【感想・ネタバレ】アッコちゃんの時代のレビュー

あらすじ

金と力のある男の欲望を受け止めてやるのは、若く美しい女の義務なのだ。私はそれに忠実だっただけ――。「地上げの帝王」と呼ばれた不動産会社社長の愛人を経て、女優を妻に持つ有名レストランの御曹司を虜にし、狂乱のバブル期の伝説となった女性、アッコ。彼女は本当に「魔性の女」だったのか。時代を大胆に謳歌し、また時代に翻弄された女性を描く、煌びやかで蠱惑的な恋愛長編。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

私はバブルの恩恵を全く受けてない下の世代だが、バブルの残り香がうっすら漂っていた時代の空気は知っているので本書を読むと何処か懐かしいような気持ちになった。しかしながら、話に出てくるお金の額が桁外れに大きいものだから現実感が全く湧いてこない(笑)。

「アッコちゃん」の愛人生活は思わぬ妊娠→結婚によって一旦は終止符が打たれるのだけど、丸く収まる訳がなかった!たとえアッコちゃんが「普通の幸せ」を望んだとしても、相手が誠実なエリートサラリーマンだったとしても、彼女には勤め人の妻は務まらなかったと思う。その美貌ゆえに結婚後も周りがほっておかないだろうし、ご本人の性格的にもいつの間にか危険な香りがするほうに吸い寄せられていってしまうだろう。生まれながらの愛人体質なんだと思う。

登場人物は実在の人物をモデルにしているという。キャラがなかなか濃ゆい方々ばかりなので(多少脚色されてるとは思うが)マンガのようで面白かった。その絵が脳内に浮かんでしまう。それにしても桁外れのお金持ちと付き合うのは女性の若さと飛び抜けた美しさは言わずもがな、体力がある人じゃないと駄目なんだな。スケールが大き過ぎて遊ぶのにも相当なエネルギーが要るもの。パワーがお金を引き寄せるということだろうか。

0
2025年08月17日

Posted by ブクログ

 昭和のバブル期をたくましく生き抜いた北原厚子、通称アッコちゃんの物語である。本書は実話を基に構成されており、林真理子の巧みな小説手法がバブル経済の時代を見事に表現している。日本にかつて存在したこの時代の記憶が浮かび上がる。小説として、成功している。

 何よりも、アッコちゃんの楽天主義は痛快である。描かれているアッコちゃんは、日本人離れした美貌とプロポーションの持ち主であり、フランスやイタリアに行けば注目されるほどの美しさを誇る。その上、ピンチに陥っても何とかなると信じて疑わない逞しさも彼女の魅力の一つである。

 物語は東京西新宿の地上げの帝王と呼ばれる早川(モデルは、早坂太吉)との出会いから始まる。早川は50歳で、厚子の後輩の母親の紹介で会うこととなった。厚子は当時19歳の女子大生である。銀座のやり手ママである厚子の後輩の母親は、早川の内縁の妻だった。カマキリママとも言われる。早川は山形弁の風貌の地味な男であるが、不動産業界では有力なやり手である。彼は積極的に娘の年ほどの厚子に近づき、厚子は「銀座のママから地上げの帝王を奪った女子大生」として週刊誌に騒がれることとなった。

 早川は土地の値上がりにより莫大な資金を得ており、不動産業界で全国第3位の規模に拡大していた。西新宿の土地を20億円で買い、その後東京都庁の移転により470億円で売却し、多大な利益を上げている。彼は女好きでギャンブルも好み、競走馬を約300頭所有しているほどである。早川の会社はホテル11軒、ゴルフ場、病院などの運営も手がけていた。

 しかし、厚子に対しては金銭面をほとんど与えないケチな様子であった。地上げの帝王の早川は、愛人の経費コストダウンみたいな方法を駆使する。早川は厚子を束縛し始めると、彼女はそれを嫌い、縁を切る決断を下す。そして、新たな愛人に目を向けていったのである。

