保阪正康のレビュー一覧
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ネタバレ関口氏と保阪氏の対談で進んでいく一冊。
わかりやすくて大正〜昭和史をザックリ知りたい人にはオススメの一冊。
教科書には載らない話などもちらほらで、「尼港事件」(ロシア革命時、出兵していた日本に対しロシアのパルチザンが日本人を虐殺した事件)
なんかはお恥ずかしながら全く知らなかった…。
教科書にも載せるべきだと思うんやが。
大正天皇と昭和天皇の話も良かった。
体調を崩されてから、昭和天皇が摂政として務められてたらしいけど、
やっぱり天皇にも自分なりの権威というものがあるんやね。
摂政としての仕事をどこまでやっているか、という点をすごく気にされていたエピソードに納得でした。
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「歴史」は暗記するのではなく、意味・教訓を見出す。
「トゥキディデスの罠」の教えも同じ歴史の教訓
著者は日本の歴史の第一人者 半藤一利・加藤陽子らと共に
1.戦争 目的・やり方・原価計算と決算
→軍事哲学と算盤が不 賠償金可欠
2.巨額の軍事予算と日清戦争での巨額賠償金
→軍部も政治も国民も病みつきになった
遅れてきた帝国主義国家
戦費2億円(予算の三倍) 賠償金3億円
⇒日本人は浮かれてしまった
「戦争をビジネスのように捉えた」
政治から独立させてしまった=統帥権独立
軍部は独立採算で自由にやると
3.軍事哲学なき場当たり的対処
戦争の本質を深く考えない 陸海軍 -
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「昭和の怪物」シリーズ第二弾。今回は、三島由紀夫、近衛文麿、橘孝三郎、野村吉三郎、田中角栄、伊藤昌哉、後藤田正晴の7人。
中でも駐米大使で、真珠湾攻撃のだまし討ちの責任者となった野村吉三郎(武官時代、ハーバード大学でルーズベルト大統領と同窓だった)についての考察が面白かった。宣戦通告電報の遅延という凡ミスの原因は、大使館内の人間関係の悪さ、事務連絡の不手際、開戦前の緊張感不足が重なり合った結果だった。そもそも参謀本部は奇襲攻撃の事前通告に反対しており、外務省はそれに協力させられたが、その経緯が駐米大使には知らされていなかったという点で、本来の責任は、米国課長の加瀬俊一、参謀本部の戸村盛雄と瀬島 -
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東條英機、石原莞爾、犬養毅、渡辺和子、瀬島龍三、吉田茂といった昭和史の著名人を手際よくまとめた労作です。
特に、戦中最も日本の舵取りが重視された局面で、最もつけてはいけない人物がトップに配置されてしまった、それが東條英機です。当時イケイケドンドンの陸軍を代表する東條が任命されたのは、強硬派の東條によって軍内を統制させるという「毒をもって毒を制す」意図があったからだが、器の小さい東條は自分に反発する有能な人材をことごとく左遷させ、彼の周りにはイエスマンしか残さなかった。彼は精神論にとり憑かれ、妥協や譲歩は敗北、従って理論的思考よりも前進あるのみという亡国思想の権化だった。彼の迷言「戦争は負けたと -
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著者の作品は多く読んだ事があり、いつでも解説内容や考えは明確でわかりやすい。だからこそ好き嫌いが分かれるものだが、勿論戦争礼賛でも努力を伴わない様な待ってるだけの極端な平和主義でもない。戦後多くの戦時のエリートに取材を重ねた事からも、偏った考え方でもないから戦争(特に太平洋戦争までの道のり)の流れを掴むには丁度良いだろう。
歴史は繰り返されるというが、人間の身体的な能力も新しい技術を生み出す智力もどこの国であってもそれ程は変わらないだろう。だから二国間の戦争も内戦も多数の国家が巻き込まれるような大戦であっても繰り返されるものと感じる。もしか圧倒的な力の差や、破滅的な殺傷力のある兵器を日常的に用 -
