池波正太郎のレビュー一覧

  • スパイ武士道

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    池波正太郎らしい時代物。
    筒井藩士でありながら、その実は幕府から派遣された隠密として、スパイ活動をする主人公虎之助の活躍は読んでいて、胸が高鳴った。
    また、それだけではなく、藩の情報を得るために、筒井藩家老に接近して行き、やがては気に入られて、立身出世していくサクセスストーリーとしても面白い。
    ただ、ヒロイン正江の魅力が無いのが残念。ただの考えなしの色情狂にしか見えない…。

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    2013年08月10日
  • 鬼平犯科帳(二)

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    かなり長いシリーズらしいので、読み飽きないように工夫が必要だと感じた。
    たとえば、登場人物の相関図を描きながら読むとか。
    たった2巻目までを読み終わっただけなのに、登場人物の入り混じった関係は、はたして整合性が取れているのかと思ってしまうほど。
    図解してみようかな。

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    2013年08月09日
  • 鬼平犯科帳(一)

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    「剣客商売」を読み始めて、池波正太郎にはまり、並行して鬼平を読み始めた。
    「鬼平犯科帳」のほうが「剣客商売」よりも圧倒的に有名(だと思ってる)なのに、第一巻を読み終えて「???」と感じてる。
    なぜだろう?

    第一巻では長谷川平蔵は脇役で様々な盗賊が主人公のような扱われ方をしている。
    極悪非道の盗賊、人を殺めない盗賊、盗まれたら路頭に迷うような人々からは盗まない盗賊、盗賊の一味同士の人材(?)の貸し借り、などなど江戸の町の様子とともに語られていて、最後は鬼平が捕まえる、という風に進んでいく。
    あまり、鬼平の魅力を感じないのだ(ところどころに人情味のある出来事や他の追従を許さない剣の切れ味などがち

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    2013年07月29日
  • 男の系譜

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    読書期間:7/6-7/19(14日間)

    内容:織田信長が同盟者・徳川家康の長男信康に腹を切らせたのはなぜか。喧嘩相手の頭目・水野十郎左衛門の屋敷の風呂場で殺された番隨院長兵衛はどんな男だったのか。明治維新の立役者・西郷隆盛が新政府と袂を分かったのは何故なのか。戦国・江戸・幕末維新を代表する16人をとりあげ、つねに「死」だけを確かなこととした生き方を、現代日本人と対比させながら際立たせた語り下ろしの雄編。

    感想:池波正太郎初読の一冊がなぜかこれ。なんとなく想像していたより庶民的(親父的)な感覚で面白かった。
    基本、司馬遼太郎から歴史に入った自分からすると、垢抜けない親父の愚痴にみえるが、笑っ

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    2013年07月19日
  • 真田騒動―恩田木工―

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    「信濃大名記」は「真田太平記」、「錯乱」は「獅子」と主人公の目線が違うだけで、ほぼ同じ内容。

    「真田騒動」の主役である恩田木工の実直で誠実な姿のモデルは藩祖の真田信之か?

    治世、経済に明るい人物が重用され始める時代背景がなかなか面白かった。

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    2013年06月24日
  • 鬼平犯科帳(十三)

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    目が寂しくて、疲れた時に、何気なく読むには
    池波正太郎がいいなぁ。
    だけど、この男、物語を紡ぐには、
    優れた能力を持っているネェ。
    私は、図鑑人間でしかない。

    熱海みやげの宝物
    熱海に湯治する平蔵。連れの彦十が、利平治にあう。
    利平治は、仲間割れした盗賊に狙われていた。
    平蔵は、利平治を見込んで、助けることに。

    殺しの波紋
    与力 富田達五郎は、剣術の名手で、活躍めざしい。
    ところが、挙動が少しおかしいと平蔵が勘ばたらきする。
    達五郎は、マイナスのスパイラルに。

