保阪正康のレビュー一覧
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【読書】昭和史の研究家、保阪正康氏が昭和を生きた人々・親族等から聞き取った証言集。そのメンバーは本当にすごい。歴史の教科書で出てくるような人ばかり。犬養毅の孫、東条英機の妻、瀬島龍三、斎藤六郎、鈴木貞一、後藤田正晴等々。しかし、中には必ずしも歴史上は有名な人物ではないが、現代から見て非常に示唆のある出来事を目撃している人もいる。保阪氏の取組はそうした歴史に新たな光を差し込んでいる。色々と注目すべき人物の証言があったが、いくつかコメントすると以下のとおり。
鈴木永二氏。一橋大学卒。元三菱化成社長で、日経連会長。90年第三次行革審議会会長等も歴任。その人のコメント。「企業は人なりであり、資本の論理 -
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筆者のポイントは、昭和史に重要な影響を与えた瀬島氏が、現在までにその重要な歴史的事実を正直に正確に語っていないということ。
「不毛地帯」の良いイメージを自分に重ね合わせるだけで事実を語らない。
・大本営参謀としての対ソ戦、南方作戦の立案経緯、情報にぎりつぶし
・昭和20年8月19日のソ連側との停戦交渉
・ソ連側証人としての東京裁判
・商社時代の第一次国防計画にからむグラマンとの交渉
・臨調、行革審への影響
特に中曽根のブレーンとして各種行革審の小委員会の委員長として裏で全体をコントロールしていたと。
本当に頭が切れる人なんだろう。時代を動かすのは天才的な参謀。 -
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ネタバレ保阪正康氏による、瀬島龍三に関する研究とでも言いましょうか。
保阪さんは、他書で、自分を直接的な経験者の声にこだわる作家だと言っていました。ただ文献や文書を研究するだけじゃなく、直接的に声を取材する。そういうところに好感を持っています。
もちろん、そういった肉声には、どうしても話者の記憶の違いや、脚色や誇張が入ってしまうので、必ずしも正しい情報とは言えないため、賢く分別することが必要ではありますが・・・
それはさておき、今回、私もこの本を山崎豊子の「不毛地帯」からの流れで手に取りました。
「不毛地帯」でいたく感銘を受け、調べていくうちに、この瀬島龍三という人物がどうやらモデルであるらしい。 -
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ネタバレ[ 内容 ]
天皇制、非軍事化、民主主義、日米同盟、経済至上主義―。
すべてが決まった占領期6年8カ月。
主権を失ったこの激動期から学び、伝えるべきこと。
昭和史「教訓3部作」完結。
[ 目次 ]
序章 私的原点としての戦後
第1章 アメリカの占領は何を企図していたか
第2章 臣民から市民への道筋
第3章 軍事を支えた意識の崩壊
第4章 非軍事、経済復興の時間
第5章 「国際社会に復帰」という虚構
終章 児孫に何をどう語り継ぐか
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☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆ -
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[ 内容 ]
開戦、特攻作戦、敗戦そして本土決戦…あの戦争に官僚たちがはたした役割とは何か。
[ 目次 ]
第1章 誰が開戦を決めたのか?
第2章 戦時下の国民は戦争をどう捉えていたのか?
第3章 山本五十六はなぜ前線に行って死んだのか?
第4章 なぜ人を武器にする戦略が生まれたのか?
第5章 日本の軍事指導者たちの敗戦の理由
第6章 誰が終戦を決めたのか?
第7章 もし本土決戦が行われていたらどうなっていたのか?
