あらすじ
周りのみんなより、ちょっとだけ頭がよい小学四年生の理桜。担任の千里子先生からも一目置かれている彼女は、ある日、不登校の少女 「さなか」 の家を訪ねるようにお願いをされる。能天気少女のややや(注: 「ややや」 で名前)や、引っ込み思案の柊子とともに理桜は彼女の家に向かうが、姿を現したさなかは、なんと早々に大学での勉学を身につけ、学校に行く価値を感じていない超・早熟天才少女であった。そんな彼女に理桜は、学校と、そこで作る友達がいかに大切であるかということを説くのだったが……果たしてその結末は!? 野崎まどが放つ異色ミステリ、まさかの小学校編登場!
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
いやぁやられた。完膚なきまでに騙された。百合寄りの青春小説なのかと思いきや……。
ヘンテコな名前の登場人物たち、そうはならんだろ、と言いたくなるような設定が、どういうわけかピッタリとはまる。これ以外の形をここに当てはめようとすると退屈で欠伸の出る代物に化けてしまう。
266頁という短さながら中身は濃厚で、詰められたものは濃密だ。この分量がほどよい。これ以上長かったり、短かったりしたらテンポが狂ってしまう。寸分の狂いもない完璧な物語だ。
Posted by ブクログ
●「友達」をテーマにした小学生の青春コメディという感じだが、中盤から雲行きが怪しくなり、ラストの超展開で圧倒された。この著者の作品の中で、一番の傑作だと思う。
Posted by ブクログ
凄すぎて笑えてくる。とてもじゃないけど、無表情じゃ読めない。この感情をどう表現すればいいのか、うんうん頭を悩ませて考えた結果、「大興奮」。とにかく、私は今猛烈に興奮している。でも、やっぱり初期4部作も読んでからいい。
Posted by ブクログ
好きな作家繋がりで読みました。
今回は友達がテーマ。読んでいていろいろな感情が揺さぶられました。
普段何気ない友人について、小学生にして数学者からの考察、論点に改めて友人・親友に対して深く考えさせられました。 小説って凄いなと強く実感。
Posted by ブクログ
『友達』って必要?『友達』って何?と思っている人におすすめ。そして、日常『あの人友達かな?』と疑問に思うことがある人にもおすすめの本。
私が今まで周囲に感じたことは、『友達』の定義は人それぞれで、幅広いなぁということ。
私自身『友達』と『親友』は違うものと思っているので。
野崎まどさんおもしろい作家さんだと思います。初読みでした。
Posted by ブクログ
面白かった。これは読み応えがあった。
読ませられたかのようだった。
友達について。解の無い解を導き出した。友達は素晴らしいものだと。
そして今回も例に漏れず超常だった。
しかもあの一族が関わっていた。これは納得するしかない。
Posted by ブクログ
野崎まどの攻撃5発目
あぁ、やっぱり………と読み終えて思う
この作者完全に狂ってる…………
アムリタから順に読め
他に感想なんていらんだろうし、野崎さんも求めてないだろう まいりました 表紙詐欺の展開
(終章、2へつづく)
Posted by ブクログ
小学校3年連続学級委員を務め、4年生になりまたも候補となる中学受験を見据えた、
「理桜」とその仲の良い友達の「ややや」と「柊子」、先生の依頼で、
ある理由から登校拒否している「さなか」にプリントを届けるよう頼まれる
ところから始まる不思議?な交流の物語。
さなかが登校拒否をする理由や、さすがにまっとうな理由があっても、
生きてきた年数から経験不足で勉強だけではカバーできない部分など、
読み進めていくうちに、さなかとそれを少し鬱陶しく思っていた理桜との
関係が変わっていくのだが、急展開が訪れ、びっくりする展開が待ち受けていた。
同作家の「2」という作品へとつながるとされる5冊の作品の中の1つ。
Posted by ブクログ
ある現象について、Aという説明とBという説明が同時に成立しうる状態、そしてそのどちらの説明にも同じくらい納得できないところがある。そんな「答え」がミステリの答えとして提示されてしまうのには、なんだか不思議な心地よさがある。”友達”もまた、きっとそんな概念なのだろう。
Posted by ブクログ
【デジャヴをみているような現実の中で】
あ、これはあれだ。と思う場面があって、でも。なんだろう。天才ってのは、いや。作り物の天才ってやつは、本当に面倒くさいやつなのだ。
私たちの毎日は常識の中で作られていく。たった1つの非常識が、日常を非日常に変えてしまう。
