あらすじ
ハマる、落ちる、とける。大人の女の危険な恋。林真理子のビターな恋愛小説――「人妻とのつき合いは、いろいろな味をそのつど男に与える」……産休明けで、諸橋陽子が職場復帰した。広告代理店に勤める奥村裕一は、妊娠前の陽子と、数回関係をもっていた。子どもを産んで、以前より美しくなった彼女を、裕一は誘うが……。という表題作「ミルキー」を含む、女の秘密がぎっしり詰まった12作の短篇集。女の顔は、恋の数だけ何度も変わる、美しく、いやらしく……。恋とセックスのためなら女はどこまでもずるくなる。背徳の恋愛ストーリー集。ハマる! 大人の女の恋愛小説!
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Posted by ブクログ
知性に対する考察は面白い。バブルから現在にかけて、精神性よりも物質性を重要視する論調が強いと感じる。単純に言えば、「愛よりも金」という風潮である。これは、つまり、知性の劣化である。自分も資本主義的な考えやそれに基づいたコンテンツを浴びて、育ってきた。だからこそ、それを意識し、より精神的な充足を求めていきたい。
「知性というのは別に高学歴だったり、さまざまな知識を持っていることではない。世の中で起こること、知り合う人物、襲いかかってくる災難に対して、どのような感想を持ち、どのような対処ができるかということなのだ」
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自粛続きで友達と集まれないので、今日も林真理子にストレス解消してもらいました。
女の強かさ、浅ましさ、可愛さ、
そして各話に散りばめられたあるある!
まさに女子会でワーッとくっちゃべって大笑いしてるような感覚。
やっぱ女のエネルギーは、女同士で吐く毒だね!
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林真理子さすが。不倫、浮気のオンパレードであるが、様々状況も身分も違い、短編それぞれの、設定の違いが面白く、同じ女の人生、不倫でもここまで色々な描写ができるのはさすがだと思います。
恋に酔えるのは女の特権か。
読み終えていま、不倫の行き着く果てのしんどさを思うけど。スラスラ隙間時間に読めてしまう本です。
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悔しいほど面白く、林真理子はやっぱりすごいと思った。
そして、これがこんなに面白いということは、私は立派なもう若くない女なのだわと、
苦笑い、でもわかっちゃうんだ。
えぐいほどのリアルさで、
しかしなんだろうかこのえぐい人間の生き様が
どうにもこうにも肯定され勇気づけられる感じ…。
これを書いているのがお洒落なかつて美人で今も小奇麗な女流作家ではなく
林真理子だっていうのが何よりの証明かのような。
本当に素晴らしい。
Posted by ブクログ
不倫や男女の情事の物語だけど、
その視点よりも女性のありがちな心理と解釈という視点で読むと結構面白い。言葉まわしの捻りもさすがと私は思った。使ってみたいフレーズ満載。
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林真理子、すごい!!
なんてさりげなく上手いんだろう。
そして、人間観察が鋭すぎて怖いほど。
40代のという年代の登場人物の考えることや、価値観が、私の思いもよらない新鮮な未知のものであるというのは、私がまだその世代になっていないからではないという理由だけではないと思う。
たとえ私が40代になっても、こんなに四十路の気持ちははっきり見えないだろう。
空恐ろしい人よ。
Posted by ブクログ
どの話も、メスっぽい感じが前面に出てて良い。
汚らしい、女の本性が生々しく「これでもか!」という位に
綴られている。
故に読後爽快感はほぼゼロ。
だがそれを承知/期待して購入したので、むしろ満足。
林真理子の得意分野だし。
40歳、50歳の女性が「オンナ」として恋愛をする姿は
今の私にはちょっと想像に難しいが、楽しんで読めた。
Posted by ブクログ
大人のお姉さん方の恋愛に関する物語。
形は正しく無いけれど、
いくら大人になっても、
嫉妬もするし、失望や絶望も味わう。
それでも、パートナーがいることで
自分を保っているんだね。
でも幸せではなさそう笑
Posted by ブクログ
ひたすらに不倫の話が短編でまとまっている。こういう経験がないからか、あまり共感することはなく、むしろ不倫をする人間の身勝手な生々しい心情を読み不快な気持ちになった。
Posted by ブクログ
12の短編集。ありがちな日常にあるときめき。恋愛の奥深さをぎゅっとつめこんだ短編。不倫恋愛、既婚女性の心理描写はさすが。
ミルキー。なかなか面白くよみました。どれもすらすら、短編なので、移動時間などにオススメ。
読み終えたあとの充実感はあまりないかも。読んでいるときは楽しめたけど、時間経過とともに記憶がかすんでしまう。
なとなく、一息。それがいい。短編だけど、普通の中に隠された人々の心理を描いているところに拍手。
Posted by ブクログ
女の汚さや卑しさが詰まっている。もっと年を取ればきっとここまで不快感なく読めるだろう。心に響くのかもしれない。
出てくる女が大体、嫌い(笑)読んでて苛々してしまう、、それでもさくさく読み進められるのは、林さんの文才なのかな。
ただ、「器量よし」だけは感動した。最初は不快だったけれど、最後の三文くらいの破壊力が凄かった。
彼女はきっと、自分と昌子を重ねていたんだろうな〜。嫌いな醜い自分、分かっている。愛されない事、分かってる。馬鹿じゃない。それでも私を理解して愛して…。愛されていた昌子を想い、やっと彼女は解放されたのかな。
Posted by ブクログ
単行本、購入。
表紙がセクシー。
背表紙に『女の秘密がぎっしり詰まった――』
と書いてあったのでゲットしました。
私が期待していた、女の秘密 は詰まってませんでしたが短篇集だったのでサックリと読めました。
ある程度、年齢を重ねた 大人の人が読めば面白く読めるのではないかと思います。
若い人には、わからないようなキモチかも。
私が《確かにそうだ》と心から思ったのは「鈴木君のこと」
それから、女って別れた男に その後 幸せになった姿を そんなに見せたいものかなぁ?って思った。
あなたとは別れたけれど、今 私すごく幸せなの・・・。
みたいな?
