原田マハのレビュー一覧
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遠ざかる距離 読むのにかなり時間を要した。
美術に疎いこともあり、話に入り込めない部分は正直あった。
ただ途中で読むことをやめない、やめたくない、続きを気にならせる魅力があった。
後半、特に最後の方はついつい時間を忘れて一気に読んでしまった。
色々なことが少しずつ紐解かれてく中で、菜穂という人物の強さを感じることが多かった。
最初はただわがままな強さを感じていたが、最終的には、それは人間としての強さであるということに気づくことができた。
一輝と菜穂、それぞれの視点で章ごとに交互に入れ替わる話の進みかたによって、同じ事象に対してそれぞれがどう感じているのか、その掛け違い、そしてどんどん遠ざかっていくのが面白かった。
最終的に一輝が感じた京都への遠さは菜穂との遠さにかかっているのだとよくわかった。2024年1月1日 -
Posted by ブクログ
ネタバレ京都の雅な世界の中で描かれる、人間の業。
「異邦人」として頑張る菜穂を描いているのかと思っていたが、菜穂は異邦人どころか京都にDNAを持っていた。まさかのどんでん返し。
ただ、その背景を知ると、菜穂の言動に合点がいく。モネの睡蓮が売られた時、友の訃報に触れたような悲しさ、と言っていたが、それもそのはずなんだろう。実の父と母が亡くなっている以上、自分には父が引き継いでくれた審美眼と、父が残してくれた絵画、美術館が菜穂にとってのよりどころ。それらが自分の意志とは関係なく第三者に渡される、しかもお金のために、というのは、自分の尊厳が傷つけられた気持ちになるのだろう。
また、この本によって、アートを取り巻く商売を学んだ。画家が描いた絵の売り手を画商が担い、コレクターへ売っていく。絵画は数々のコレクター(時には美術館)の手を渡り、永遠の時を生きる、、絵画が持つ悠久さを知った。 -
Posted by ブクログ
大好きな原田マハさん。
お盆の連休中に地元に戻った際に、
駅前の書店で発見しました。
私が住んでいた地元は、駅前が開発されて、
大きな書店があるんです。
帰るときは必ず立ち寄ります。
ずっと気になっていた一冊だったので、
綺麗な在庫を見つけて歓喜でした…!
2019年に開催された展覧会(なんと清水寺らしいです)のために書かれた本書。
20名の巨匠(星)たちとコンタクト(インタビュー)している作品。
ゴッホやマティスもいますが、
黒澤明、宮沢賢治を含め、
たくさんの才能を持った方々達が登場します。
マハさんがインタビューしたら…
という設定で話が進みますが、
マハさんの手にかかると、
どの著名人もチャーミングで、
それでいて芯の部分はとても情熱的な人で、
気づけば好きになっていたり、
興味関心を持っていたり。
それは原田マハさんが好きなんだろうな、
敬愛の気持ちを持って書いているからなんだろうなあ、
と思わせてくれます。
個人的に印象に残っているのは、
河井寛次郎と小津安二郎。
二人とも生き方やポリシーが格好良いです。
オーブリービアズリーは、
サロメを読んだ後だったので、
再会した気持ちになりました。
茶目っ気のある彼に会えて嬉しかったです。