こんなことはありえない。そうだろうね、たしかに。普通ならありえない。でも覆せる。朝のこない世界も、人間がいない地球も作れる。死んだ人間だって蘇る。普通じゃなければ。
さて。オセロ版を真っ黒にできる方法を一緒に考えようか。
Posted by ブクログ
ワシの名前は「友作」だが、文字通り、友達を(たくさん)作れる人、的な思いが込められている。幸いなことに今のところ名前負けをしていない自分では思っているが、もちろんワシだって「友達」を完全に論理的に説明することなど出来ない。だが本作の主人公はそれに挑み、その結果、逆説的に非論理的である友達の本質を悟る。女子小学生のフィルターを通したその著者の一連の思考はとても共感できた。マジックリアリズムと成長物語を足して回りくどい表現を使った、敢えて言うなら森見登美彦氏っぽさもある物語で、大変好み。
Posted by ブクログ
廻りより少し頭のいい少女理桜。
担任の先生より不登校の子の家を訪ねるようにお願いされる。
しかし、不登校の少女は小学生にして大学の学問を身につけた超早熟少女であった。
彼女に学校と友達の大切さを説くのだったが…。
野崎まどさんの作品はこれで3冊目になりますが、面白いですね!
序盤はシュールな笑いでテンポよく進んでいって、中盤からの大展開でまったくどこに着地するかわからない。
シリアスにいったかと思ったら、またボケる。
ホントにつかみどころがありませんね。
ちょっとくどく感じる部分もありますが、この人の作品の味なんでしょうね!
序盤の校長先生の件とまほうつかいの件は吹きました(笑)
Posted by ブクログ
10歳だけど飛び級して博士号を持っているような数学者が同年代の小学生のグループに入ったら、何を思いどこに辿り着くのか?というお話。
この著者の本は2冊目だけど、先端の科学技術や理論を利用することであらぬ方向に物語が展開していくのはおもしろいな。
Posted by ブクログ
不思議な作家だなあ、野崎まどって。
一筋縄ではいかない作風で、
いわゆる「ラノベキャラクター」がボケとツッコミを
しているだけの小説ではない何かがあって
不思議な魅力に惹かれて「気になる作家」扱いしてしまう。
読みやすいのでスルスルと読んでいると
気がついたら作者の仕掛けた落とし穴の上に乗っかっていて
ヒューと落とし穴に落とされてしまうような読み味。
とはいえ、さすがにキャラクター同士のツッコミの応酬は
ついていけないものもあったりする。
Posted by ブクログ
「さすが、野崎まど!!」 いやぁ。これは一本取られた。普通の少女達が友達になろうという話。そこからこういう展開に持っていきますか!! 181ページは鳥肌が立ってしまった。
しかし明らかに風呂敷を広げすぎた感はある。そのため着地点に疑問を呈したいが、総評としては良作でしょう。☆3.5くらいかな。半分☆はないので、☆4つで。
Posted by ブクログ
友達と奇跡と技術の話。友達とはなにか。発売当時に登場人物の名前とロリータアンテナに導かれて表紙買いしておきながら積読、他の野﨑作品に触れたのち立ち返ってようやく読めた、思い出深い作品。結果的にこの作戦は功を奏し、唐突なギャグにもめげず円滑に読み進めることに成功した。過去作に輪を掛けて新人作家がデビュー作でやったら賛否両論呼びそうなギミックではあったが裏切り方が良かったので別にいいや
Posted by ブクログ
面白かったです。良い小説だった。
野崎まどの今までの小説の中で一番ラノベっぽいノリ。
友達というものについて拗らせている僕にとって、一つの指標を示してくれるような本だった。
友達というのはシステムだという、さなかの考えと似たような考えで僕の思考は止まってたので、読んで良かった。
ここにきて、野崎まどの著作同士がリンクし始めたので、野崎まどを読みたい方は刊行順に読んでいった方が楽しめると思います。
アムリタがやはり原点だったのだろう。
ただ、繋がっていると考えるとこの話は嫌な話に思えてくる。単体でみたらとても良い小説です。
野崎まど、本を出版するごとに成長を感じさせられる。
Posted by ブクログ
「友達とは何か」という児童文学的テーマをハイレベルな知能で検証する不思議な作品。
機本伸二氏の作品と少しイメージがかぶるけど、野崎氏らしい個性的な作品だと思う。
Posted by ブクログ
※当時のレビューです。
過去4作品と比べて、
一番ライトノベル風な作品だったと思います。
表紙的な意味でもw
キャラが小学生ってのがでかかったのかな?
