野﨑まどのレビュー一覧
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シリアスな書き口が人の心を掴み、ギャグであることをつい忘れてしまう。そういうやつだ。
この短篇集の大部分は読んで楽しい見て楽しい一発ネタなのだけど、そういうギャグの合間に新感覚をぶちこまれると凄いと錯覚してしまう。エロ漫画に1話だけいい話があるとなんか感動しちゃうような、そんな感じの。そうに違いない。俺は騙されてなどいない。でも野崎まど劇場2が出たら買う。
特に元魔法少女女将とライオン部が背筋にぞわりと来る逸品だった。前者は魔法があると匂わせておきながら魔法は一切使わない、でも元魔法少女という設定にとても意味がある。そういう人だったから魔法少女をやっていたのだし、それが出来るくらいに女将 -
Posted by ブクログ
ネタバレウサギさんがかわいい。まずそれ第一。
喋るうさぎさんに出会ったゆかりという主人公はうさぎさんとともにいろんな人の縁を結んだり切ったりしていくというお話。
独特なのが異物であるうさぎさんに頼りきっていないところ、行動が自分の考え中心でうさぎさんはサポート兼愛玩動物として活躍。
正直この設定は盛り上がらないなと読みながら思っていたのだが、西院さんのエピソードに入ってからはむしろそれが活きたシーンが増えて見ごたえがありとても気に入った。慌しくない世界観の中での二人は名コンビだと思う、見ていて暖かくなる。
2巻も所持しているので早速読み進めたい。 -
Posted by ブクログ
野崎まどの名に惹かれて購入。アニメは未視聴。
女性の身体、特に乳房に複雑なる感情を抱く青年が、人間であることから離れ、初めてのドール・イヴを作るまでの話、だと思う。だと思う、と書いたのは、後半は推測でしかないから。人間らしい生き方を教えてくれた親友と好意を抱いた女性から離れ、高次元の思考を持つがまともな人間とは軸がずれている青年と女性生成を目指す。まるで太宰治の人間失格を読んだかのように、自らの異常性の吐露と人間になろうとしてならなかったことなどが書かれる。アニメも見たくなったが、この小説にあるような重厚で秘めたような、ともすれば暗い告白をするような雰囲気はないのだろう。明るい女の子達のキャ