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最強の競争力アップ指南書!
日本が21世紀を勝ち抜いていくための新しい国家戦略として、経営コンサルタント・大前研一氏が「クオリティ国家」戦略を提唱する。
巨大経済を誇る「ボリューム国家」中国に対抗する唯一の方法は、スイス、シンガポールのように、小国であっても高い国際競争力を持つ「クオリティ国家」となることだ。これらの国々は、自国市場は小さいが、世界から優秀なヒト・モノ・カネと情報を呼び込み、ブランドをマネージメントし、豊かな国民生活を実現している。本書は、こうしたクオリティ国家の実例を詳細に研究し、日本が進むべき道を提示していく。
具体的な日本改革論として大きな反響を巻き起こす一冊!
新たな黄金法則、ここに生まれる!
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Posted by ブクログ
いつも雑誌SAPIOを通じて、大前研一さんの時事の考えを拝読しています。その素晴らしさは、考えにブレなく一貫性があること。今回も、前から提唱していた道州制の概念を、世界を俯瞰した上で、グローバルプレーヤーの第一人者として、クオリティ国家というフレームでスイス・シンガポール・北欧国家の飛躍事例を挙げて繋げてらっしゃる。圧巻ですね。
おっしゃる通り、今の政治の延長線上では恐らく改善の域を超えないので、道州制という大胆な仕組みの変革が、カンフル作用を促すという論理にも納得です。
さて、その鈴付け役として期待していた橋本市長の国政シフトをお嘆きになってますが、ご自身の今後の動向が愉しみでもあります。
Posted by ブクログ
ざっくり内容
クオリティ国家とは、人口規模が300万人〜1000万人、一人あたりのGDPが400万円以上で、開放経済で、法人税・所得税・相続税等を低く抑え、ハブ拠点の開発を巧みにすることで、各国からのヒト・モノ・カネを呼び込んでおり、規制緩和がされており、多言語が話せて、教育がしっかりしている国。人口・労働力のクオリティが高く、高コストな人件費をそれ以上の付加価値・生産性の高さでカバーする。自国の市場規模が狭いことから最初から世界市場をベースにビジネスを考える。国は企業救済等しないため、弱肉強食に生き残った競争力のある企業が存在する。一方でセーフティーネットは整っており、失業者は就労訓練をして成長産業に送られる。大学には本当に勉強する人のみ行き、多数は若くから職人として職能を磨き、一生食っていける手に食をつける。
日本は、輸入加工貿易で発展した。しかし、コモディティ化した製品を加工貿易していては途上国に勝てない。残された道は、高付加価値で他国に真似できないような製品による加工貿易立国をするか、クオリティ国家を目指すかである。
日本でのクオリティ国家実現の鍵は、オーガナイズスモール、つまり道州制の導入である。
ざっくり感想
クオリティ国家のコンセプトの鍵は、開放経済ということなんだと思う。それを実現するために国家(道州)ができることといえば、まず都市の将来像を示すことだと考えられる。将来像を示すことで、投資を呼び込み、ヒト・モノ・カネを呼びこむ体制を作る。そして、規制緩和と税制改革(所得税、相続税を下げて人を呼び込み、法人税を下げて企業を呼びこむ)とハブ拠点の開発により企業を呼びこむ。呼び込まれた企業は、世界市場相手に戦う。国は補助金等で企業を直接的には支援せず、セーフティーネットの拡充や教育の充実という方向性でクオリティ国家に呼び込まれた企業をバックアップする。そういう流れで、世界市場で戦える企業を呼びこむことがまず大事なのだと思う。
ハイクオリティの人材が集まると、もちろんイノベーションが加速するというメリットも有るのだけれど、ブルーカラー層に対しても、雇用が創出されたり、生産性が向上したりという影響が及ぼされる。その辺りがうまくまわって、国全体の生産性が高まり、富が集まってくるんじゃないかと思う。
そして、この変化に対応していけるように、教育が重要になってくる。特に語学力と専門性の重要性の認識である。しかも、単に英語が出来るだけでなく、地域によって九州なら韓国語・中国語、北海道ならロシア語など、多様な語学を習得して隣国のヒト・モノ・カネを活用できる土台を作らねばならない。
このような国家像をイメージしつつ、現実として何ができるのか。まずは目の前の仕事をその国家像にアジャストしていくことから始めるべきなのかなと思う。