今までの登場人物はみんなおっきなお友達でしたからねえ…
そして過去4作品と比べて、
一番尖ってない作品。。毒の薄い作品だったと思います。
まど作品の魅力と言えば、尖ったキャラと、軽快なコントと、
読者を嘲笑うような衝撃の展開だと思うのですが、
今回の一番の衝撃は本編じゃないというww
しかも、過去のあの作品を読んでない人には
この衝撃は伝わらない…
でも逆に物語の美しさは過去作品の中でも上位。
キャラもコントもかなり良かったですし、
作品としての満足度ではかなりですねw
でもまどの毒にやられてる信者としては、
もっと尖ったオチでも良かったんじゃないかなとか、
勝手なことを思ったりもします。
だんだん丸くなってきてる気がしなくもないw
今思えば[映]アムリタの台無しなエピローグも、
納得いかないけど今は好きな気がします←
あれがなけりゃ身内内で話題にもならなかっただろーしねw
とりあえず次回がいつになるのか解らんけど、
気長にお待ちしておりますw
Posted by ブクログ
最初は、小学生を主人公にした日常系な作品かと思ってたけど、途中から、急速に話の展開が面白くなり、一気に読んでしまった。世界が滅亡の危機に晒されるわけでもないし、ましてや主人公が魔法少女になるわけでもない(一人されてたか)。ただ、友達が出来る。それだけの話かもしれないけど、読後感が爽やかでとても暖かくなりました。
Posted by ブクログ
アムリタの登場人物、天才・最原最早の小学4年生時代の話。友達とは何か?を追求していく天才児の、友達を作る・死に別れ・再会(ホントに魔法か?トリックか?)といったイベントを経つつ、「友達は人生を豊かにする」という事を体感していく話。途中の軽妙なやりとり、オタっぽい記述が面白い。
Posted by ブクログ
夜中の2時から5時にかけて脳汁の赴くままに一気に書き上げたかのような序盤を経て、一つの概念を突き詰める作者お得意の敷衍から中盤の解に至ってもまだ弱く「あれ?今作は凡庸か?」と思わせてからの終盤のメタミステリじみた展開。余韻を残しつつの幕引きは、本作が一種の幕間劇であることを告げているのか。
Posted by ブクログ
今回の主人公は冷静なボケにハイテンションにツッコミキャラです。そういった意味で「アムリタ」を彷彿とさせるキャラなのではあるんですが、最後の最後にそのキャラが「アムリタ」っぽいのかが分かります。思わずニヤリとしてしまいましたw
Posted by ブクログ
去年の今頃に積読にしたものです。
小学生らしくない話でしたが、すらすら読めました。
学校に行く意味を、大学まで卒業して、友達がいない9歳に教えようとする、正義感たっぷりの、クラス委員とのバトル?でした(笑)
実際、友達いないと学校行きたくないですしね(笑)