あさのあつこのレビュー一覧
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おいち不思議がたりシリーズの6巻目。前作から、新吉と祝言を上げ、医者の仕事も続けていく覚悟を持ったおいち。渦の中へと自ら飛び込んでいったおいちの勇気と気概はいつの時代であれ簡単に値する。
毒物混入事件が起きた浦之屋、おいちは祝言の中、父松庵と兄十斗が呼び出されたのをみて、飛び出していく。浦之屋の若旦那の乳母が服毒死したものの15人の命が救われた。そんな矢先、浦之屋の三代目当主・卯太郎衛門が蔵で落ちてきた荷物の下敷きになり大怪我を負う。これもおいちと松庵の外科手術で一命を取り留める。
菖蒲長屋の元住人の巳助がどちらも自分が犯人だと名乗り出るが・・・。おいちの不思議な力で巳助が闇に呑み込まれてい -
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ネタバレ小説を書きたい人はもちろんエッセイ、ブログ、詞、日記、レポートや論文を自分の文章で書きたいと思っている人に向けた作品です。
あさの先生が小説家になられた経緯や昨今のSNS、AIについての個人的見解が書かれていました。
しかしメインは「自分だけの文章を書きたいけど、その方法がわからない…」「自分の言葉で書きたいのに言葉が思いつかない」と悩んでいる人たちに向けて自分の心にある感情や思い、見たこと、感じたことを文章で表現できるようにするための訓練法についてです。
字で物事を描写する、漫画や絵画におけるスケッチのやり方が大変勉強になりました。
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Posted by ブクログ
あさのさんの作品の中では、珍しく明るさのある作品。今回も道場の師範代の源之丞と夫婦漫才のようなやり取り、母親との家事の手伝いとのやり取りなど満載でホッコリさせられる。
また、捕物に絡む事件帖なのだが悲惨な殺人等が少ないので安心して読める。今回は他の人には価値が低い品物のコソ泥のような事件がキッカケ。剣道が達人の域に近いおちえも、寝ている内に枕元の竹刀を盗まれた。おちえ以上に腕利きの一居も気づかない伝説の泥棒か?
それが、おちえの父親の最高傑作である刺繍の縫箔が、納入先で盗難に会う事件に結びつく。さらに、ある日、その縫箔が死体に掛けられて見つかる。誰が何の目的で実施したのか。おちえと一居と岡っ引