保阪正康のレビュー一覧
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ネタバレ「不毛地帯」を読んでいる間にも何度も感じたことだけど、山崎豊子氏の描く「壱岐正」なる人物はあまりにも理想化されすぎていて、どこかリアリティに欠けていた(そうであればこその「物語」ではあるかもしれないけれど)ように思うんですよね。 で、その「壱岐正」のモデルとしてある意味で一世を風靡した「瀬島龍三」なる人物に関して興味を持ったわけだけど、この本を読んでみての感想は「やっぱり壱岐正は現実にはいなかった、フィクションだった」ということでしょうか??
個人的には瀬島龍三という人物に関して、実際に会って話したことも一緒に仕事をしたことがあるわけでもない KiKi 自身は肯定でも否定でもない立ち位置に -
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本書は、著名な歴史家4人による対談形式の本であるが、昭和史をわかりやすく概観できる良書であると思った。
昭和史は、侵略と戦争の時代と平和な戦後史にはっきり分かれると思うが、戦後世代にとって戦前の昭和史は、よく知らない別世界の出来事のように思えてしまうのが実感だろうと思う。
その戦前期の昭和史全体を鳥瞰するような本書は、興味深く読めた。
しかし、「昭和天皇の英明」という視点だけはどうだろうかと思った。本土決戦を叫ぶ陸軍を退けて「聖断」を下した事実を取り上げた評価なのだが、「英明」な君主だったら敗戦のような事態にはならないだろうと思われる。
しかし、本書は左右のイデオロギーに加担しない冷 -
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ネタバレ【書評】
本書の筆者である、ロシア担当の元外交官が語る声には重みがある。領土問題を語る場合、現在の日本がおかれた状況に、筆者は並々ならぬ危惧を抱いている。筆者が深く関わった北方領土返還交渉を始め、竹島、尖閣諸島を巡って、一連の関係国の日本への風当たりはどれも強くなっている。これは、日本の対外的な力が落ちていることを意味するとともに、世界が異なる秩序に入りつつあることを示している。
実務家として領土返還交渉に携わった筆者によると、北方領土交渉の失敗の幾つかは日本の側に帰せられ、戦後の日本政府と外務省の進めた領土交渉は「ミッドウェーに匹敵する敗北」を喫してきた。「交渉者の判断を曇らせた大きな要 -
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ネタバレ日本の領土を如何に守り解決するか? 太平洋戦争終結後、日本は一貫して領土問題を避けて来た。 いや、逃げて来た。 もし私が結論を出せと言われるならば、淺知恵といわれてもひとつの結論を持っている。 まず、領土問題は、北方四島・竹島・尖閣諸島を並行して処理する方法。 まず、北方四島(択捉・歯舞・色丹・国後)は、歴史問題からしても、まず間違いなく日本の領土であり、譲る事は出来ない。 ロシアの不法占拠である。 尖閣諸島も歴史的にもこれも日本の領土である。 日本が実行支配してる。 しかし、竹島に関して言えばICJに訴える方法もあるが、韓国は竹島に関しては、非常に強行だ。 まず、韓国と妥協して竹島を認めるが
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本書は、ゴルバチョフ以降、ソ連・ロシアと領土返還交渉に携わってきた東郷和彦氏が前半に3つの「領土問題」についての経緯並びに現状を解説・論評を行っている。後半は東郷氏と近現代史に造詣の深い保阪正康氏の対談。
お互いにタブーを恐れず、何故それぞれの問題に進展がないのかを忌憚なく討論している。対露では「四島一括」の一人歩き、竹島・尖閣では「日韓併合」「日清戦争」がキーワードであるとしている。
北方は新プーチン政権のサインを見逃さないこと。竹島については政府間交渉が現状不可能であることから、学術や文化交流のレベルでの信頼醸成を図ること。尖閣については非常に武力衝突が危ぶまれることを指摘しなが -
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ネタバレ●:引用
●「父」と「子」の相克 このような構図を見ていくと、そこに父と子という対立が生まれているということがわかる。この対立は、天皇という制度が不可避的に抱えているものであり、歴代の天皇は必ず父と子との関係で相克を起こすともいえるのではないか。誤解を恐れずにいえば、それは天皇と皇太子の個人的な感情という次元ではなく、それぞれの天皇は常に時代とともにあるがゆえに、皇太子には、父の時代にあってやがて来るべき自らの代にどのような軌道修正を行うかといった発想が、ごく自然に生まれるということでもあろう。むしろこのことは天皇制のバランスを保つための知恵ということにもなるはずだ。(中略)明仁天皇もまた昭 -
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「あとがき」で著者が書いているが、「東京裁判」と聞いただけで「高い山」と思っていたうちの一人である。本書を読んでみて感じたことは、「東京裁判」を読み解くことで、なぜ日本が無謀な戦争に突入していったかをある程度体系的に理解できるということである。
別件ではあるが、この20年来、著者の史観に共感を覚えてその著書を読み続けているのだが、ここに来て、本当にその史観に共感することが正しいのかをあえて疑ってみたいと思っている。しかし、あの右翼的史観(昨今におけるAPA論文の選者や小林よしのりの考え)は生理的に受け付けず真剣に読む気がしないのもまた事実である。誰か両方の史観を客観的に論じてくれないもの -
