保阪正康のレビュー一覧

  • 昭和史がわかる55のポイント

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    長大な昭和史を、要点のみ55個のポイントとして抽出したダイジェスト本。語り口は厳し目のリベラル調で、反皇国史観でありながら、戦後の左翼に対しても厳しい。なので偏った愛国者は注意すべし(笑)

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    2018年01月08日
  • 歴史でたどる領土問題の真実 中韓露にどこまで言えるのか

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    領土問題に関してはキチガイが多過ぎるためなるべく近づきたくなかったのだが、「保阪正康なら安心だろう」と思い手にとった。強気な書名がつけられてはいるが、内容的にはやはり冷徹な保坂史観。日本近代史を「領土」の観点から見直し、事実と論点を細かく整理している。

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    2018年01月08日
  • 1989年の因果 昭和から平成へ時代はどう変わったか

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    昭和が終わり平成に変わった1989年にスポットを当て、その前後に起きた社会的・政治的な事象に対し、保阪氏が所感を忌憚なく語った一冊。特に昭和天皇の戦争責任について書かれた章には、思想信条問わず多くの人がギクリとさせられるのではないか。平成が27年を数えた今になると、時の彼方に消え去ったものもあり、未だくすぶり続けている問題もあったり。

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    2018年01月08日
  • そして、メディアは日本を戦争に導いた

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    歴史を知ることの大切さを感じるようになった。それは大人なんだから、とか教養として、という部分もないわけじゃないんだけど、それ以上に今現在、自分の身の周りを考える上で重要な示唆があると感じるからだ。

    五・一五事件の話があった。

    首相が暗殺されたというあの事件で、殺された首相犬養毅の孫である犬養道子氏は、被害者の家族であるにもかかわらず、世間的には非難されたのだという。米を売ってもらえなかった、なんてエピソードが添えられていた。

    被害者であるにも関わらず、同情的な空気とか、理屈に合わないものによって叩かれる、なんてことは今の世に、それも遠い報道の世界だけじゃなく、身の回りにもあるんじゃないだ

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    2017年09月30日
  • 昭和史 七つの謎

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    ネタバレ

    目次
    ・第1話 日本の〈文化大革命〉は、なぜ起きたか?
    ・第2話 真珠湾攻撃で、なぜ上陸作戦を行わなかったか?
    ・第3話 戦前・戦時下の日本のスパイ合戦は、どのような内容だったか?
    ・第4話 〈東日本社会主義人民共和国〉は、誕生しえたか?
    ・第5話 なぜ陸軍の軍人だけが、東京裁判で絞首刑になったか?
    ・第6話 占領下で日本にはなぜ反GHQ地下運動はなかったか?
    ・第7話 M資金とは何をさし、それはどのような戦後の闇を継いでいるか?
    ・番外編 昭和天皇の「謎」

    ちょっと文章が読みにくいというか、頭に入りにくかったけれど、全体的に面白かった。

    日本の〈文化大革命〉とは、2.26事件から戦争まで

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    2017年08月11日
  • 昭和史の論点

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    昭和史におけるいくつかの重大な事件・事象をテーマに冷静に語られた対談集。中立的な立場から平易かつ簡潔丁寧にまとめられているので、非常に分かりやすい。全世代におすすめ。

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    2017年03月18日
  • 二・二六事件蹶起将校 最後の手記

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    とあるご縁で手に入れた本。解説にもあるように、二・二六事件で蹶起将校として参じながらも「観察者」としての側面を持っていた山本又だからこそ書けたと思われる描写で、たいへん勉強になる。蹶起将校たちの空気感を、山本又は客観的に捉えられる立場にいたのであろうことが伝わってくる。

    現代語訳、原文、解説という三部構成のおかげで、読み物としても資料としても扱える本になっているのがいい。

    獄中で事件を回想した記述が元なので、多少史実と違う部分があり、そこは注意が必要だけれども、解説でそのあたりも一通りフォローされている。

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    2016年10月10日
  • あの戦争になぜ負けたのか

