池波正太郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「剣客商売」を読み始めて、池波正太郎にはまり、並行して鬼平を読み始めた。
「鬼平犯科帳」のほうが「剣客商売」よりも圧倒的に有名(だと思ってる)なのに、第一巻を読み終えて「???」と感じてる。
なぜだろう?
第一巻では長谷川平蔵は脇役で様々な盗賊が主人公のような扱われ方をしている。
極悪非道の盗賊、人を殺めない盗賊、盗まれたら路頭に迷うような人々からは盗まない盗賊、盗賊の一味同士の人材(?)の貸し借り、などなど江戸の町の様子とともに語られていて、最後は鬼平が捕まえる、という風に進んでいく。
あまり、鬼平の魅力を感じないのだ(ところどころに人情味のある出来事や他の追従を許さない剣の切れ味などがち -
Posted by ブクログ
読書期間:7/6-7/19(14日間)
内容:織田信長が同盟者・徳川家康の長男信康に腹を切らせたのはなぜか。喧嘩相手の頭目・水野十郎左衛門の屋敷の風呂場で殺された番隨院長兵衛はどんな男だったのか。明治維新の立役者・西郷隆盛が新政府と袂を分かったのは何故なのか。戦国・江戸・幕末維新を代表する16人をとりあげ、つねに「死」だけを確かなこととした生き方を、現代日本人と対比させながら際立たせた語り下ろしの雄編。
感想:池波正太郎初読の一冊がなぜかこれ。なんとなく想像していたより庶民的(親父的)な感覚で面白かった。
基本、司馬遼太郎から歴史に入った自分からすると、垢抜けない親父の愚痴にみえるが、笑っ -
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目が寂しくて、疲れた時に、何気なく読むには
池波正太郎がいいなぁ。
だけど、この男、物語を紡ぐには、
優れた能力を持っているネェ。
私は、図鑑人間でしかない。
熱海みやげの宝物
熱海に湯治する平蔵。連れの彦十が、利平治にあう。
利平治は、仲間割れした盗賊に狙われていた。
平蔵は、利平治を見込んで、助けることに。
殺しの波紋
与力 富田達五郎は、剣術の名手で、活躍めざしい。
ところが、挙動が少しおかしいと平蔵が勘ばたらきする。
達五郎は、マイナスのスパイラルに。
夜針の音松
松永弥四郎は、変な癖があった。
それは、おきねという女に教えられたことだが、
妻の節に、嫌われてしまった。
おきねは -
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火付盗賊改、長谷川平蔵を人は、鬼平という。
おれも妾腹の上に、母親の顔も知らぬ男ゆえなぁ。
という鬼平。
そんな生い立ちから、若い頃にやんちゃをする。
マドンナがいたことが、軌道を変えることになる。
鬼平は、盗人に対する目が、優しく、厳しい。
池波正太郎の主人公は、いずれも勘ばたらきが良い。
その勘ばたらきが、自分の身を助け、盗人を捕まえることができる。
盗人の美学が、堂々と語られるが、それをものともしない輩が出てくる。
時代は、良きものが廃れて行く。
盗まれて難儀するものへは、手を出さぬこと。
つとめをするとき、人を殺傷せぬこと。
女を手篭めにせぬこと。という三カ条が、盗人のルール。
簑 -
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短編集で、珍しく現代を舞台にした作品がある。
そろばん虎之助
剣術で身を立てるには、戦時のときで、
平安無事な世の中では、そろばんが役に立つと虎之助は思っていた。
家老の安達隼人正は、藩を切り盛りしていた。隼人正に妹がいて、
その妹は、出戻りだった。
兄は、虎之助の嫁にしようと考えていたが、隼人正は、殺されてしまう。
実は、虎之助は代々の幕府の隠密だった。
闇討ち十五郎
顔役の赤大黒の陣七に、十五郎は殺しを依頼された。
それは、子供だったが、それに連れ添っていた和尚は、
十五郎を育ててくれた人だった。
十五郎は自分の出生の秘密をしらなかった。
冬の青空
井上圭吉は、喧嘩早い男で、35際にな -
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池波正太郎はいう。「人はよいことをしながら悪い事をし、悪い事をしながら、よいことをしている。」
藤枝梅安は、鍼師で、人の病を治し、『悪いことをするものはいかしておかぬ。』という仕掛け人。というより、死刑執行人。
おもんとに出会い。35歳で、子持ちでありながら、ふくよかな身体。
梅安は、若い娘より、ししおきの良い女が好み。
『起こり』があり、『ツル』があって、仕掛けがある。
梅安は、
料理屋万七のおかみさん おしずを、しかけた。
そして、再び、後妻のおみのの仕掛けを依頼された。
オンナの怖さを綴る。
剣客商売のお春の清々しさを書くためには、
悪女をしっかり、書いて行く必要があるんですね。
それ -
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剣術一つで身を立てる。そんな望み。 そんな漢はどれだけいたのか。 近藤の情熱。土方の謀略。芹沢の野望。 たくさんの思い、それぞれの考え。 新選組は決して一つの同じ方向にベクトルが向いていたわけではないのは、これまでも感じてはいたが、幹部達ではない一介の隊士の思い。そんな脇の方から見た新選組と幕末。 ある程度新選組についての本を読んでいたつもりだが、新八については正直あまり記憶になかった。そんな中心から少し外れた人間から見た組織。時代。 我々が所属する会社であっても、あるいは何かの集団であっても、決してメンバーのベクトルが完全に一致することは有り得まい。それでもどこか集団の目的地へ向かって