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7000名に及ぶ特攻戦没者。長い間、政治的なバイアスがかかり、彼らの真意は伝えられなかった。志願か、命令か。英霊か、犬死にか。主導したのは海軍か、陸軍か――昭和史研究の第一人者が、残された遺書・日記を丹念に読み解き、特攻隊員の真意に迫る。
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Posted by ブクログ
彼らが命を懸けて守りたかった日本になっているのだろうか。 自分自身も含め、日本国民として真っ当に生きられているのだろうか。常に自分自身に問い掛けたい。 同情や悲しみではなく、散っていった方々に胸を張れるような生き方をしたい。
[ 内容 ] 志願か、命令か。 英霊か、犬死にか。 主導したのは海軍か、陸軍か。 ―昭和史研究の第一人者が、残された遺書・日記を丹念に読み解き、特攻隊員の真意に迫る。 [ 目次 ] 1章 英霊論と犬死に論を超えて(知覧特攻平和会館 「反戦が目的」ではない ほか) 2章 なぜ彼らは死を受けいれたか(...続きを読む「必ず巧く命中せねば申し訳ない」 「ああッ、だまされちゃった」 ほか) 3章 もうひとつの『きけわだつみのこえ』(学徒兵たちはどのように死と向きあったか編集された遺稿 ほか) 4章 体当たり攻撃への軌跡と責任(太平洋戦争の目的 お粗末な戦争指導 ほか) 5章 見えざる陥穽、ナショナリズム(大西司令長官の遺書 大西ひとりの責任なのか ほか) [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
2004年の夏、鹿児島県の知覧町と加世田市(現・南さつま市)に行って来た。 特攻基地があったところだ。 ちょうどとても暑い日に訪れ、思いにふけた。 特攻に行った人たちよ、安らかにと。 その後この本が出版された。 「国を思って、あの人たちは特攻へ行った」 ある意味、英雄的な感じさ...続きを読むえ私は持っていた。 この本によると、特攻へ行った人は、当時の指導者によって特攻へ行かされてし まった犠牲者だという。 英雄でも、犬死にでもない。 犠牲者である。 私にとって、これは新鮮な論だった。 そうか、当然、犠牲者であるという考えが出てこないとおかしいじゃないか。 この本には、「きけ わだつみのこえ」に記載されていない「遺書」が載ってい る。 そして、彼らの発言のメモも載っている。 「ああ、だまされちゃった」 …こんな発言も載っていて、驚きだった。 ただ、二度とあってはならないことには間違いない。
作者がちょっと感傷的すぎるのが気になる。特攻隊員たちに気持ちが入れ込んでしまうのはわかるのだが…。この本で指摘されているとおり、実は特攻隊員はほとんどが“学徒”だった。学徒ゆえにこの戦争に対する洞察や自分の死に対する悩みが、すごい深く哲学的だ。死を定められた彼らに同情を禁じえないが、その一方で生きる...続きを読む目的、死の意義が短絡的であるにせよできたことは、ひょっとすると、現代の悩める若者より幸せなことだったかもしれないと、不謹慎なことも考えたりした。
特攻と聞いて先ず考えるのは、将来有望な若者達が命令であれ自分たちの意思であれ、大きな爆弾を抱えて敵の空母や戦艦に体当たりする凄惨なシーンであり、彼らが一体何を考えながら死んでいったのかという事だ。無論、前者のような命令で言ったのであれば、最後まで命令者を恨んだまま逝ったのかもしれないし、後者、自分の...続きを読む意思であったにしろ、死への恐怖を克服する事が果たして出来たのであろうかという事を考える。 私たちは例えば病気などで余命を告げられ、死を目の前に控えた時、どの様な行動に出るだろうか。何を考えるだろうか。数日後、数時間後に水水盃を交わし、エンジン始動と共に整備兵の少年たちが、自機の周りから離れていく。離陸さえして仕舞えば後戻りなど出来ずただ迫ってくる確実な死、十死零生へと突き進む。後はひたすらに大きな獲物、敵空母を探して突っ込むだけである。脱出装置もなくパラシュートも要らない。旅立ちに際しては片道の燃料しかない。あわよくば敵の弾幕の前に突っ込む前に海へ落ちれば鮫の餌食にもなる。勿論大半の場合、無傷で落ちる事など無いだろうから、海に沈んで息が続く間、ただ苦しいだけである。何故彼らがそうした道を選んだのか。いや当時の日本が置かれた状況を考えれば、道を選ばざるを得ない彼らの心理を探っても、中々答えは見えてこない。 