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
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ネタバレ半藤一利とならび昭和史研究の第一人者の筆者が昭和史の15のテーマを資料と証言をもとに書き下ろした本。
天皇、軍部、占領軍ではなく国民の視点から様々な論の是非を問うている。
5章の「太平洋戦争の歴史的本質」で第二次大戦に参戦した当時の指導者がもし、宣戦布告の際、日本の参戦の意義を「アジアアフリカの欧米諸国からの解放」と主張していたら後世の評価は違っていった。
11章の昭和天皇が昭和21年の年頭の詔勅に「五箇条のご誓文」を記したのは、民主主義は大戦後米国によってもたらされたのではなく、維新後明治天皇が民主主義を神に誓われた時からである、など興味深い。 -
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ネタバレ[ 内容 ]
「対米戦争の目的は何だったのか」、「陸軍エリートはどこで問違えた」等、戦後六十余年、「あの戦争」に改めて向き合った六人の論客が、参戦から敗戦までの疑問を徹底的に掘り下げる。
「文藝春秋」読者賞受賞。
[ 目次 ]
第1部 座談会・あの戦争になぜ負けたのか(対米戦争の目的は何だったのか;ヒトラーとの同盟は昭和史の謎;開明派・海軍が持つ致命的欠点;陸軍エリートはどこで間違えた ほか)
第2部 あの戦争に思うこと(空しかった首脳会議;八月九日の最高戦争指導会議;私の太平洋戦争観;果たされなかった死者との約束 ほか)
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ -
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[ 内容 ]
国を鎖していた小さな国が、急速な近代化をなしとげ、しまいには世界の“一等国”を自任するまでになった。
しかし東亜の風雲はおさまらず、軍部は独走し、複雑な国際情勢の中で、ついに未曾有の大戦争に突入していく―。
昭和日本はどこで誤ったのか?
戦争以外の進路はなかったのか?
ワシントン体制から満州事変、二・二六事件、盧溝橋事件を経て、太平洋戦争、敗戦に至る過程を、昭和史研究の第一人者たちが、片寄った史観にとらわれることなく、徹底的に討論検証する。
[ 目次 ]
ワシントン体制(大正10年)―反英のスタート
張作霖爆殺事件(昭和3年)―陰謀の発端と発言せざる天皇
満州事変から満州国へ( -
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[ 内容 ]
責任感、リーダーシップ、戦略の有無、知性、人望…昭和の代表的軍人二十二人を俎上に載せて、敗軍の将たちの人物にあえて評価を下す。
リーダーたるには何が必要なのか。
[ 目次 ]
名将篇(栗林忠道 石原莞爾と永田鉄山 米内光政と山口多聞 山下奉文と武藤章 伊藤整一と小沢治三郎 宮崎繁三郎と小野寺信 今村均と山本五十六)
愚将篇(服部卓四郎と辻政信 牟田口廉也と瀬島龍三 石川信吾と岡敬純 特攻隊の責任者―大西瀧治郎・冨永恭次・菅原道大)
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☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ -
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[ 内容 ]
志願か、命令か。
英霊か、犬死にか。
主導したのは海軍か、陸軍か。
―昭和史研究の第一人者が、残された遺書・日記を丹念に読み解き、特攻隊員の真意に迫る。
[ 目次 ]
1章 英霊論と犬死に論を超えて(知覧特攻平和会館 「反戦が目的」ではない ほか)
2章 なぜ彼らは死を受けいれたか(「必ず巧く命中せねば申し訳ない」 「ああッ、だまされちゃった」 ほか)
3章 もうひとつの『きけわだつみのこえ』(学徒兵たちはどのように死と向きあったか編集された遺稿 ほか)
4章 体当たり攻撃への軌跡と責任(太平洋戦争の目的 お粗末な戦争指導 ほか)
5章 見えざる陥穽、ナショナリズム(大西司令長 -
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私がその歴史観をかなり信頼してる二人による、対談形式の名将論。軍事は、人類の歴史で最も重要な技術であり続けました。ここ暫く平和だからって、忘れていい類のものではありません。昭和の代表的軍人22人を俎上に載せて、リーダーシップとは何かを検討していきます。
名将篇と愚将篇に分かれています。名将篇で登場するのは、栗林忠道、石原莞爾と永田鉄山、米内光政と山口多門、山下奉文と武藤章、伊藤整一と小沢治三郎、宮崎繁三郎と小野寺信、今村均と山本五十六。愚将篇では、服部卓四郎と辻政信、牟田口廉也と瀬島龍三、石川信吾と岡敬純、大西瀧治郎・冨永恭次・菅原道大 (特攻隊の責任者)。
名将必ずしも国家の行く先を過た