    夜針の音松
    松永弥四郎は、変な癖があった。
    それは、おきねという女に教えられたことだが、
    妻の節に、嫌われてしまった。
    おきねは

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    2013年05月01日
  • 戦国幻想曲

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    渡辺勘兵衛の一代記というか、渡辺勘兵衛をモデルにした小説です。史実感は余り無し。講談として楽しく読む分には十二分に面白い。
    しかし池波正太郎はなんで渡辺勘兵衛で長編を書こうと思ったんだろう?題材として選んだ理由がいまいちわからん。

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    2013年04月08日
  • 鬼平犯科帳(三)

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    「長谷川平蔵は泥棒の手伝いをしたことがある」というトリビアにでてきそうな話を含む。

    作者あとがきにあるが、実在の人物なんだと知った。

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    2013年04月01日
  • 鬼平犯科帳(二)

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    鬼平の勘ばたらきが、事件を見通す。
    不自然なわずかな目の動きを見逃さない。
    大盗と呼ばれていても、スルスルと手繰り寄せる。
    鬼平の手練手管は、尋常ではない。
    イヌがよく活躍して、シッポをつかんだら最後。

    いろは茶屋で溺れる木村忠吾は、何とも言えない若さがある。
    お松にほれて、その後、お雪にも惚れる。
    乳首がちじれているとは、どんな風なんだろう。

    女スリ お富のスリとしての快感。
    それが、身を滅ぼす。
    何と言っても、葵小僧がすごい盗賊だ。
    というより、妖怪ですね。

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    2013年04月28日
  • 鬼平犯科帳(一)

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    火付盗賊改、長谷川平蔵を人は、鬼平という。
    おれも妾腹の上に、母親の顔も知らぬ男ゆえなぁ。
    という鬼平。
    そんな生い立ちから、若い頃にやんちゃをする。
    マドンナがいたことが、軌道を変えることになる。
    鬼平は、盗人に対する目が、優しく、厳しい。

    池波正太郎の主人公は、いずれも勘ばたらきが良い。
    その勘ばたらきが、自分の身を助け、盗人を捕まえることができる。
    盗人の美学が、堂々と語られるが、それをものともしない輩が出てくる。
    時代は、良きものが廃れて行く。
    盗まれて難儀するものへは、手を出さぬこと。
    つとめをするとき、人を殺傷せぬこと。
    女を手篭めにせぬこと。という三カ条が、盗人のルール。

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    2013年04月28日
  • 剣客商売六 新妻

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    いつも通り安定の剣客ワールド。
    大治郎の結婚とか家と財宝ゲットとか結構大きなイベントあったけど、それでもなんだかいつも通り。
    茶漬けをすするようにするすると読める。
    それがいいとも言えるし、安定すぎとも言える。
    まぁこの世界がイヤな人はここまで読まないだろうから、これでいいんだろうけどね

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    2013年02月21日
  • 剣法一羽流

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    短編集で、珍しく現代を舞台にした作品がある。
    そろばん虎之助
    剣術で身を立てるには、戦時のときで、
    平安無事な世の中では、そろばんが役に立つと虎之助は思っていた。
    家老の安達隼人正は、藩を切り盛りしていた。隼人正に妹がいて、
    その妹は、出戻りだった。
    兄は、虎之助の嫁にしようと考えていたが、隼人正は、殺されてしまう。
    実は、虎之助は代々の幕府の隠密だった。

    闇討ち十五郎
    顔役の赤大黒の陣七に、十五郎は殺しを依頼された。
    それは、子供だったが、それに連れ添っていた和尚は、
    十五郎を育ててくれた人だった。
    十五郎は自分の出生の秘密をしらなかった。

    冬の青空
    井上圭吉は、喧嘩早い男で、35際にな

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    2013年02月13日
  • 殺しの四人 仕掛人・藤枝梅安(一)

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    池波正太郎はいう。「人はよいことをしながら悪い事をし、悪い事をしながら、よいことをしている。」
    藤枝梅安は、鍼師で、人の病を治し、『悪いことをするものはいかしておかぬ。』という仕掛け人。というより、死刑執行人。