そんなに見せたいのかな?
私はそのへん、ちょっとわかんない。
でも、確かに不幸だと思われるよりは 幸せに見られる方がいいかなぁ。
男性の立場としては、別れた女性には 幸せでいてほしいのだろうか。
それとも、不幸な方がいいのだろうか。
ちょっと・・・いや、かなり知りたい。
Posted by ブクログ
まともな恋愛をするのが馬鹿らしくなってくる。人間の不誠実な面ばかりがフューチャーされていて、世の中がくすんで見えてくる。でもそれに深く共感してしまう。人間てやっぱり、綺麗事ばかりじゃない、どころか、綺麗事が少な過ぎる。と、確信せざるを得ない作品。ある意味、今の私には、読むべきであったかも。
Posted by ブクログ
2013.09.18
林真理子の物語には二つの種類がある。性善説と性悪説。性善説のほうは人の皮肉を書きながらも希望に満ちる展開が魅力的だ。わたしはそちらの林真理子が大好きで、性悪説のほうは心が重くなるから憂鬱できらい。人ってくだらないとさえ思う。それでも手にとって、読んでしまうのは、わたしの性格が悪いのだろうか?読んでまた憂鬱になって、きらいって思ってまた手に取る。正しい読書とは何かわからないけれど、これもまた本の醍醐味かも。
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主に40代以上の大人の女性の不倫情事を集めた短編集。
これだけ集まってるところが林真理子さんらしい。
どれも決して明るい話ではないので気分転換にはならないけど、
大人らしい不倫事情だな~とは思った。
実際にこんな感じであるんだろうな~というリアリティーはさすがです。
Posted by ブクログ
オムニバス小説以外で、一冊丸ごと林真理子は初。
なんというか、一言でまとめるならば・・・
40代の大人の女性視点の不倫の話。
無様なものから、小気味よいものもあるけれど、
はっきり言って後味は悪い。
好みではないけれど、まぁ、嫌いでもないかな・・・
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表題の甘さと裏腹にかなりビターな恋愛短編集。
大人になったらもう甘いだけの恋愛は出来ないって言われてる様で怖いっす。。
不倫とか割りきった関係、嫉妬、報復…見習いたくない恋愛見本市。
Posted by ブクログ
世間では女盛りを過ぎたと言われる年代の女性たちの、色恋を描いた短編集。
「ドミノ倒し」が面白かった。仲の悪い夫婦の話で、姑の介護について喧嘩してみたり、不倫をしてみたり、お互いに罵りあって、蔑みあって、まさに「ドミノ倒し」。妻の性格も悪いのだが、同様に夫の性格も世間知らずで酷いものだから痛快だった。
表題作の「ミルキー」が母乳の事だとは・・・。
Posted by ブクログ
女性が持つ欲望とその計画性が余すところなくリアルに描かれていて、さすがだなと思ったけれど、途中で何度も本を閉じたくなった。
「結婚をしても恋をしていたい」という思いを抱いたり、夫以外の男性と関係を持ったりするような“妻”をどうしても理解できない。
家庭円満を維持するために、ひとつの愛を維持するために、ある種の逃げ場が必要だとして、浮気や不倫を肯定する人って多いのだろうか。
結婚ってなんなんだろう?
今、不倫に片足を突っ込もうとしている人(特に既婚側の人)がいたら、ぜひ「聖夜」を一読することをオススメしたい。
Posted by ブクログ
雌っぽい。
私には未だ共感できないだろうなっていう感覚です。
女は三十過ぎてからって言いますしね、色気のない私には未だ未だ。
林真理子は雌っぽい。彼女のビジュアルから私がそう感じている所為もあるが雌っぽい。
出来れば無かったことにしたい部分なんですけどそういったものって、でも書いてしまうんだよなあ。
女性として脂がのっているんだろうね、でろりとした女性の感性を感じます。
好きか嫌いかって言ったら普通かな。あとね、この表紙が結構好き。
Posted by ブクログ
久々の林真理子。家の近くで売ってた。
ぱらぱら読んだけど、内容が全体的に年増し女性の話。
女ってこわいーーーーーなんて思いながら読んでた。
40で恋愛するって私のイマジネーションの限界。
どゆこと?
短編いくつか入ってるんだけど、タイトルにもある
「ミルキー」が一番印象的。
Posted by ブクログ
表題作の「ミルキー」はじめ、最近この人の本を読むと自分が汚れたような気がする。でも「仲良しこよし」などは昔この人の本を読んで面白いと思っていたような片鱗が濃く出ていた。