田中芳樹のレビュー一覧
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購入済み
見事なまでに少年漫画
銀英伝でもお馴染み田中芳樹先生の傑作をハガレンや銀の匙の荒川先生がコミカライズ。最強のタッグです。銀英伝のほうも封神演義のフジリュー先生が素晴らしいコミカライズを生み出して下さいましたが、こちらも負けず劣らずの素晴らしいコミカライズ。荒川先生のキャラデザや絵柄、コマ割りなどが相まって硬派で敷居の高いイメージがあった小説が少年漫画になっています。恐るべきはその構図の構成力。ほんの小さなコマでもキャラが一体何をやっているのかがわかり、内容が頭にどんどん入ってきます。戦いであれ、会話するシーンであれ、ここまで登場人物がどこを見てどう行動しているのかが明確に伝わってくるのは荒川先生の素晴らしさとしか言いようがありません。あと先生の描く擬音もとても良い味出してます。こういった擬音の表現は小説にはない要素なので新鮮に楽しめるし、状況の情報を整理するのにも一役買っています。これから先期待が膨らむばかりです
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無料版購入済み
キルヒアイスが好きなので、彼が素敵じゃなきゃいやー、ということで道原さんの銀英伝が好きです。
この先途中までだろうけど。
1巻に双璧との出会いエピソードの挿入あり。宇宙空間も迫力あります。
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ネタバレ 購入済み
士官学校生の恋は
ヤンが士官学校時代。同級生の恋バナをキャゼルヌ少佐にしたことから不穏な話に…キャゼルヌ夫人がまだキャゼルヌ少佐と交際中、名探偵さながらに謎を解く話。 -
Posted by ブクログ
田中版「水滸後伝」の後編である。よくもまぁ2巻にまとめたなぁと思えるほどの怒涛の展開ではある。
上巻では、「水滸伝」生き残りの32傑が次第と再結集し、李俊や楽和、童威、童猛たちが(現在の)上海東海にある架空の島国・金ゴウ島の主になるまでを描いた。
下巻では、遂に李俊が金ゴウ島隣の王国・暹羅(せんら)本島の王様になってしまう。妖術入り乱れてさまざまな戦いの後、32傑は武松を除いて一堂に集まり、新しい義兄弟4名、他に義を結んだ者4名、義兄弟たちの息子4名が集まって物語が終わる。
清代の陳忱(ちんしん)が原作を書いたのは、ひたすら悔しかったからだろう、と腹落ちした。水滸伝108星の好漢たちの終わりがアレでよかったのか?弱きを扶け強きを挫く。それが発展して宋軍をも打ち負かす梁山泊になったのに、天命に支配された宋江の命令とは言え、あっという間に宋王朝に「帰順」し、主要星76人を失ってしまった。あの魯智深が、林冲が、秦明が、李逵が、九紋龍史進が、こんな終わり方で良かったのか!!本来なら彼らは理想の国を作りたかった筈だ。歴史は変えられない?そんなことはない。私に任せなさい。ようわからんが、海の東の彼方には幾つか王国があるらしい。台湾とか琉球とか、そんな名前使わんかったらいいんやろ?中華思想かも知れへんが、そこなら梁山泊残党でも充分支配できるやろ。彼らの夢はそこで叶えたらいいねん(←何故かだんだん関西弁に)。と、陳忱は思ったに違いない。その証拠に、今度は仲間は増えこそすれ、1人たりとも減らなかった。
水滸伝で心残りだった、宋王朝への「礼」は燕青が叶え、憎き宦官や童貫などの宋軍の「腐った輩」は、きっちり落し前をつけ、案外いい人たちの聞煥章、何故かピンピンしている王進、扈成たちが重要な味方になってしまう。なんでもあり。パラレルワールド!ともかくハッピーエンド!田中芳樹は、ホントは「後伝」をひたすら編集者に読ませることで、講談社に普及版を刊行させたかっただけらしい。それがいつの間にか自分で描くことになった、と後書きでボヤいている。もっとも、楽しそうに描いているので、それはそれでいいのかも。
