條が任命されたのは、強硬派の東條によって軍内を統制させるという「毒をもって毒を制す」意図があったからだが、器の小さい東條は自分に反発する有能な人材をことごとく左遷させ、彼の周りにはイエスマンしか残さなかった。彼は精神論にとり憑かれ、妥協や譲歩は敗北、従って理論的思考よりも前進あるのみという亡国思想の権化だった。彼の迷言「戦争は負けたと

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    2023年06月23日
  • 歴史の定説を破る あの戦争は「勝ち」だった

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    著者の作品は多く読んだ事があり、いつでも解説内容や考えは明確でわかりやすい。だからこそ好き嫌いが分かれるものだが、勿論戦争礼賛でも努力を伴わない様な待ってるだけの極端な平和主義でもない。戦後多くの戦時のエリートに取材を重ねた事からも、偏った考え方でもないから戦争(特に太平洋戦争までの道のり)の流れを掴むには丁度良いだろう。
    歴史は繰り返されるというが、人間の身体的な能力も新しい技術を生み出す智力もどこの国であってもそれ程は変わらないだろう。だから二国間の戦争も内戦も多数の国家が巻き込まれるような大戦であっても繰り返されるものと感じる。もしか圧倒的な力の差や、破滅的な殺傷力のある兵器を日常的に用

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    2023年04月28日
  • 昭和史の急所 戦争・天皇・日本人

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    過去の筆者の言をテーマに沿って並べ替えた内容には、読み始めは少し違和感を感じた。確かに大きなテーマとしては拾い集めた数行の文は合致するのだが、前後の文章が流れを持って編み込まれて行く感が無いため、何か短編の詩を読んでる如く一気に読み進められない。
    所が読み進めるうちに、前章の内容が後続の章に見事に繋がり、最終章辺りでは一冊の戦記物を読んだ様な感覚に陥っている。編集の凄さを感じた。
    話はタイトル通り「昭和の急所」(始めはタイトルと内容についての意味を理解できなかった)について、過去の著書を引用してくるのだが、そこには著者が多大な労力をかけて集めた生の声も多く登場する。そこには嘘偽りない戦争・軍部

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    2023年04月02日
  • 令和を生きるための昭和史入門

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    2007年に書かれた「昭和史入門」をベースに2019年に加筆編集された本。話題になった「失敗の本質」を著者が別の角度から解説している感じだ。やはり昭和史となると、太平洋戦争絡みの話題が多い。

    歴史に学ぶと同時に、「断片的で自分の思考に都合が良い情報だけでなく、多様な視点や意見を取り入れた上で自らの考えを述べる」ことを啓蒙している。そのため、やや過激な思想に陥りがち(意見が偏っている)他の作家への批判なども込めている。

    淡々とした語り口ながら、強い意思と「昭和を体験した空気感」が伝わってくる。

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    2023年04月02日
  • 負けてたまるか! 日本人 私たちは歴史から何を学ぶか

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    2023.02.11
    平和は希求したい。しかし、本書刊行後の国際社会の激変とを考え合わせると違和感がどうしても残る。

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    2023年02月11日
  • 昭和の名将と愚将

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    対談形式で読みやすい。
    出身地など個人のアイデンティティや戦争に関係ないエピソードの話も多く、居酒屋で話す会社の人事裏話のような話も多い。

    昭和の戦争の是非や負けた戦争に名将も愚将もあるのか?と言うことは置いておいて、現代にも通じるリーダー論として読んでみた。
    優れたリーダーの資質は色々あるが、愚かなリーダーの定義は非常にシンプル。

    名将:
    ①理知的、兵士から畏敬念で見られる人、論理的にものを考える、陸大の恩賜の軍刀組(腰巾着)以外、駐在武官経験者、幼年陸軍学校よりも一般中学出身
    ②自分で決断、目的を明確に伝える、情報を自ら掴む、過去の成功体験に囚われない、焦点の場所に身を置く、部下に最大

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    2023年01月13日
  • 太平洋戦争への道 1931-1941

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    感想
    後から振り返ればそこには戦争への道がある。だが当時はそれが見えていなかった。今も私たちの前には崩壊への道が横たわるのか。踏み出さない勇気。

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    2023年01月07日
  • 歴史の予兆を読む

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    今まで読んだ池上さんの本の中では一番難しかった。ただ一般的には普通の難易度の内容。
    池上さんのちょっと硬派な持論を垣間見た感がある。
    ちょっと片方に偏りすぎるような気もするけど。

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    2022年11月15日