 厚子の1番の親友奈美は、実際は尾崎豊の嫁だった。本書では、流行らない歌手とされている。

 そんな中、厚子はお気に入りのイタリアンレストラン「キャンティ」のオーナー兼、最新の音楽を手掛けるプロデューサーである五十嵐英雄(モデルは、川添象郎)に出会う。五十嵐はユーミンやYMOのプロデューサーも務めた人物で、妻と子供二人を持ちながらも、厚子に積極的にアプローチをかける。実際、妻は風吹ジュンである。五十嵐は厚子をフランスやイタリアに連れて行き、彼女に似合う服を選ぶ中で、厚子は自信をつけていく。そして、厚子は1年契約の愛人関係を結び、さまざまな有名人と交流するようになる。結果として、厚子は風吹ジュンからの略奪を果たし、やがて妊娠するに至る。その後、五十嵐は風吹ジュンと離婚し、結婚には至らないものの、子供を認知するにとどまる。

 また別の場面では、厚子はIT企業の社長から惚れられる。厚子は、カリスマ的存在と称されるほどの魅力を持つ女性であり、そのあっけらかんとした性格と神経の図太さで、バブル時代を力強く生き抜いていく。

 この物語を通じて、林真理子は時代の虚実を見事に掬い取る筆力を発揮しており、昭和の時代のバブルの華やかさと奔放さを改めて思い出させる。昭和は良かった。まさに、かつての日本の昭和のバブルの栄華と華麗さの上澄みを巧みに捉えた作品である。林真理子の小説手法の筆力に、ザブトンをあげたい。

0
2025年06月26日

Posted by ブクログ

読みやすい!エンタメ要素盛りだくさん。
アッコちゃんは実在する女性だったというのはびっくりしたけど、私も過去に1人、このようなタイプの女性に会ったことがあるので、彼女と重ねてみると、何となく彼女たちの心が分かるような気がした。私も彼女たちの仲間になれる位の美しさを持って生まれていたらどうしていただろう?ただなどと、どうでもいい妄想も浮かんだりした。
林真理子らしい1冊で面白かった。

0
2023年06月14日

Posted by ブクログ

純粋にエンタテインメントとして楽しく読める。深読みの必要もなくテンポの良い展開にページが先に進む。主人公の活躍した時代と同年代の人間(私もその1人)にとっては正にそのような時代であったと感慨深く、捉えようによっては深刻なテーマにもある種の諦めや傍観者的な視点が入り深刻化されずに心地よい。リラックスして懐かしい思いにも浸れる一冊。

0
2023年05月20日

Posted by ブクログ

5月に東京ブラックホールをみて以来気になっていた作品。
バブルは少しだけ齧りましたが凄い時代でした。

0
2022年10月20日

Posted by ブクログ

一気読みしました。
バブルの時代を作者自身の経験も交えて描かれているようです。
実在の女性だそうですね。
共感を持つことはありませんが、いるんですね、こういう人。
作品としてはとても面白く読みました。

0
2022年06月08日

Posted by ブクログ

アッコちゃんムカつくけどなんか憎めない
バブル時代に生まれたかったとは思わないが、一度体験してみたい気はする

0
2016年05月25日

Posted by ブクログ

面白い、興味深い、バブル期のことがリアルにイメージできた。嫌みっぽくなりそうな話題なのに、林真理子先生が描くと不思議なことに読んでて良い気分になる。

0
2014年09月09日

Posted by ブクログ

こんな時代があったなんて。ただただ羨ましい。アッコちゃんは全肯定も出来ないけど、全否定も出来ない。バブルって今の時代じゃ絶対生み出せないような人や文化を育ててるなあー。P154の「女がひとり誰かを~」の部分は大きなお世話や!って言いたくなったけど(笑)

0
2012年09月22日

Posted by ブクログ

バブルは経験していないが、興味があったので手にとってみた。節約、節約の今のお金の使い方とスケールが違う(;゚Д゚)!
とにかく今を楽しむ!楽しみ方はひとそれぞれで、どれがいいか、悪いかなんて言えないと思うがとにかくアッコちゃんの精一杯楽しむ生き方に共感!
私も毎日土日を待つだけの日常から脱出しないと(笑)

