野﨑まどのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
先日『水曜日のダウンタウン』という番組で、ペットと一緒にドミノを並べられるかという企画が、放送されていました。
ドミノの完成には、きちんとペットがコントロールできるかがミソです。ペットが勝手に歩き回ればせっかく並べたドミノは倒れてしまいます。
挑戦者たちはそれぞれ苦労しながら、ドミノを並べて行くわけですが、その分完成したドミノを倒すときの快感は、ひとしおではないかと思うのです。
苦労して積み上げたものを終わらせる快感……。これって小説にも応用できるように思います。ミステリの叙述トリックなんかは、読者が積み上げた世界をぶち壊します。
そして、この『バビロン』。叙述トリックではあ -
Posted by ブクログ
「いつからこの小説が、ただのミステリーだと錯覚していた?」
この小説の感想を書こうと思ったとき、まずこの言葉は書いておかないといけない、と思いました。いや、もうホントにこれはヤバイ。
一巻を読み終えた段階で、この小説はヤバイという匂いがしていましたが、二巻に至ってそのヤバさが爆発します。
そのヤバさの中心にいるのは、もちろん曲世愛。不可思議で邪悪な女、というのは一巻で感じていたのですが、彼女はもはやそんな言葉では収まりません。
神話の世界にセイレーンという、海に住む化け物がいます。その歌声を聞くと船員は惑わされ、遭難や難破してしまい命を落とすそうです。
曲世愛は文字通りのセ -
Posted by ブクログ
何もかもが規格外、という褒め言葉がふさわしい作品。素晴らしい小説には、人の精神を高揚させる力があることを、読者自身の身をもって教えられることになるだろう。
前巻のあの終わりを引き継いで、次の巻がいきなりアメリカから始まるというのが、まずもってぶっ飛んでいる。正崎の登場を期待する読者にさっそくの先制パンチというわけだ。
何事もなかったかのように、淡々と。長い分量を割いて、アメリカの登場人物の描写が始まる。その描写や演出ひとつ取っても、憎らしいほど丁寧に書かれている。やがて、自分が知らず知らずのうちにこのアメリカ人たちに感情移入していると気づく頃、満を持して現れる正崎のかっこよさといったら。