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    近衛は首相の強い意思もあり、昭和16年10月中旬に、アラスカにおいてルーズベルト米大統領との首脳会談が計画されていた。ところが近衛書簡の内容の概ねが漏れてアメリカの新聞に発表されてしまう。日本政府はアメリカに泣きを入れた!対米強硬・親ドイツ派の右翼や小壮軍人や軽噪な言論人は、この方に激昂した。一般の国民の気持ちまでもがぐんぐん激烈になり、アメリカに対する敵愾心をいっそう燃え立たせることになる。日本国内の世論の熱狂が、アメリカ小竹に良い口実を与えたことになる。こうして一気に、首脳会談の望みは微塵に砕け散ったのである。

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    2016年08月15日
  • 日本の領土問題 北方四島、竹島、尖閣諸島

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    現行の領土問題として知られる、北方領土、竹島、尖閣諸島について、歴史から現状までを幅広く記述した一冊。

    日本の見方はとかくこれらをどうやって奪回(尖閣諸島は維持)するかというところだが、実際には世界のパワーゲームの中で様々な見方があることを知った。

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    2016年02月28日
  • 新編 後藤田正晴 異色官僚政治家の軌跡

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    後藤田という人には興味があったので読んだが、一本心が通っている人だったことがわかった。とても勉強になった。

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    2016年02月16日
  • 昭和史のかたち

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    昭和史をいろいろな形で表現しているのは,ある意味で理解を深める有効な手段だと感じた.特に良いと思ったのは「正方形」で日本型ファシズムを表した第2章だ.情報の一元化,教育の国家主義化,弾圧立法の制定と拡大解釈,官民挙げての暴力,これらの4本の線で国民を締め付けていたと解析している.それぞれの線は,大本営発表,軍人勅諭/戦陣訓,戦時下の時限立法,懲罰召集で更なる締め付けを図った由.このような時代を賛美している連中がいることは,大変残念なことだ.

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    2016年02月03日
  • 賊軍の昭和史

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    大河ドラマ「花燃ゆ」を見て感じた、「吉田松陰の思想が、日本を太平洋戦争に引きずり込んだのではいか」との疑問が裏付けられた。
    「靖国神社は薩長歴史観の空間」。靖国神社は今も日本を敗戦に追い込んだ薩長思想をひとめようとしている。
    安倍晋太郎も使用する「知行合一」。法治国家を否定する危うさがある。
    石原莞爾のことも目からうろこです。
    ラバウル司令官今村均の韮崎の「謹慎小屋」にも行ってみたい。

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    2016年01月31日
  • 賊軍の昭和史

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    明治維新前後の官軍と称する勢力は、昭和の大戦においても時代錯誤の影響力を撒き散らした。
    尊王思想にしても、自分の理想を成就せしめるためには何でもありの狂気の思想であり、今の大河ドラマが不人気なのも、活動家らに抜き身の刀を近くで振り回されているような厭な雰囲気を、視聴者が感じているからではなかろうか。

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    2015年09月16日
  • 賊軍の昭和史

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    司馬遼太郎が書かなかった、書けなかった?昭和史。迫りくる欧米列強と対峙し、明治維新後、日清・日露を官軍の側から描けた司馬史観。
    官軍・賊軍の確執、そして、統制派、皇道派と続く、昭和の軍閥の混乱。司馬史観では取り上げられない史実だ。
    昭和史に詳しい、半藤、保坂コンビが、官軍・賊軍がどう昭和の戦争に突き進んだのかを解明しようとした著作だ。
    基本的には、吉田松陰の思い描いた東アジア構想を具体化しようとした永田鉄山、石原莞爾。
    そして、長州の天皇の権威を利用した、錦の御旗が、統帥権干犯へと繋がっているとの考え方が示されていた。
    敗戦処理に携わったのは賊軍を出自とする軍人だ。
    明治憲法下の最後の首相鈴木

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    2015年09月15日
  • 「昭和天皇実録」の謎を解く

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    立憲君主制下の君主として、ごく数回の例外を除いて明治憲法で定められた「あるべき君主像」を自らに課し、そしてそれが故に、軍部の独走を抑えられず、却って国土の荒廃と数百万の国民を犠牲においやってしまったナイーブでインテリな君主。戦争を実力で止めなかったが故に法的な責任を逃れえたが、一方で同じ理由で道徳的・精神的な咎に、一生苛まれていたに違いない。本書では、昭和天皇の人間的な姿を、はしばしに見つけることができる。一方で、実録を編纂した宮内庁の恣意的な情報公開と秘匿が、この第一級の資料に与えたインパクトについては評価が分かれるかな。