0
2012年07月20日

Posted by ブクログ

懐かしいバブル時代。
今じゃ考えられないこともたくさんあった。
この本を読むと当時のことが思い出されてくる。

0
2011年08月31日

Posted by ブクログ

バブル時代の話を書かせたら、真理子さんが一番だと思う。ロストワールドにも通じるけど、取材を元にした小説なので、もっとバブル時代が生き生きと描かれていると感じる。キャンティとか、私も好きだった夜遊び時代が懐かしく感じられる

0
2011年02月03日

Posted by ブクログ

 バブル時代の日本に実在した人々をモデルにした小説。

 美貌と、日本人離れしたスタイルでモテまくる主人公。そして彼女に群がる男達。次々と現れては消えていく彼らの発する言葉は調子良く聞こえ、予想通りその熱は冷める。

 いつの時代も流行る物事は変われど、男の性分は変わらないのだなぁ…と呆れながら読みました。

 色々思うところはありましたが、面白かったです。

0
2025年10月04日

Posted by ブクログ

選ばれた人だけが見ることのできる世界を垣間見れた。実在した人物とは驚き!!美しい容姿で生まれた人にしかわからない価値観、ルッキズム、ジェンダー、世代間ギャップ…見えないことだらけだけど、見えないものがあるってことが知れてよかった。アッコちゃんは悪いことはしていない!アッコちゃんは他の人が手にできないキラキラしているものをたくさんもってしまうけど、同時に、「普通」の人が手にできるものは得られない。だとしたら、もう、こうやって生きるしかないんだなって思って、私の物差しでは測れない世界なんだなーって…そんなことを思った。なんだか「可哀想」なんておこがましいことをちらっと思ってしまったけど、いやいや、何を言っているんだ、私の価値観で考えるんじゃない!って自問自答を繰り返す…笑

0
2024年08月11日

Posted by ブクログ

今と時代が違いすぎて、空想のような世界だなあと思った。これじゃ世代によって価値観が全く違うのも頷ける。

0
2015年10月11日

Posted by ブクログ

バブルと全く無縁の世代からみると、バブル期というのが、本当にに魅惑的で羨ましい時代であったということをしみじみと感じられた。この作品自体、数十年前に現実に起きていたこととは信じられない。まさに事実は小説よりも奇なり!作中に実際の芸能人の方のお名前も多数登場し、いちいち調べながら読んでしまった。

0
2014年08月27日

Posted by ブクログ

「たいていの女は、違う、違うって言いながら金のある男へなびいていく。女っていうのは、言いわけや自己弁護の天才」
「他の女がするように“ちゃん”づけしたり、呼び捨てにされると安っぽく聞こえるような気がする」

今も昔も、女の若さは武器であり欠点でもあり。
アッコちゃんのように容姿も生き方と華々しい訳ではないけれど、世の女性全ての共感が林真理子には詰まっている。

0
2014年05月25日

Posted by ブクログ

バブル時代のすっごく美人なコって、アッコちゃんみたいな人生送ってたんだろーなーと思う。自分の今の生活とかなりかけ離れている分、感情移入しすぎることもなく娯楽気分で読めました。

0
2013年09月16日

Posted by ブクログ

登場人物が実際に名のある人が沢山出てきて、小説?史実?と思って読んだ。
中身がある訳ではないけれども、巷で美魔女と呼ばれている綺麗なおば様達の昔話を聞いているようで面白かった。
キャンティーとかアッコちゃんとかググってしまった。
モデルと言われる方の画像を見て「なるほどぉ」とうなずく自分がいました。
お金とお酒と男、いいですわなぁ。

0
2013年03月14日

Posted by ブクログ

あのバブルの時代、金と力を持った男たちを次々と虜にした、女子大生「アッコ」。
多くの女性から妬みと羨望を一身に浴びなら、強くたくましく生きている。 あのおかしな時代が「アッコ」を作り上げたのか?
子持ちの40歳をすぎた今も「アッコ」は自由奔放に生きている。
羨ましいとも妬ましいとも思わないけど、普通の結婚、普通の幸せ、が果たして本当の生き方なのか、数々のバッシングを受け自由奔放に生きるのは、不幸なのか?
そもそも普通の幸せってなんなんだろう、と、ふと考えました