本書のスタンスはそうした彼らの心理に迫ろうとするものであり、また一つの回答を導き出している。決して喜び勇んで死ぬ様な、自分の命を軽んじる若者とは違う、当時のエリート大学へ進学し、将来にたくさんの夢を持つ普通の若者達である。彼らの遺書を集めた「きけわだつみの声」をはじめとする遺言の数々を読めば、普通に恋人や家族、友人を想い多くの国家や日本の情勢には聞き入れられない声なき声が聞こえてくる。その文章や死に挑んで残した辞世の句などを目にした時、日本は大変な財産を失った事に改めて気付かされる。もし彼らが生きていれば戦後日本の立て直しに活躍できたであろうし、家族や恋人は死への悲しみを味合わずに済んだはず。 だが、それ程優秀で惜しむべき彼らが旅立ちに際して考えた事は、きっと恐らく全ての悲しみや恐れ、この世への未練から解放され、自分に与えられた(与えられてしまった)運命を受け入れる事ができたのではないかと感じる。いや、そう考える事で彼らの多くは救われるのではないだろうか。 家族を想い、国を想い、未来の復興を信じて旅立った彼らを、現代社会に今に生きる我々が身勝手に想像する事も、批評する事も出来ない。本書もそうした身勝手さを出さない事に細心の注意を払いつつも、居た堪れない気持ち、悲しさを超越すべく筆者が筆をとった作品であると思う。 平和の礎とか、無駄死にとか、神として讃えることなど後世に生きる人間の勝手な考え方や行為であり、それのどれもが真実であるかはわからない。唯一正しいのは、戻ることの出来ない死への旅路を、それでも突き進み散って行った若者が居たという事実のみである。 何か読み終わった後に心にぽっかりと穴が開いて、そこから生暖かい空気がすーっと抜けていく様な感覚、尚且つ天井の一点を見つめるその画像が、滲んでぼやけて、窓から入ってくる光を乱反射させていく。
・私たちは特攻隊の真情とはかけはなれた安全地帯に立って、なにやら心が洗われるような、仕立て上げられた美談を耳にして、あたかも歴史的な意味を持つかのように錯覚してきた。 こうした創作を受け入れてしまう素地を、日本人は持っており、特攻隊のシステムやその置かれた状況を正確に見据えることなく、お涙や感情で...続きを読む見つめている限り、永遠の0みたいなものが受け入れられ続ける。 ・天皇大本営による「米英に対する宣戦の詔書」では、東亜の開放や大東亜共栄圏の確立などは、開戦の目的ではなかったし、そんな力は日本にあるわけはないと理解しており、「日本の光栄を保全」することしか考えていなかった。(詔書原案作成者による) 大東亜共栄圏確立など後付けで言われるようになったに過ぎない。 ・特攻隊員たちの遺稿からは「神」と祭り上げられることで、軍指導者への怒りとともに国民に対しても抜きがたい不信をもっていたことが読み取れる。 ・特攻隊員が搭乗時に失禁する、腰が抜けて立たなくなる、失神してしまうという例は少なくなかった。整備兵たちが抱き起して操縦席に押し込み飛び立たせた。 メモ
犬死論も英霊論もどちらもあかんちゅうこと。◆「きけわだつみの声」の成立時期の背景も勘案するべき。◆◆美濃部正海軍将校のこと。
「特攻」という名の、権力によって強制された「死」という、実に重すぎるテーマに踏み込んだ一作なのですが、やはりどうしてもメランコリックな論調が根底に流れてしまうところに保阪氏の「らしさ」を感じてしまいます。これは氏の良さでもあり、また、皮相的な見方をすればアキレス腱でもあるかと思います。 内容自体は...続きを読む事実関係が素描された良書と言えると思います。ただ、あえて難癖をつけるなら、やや「題名負け」しているような所も……(もう少し、書けたんじゃ無いかなぁ……)。
日本人があの戦争をとらえようとすると必ず特攻というものに行き着くだろう。 従来の二極論ではなく新たな決着をつけてこそ、この問題は解決される・・みたいな本 問題提起だけの印象を受けた きっとそれはボクが読み足りなかったからだろう
もし自分があの当時特攻隊に選ばれたら拒否できなかっただろうし、きっとそれなりに理屈をたてて死に臨んだだろうと思う。特攻を犬死にとも、また英霊とも位置づけせず、かれらの悲しみを分かち合おうという論と読んだ。
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「特攻」と日本人
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