Posted by ブクログ
日本の過去の成長を支えた加工貿易モデルが、グローバル化によって低賃金の国に対して劣勢になり、さらに高齢化、少子化によって自国マーケットも縮小傾向にある。本書における大前さんの主張は、これまでと変わらず一環している。すなわち、中央集権モデルを見直し道州制を導入し、各道州が高付加価値な独自の産業をスピード感を持って立ち上げることにより、低賃金な製造業を中心とする国々・地域との競争とは別の競争軸で発展すること。もちろん、市場も競争相手も相手は世界の国々、地域であり、基本的なグローバル化への対応は必須である。英語力は最低限のものとして、各地域のターゲット市場に合わせた中国語、韓国語、ロシア語などへの対応も必要になる。何よりも、世界の企業、資本から見て、日本に仕事や資金が入ってきやすいように、規制緩和、法人減税や労働環境の整備も進めなければならない。
私は大前さんの考え方には賛成だし、大いに刺激を受ける。しかし、一方で、これからこのような大改革をやれる体力や時間がまだ日本に残されているのか、という不安がある。さまざまな改革は先送りされるものばかりだし、世間でもいっとき盛り上がった英語学習や留学熱もいつの間にか冷めてしまい、内向きで、外国に対して必要以上に睨みつけるような目線を送る社会になりつつある印象もなきにしもあらず。その先に待っている社会はどんなものなんだろうか。
成熟国家として、成長を目指さない生き方、というのも確かにあるのだろうけれど、本当に国全体が貧乏になっていくというのは、おそらく想像以上に厳しい生活になるのではないか。なんだかんだ言っても、経済的に成長し、経済大国であり続けることは、これからも必死に考えていく必要のある最優先課題だと考える。
最後に大前さんが指摘されていたように、その意味で大阪の橋下さんが、国政ではなく、地域から道州制を含む改革を目指す方向に戻ったことには、突破口として大きく期待したいところ。
Posted by ブクログ
■国家戦略
A世界で繁栄している国には、2 つのタイプがある。
1.ボリューム国家:人口・労働力のボリュームと低コストの人件費を強みとして、工業国家モデルで急成長している。
BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)がその代表。
2.クオリティ国家:人口は少ないが、世界からヒト、モノ、カネや企業、情報を呼び込む吸引力と、グローバル市場
で勝てる競争力を持つ。スイスやシンガポールが典型。
B.スイスの国際競争力が強い理由は、次の3 つである。
1.国が企業を支援しない:企業に対する補助金のようなものが全くない。よって、弱い産業は潰れ、強い産業だけが残り、自ずと国際競争力が強くなる。
2.クラフトマンシップ(職人芸):スイスでは、国民の7 割が時計などを作る専門職か農民であり、専門職の社会的地位は高い。このように、クラフトマンシップが大事にされているため、スイスの産業は強い。
3.移民
移民が新しい産業を興し、その中で強くなった会社が世界に出て行って発展している。
C.日本がクオリティ国家になるには、規模を小さくする必要がある。「四国道」「北海道」「関東道」といった「道州制」にし、
各道州がそれぞれ戦略を立て、自立したクオリティ国家にならねばならない。例えば、北海道であれば、雪や温泉を活用
して「アジアのスイス」を目指す、あるいはロシアとの関係を強化してエネルギー産業を構築する、などが考えられる。
Posted by ブクログ
大前研一氏の持論である道州制を軸に、加工貿易で成功した過去の日本の体制を捨てて、新たなクオリティ国家への道しるべを記した書。日本の強みや弱みを分析するだけであれば誰でもできるが、新たなモデルを示せるのはこのヒトしかいないと思う。
スイスやシンガポールを例に、1人当たりGDPの高い国家を目指す方向性。これは、チャイワンとの競争に巻き込まれている家電業界とは全く逆の、高付加価値に特化した国家、しかも日本では単位が大きすぎるので道州制というユニットを作るイメージ。権限を与えれば、成功モデルを示せるので、他の州もと競争が始まる。これが高いレベルでの国家を形作るという。今の政治に求められている変化とは、何かやらなくてはという強迫感からとりあえず変化を前提にロジックを組み立ててしまうが、そうではない。
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