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過去の筆者の言をテーマに沿って並べ替えた内容には、読み始めは少し違和感を感じた。確かに大きなテーマとしては拾い集めた数行の文は合致するのだが、前後の文章が流れを持って編み込まれて行く感が無いため、何か短編の詩を読んでる如く一気に読み進められない。
所が読み進めるうちに、前章の内容が後続の章に見事に繋がり、最終章辺りでは一冊の戦記物を読んだ様な感覚に陥っている。編集の凄さを感じた。
話はタイトル通り「昭和の急所」(始めはタイトルと内容についての意味を理解できなかった)について、過去の著書を引用してくるのだが、そこには著者が多大な労力をかけて集めた生の声も多く登場する。そこには嘘偽りない戦争・軍部 -
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対談形式で読みやすい。
出身地など個人のアイデンティティや戦争に関係ないエピソードの話も多く、居酒屋で話す会社の人事裏話のような話も多い。
昭和の戦争の是非や負けた戦争に名将も愚将もあるのか?と言うことは置いておいて、現代にも通じるリーダー論として読んでみた。
優れたリーダーの資質は色々あるが、愚かなリーダーの定義は非常にシンプル。
名将:
①理知的、兵士から畏敬念で見られる人、論理的にものを考える、陸大の恩賜の軍刀組(腰巾着)以外、駐在武官経験者、幼年陸軍学校よりも一般中学出身
②自分で決断、目的を明確に伝える、情報を自ら掴む、過去の成功体験に囚われない、焦点の場所に身を置く、部下に最大 -
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大正初めから2・26事件までの歴史を解説
西暦ではなく和暦で事件の時期が説明されており、大正期は諸外国の動きに対して国内政治家がどう動いたかを中心に、昭和期は陸軍、特に関東軍の暴走ぶりを中心にされている。
教科書を読んでも分かりづらい経緯が丁寧に説明されていて読みやすいが、関東軍の動きの理由があまり説明されていない(考え方が合理的でないことを前提に論じられていることが理由なので仕方ないのかもしれない)ので、説明が平板に思えて教科書の副読本を読んでいる気分で読み進めていた。
大正デモクラシーを含め、政治家や軍以外の人たちの考え方も分かりづらく、当時の歴史から現代の政治を批判する素材は見つけや -
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太平洋戦争というと、軍がエスカレートして(柳条湖事件・盧溝橋事件)戦争を始め、引くに引けなくなり、軍人だけではなく民間人を含めた国全体で、「お国」のために戦う。という認識であった。細々とした点、知らなかったり認識が誤っていた点があった。(陸軍ではなく海軍、和平工作関係、ニ・二六事件がある意味発端)
目的のない戦争、終わりが決められていない戦争。
三国同盟、ハルとの交渉等何度も踏みとどまる機会はあり、それに気付いている者もいた。
国民はおろか、首相にも正しい戦局が伝えられずにいた。
自分がこの本を読んで思ったのは、
「本当にそうなのか?正しいのか?」と思えるような軸を身につけたいということ。 -
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●→引用、その他は感想
●前日の5日に近衛と軍事指導者達が天皇から、外交を第一にせよと言われたのならば、戦争を軸にしている項目の順位を変えるのが筋なのに、彼らは無視している。さらに明治天皇は日清、日露の戦争の時は 当初は強く反対していた。そういう事実を勘案していくと、軍事指導者には抑制した姿勢が必要だった。ところが彼らは天皇に二枚舌を使いながら、責任だけは天皇に押し付けたのである。天皇制ファシズムのからくりである。
● 東條が首相ポストに就いたのは、内大臣の木戸幸一と天皇の合意によると思われる。では二人はなぜ東條を信頼したのだろうか。理由はひとつに絞られる。表面上は天皇に最も忠誠を誓っている