扈成が言う。「この国はまだまだ豊かになれるよ。宋、高麗(韓国)、占城(ベトナム)、日本、天竺(インド)‥‥これらの国々のちょうど真ん中にあるから、貿易の中心地になれる。漁場も豊かだし、島の奥地は黄金が産出するし、森には香木がぎっしり生えている」()内は私の注。(198p)
こういう書き方は、田中芳樹の分析なのだろうけど、実際台湾や琉球が、戦争に巻き込まれなかったら、豊かな独立国になっていたと私は思うのである。
因みに、暹羅国の南側にいっとき李陵たちと敵対する三つの小さな島(と言っても五千人の軍隊を出す人口はあるのだが)がある。その一つが釣魚島という。ゲ、これは尖閣諸島の日本名魚釣島のことじゃないか!やはり清代から中国は魚釣島を占拠していたのか?と思ってはいけない。先ず位置関係が全く違う。しかもホントの魚釣島は数千人が生活できる島ではない。多くて数十人でいっぱいになる島なのである。清代に島の実態を全く知らなかったことが、これでかえって証明できるだろう。結局三島は李俊の王国と平和友好条約を結んでいる。 -
Posted by ブクログ
プリズン・ブレイク!急襲のトゥラーン。ペシャワール防衛戦の12巻。
あーだこーだと目論んでいたギスカールに立ちはだかったのは、まさかのアンドラゴラス。おそらく、作中最強の戦士であろうアンドラゴラス国王です。フルコンディションでタイマンしたら、ダリューンやヒルメスですら対抗できないと思わせる強さ。
アトロパテネで戦歴に大きな傷をつけましたが、一度しかない機会を逃さず最大最高の結果を出すのだから、戦士としてはやはり超一流です。
ヒルメスが尊師に唆されて、ルクナバード入手へ向かっていなければ、エクバターナはどんな戦闘が繰り広げられていたのやら。ギスカールもイノケンティウスも、なす術なく斬り殺されていたのでしょうかね、兄弟揃って。血族の争いに軍を率いて突入するアルスラーン。そこで明かされる出生の秘密。みたいな展開だったのかしらん。
エクバターナへ向かって進撃を続けるアルスラーン軍に急報。トゥラーン軍、ペシャワール急襲。拠点を失うわけにいかないので、道半ばで撤退。
ここで、エトワールたちルシタニア人とはお別れ。これまでの道中で、戦争の相手が異教徒という言葉だけの存在でなく、自分と同じ人間であること。互いに尊重することのできる人間であることを、言葉でなく肌感覚としてしることができたエトワールの経験は、彼女の人生に大きな財産となるはず。別れ際にややこしい言い方になってしまうのは、今までの人生を捨て去ってしまうことは、宗教でなくこれまでの自分への裏切りだと思っているからかなぁ。即座の手のひら返しは、盲信と変わらない。信じるものが、イアルダボードから違うものに入れ替わっただけなので。
何より、エトワールが追い求め続けた強さというものの、一端に触れたことが財産。騎士としての強さでなく、人としての強さ。実は、彼女はかつて追い続けたものよりも、強く誇り高いものを手に入れているのですが、それに気づくのはまだ先か。
ルシタニアの人々の希望の星となったエトワール。名は体を表すというやつです。
トゥラーンの攻撃を跳ね返すペシャワール。イゼルローンと並んで、田中芳樹世界の絶対防衛拠点。
かつては、バフマンとキシュワードという万騎長が立ちはだかったペシャワール。さらにダリューンとクバードという二人が加わったからには、もうお手上げです。
ダリューン、クバードが災厄の塊とされてますが、おそらく万騎長は誰でも同じでしょう。ダリューンとかがずば抜けてるだけで、誰が戦場にいても一緒。幽遊白書のS級妖怪の括りの感じです。
ところで、各国王の呼び名が様々でとても楽しい。細かい部分ですが、文化の違いを端的に表現していて好きです。パルス=シャーオ。シンドゥラ=ラージャ。トゥラーン=カガーン。