朝宮運河のレビュー一覧
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近年読んだアンソロの中で一番面白かったです。質が違うなと思いました。ついこの前読んだホラーアンソロを藁とした時、こちらは完全に煉瓦。造りが頑丈すぎて我々は煙突からしか入れない。が、その唯一の入口さえ地獄へ直通ですからね。まったく、感謝して落ちていきたいですね。
特に素晴らしかったのは初っ端わずか8ページほどの恐怖、どこか童話みのある骨、妙にリアルな正月女、それから大トリの人獣細工ですよね。頭抱えました、読後。こんな詰め込まんとってくれよ。俺をどうしたいねん。ほんまありがとうな。
最近のホラーがことごとく好みじゃない俺には、こういうのはもう刺さりすぎて息ができないですね。穴だらけになった心を取り出して見せてあげたいぐらいです。あまりに鋭利。真の名作は劣化しないということを、この傷をもって証明したいぐらいです。 -
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戦前の日本における怪談の扱いにも触れながら、戦後〜現在に至るまでのホラーの変遷を分かりやすく書いてくれている。
ホラーというジャンルがどのように始まったか、このジャンルの隆盛に誰が関わって育ててきたのか、どうしてその時代にそのような形のホラーが流行ったのか、具体的に作家や編者、雑誌、書籍の名前を挙げて解説している。個人的には、ホラーってすごくSFやミステリと近くてジャンル分けが難しいなと感じていたので、なぜそうなっているのか、その辺りを説明してくれていて良かった。
江戸川乱歩がこんなにホラーに力を注いで立役者となっていたのは知らなかったし、気になる作家、作品がたくさん見つかって嬉しい。 -
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おかげで読みたい本が増えてしまった(泣)
①1926〜1945年
昭和元年から終戦まで、江戸川乱歩の登場、ミステリっぽければなんでもありの探偵小説の人気。
②1946〜1965年
戦後復興期、横溝正史の活躍、探偵小説から推理小説へ、50年代から星新一や小松左京、筒井康隆などSFも人気。
③1966〜1985年
高度経済成長期、エクソシストなどによるオカルトブーム、スティーヴン・キングもベストセラー作家へ。
④1986〜2005年
昭和から平成へ、リングなど国内ホラーの盛り上がり、綾辻行人デビュー、羊たちの沈黙など猟奇犯罪の黄金時代。
⑤2006〜2025年
現代に至るまで、国内ではモキュメンタリーが人気。
上記のように時代ごとに紹介されているので、その時々の人気の傾向などを感じられて面白かった。
有名どころはヒッチコックらで映画化されており、読みたい本も増えたが、観たい映画も増えた(泣) -
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朝宮運河さんは2025年から2026年序盤に、
「現代ホラー小説を知るための100冊」 (星海社新書) 既読
「怖い話名著88 乱歩、キングからモキュメンタリーまで」 (講談社) 未読
「日本ホラー小説史: 怪談、オカルト、モキュメンタリー」 (平凡社新書) 本書
と立て続けに単著を出しておられている。凄腕。
江戸川乱歩を幕開けと看做して、もちろん前史も抜かりなく、現在までを簡潔に。
素晴らしい見取り図をいただいた。
索引があればなおよかったが。
2026年3月16日の夜時点で、ツイッターの「#1000南無ワニ」は、「ぱぴぷぺぽマンの侵入を防いだ34日後に南無阿弥陀仏と唱えるワニ」。
4月下旬にどうなるのかも楽しみ。
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【概要】
モキュメンタリーホラーの人気に代表されるように、今、ホラー小説はかつてない盛り上がりを見せている。日本のホラー小説はいつ生まれ、どのような道のりを経て、この空前のブームへ至ったのだろうか。
本書では、戦後から現在までのおよそ80年にわたるホラー小説の歴史を辿る。江戸川乱歩による「怪談入門」で幕を開けた戦後ホラー小説の歴史は、1960年代の異端文学ブーム、1970年代のオカルトブーム、そして1980年代のホラー映画の人気を受けて発展してきた。1990年代にとうとう文芸の一ジャンルとして確立されると、画期的な作品を次々と生み出しつつ、令和のホラーブームへと至る――。
各時代を彩る300を超える作品を紹介し、ブックガイドとしてもおすすめの一冊。
【「はじめに」より】
