保阪正康のレビュー一覧

  • 近現代史からの警告

    Posted by ブクログ

    歴史とは所詮人間の意思や行動の積み重ね。法則が出来上がってくる。歴史は繰り返すとはこういうこと。前後の歴史学分野の考え方は答えありき。筆者は実証で検証すべきと。でも物理や数学と違って、歴史は語る人や登場人物それぞれに事実があって、どれも正しくどれも間違いなのだと思う。近代歴史が14年周期で展開するというのは面白い。前半は短期現役士官制度出身者や、戦中戦後の著名人を中心に話が進められるが、私は、彼らが凄かったのではないと思う。戦国時代ならいざ知らず、複雑な政治経済外交関係がある中、たまたまその時それができる位置に居た、という流れのもたらす結果だと思う。中盤は天皇制を主軸に戦争を、後半はファシズム

    0
    2020年08月22日
  • あの戦争になぜ負けたのか

    Posted by ブクログ

    第1部は識者6人による座談会。
    第2部は6人それぞれの補遺的文章。

    あの戦争で当時のメディア(新聞とラジオ)が果たした役割はとてつもなく大きかった。開戦を賛美し、国民を扇動熱狂させた。恐ろしい!

    終戦の日はいつか?
    ポツダム宣言受諾を敵国に通告したのは8月14日。
    それを国民に伝えた(玉音放送)のは8月15日。
    ポツダム宣言受諾文書に調印したのは9月2日。
    日本人は「終戦記念日は?」と問われれば8月15日と答えるが、国際的には「9月2日」が一般的だそうだ。

    あの戦争の経緯が分かる文書はまだまだ未公開のモノが多い。なぜ開戦したのか?戦争の経緯は? 歴史的な解明はまだまだ先のようだ。

    0
    2020年08月04日
  • 妻と家族のみが知る宰相―昭和史の大河を往く〈第9集〉

    Posted by ブクログ

    せっかく多くの人に取材してるのに結局自分の説に全てを牽強附会につなげていく。例えば本書では、東條英機の夫人が「主人をいつか陸軍大臣にしてみせる」と言ったとされてることを否定されたのに、「結婚してから忙しくなって女子大に通えなくなった」という発言から、「カツ夫人は人生の目標を主人の栄達に置くことにしたのだと思う」と書く。四名の宰相についてのイメージは本書を読んでも一般的なものから変わることはなかった。吉田茂に関しても講和条約の締結後の独裁は批判するが戦前満洲で強硬派だったことには触れない。

    0
    2020年07月22日
  • 昭和の怪物 七つの謎

    Posted by ブクログ

    昭和。特に戦前や終戦直後の出来事は、徐々に歴史の奥底に追いやられて行くのを感じる。
    当事者が寿命を迎え次々と亡くなっていく中で、歴史の証人が減っていくのだからしょうがない面もある。
    しかし逆に言うと、関係者が生きている今の内にこそ、正しい歴史認識を植え付ける必要があるのではないだろうか。
    そこから現代に生きる我々が学ぶべきことは、本当に多いのではないだろうか。
    著者はそんな使命感で筆を取り続ける。
    やはり東条英機と石原莞爾の項目は日本人として必読だと思う。
    (もちろん他の書籍でもいいが、この二人の行動言論を考察すること自体に非常に意味がある)
    なぜ日本人は勝てない戦争を始めたのか?
    さらに、な

    1
    2020年06月28日
  • 昭和史の急所 戦争・天皇・日本人

    Posted by ブクログ

    文字通り、昭和史について、著者の過去の著書や対談などから印象的な個所を抜粋したもの。

    面白かったけど、やや散漫な印象が。

    0
    2020年03月14日
  • 平成史

    Posted by ブクログ

    うーむ
    新書のページ数の制限もあるけど
    これで平成史かなぁ
    昭和の人の平成史だよなぁ
    冷静な記述なのに政治批判になると変なスイッチはいってそうだったり
    平成生まれの人だともっとぜんぜん違う平成史だろうな