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【読書】昭和史の研究家、保阪正康氏が昭和を生きた人々・親族等から聞き取った証言集。そのメンバーは本当にすごい。歴史の教科書で出てくるような人ばかり。犬養毅の孫、東条英機の妻、瀬島龍三、斎藤六郎、鈴木貞一、後藤田正晴等々。しかし、中には必ずしも歴史上は有名な人物ではないが、現代から見て非常に示唆のある出来事を目撃している人もいる。保阪氏の取組はそうした歴史に新たな光を差し込んでいる。色々と注目すべき人物の証言があったが、いくつかコメントすると以下のとおり。
鈴木永二氏。一橋大学卒。元三菱化成社長で、日経連会長。90年第三次行革審議会会長等も歴任。その人のコメント。「企業は人なりであり、資本の論理 -
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筆者のポイントは、昭和史に重要な影響を与えた瀬島氏が、現在までにその重要な歴史的事実を正直に正確に語っていないということ。
「不毛地帯」の良いイメージを自分に重ね合わせるだけで事実を語らない。
・大本営参謀としての対ソ戦、南方作戦の立案経緯、情報にぎりつぶし
・昭和20年8月19日のソ連側との停戦交渉
・ソ連側証人としての東京裁判
・商社時代の第一次国防計画にからむグラマンとの交渉
・臨調、行革審への影響
特に中曽根のブレーンとして各種行革審の小委員会の委員長として裏で全体をコントロールしていたと。
本当に頭が切れる人なんだろう。時代を動かすのは天才的な参謀。 -
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ネタバレ保阪正康氏による、瀬島龍三に関する研究とでも言いましょうか。
保阪さんは、他書で、自分を直接的な経験者の声にこだわる作家だと言っていました。ただ文献や文書を研究するだけじゃなく、直接的に声を取材する。そういうところに好感を持っています。
もちろん、そういった肉声には、どうしても話者の記憶の違いや、脚色や誇張が入ってしまうので、必ずしも正しい情報とは言えないため、賢く分別することが必要ではありますが・・・
それはさておき、今回、私もこの本を山崎豊子の「不毛地帯」からの流れで手に取りました。
「不毛地帯」でいたく感銘を受け、調べていくうちに、この瀬島龍三という人物がどうやらモデルであるらしい。 -
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ネタバレ[ 内容 ]
天皇制、非軍事化、民主主義、日米同盟、経済至上主義―。
すべてが決まった占領期6年8カ月。
主権を失ったこの激動期から学び、伝えるべきこと。
昭和史「教訓3部作」完結。
[ 目次 ]
序章 私的原点としての戦後
第1章 アメリカの占領は何を企図していたか
第2章 臣民から市民への道筋
第3章 軍事を支えた意識の崩壊
第4章 非軍事、経済復興の時間
第5章 「国際社会に復帰」という虚構
終章 児孫に何をどう語り継ぐか
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆ -
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[ 内容 ]
開戦、特攻作戦、敗戦そして本土決戦…あの戦争に官僚たちがはたした役割とは何か。
[ 目次 ]
第1章 誰が開戦を決めたのか?
第2章 戦時下の国民は戦争をどう捉えていたのか?
第3章 山本五十六はなぜ前線に行って死んだのか?
第4章 なぜ人を武器にする戦略が生まれたのか?
第5章 日本の軍事指導者たちの敗戦の理由
第6章 誰が終戦を決めたのか?
第7章 もし本土決戦が行われていたらどうなっていたのか?
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
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ネタバレ半藤一利とならび昭和史研究の第一人者の筆者が昭和史の15のテーマを資料と証言をもとに書き下ろした本。
天皇、軍部、占領軍ではなく国民の視点から様々な論の是非を問うている。
5章の「太平洋戦争の歴史的本質」で第二次大戦に参戦した当時の指導者がもし、宣戦布告の際、日本の参戦の意義を「アジアアフリカの欧米諸国からの解放」と主張していたら後世の評価は違っていった。
11章の昭和天皇が昭和21年の年頭の詔勅に「五箇条のご誓文」を記したのは、民主主義は大戦後米国によってもたらされたのではなく、維新後明治天皇が民主主義を神に誓われた時からである、など興味深い。 -
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ネタバレ[ 内容 ]
「対米戦争の目的は何だったのか」、「陸軍エリートはどこで問違えた」等、戦後六十余年、「あの戦争」に改めて向き合った六人の論客が、参戦から敗戦までの疑問を徹底的に掘り下げる。
「文藝春秋」読者賞受賞。
[ 目次 ]
第1部 座談会・あの戦争になぜ負けたのか(対米戦争の目的は何だったのか;ヒトラーとの同盟は昭和史の謎;開明派・海軍が持つ致命的欠点;陸軍エリートはどこで間違えた ほか)
第2部 あの戦争に思うこと(空しかった首脳会議;八月九日の最高戦争指導会議;私の太平洋戦争観;果たされなかった死者との約束 ほか)
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ -
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[ 内容 ]
国を鎖していた小さな国が、急速な近代化をなしとげ、しまいには世界の“一等国”を自任するまでになった。
しかし東亜の風雲はおさまらず、軍部は独走し、複雑な国際情勢の中で、ついに未曾有の大戦争に突入していく―。
昭和日本はどこで誤ったのか?
戦争以外の進路はなかったのか?
ワシントン体制から満州事変、二・二六事件、盧溝橋事件を経て、太平洋戦争、敗戦に至る過程を、昭和史研究の第一人者たちが、片寄った史観にとらわれることなく、徹底的に討論検証する。
[ 目次 ]
ワシントン体制(大正10年)―反英のスタート
張作霖爆殺事件(昭和3年)―陰謀の発端と発言せざる天皇
満州事変から満州国へ(