野﨑まどのレビュー一覧
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AIが全ての仕事を担い、人類は仕事から解放され好きなことだけをして生きていける世界。そこで、「機能低下に陥った人工知能コイオスのカウンセリング」という仕事を与えられた主人公がコイオスとの対話を通して仕事とは何かを解き明かしていく。私は仕事とは何かという問いを読み進める中で常に考え続け、影響を与えること、そしてその影響を知ることという答えに非常に共感を覚えた。と同時にどこか呆気なさを感じてしまった。それはこの答えは決して新鮮味のあるものではなかったからだ。仕事の本質を理解しながらも、日々忙殺され、目の前にあるものをこなすしかないのが現代人であると思う。影響を与えた先には直接的にも間接的にも必ず他
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ネタバレ天才、最原最早と出会い、主人公が彼女らと1つの映画「月の海」制作に取り組む。主人公は学内サークルの画素さんに想いを寄せていたが、最原最早の言動に振り回されながら映画作成に打ち込んでいくうちに、知らずと最原最早に焦点が当たっていく。「最原最早の作る映画には魔力がある」そんな言葉が、実感をもってじわじわと主人公を捕えていく。絵コンテを56時間ぶっ通しで読み続けてしまった描写、カメラを向ける画素さんを気絶させてしまう演技、そして映画「アムリタ」の絵コンテから繋がる謎。彼女は何を目的として、誰に見せるために月の海の制作をしたのか。最後の怒涛の伏線回収までの流れは目を奪われるような展開で、一気に物語の核
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小学校3年連続学級委員を務め、4年生になりまたも候補となる中学受験を見据えた、
「理桜」とその仲の良い友達の「ややや」と「柊子」、先生の依頼で、
ある理由から登校拒否している「さなか」にプリントを届けるよう頼まれる
ところから始まる不思議?な交流の物語。
さなかが登校拒否をする理由や、さすがにまっとうな理由があっても、
生きてきた年数から経験不足で勉強だけではカバーできない部分など、
読み進めていくうちに、さなかとそれを少し鬱陶しく思っていた理桜との
関係が変わっていくのだが、急展開が訪れ、びっくりする展開が待ち受けていた。
同作家の「2」という作品へとつながるとされる5冊の作品の中の1つ