    0
    2020年02月17日
  • 令和を生きるための昭和史入門

    Posted by ブクログ

    日本の歴史を、特に昭和史を客観的に述べることができる人を挙げるならば、半藤一利氏か、この本の著者の保坂正康氏ではないかという気がします。その保坂氏が昭和史を俯瞰的に時系列で新書のボリュームで解説したのが本書です。
    私自身、昭和史を含む近代史は(高校で日本史を選択していなかったこともあり)基本的な知識が欠如している部分もあるので、本書は正直ちょっと難解な印象を受けました。
    ただ、非常に印象的であったのは太平洋戦争を始めるにあたりラジオで発表された開戦の詔書の主旨が「東アジアの安定のために日本が努力したにもかかわらず、英、米がその努力を阻止したり、さらにはアジアの制覇を企て、日本の存在に脅威を与え

    0
    2019年12月12日
  • 続 昭和の怪物 七つの謎

    Posted by ブクログ

    シリーズ1作目と比べると、いまひとつだった。
    知らなかった人が多いのと、知ってる人でも再発見的なものがなかったので。

    0
    2019年10月21日
  • 人を見る目(新潮新書)

    Posted by ブクログ

    古代ギリシア時代に書かれた『人さまざま』(テオプラストス」著)の形式を模して、
    お追従
    お節介
    しみったれ
    よき友
    などなど、昭和初期から戦後の軍人や政治家、作家たちの言動を分類している。
    特に太平洋戦争での軍人への視線は辛らつだ。

    『人さまざま』は、以前読んだことがあるのだが、本を手放してしまっている。また手に入れて読んでみようか。

    0
    2019年09月26日
  • 太平洋戦争、七つの謎 ──官僚と軍隊と日本人

    Posted by ブクログ

    うーん、帝国軍人が、こんなにいい加減だったとは。
    開戦を決めたのが、たかが、官僚だったとは。
    落とし所も決めずに戦いに入ったとは。
    精神力だけでなにができると思っていたのか。
    計算もできずに、独走していたとは。
    陛下の御聖断が、本当の御聖断だったとは。
    もう少し終戦が長引けば、恐ろしいことになっていたとは。

    一部が優秀でも、現場が強くても、これではどうにもならん。


    本当に、バカだったんだな。

    なんで日本の教育は、近代史をやらねえんだ。
    亡国への謀略としか思えんのだが。

    0
    2019年07月13日
  • 昭和史の急所 戦争・天皇・日本人

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    読み始めて気づいたが、書き下ろしではなかった(あとがきのみ新規に書かれている)。昭和史にかかわる重要な視点を全7章にわけ。保阪氏の過去著作から章に合った記述を抜き出して並べている。歴史的事実以上に、保阪氏の歴史を見つめる思いを読む書、いわば保阪史観のつまみ食いである。昭和史は学ぶべき点のおおい分野であるが、それを見つめる保阪史観からもまた、学ぶことは多い。

    0
    2019年06月20日
  • 人を見る目(新潮新書)

    Posted by ブクログ

    ビジネス本のような書名が示す通り、軽めのエッセイに仕上がっている。いつもの冷徹な視点の歴史探求を期待すると薄味で物足りないかもしれないが、古今東西の名文を引用しつつ昭和史の場面を当てはめていくという試みも、これはこれで面白い。

    0
    2019年02月16日
  • 昭和の怪物 七つの謎

    Posted by ブクログ

    戦中のことが勉強になった。
    話が飛んだりするんで、時系列的に整理するのが難しい感じやったけど、憲法改正が国会で大きな問題になっとる中、大平洋戦争のことは日本人として知っておいた方がいいかな、と思って読んでみた。もっと知っておかんならんなぁ。

