保阪正康のレビュー一覧

  • 昭和の名将と愚将
    これ、面白いね。当時の日本陸軍、海軍両方から優れた指揮官とダメな人両方上げてその功罪を分析してるんだけど、基本的に優れた人ってどこか組織から剥離して(つまり本流ではなく)己の価値観を持ちながら現実と折り合っていける人なんだよね。(名将には当然硫黄島の栗林中将、今村さんやらが入ってます)。一方ダメ将軍...続きを読む
  • 六〇年安保闘争の真実 あの闘争は何だったのか
    戦後史は、「吉田学校」で教わったので、岸時代のことだけが抜け落ちている。保阪さんの本は読みやすいので、ようやく60年安保のことが理解できた。
  • 参謀の昭和史 瀬島龍三
    「不毛地帯」を読んでいる間にも何度も感じたことだけど、山崎豊子氏の描く「壱岐正」なる人物はあまりにも理想化されすぎていて、どこかリアリティに欠けていた(そうであればこその「物語」ではあるかもしれないけれど)ように思うんですよね。  で、その「壱岐正」のモデルとしてある意味で一世を風靡した「瀬島龍三」...続きを読む
  • 昭和史の論点
     本書は、著名な歴史家4人による対談形式の本であるが、昭和史をわかりやすく概観できる良書であると思った。
     昭和史は、侵略と戦争の時代と平和な戦後史にはっきり分かれると思うが、戦後世代にとって戦前の昭和史は、よく知らない別世界の出来事のように思えてしまうのが実感だろうと思う。
     その戦前期の昭和史全...続きを読む
  • 日本の領土問題 北方四島、竹島、尖閣諸島
    【書評】
     本書の筆者である、ロシア担当の元外交官が語る声には重みがある。領土問題を語る場合、現在の日本がおかれた状況に、筆者は並々ならぬ危惧を抱いている。筆者が深く関わった北方領土返還交渉を始め、竹島、尖閣諸島を巡って、一連の関係国の日本への風当たりはどれも強くなっている。これは、日本の対外的な力...続きを読む
  • 日本の領土問題 北方四島、竹島、尖閣諸島
    日本の領土を如何に守り解決するか? 太平洋戦争終結後、日本は一貫して領土問題を避けて来た。 いや、逃げて来た。 もし私が結論を出せと言われるならば、淺知恵といわれてもひとつの結論を持っている。 まず、領土問題は、北方四島・竹島・尖閣諸島を並行して処理する方法。 まず、北方四島(択捉・歯舞・色丹・国後...続きを読む
  • 田中角栄の昭和
    面白かった。時代に求められ(日本列島改造論)、時代に捨てられた(金権、汚職、日本列島改造論への失望?)。ある意味チャーチルに似ていないか。
    日本列島改造論→妖怪が田舎から都市に現れ始める時期?
    著者が再三、田中が凡人?であることを強調するのが気になった。→庶民宰相、コンピュータ付きブルドーザーといっ...続きを読む
  • 50年前の憲法大論争
    50年前とは思えない、わかりやすさと緊迫感。これ以降、憲法論議が深まっていかなかった、というのもうなずける。おのれの生き様をひっさげて、議論に臨む姿勢は、どれも甲乙つけがたい。現在、改憲論議が盛んだが、ここまで体をはった議論はなかなか見られない。現在の改憲派も護憲派もどこか観念的、薄っぺらに思えてし...続きを読む
  • 日本の領土問題 北方四島、竹島、尖閣諸島
     本書は、ゴルバチョフ以降、ソ連・ロシアと領土返還交渉に携わってきた東郷和彦氏が前半に3つの「領土問題」についての経緯並びに現状を解説・論評を行っている。後半は東郷氏と近現代史に造詣の深い保阪正康氏の対談。