0
2013年01月20日

Posted by ブクログ

バブル懐古。
バブルに憧れて育った世代なので、あっこちゃんの住む世界が羨ましいやら懐かしいやら...。実在の人物が登場するため、週刊誌を読むような感覚もあり面白かった。林真理子って読むのはじめてだけど、この内容の浅さは狙いなのでしょうか。読み終わった後に胸に何も残らない、まさに儚い泡のように消えて行く物語。
は〜もっと早くうまれたかった。

0
2013年02月01日

Posted by ブクログ

バブル期のバブルな女性の話し。
自分も同じ時代にいたけど、ここまでバブルな暮らしはしてないよ。
部分的にはあ〜そうだった!って思うけど。田舎だし。
こんな時代、生きてるうちにまた来るかしら?

0
2012年08月08日

Posted by ブクログ

バブルって一種の狂気やね…

バブル経験世代じゃないから本を通して知っただけやけど、ほんまに今とは違うんやなぁ。

圧倒されたけど、今の時代に生まれて良かったかも。

アッコちゃんのモデルになってる人…どんな顔してはるんやろ。。

0
2012年05月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

女性が若くて美しければ何でも買ってもらえたバブル時代。
だから何だというんだ・・・。
おじさんに大金使わせて流行りの高級品買ってもらってヨーロッパ連れて行ってもらって・・・そんなことして何が幸せなの?と感じる女性はたくさんいると思うけど。でもその思考も時代性によってつくられているのかな。
アッコちゃんも結局主体性がない。楽な方へ、楽しそうな方へいってるだけでは・・・?

0
2011年06月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

バブル期に20歳の小娘がその美貌ゆえ地上げ屋やぼっちゃんオーナーの寵愛を受ける話。
媚を売ってないのに愛されて愛されて、彼女がちょっと悩むところがまた愛らしい。
だけどセリフがバカっぽいのはあえてなのか真理子先生は。
40歳になった彼女も金持ちにもててもはや爽快な気持ちになった。
実名がバンバン出てたのでほとんど実話なんだろうなあ。すごい世界だ。

0
2011年03月21日

Posted by ブクログ

バブルってこんな時代だったのか!
あまりのセレブぶりにビックリ。
実在するお店、人物ばかりで、読み終わった後も楽しかった!
ただ、後半にかけてだんだんつまらなくなってくる。
やはり、結婚した後の恋愛はあまり共感できないのかも?
セレブなのはいいけど、この人生を歩みたいとは思わなかった。

0
2011年01月05日

Posted by ブクログ

読んでて実在の人だと気付いてびっくり
人のものを奪うって悲しいよね

でも今、風〇〇○ンさん
とても素敵だから
よかったのかもね

0
2010年10月09日

Posted by ブクログ

バブルの時代に生を受けた私は、この時代はテレビの中の出来事。
だけれど、この時代を知っている人たちと知り合うと、バブルの恩恵を受けた人たちはみんな笑っていたと言う。
そんな時代を感じてみたい。。と切実に思う、そんな本。

0
2010年06月11日

Posted by ブクログ

事実は小説より奇なり、とはよく言ったもので。。。

親友は、尾○豊の奥さん、
そして飯倉のキャンティ の御曹司・風○ジュンの夫を奪ったアッコちゃん。

求められ続ける人生を送るアッコちゃんの本心が最後まで見えてこなかったので、
どうしても「からっぽ」な女性という印象が拭えず、ちょっと消化不良気味。

もちろんこれは小説だから、彼女のすべてが書いてあるわけじゃないけれど。

0
2009年12月30日

Posted by ブクログ

西新宿やら広尾GHSやら西麻布など今でも仕事でご縁があるところばかりで、物語の内容よりもあの時代のことを色々と思い出させてくれた作品でした。
前半のテンポのよさに比較して後半の落ち込みはいささかいただけませんでした。

0
2009年10月07日

「小説」ランキング