林真理子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
マリコさんのお母様をモデルにした文学少女の半生を、戦前から戦後直後の昭和という時代にのせて描いた物語です。
今私が生きている時代は、職業は自由だし、本を読むこと勉強することは奨励され、更に背が高いことが障害になるなんてありえません。
が、そうではない時代がありました。それが本書の舞台です。
時代や家族やいろいろなものに阻まれながらも本に支えられながらひたむきに生きる姿には感動しました。
だから最後に主人公が古本屋を職業として選ぶところがとてもうれしくて、それが実話であると思うと更に感動~
「林真理子」という作家は、このような母や祖母が下地となって生まれてきたんだ!と思うとファンとしては感慨深い気持ちになりました。
また、「いつもいい子でいなければならない」という強迫観念にも似たおもいにも共感しました。
私は親にのびのび育ててもらったと思うのだけど、それでも長女という気負いがあって、私なりに優等生にならなければ、という気持ちはいつもありましたから。
そういう意味で共感する人は多いんじゃないかなあ。
だから、本屋さんになるところが余計にうれしかったのかもしれません。。
あっそれと、主人公がその時読んでた本のタイトルを章のタイトルにしてて、凝ってる、というかおしゃれ~♪って思ってしまった。
太宰の斜陽とか読んでみたくなりました。
また積読リストが増えるな。 -
Posted by ブクログ
30歳を越えると、学生時代の友人でも随分境遇が変わってくる。
同じ教室で笑い合っていたのに、気付けば共通の話題が減ってきたりして。
今回登場する二人の女性は、ともに34歳。短大時代の同級生です。
片や早くに結婚し、二人の子持ち。
片やイラストレーターとして活躍する独身。
交互に描かれる二人の物語は、思わず唸りたくなるくらいにおもしろくて、苦いものがありました。
私は結婚しているわけではないし、かといってバリバリのキャリアを築いているわけではないから、どちらつかずですが、一歩違えばどちらかの人生を歩んでいたのかも、と思うくらい少しずつどちらの心境もわかる気がします。
恋に生きる主婦絵美子は、一言で言えばすべてにおいて甘い。
自己中心的で理想主義。感情に流されやすくて、視野が狭い。
年を経ても少女趣味ながら、それでいてか弱く朗らかな彼女のような女性こそ、男性に守りたいと思わせるんだろうとわかっているけど、釈然としない。
これには嫉妬も含まれているのかもしれないけど、それを認めるのも嫌だというのが苦味の要因かもしれません。
一方でがむしゃらにキャリアを築く圭は、強がりで意地っ張り。脆い部分が多分にありながら、ひたむきにそれを隠して背伸びする。
心情的にはこちらの方が共感するところは多いけれど、仕事面では結果を出せても、報われない部分が多くて切なくなります。
同い年だけど自分は夫も子どもも得ないで懸命に働いてきたという自負があるから、若い、というつもりでいたけど、実際のところは当たり前に年を重ねていて、でもそれを幸せにほのぼのと暮らしてきた(と見える)絵美子に指摘されるのは結構ショックですよね。
なんというか、女性の方が人生の振り幅は大きいですよね。
男性だってもちろんキャリアに差はあるだろうし、家庭を持つ人も持たない人もいるとはいえ、40になっても50になっても子どもを持てるけど、女性はそうじゃないからこそのんびりしてもいられないですものね。
読み物として非常におもしろいけど、他人事じゃないよなあと苦い気持ちになりました。ラストはさもありなんというラストで、苦さが一気に増しました。 -
Posted by ブクログ
ラブストーリーをどう語るのか、これは愛を自由に語ることができるようになった現代小説において、頻出のテーマといって良い。普通は生きている二人が障害を乗り越えながら結ばれる姿を描いていく。セシリア・アハーンなら、そんな安易な書き方はしない。
最愛の人を亡くしたホリーが、彼への愛を再確認しながら立ち直っていく物語。「手紙」がこの小説の重要な着想になっているのだが、筆者は、この10通の手紙に、愛を再確認するツールであり、加えて舞台を廻していく装置としての役割を担わせている。そして彼女を取り巻く家族や友人たち。静かに彼女をいたわりながらも、彼らなりの人生の渦に主人公を巻き込んでいく。そういうインタラクションを丁寧に、しかしぶしつけに描いていくところが、この作者の魅力でもある。そして、立ち直るほどに自覚される主人公の悲しみ。まだ20代だった人の作品とは思えないほどに、心の襞が丁寧に描かれる。
それにしても、林真理子の訳文の評判が悪い。私は原文で読んだ訳でも、映画を観た訳でもないので本来何とも言えないのだが、淡々としすぎて作者らしい情感やテンポが感じられないのが気になる。
まぁ、セシリア・アハーンと林真理子では世代が一回り違う。この本が出た時点ではデビューしたばかりのアイルランドの首相令嬢と日本の人気作家だけれども、10年経ってこのコメントを書いている時点では見え方が違って、訳者が自分の作風に合わせてしまったような感が残る。「訳者あとがき」では「悪ふざけ」と苦言を呈されたいくつかのシーンも、原作者が二本の映画化を成し遂げた現在にあっては、それが彼女の作品の魅力なのだとわかる。
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