田中芳樹のレビュー一覧
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ネタバレ今までいろいろ怪奇的生き物が登場してきたこのシリーズだが、土着の風俗や伝説的存在ではなく、まったくの人間のエゴで作り出された存在がグロテスクで哀しい。
自由の国アメリカの、実は全然自由ではないキリスト教への妄信。
この作品に出てくるアメリカの大富豪は、キリストの再来を信じて、その日に備えて驚くべき準備をしている。
自分中心でしか物事を考えない金持ちは、キリストの教えすら自分に都合のいいように捻じ曲げる。
金さえあれば何をやってもいいなんて、キリストは言ったか?
「弱肉強食」「自己責任」などはキリストの教えなのか?
今回涼子は、まったくの休暇を泉田くんと過ごそうと、結構小細工を駆使して楽しみ -
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ネタバレ次から次へと、よくもまあこんな飛んでも事件が起きるな、東京。
今回は『山枯らし』という、自然に存在する妖怪(?)が、マッドサイエンティストの手によって環境テロに対する武器として作り変えられる。
それはすでに環境テロそのものなのだけど、自分だけは正しいことをしていると信じ込んでいるのがマッドサイエンティストたる由縁。
薬師寺涼子はそんなマッドサイエンティストに名をつける。
怪人「への一番」。
悪人にかっこいい名前を付けるべきではないという、確固たる信念からの名づけ。
自己評価はさておき、泉田警部補は頭も切れるし、剣道・拳銃・体術にも優れ、スタイル抜群、多分イケメン。
今まで彼には弱点がなかっ -
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ネタバレひとは、「蛇が苦手」「蜘蛛が苦手」の二種類に分かれるのだそうだ。
だとすると私は圧倒的に蜘蛛がダメ。
蛇は毒がなくてまあまあ小型サイズなら何とかなるけど、蜘蛛は毒がなくてもどんなに小さくても無理だ。
なので、今回の話はちょっと読んでいて厳しかった。
シリーズが続いて作者もいろいろ設定を考えるのが面倒くさくなったのか、この蜘蛛は、科学者が作り出したものでも、古代の生物でもなく、ただ、存在するのだ。
なぜ巨大化したのか、なぜ長生きなのか、なぜ人間に化けることができるのか、それらについての説明は一切ない。
カナダのバンクーバーにある公園で発見された、日本人の男女の不審な死体。
その謎を解き明かす -
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ネタバレ国際的な巨大ハイテク企業の一角で、錬金術をものにした元工学博士が作り出す、伝説上の怪物たち。
怖い。
私は学生の頃、モンティ・パイソンの映画で「人喰いウサギ」を見てからというもの、どんなに愛くるしい小動物と言えど、油断をしたことがない。
やっぱりいるんだ、「人喰いリス」。
初期に比べて涼子の、泉田警部補に対する愛情表現が割とストレートになってきているのだけど、相変わらず彼はそのことに全く気付かない。
けれども、法を無視してまで突っ走る涼子の行動に、「やれやれ」と思いながらもちゃんと付き合うのだ。
尻拭いも含めて。
相変わらず作者の、日本の政財界人や高級官僚に対する嫌悪感がはなはだしくて、偏 -
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ネタバレ数十年ぶりに勘違いが是正されました。
私、薬師寺涼子と小早川奈津子をごっちゃにしてました。
どちらも田中芳樹の作品に登場する人物です。
最初に読んだのが『創竜伝』で、小早川奈津子の強烈な個性というか、アクの強さに驚きました。
敵も味方も関係ない。
天上天下唯我独尊。
金も権力もすべて自分のためのもの。
次に読んだのが『摩天楼』。
敵も味方も関係ない。
天上天下唯我独尊な薬師寺涼子。
でも、警察?完璧なスタイル?
…多分、『創竜伝』のあの人の、巨体になる前の前日譚だ。
しかしなぜまあ、あのような変貌を遂げることになってしまったのか。
よし、シリーズものみたいだから、いずれ読んで謎を解明しよう