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    2015年08月29日
  • 「昭和天皇実録」の謎を解く

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    半藤一利氏、保阪正康氏、御厨貴氏、磯田道史氏4名が『昭和天皇実録』を読んでの感想を諸々述べている本。4氏の話の中から垣間見られる『実録』の内容からはとくに「新発見」の類はないようだが、新たな史料の存在も示唆されているようで興味深い(ただし、原本の公開は難しいのかも)。

    最後に保阪氏が「「昭和天皇は生きている」との感がしてならなかった」と述べている。自分も「昭和生まれ」のひとりとして『実録』から漏れ聞こえてくる昭和天皇の息づかいに触れてみたいと思う。

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    2015年08月18日
  • 「昭和天皇実録」の謎を解く

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    ネタバレ

    本当なら、全61巻、12000ページあるという「実録」そのものを読みたいところではありますが、さすがに躊躇してしまうので、とりあえず昭和史の研究家の何人かが語っているこの本で概略をつかんでおこうと思いました。

    ・そもそも「実録」を残すというのは、古代中国の皇帝が亡くなった時に編纂する伝統が生まれ、その後朝鮮やベトナムにも広がったものだそうで、それでも平安時代には世界中で途絶え、復活したのは「孝明天皇紀」。その後「明治天皇紀」が編纂され、今や日本にしか残っていない伝統とのこと。

    ・特に昭和天皇は、世界を相手に戦争を行った昭和という時代の帝であるということから、その時天皇はどう判断し、どう行動

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    2015年05月30日
  • 「昭和天皇実録」の謎を解く

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    「昭和天皇実録」の第1巻、第2巻が書店に並んだとき、思い切って買ってみようかとかなり悩んだ。でも、今後刊行される分を含めてすべてを読み通すことは難しいし、読んでも十分理解できないと思い、この種の解説本を待つことにした。
    本書で取り上げられた部分は、大方の日本人が関心を持つ部分であり、既に知られている資料との異同も含めて触れられているので、一人で実録を読むよりよほど意味があった。できれば、新書一冊というボリュームでは取り上げ切れなかった他のテーマについても、また解説してほしいと思った。

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    2015年05月24日
  • 日中韓を振り回すナショナリズムの正体

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    ナショナリズム=愛国心は、愛郷心のようなかたちで本来誰にでもあるものだ。が、権力と結びついているナショナリズムというものがあり、それが意図的に前者のナショナリズムを扇動し、政治的に利用しようとする構図がある。それがタイトルにある、日中韓でいま相互不信をかりたてているナショナリズムの正体だ。それぞれの国がどのような歴史的な背景でナショナリズムを持ち得、それがどのような意図で利用されているのか。太平洋戦争時の軍部が誘導した日本のそれ、共産党・国民党の対立が元になっている中国の反日教育、韓国人の誇りの高い国民感情、本書は、それらの主たる理由を簡潔に紹介し、それを正しく知ることなく、悪感情をもって自国

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    2015年05月16日
  • 「昭和天皇実録」の謎を解く

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    2014年に刊行された昭和天皇実録についての対談集。少年時代の遊びや叱られたこと、乃木希典への敬慕。欧州遊学。摂政として国の舵取り。熱河作戦の阻止失敗。2.26事件への対応と石原莞爾への不信。三国同盟と松岡洋右。開戦への気持ちの変化と軍部への不信。嘘の上奏ばかりで短波放送を聞いて情報を得る。終戦工作と陸軍への説得。大元帥と天皇と大天皇。マッカーサーとの信頼。沖縄基地問題。A級戦犯の靖国合祀問題。実録は後世への歴史責任を果たす為、かなり中立に抑制的に書いてある。また天皇の生の感情も抑制的に書いてある。六国史に連なる国紀が書かれていることの重要性。24年掛けた大作に感謝。

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    2015年04月28日