野﨑まどのレビュー一覧
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ネタバレついに「2」を読み終えた。
ド嬢と、ある方のブログで知り興味を持ったシリーズ。十分楽しめたし、物足りなくもあった。
まず、非凡な作家野崎まどに出会えたことは素直に嬉しい。緩さと真面目、トボケとシリアスを混ぜ合わせ、特異なキャラクターで読者を翻弄し、慣れたところでひっくり返す。本作では、最後に読者を置き去りにしているぐらいだ。深くまで踏み込まずに知識でハッタリを利かせる。ここが巧みであり、物足りなさでもあるところ。
シリーズの登場人物とまた会えた喜びがある一方、みさき、紫、在原あたりの小物化扱いはどうだろう。全ては最早ありきで、この人物の凄さを証明するための道具になってしまってる。ただ、過去作でも生み出したキャラクターに執着しない作家だったな。
最早は人間より高次の頭脳も持つ者なんだろう。人間の倫理観や感情で判断はできない。最後の超展開も、最早には矛盾も無駄も感傷さえないのかもしれない。
創る人間の考えることは、映像なら観る人、小説なら読む人。「最高に面白かった、でも最───っ低だったよ」と思わせるために創作したのかな。
なんだかんだ言って総合的に満足。 -
Posted by ブクログ
アムリタの頃とはもはや作家としてのステージが違いすぎる。
題目によって熟考し(本書においては、自殺、死、政治、法律、権利、人の在り方等大きく纏めると善悪について)、著者なりのイデオロギー、または問い。物語性を持たしたうえでそれらを我々に顕示している。私たちは考えなければならない。
小さなコペルニクス的転回があった。
私は自殺について、最初は物語にでてくる世間一般の答えしか持ちあわせていなかった。
ただ今は違う。それをここで遺すほどのことでもない気がするので割愛するが、著者の出した答えにも納得している。続くことが善、終わることが悪。
そう定義してみると、あらゆることがしっくりとはまる感覚がある。思考にもエネルギーがあるのだから、子孫を残したとして終わりではなく、無為に思考を巡らせるだけでそのエネルギーは量子となり、茫洋たる宇宙を永遠に彷徨うのならばそれも小さな善なのだろう。
長生きをしようと私は思った。
あらゆることを考えさせられた本書は小説というジャンルだけに留まっていない良書であった。
感謝している。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ天才、最原最早と出会い、主人公が彼女らと1つの映画「月の海」制作に取り組む。主人公は学内サークルの画素さんに想いを寄せていたが、最原最早の言動に振り回されながら映画作成に打ち込んでいくうちに、知らずと最原最早に焦点が当たっていく。「最原最早の作る映画には魔力がある」そんな言葉が、実感をもってじわじわと主人公を捕えていく。絵コンテを56時間ぶっ通しで読み続けてしまった描写、カメラを向ける画素さんを気絶させてしまう演技、そして映画「アムリタ」の絵コンテから繋がる謎。彼女は何を目的として、誰に見せるために月の海の制作をしたのか。最後の怒涛の伏線回収までの流れは目を奪われるような展開で、一気に物語の核へと迫る。物語のゴールでは、究極の結末を知った主人公が映画を見る前に、きっとこの映画も面白いだろう、と思う場面で終わるところが印象的だった。ネタバレにはなるが、記憶を消す・別人格に取り替える=殺人、とは普通繋がりにくいが、丁寧な描写から最後の主人公の様子は死にゆく前のそれであった。自分だったらあのシーンで何を思うのだろう、そんな事を考えさせられるようないい読後感だった。
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Posted by ブクログ
小学校3年連続学級委員を務め、4年生になりまたも候補となる中学受験を見据えた、
「理桜」とその仲の良い友達の「ややや」と「柊子」、先生の依頼で、
ある理由から登校拒否している「さなか」にプリントを届けるよう頼まれる
ところから始まる不思議?な交流の物語。
さなかが登校拒否をする理由や、さすがにまっとうな理由があっても、
生きてきた年数から経験不足で勉強だけではカバーできない部分など、
読み進めていくうちに、さなかとそれを少し鬱陶しく思っていた理桜との
関係が変わっていくのだが、急展開が訪れ、びっくりする展開が待ち受けていた。
同作家の「2」という作品へとつながるとされる5冊の作品の中の1つ。