原田マハのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ささやかな独立をテーマにした連作短編集。
短編といっても、それぞれのお話は10ページずつくらいの超短編集だ。今回のお話のチョイ役で登場した人が次回の話の主役に、という感じで繋がっていく。ただ、登場人物がほんの少し重なっているだけで、ストーリー自体が繋がっているわけではなく、それぞれが独立した物語。
物語の構成がお得意なマハ氏ならではの、「よくできた」24の短編。どれも温かく、読み終わった後にはこちらもほんの少し勇気をもらえる。
ひきこもりの漫画家とおばあちゃんとの交流を描く「バーバーみらい」と、いじめ問題に立ち向かう中学教師の「真冬の花束」が個人的には良かったです。
2019/01 -
Posted by ブクログ
<内容紹介より>
人気、実力とも当代随一の作家5人が腕を競う、恋愛小説アンソロジー。3年越しの恋人が無断で会社を辞めてショックを受け、結婚を焦るOL。夏の日、大人の異性との出逢いに心を震わせる少年と少女。長年連れ添った夫婦の来し方、そして行く末。人の数だけ、恋の形はある――。人の心が織りなす、甘くせつない物語の逸品。
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どの作品の程よいボリュームですらすらとよむことができました。甘酸っぱい「有川浩」的な恋愛要素を求めて読むと、少し肩透かしを食うかもしれません。
もちろん、恋愛特有の甘酸っぱさはあるのですが、「ベタベタ」した感じはなく、どの作品もスッキリとしています。
大きなどんでん返し -
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Posted by ブクログ
8人の語り手による短編集。
本を通して見た世界はこんなにも多く、こんなにも刺激的。
広がる世界の面白さを、あなたに。
『メアリー・スーを殺して』
メアリー・スーとは聞きなれない言葉だった。
一体それは誰?
この人物は、二次創作における、書き手の願望を一身に背負った自己愛の塊というべき人物。
つまり、イタいキャラクターであり、ご都合主義的な登場人物ということらしい。
ありがちな設定だ。
プロの作家なら、それらを上手く操れるのだろうが、残念ながら多くの書き手はそうではない。
自分の妄想とありがちな設定と底の浅さが露見する、書いている本人だけが満足できるという代物。
このことに気づいた主人公、如月