    0
    2019年02月11日
  • 昭和の怪物 七つの謎

    Posted by ブクログ

    東条英機、石原莞爾、犬養毅、瀬島龍三、吉田茂たち昭和を代表する人物たちについての驚くような事実。東条が首相になった理由、東条と石原の確執の遠因、石橋が日中戦争・太平洋戦争に反対の立場だったこと、犬養毅が最後に放った言葉「話せば分かる」は実際には「話を聴こう」だったとの孫・犬養道子の証言。犬養一族の前で犬養について話をする著者への道子の反応は実に興味深い。道子は日本人のありのままの姿を見ようとしているためとの著者の感想が瀬島のソ連スパイ説の真相と大きな嘘の数々、小説「不毛地帯」の壹岐正に自分を重ねようとして日付まで嘘をついていた!吉田茂にとっての憲法9条の重要性。著者の冷静な視線での記述が鋭く歴

    0
    2019年02月06日
  • 賊軍の昭和史

    Posted by ブクログ

    明治維新から太平洋戦争までが官軍・賊軍という視点で語られる。

    全てが全てその対立軸で説明ができると思わないが、歴史を学ぶ上で、また現代社会を考える上で、育った環境が権力側か否かでメンタリティが異なる、ということは一つの重要な要素であることは間違いない(ということに気がつくことができた)。

    いまいち腑に落ちていなかった開戦〜敗戦に至るパワーバランスや意思決定のあり方に関して、本書を読んだことで、理解が進んだ。読んでよかった。

    0
    2019年01月29日
  • 昭和の怪物 七つの謎

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    【書評】歴史を学び、人のふり見て我がふり直しませんか?『昭和の怪物 七つの謎』

    日本の歴史は皆学校で習うが、つまるところテストのための暗記科目と化している。
    ただ歴史から学べることは多くあり、「人のふり見て我がふり直す」のにうってつけの科目である。
    本書では歴史の教科書で語りきれなかった、歴史的人物の人間面を浮き彫りにする。

    特に注目なのが、「東條英機」と「石原莞爾」の比較だ。
    東條は自分の味方だけで人事を固めたり、課題を精神論で解決しようとしたり、とても国のトップになるような人ではない。
    対して石原は東條とは真逆の思考である。
    それがために、東條とは対立している。

    石原は兵士を「人間」

    0
    2019年01月25日
  • 昭和の怪物 七つの謎

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    瀬島龍三の事が書いてあるので買ったが、今まで詳しく知らないままになっていた石原莞爾についても知ることが出来て良かった。他にも犬養毅の孫娘、二・二六事件で銃殺された渡辺錠太郎の末娘にスポットを当てて、歴史を紐解いている。犬養毅は話せばわかるなんて言ってなかったんだ、、、興味深いエピソードも多数ありとても面白い。

    0
    2019年01月01日
  • 昭和の怪物 七つの謎

    Posted by ブクログ

    昭和史に興味があり読んでみたが、正直ある程度の昭和史に知識がないと読み込みが浅くなる感じがした。なので7つの謎と言われても何故それが謎なのかすらも分からないので、私には少々ハードルの高い本となった。ただ、この中に出てきた石原莞爾はもう少し調べてみようと思う。

    1
    2018年11月18日
  • 昭和の怪物 七つの謎

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    「謎」であるかは別として、昭和史の特定の人物をわかりやすく取り上げてくれる。序盤の東条英機と石原莞爾の対立は興味深い。

    1
    2018年10月25日
  • 日本の領土問題 北方四島、竹島、尖閣諸島

    Posted by ブクログ



    領土問題。
    政治問題、歴史問題、資源問題。
    感情論に走ると収集がつかないのは当然だが、見る角度によって変わってくるよなー。
    太平洋戦争後、サンフランシスコ平和条約を基準にするのか、その後の各共同声明、日露共同、日中友好か。はたまた、1903年か、1905年か。
    最初に見つけた方が所有者、実行支配した方が所有者、最初に見つけたという現存する歴史書がある方が所有者...
    仲良く出来んかね。北方四島の時には共同開発の妥協案が出たが、日本敗戦後のプライドなのか強引に撥ね退けたな。
    遡れば、パンゲアなんて大陸が地続きだった時代は誰のものでもなかったのにな。市場経済主義に戦中戦後の歴史問題が絡むと果て

    0
    2018年10月21日