大前研一のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
今年も読んでしまった、大前研一「日本の論点」シリーズ。
全体を通して言えるのは、日本の政治、企業に最終的な大局観を持っていないように感じる。
将来、どうあるべきなのか。そのために現在、どうするべきなのか。
小手先の弥縫策ばかりを連発して乗り切っても、最終的には取り返しのつかない没落を招いてしまう。
最たる例が、幕藩時代の線引きで作られる国内空港だと思う。
青森県の南部藩の三沢空港、津軽藩の青森空港と明確に分かれる。
同じ富山県でも富山市は富山空港を使い、高岡市は遠くても前田の空港である小松空港を使っていたと親父が言っていた。
アメリカファーストに突き進むトランプ政権、ブリ -
Posted by ブクログ
本書の出版は2006年である。iPhone登場前であるにも関わらず大前氏の考察はその後のイノベーションを恐ろしく的確に言い当てている。未来から過去を眺めると変化は必然のように感じるが、過去から未来を考察することは相当な知識と推察が要求される。
さて肝心の本編のほうは、大前氏が経営する起業家向けビジネススクールの講師たちが起業家に求められるスキルをレクチャーする形式だ。質は玉石混淆で内容も重複や散逸があり寄せ集め感は否めないが、興味深いのは起業家マインドを説く話は10年以上経ったいまでも色褪せないのに対して、MBAのようなケーススタディは既に衰退した企業も多く陳腐化していることだ。起業には理念 -
Posted by ブクログ
今から丁度一年前の本だけど古くはない。
今の時代の傾向を俯瞰して見るのは良い
※一億総分業体制が上手く行かなくなる→仕事以外の事を任せる傾向が日本人はあるが人生設計をコントロールしないといけない
※宿泊施設は日本には年間2000万泊のキャパしかない。3000万人/年まで増える。特に中国観光客の研究は重要。
※世界的な大企業で偽装→GWのリコール隠し、VWの排ガス規制隠し、東芝の不正会計疑惑
理由は①経営トップの独裁専横がすぎる場合②トップの内紛←怨念を残す選択と集中
※高齢者施設の事件は構造的な問題を内包している←大前さんは移民か施設を海外に持っていくしかないとしてますね
※ギリシャ、ベネズ -
-
Posted by ブクログ
日本人は老後に備え年金、貯金、保険という三重の投資をしている。現役時代、節約に努め、貧しいライフプランのまま朽ち果てて死に際が一番金持ちというケースが少なくない。日本国民が保有している1700兆円。個人金融資産は銀行や郵貯がそれを元手に国債を買っており、結果として国が無駄遣いをするための原資となっている。スウェーデンでは老後の面倒は国がみてくれるから、国民はほとんど貯金しないし、保険にも入らない。人生を存分に謳歌している。将来不安がなくなれば、貯金や保険料に使われていたお金が消費に回る。今、国が施策として取り組むべきは、国民の将来不安を取り除き、元気なうちに金を使わせる。とりわけ、成熟期に入っ
-
Posted by ブクログ
テクノロジーの進化が現在のビジネスにもたらしている事例や、今後起こりうる事例の数々が広範囲にわたって紹介される内容。
具体的には「Iot(=モノのインターネット化)」、「Fintech(=Finance×Technology)」、「ドローン」、「位置情報」、「スマホ経済」などの最新のバズワードを中心に、国内外の様々な企業の取り組みを知れる。
重要な点は、これら数々の新たなテクノロジーを単体で追っていくのではなく、あらゆる技術を網羅的に捉え、複合的に組み合わせて新たなビジネスとしていくこと。そこには画期的なものより、当たり前とされていた従来のやり方を少し変えるだけで大きな可能性のあるビジネス -
Posted by ブクログ
母校の先輩で、働く業界も見方によれば同じ(対象顧客が全く異なるので同じという認識は自分では持っていない)といえる同氏の毎年刊行されるようになってきた著書。
勝手なイメージから自分とは基本的な価値観などが異なると思い込んでいて、これまでほとんど同氏の本は読んだことがなかったが、世界の現実を網羅的に理解し、その先の見込みについての推測、見解を披露する内容は、実は私のスタイルとかなり共通の部分があり、これまで誤解していたことを気が付かせてくれました。
今後も世界各地で事態は同時進行で大きく動いていくが、その流れと目先(日本)での動きとの関連性と共通項に着目しながら追いかけていきたいと改めて感じたとこ