本書『日本ホラー小説史』は、令和のホラーブームがどのような状況から生まれ、日本のホラーがどのような発展を遂げてきたかを、戦後の文学作品を中心に記述するホラー入門書である。(中略)今回のブームをきっかけにホラーに関心を持った読者が、日本ホラー小説の歩みを簡単に辿れるようなコンパクトな文学史が、そろそろ必要とされているのではないか。本書はそんな思いから執筆された。
はじめに
序章 日本ホラー小説前史
第1章 ホラー小説の曙 1945~50年代
第2章 高度成長期におけるホラーの展開 1950〜60年代
第3章 幻想と怪奇の時代に 1960~70年代
第4章 ホラー黄金期の到来 1980~90年代
第5章 停滞期から令和のホラーブームへ 2000~20年代
おわりに
関連年表 -
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ネタバレ
浮遊する水 鈴木光司
これあれじゃね?仄暗い水の底のやつって思いながら読み終わったら仄暗い水の底だった。びっくりした。
猿祈願 坂東眞砂子
ラストが本当に怖かった。不倫許せない人間なので、いい気味とか思えそうだったけれどもそんなこと吹っ飛ぶぐらい怖かった。読み終わってからヒェって声出た。
影牢 宮部みゆき
怖かった〜。語り口調の小説苦手なのに、すっと頭に入るのはさすが。驚くほどのどんでん返しはなかったけれど、ため息が出る感じの気持ち悪い怖さ。ずっとへばりつくような不気味さというか不快感があって、最後にそれがなんとなく意味がわかる感じ。
集まった四人 三津田信三
読んでる間ずっとぞわぞわしてた。一緒に居る人間がだんだん人外に思えてくるときの世界が歪むような恐怖感、大好きだけど本当に怖い。足元が急にフワフワするというか、世界全部が曖昧になる感じ。
山荘奇譚 小池真理子
不条理というか、整合性が無いというか、いつの間にか眠っていて夢を見ていたような話。でも背筋は冷える。
登場人物のディテールがとても良くて、人物にフォーカスしやすいから、ぐっと感情移入してしまうのだと思う。このかたの作品読み続けたら気が触れそう(悪口ではない)
バースデー・プレゼント 綾辻行人
最初から最後まで「?????」だった。なんだこれ?綾辻行人が読んでみたくてこの本読んだんだけれども、こういう作風なの??ホラーというよりはグロテスクな絵本みたいな話。
迷い子 加門七海
〇〇と思いきや、××と思いきや、△△と思いきや、⬛︎⬛︎というオチ。話が二転三転する割に単純で、難解な言葉を使って翻弄してやろうという思惑が透けて見えて、好みではなかった。オチも読めたし。
東京住まいではないので情景が思い描けなかったのも入り込めない理由の一つだと思う。
赤い月、廃駅の上に 有栖川有栖
これまでははなんとなく背中がじんわり寒くなるような静かな話だが、これは明らかに暴力性が高い「怪異」のホラーだった。電車にもっと興味あればもっと楽しいのかも。 -
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読みやすいホラー短編で読みやすかった!
個人的に好きな作品は
●綾川行人の「再生」
テレビでタレントが、「切れ味の良すぎる包丁で自分の指の一部を切り落としてしまって、しばらく経ったらその切り落とした部分が生えてきたんですよ!」って話してたのを思い出した。
人間の再生力の限界ってどこなんやろう?ってこの話を読んでまた思った(^^)不気味なお話です。
●福澤徹三の「五月の陥穽」
窓際族の影の薄いサラリーマンが屋上で昼休憩してて落としそうになったタバコを拾おうとしたらビルとビルの隙間に落ちてしまって、その隙間に挟まってしまってさぁどうしよう!ってお話。
サラリーマンとしても夫としても影が薄い主人公が気の毒でしたが、臨場感あって、しかも実際に起こりそうな話で面白かった! -
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1926〜2026年まで、ちょうど100年間のホラー小説を紹介するブックガイド。洋・邦バランスよく載っている。各章の始めには軽く歴史と背景となった作品が触れられる。
広く浅く、簡易なガイドという印象。澤村伊智、背筋との対談ではホラー小説の読書遍歴と自著への影響について語る感じ。
私自身の好みが偏ってるのもあるけど、読んでない作品もたくさんあって参考にはなった。
同じホラー小説の中でもいろいろな恐怖の質があるので、幅広く紹介されているからどれか好みの作家を見つけられると思う。逆にいうと各作家については深掘りしていないので物足りない部分はあるのかもしれない。