     お互いにタブーを恐れず、何故それぞれの問題に進展がないのかを忌憚なく討論している。対露で...続きを読む
  • 明仁天皇と裕仁天皇
    ●:引用

    ●「父」と「子」の相克 このような構図を見ていくと、そこに父と子という対立が生まれているということがわかる。この対立は、天皇という制度が不可避的に抱えているものであり、歴代の天皇は必ず父と子との関係で相克を起こすともいえるのではないか。誤解を恐れずにいえば、それは天皇と皇太子の個人的な感...続きを読む
  • あの戦争になぜ負けたのか
    英国情報部へのスパイ浸透とゾルゲ事件を引き合いに、軍部にもソ連のスパイがいた、そして日本の方向性を誤らせたのではないかという示唆は興味深かった。
  • 田中角栄の昭和
    ロッキード事件について、田原総一郎説をとっているが、立花隆はたしかこれを一蹴していた。
    日本海のメタンハイドレード開発に関連して、前説ではないのか?と思うようになった。
  • 東京裁判の教訓
    「あとがき」で著者が書いているが、「東京裁判」と聞いただけで「高い山」と思っていたうちの一人である。本書を読んでみて感じたことは、「東京裁判」を読み解くことで、なぜ日本が無謀な戦争に突入していったかをある程度体系的に理解できるということである。
     
     別件ではあるが、この20年来、著者の史観に共感を...続きを読む
  • 大本営発表という権力
     小説とは違うが、「陰陽師」シリーズや「IWGP」シリーズと同様のオールタイム・オールベスト。

    納得するだけで

    の著者・著作だけに


    当たり前のことだが、今まで読んできた多くの著者の著作に書かれている内容に変わりがない。
     歴史研究家
  • 昭和史 忘れ得ぬ証言者たち
    【読書】昭和史の研究家、保阪正康氏が昭和を生きた人々・親族等から聞き取った証言集。そのメンバーは本当にすごい。歴史の教科書で出てくるような人ばかり。犬養毅の孫、東条英機の妻、瀬島龍三、斎藤六郎、鈴木貞一、後藤田正晴等々。しかし、中には必ずしも歴史上は有名な人物ではないが、現代から見て非常に示唆のある...続きを読む
  • 参謀の昭和史 瀬島龍三
    筆者のポイントは、昭和史に重要な影響を与えた瀬島氏が、現在までにその重要な歴史的事実を正直に正確に語っていないということ。
    「不毛地帯」の良いイメージを自分に重ね合わせるだけで事実を語らない。
    ・大本営参謀としての対ソ戦、南方作戦の立案経緯、情報にぎりつぶし
    ・昭和20年8月19日のソ連側との停戦交...続きを読む
  • 昭和史の教訓
    著者の昭和史に関する著作を人間の体になぞらえるのなら、本書は神経に当たる部分か。

    読み物としては読解力を必要とする。
  • 参謀の昭和史 瀬島龍三
    保阪正康氏による、瀬島龍三に関する研究とでも言いましょうか。

    保阪さんは、他書で、自分を直接的な経験者の声にこだわる作家だと言っていました。ただ文献や文書を研究するだけじゃなく、直接的に声を取材する。そういうところに好感を持っています。
    もちろん、そういった肉声には、どうしても話者の記憶の違いや、...続きを読む
  • 田中角栄の昭和
    [ 内容 ]
    田中角栄とは、いったい何者だったのか?
    時代によってつくられ、時代をつくりかえた政治家。
    大衆の欲望を充足させた、悲しき代弁者。
    死したのちにも強力な「遺伝子」を残した絶対権力者―。
    昭和史研究の第一人者が異能宰相の軌跡を検証し、歴史のなかに正しく刻印する。

    [ 目次 ]
    序章 記憶...続きを読む
  • 占領下日本の教訓
    [ 内容 ]
    天皇制、非軍事化、民主主義、日米同盟、経済至上主義―。
    すべてが決まった占領期6年8カ月。
    主権を失ったこの激動期から学び、伝えるべきこと。
    昭和史「教訓3部作」完結。

    [ 目次 ]
    序章 私的原点としての戦後
    第1章 アメリカの占領は何を企図していたか
    第2章 臣民から市民への道筋...続きを読む