    おもんとに出会い。35歳で、子持ちでありながら、ふくよかな身体。
    梅安は、若い娘より、ししおきの良い女が好み。
    『起こり』があり、『ツル』があって、仕掛けがある。
    梅安は、
    料理屋万七のおかみさん おしずを、しかけた。
    そして、再び、後妻のおみのの仕掛けを依頼された。
    オンナの怖さを綴る。
    剣客商売のお春の清々しさを書くためには、
    悪女をしっかり、書いて行く必要があるんですね。
    それ

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    2013年02月13日
  • 梅安冬時雨 仕掛人・藤枝梅安(七)

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    初めて読む、梅安シリーズだが、
    この作品は、『絶筆』となっている。
    梅安が、三浦十蔵と平尾要之助につけ狙われる。
    三浦十蔵には、おしまが、いつのまにか。
    彦次郎そして、小野十五郎が、梅安の家に。
    梅安は、始めて自分の家を作る。
    どのような展開になるだろう。

    梅安余話
    池波正太郎との対談だが、江戸時代の時代のとらえ方が面白い。
    楽しみとは。男らしさとは。
    人間としてできていて、我欲がない。
    シシオキの豊かなオンナが、美人だった。
    吉原の遊び方も風流だった。

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    2013年02月13日
  • 幕末新選組 新装版

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     剣術一つで身を立てる。そんな望み。 そんな漢はどれだけいたのか。   近藤の情熱。土方の謀略。芹沢の野望。 たくさんの思い、それぞれの考え。 新選組は決して一つの同じ方向にベクトルが向いていたわけではないのは、これまでも感じてはいたが、幹部達ではない一介の隊士の思い。そんな脇の方から見た新選組と幕末。 ある程度新選組についての本を読んでいたつもりだが、新八については正直あまり記憶になかった。そんな中心から少し外れた人間から見た組織。時代。 我々が所属する会社であっても、あるいは何かの集団であっても、決してメンバーのベクトルが完全に一致することは有り得まい。それでもどこか集団の目的地へ向かって

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    2017年08月16日
  • むかしの味

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    池波氏の食エッセイ。昔に通っていた店の紹介。通ぶってない通人だなこの人は。さらりとしててユーモアもあって、かつうまそうな描写。よいね。

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    2013年02月05日
  • 剣客商売十五 二十番斬り

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    ネタバレ

    ますます老いを感じる小兵衛。

    しかし、剣はますます鋭さを増しているようにも見える。
    もうちょっと殺陣のシーンが長くてもいいのになとも思いますが、
    このホドホド感がいいのでしょうか?

    最後の剣客との戦いも読者の想像にお任せするような書き方。

    田沼意次の権勢にも陰りが見え始め物語が収束していく感じを残念に思いながら読み進めました。

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    2013年01月28日
  • 剣客商売十四 暗殺者

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    長編でなかなかに読み応えあり。

    小兵衛はますます老いを感じさせるようになるが、
    性格描写などでそれを表しているのはさすが御大というところ。
    逆に大治郎はますます熟成されてきた感があり序盤の不安定さはすっかり鳴りを潜めてきた。

    時代もすこしずつ進み権勢を誇った田沼意次も失脚が見えてきたし。(次巻ではすでに失脚しているのか?)

    暗殺者の裏切りについて今ひとつ動機が弱いという気もする。
    人づてに聞いた剣客よりも、人が変わったとはいえ昔世話になった人は裏切れなんじゃないの?お侍として・・?

    三冬さんの活躍が少ないのがちと残念なところ。

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    2013年01月11日
  • 鬼平犯科帳(十八)

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    20130105 円熟、話しがドラマチックに思えて、メンバーの生き死にが重く感じられる。
    20140414 仕事に疲れた時に読むと元気になる。どう生きるかが素直に感じられる。

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    2014年04月15日
  • 新装版 忍びの女(下)

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    忍びシリーズ・上下巻
    甲賀女忍びの小たまが主人公
    豊臣家の猛将・福島正則 に視点をあてた内容
    時代は 豊臣から徳川の代に変化する過渡期

    豊臣恩顧の大名 福島正則のその後と
    最後が 哀しくもあります・・

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    2013年01月04日