野﨑まどのレビュー一覧
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ネタバレ野崎まどさんのデビュー作品を読むことができました。野崎まどさんを知るきっかけになった「バビロン」三部作へと繋がる片鱗が伺えました。
人間という生物を科学者の目線で眺めた上で、閾値を超えた人間が及ぼす影響を観察しているような作品です。主人公は読者寄りの人間で、いわゆる多数派の人間の目から、超越した人物と接していきます。主人公と一緒に、閾値を超えた人物のことをなんとか理解し、解釈していくプロセスに引き込まれていきます。時にコミカルな面もあり学園恋愛物語の展開に、読者としてはいろいろと気になることになり、ページが止めることなく最後まで導かれていくのです。
本書に登場する絵コンテのごとく、野崎まどさん -
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冒頭から、これは2巻の続きなの?と思うほど、場所も登場人物もがらりと変わっていました。
日本国内の新域で始まった波紋は、世界をも飲み込んでいくことになります。
スケールが大きくなった舞台で、綿密に積み上げていく展開に多少の苛立ちを感じつつも、読み重ねていきます。物語の終盤に差し掛かると、急発進するスポーツカーのような加速が加わり最後のページに向けて怒涛の展開に立ち会うことになりました。
本書には続きがあるかもしれないと思わせる終わり方です。
今まで読んだことのない類の小説でした。著者の野崎さん、もしも、続きを考えているいらっしゃるなら気長に待っていますので、ぜひ前向きにお考えください。
さ -
Posted by ブクログ
本書を読み終わって、放心状態のまま感想を書いていたのですが、マウス操作を誤って全て消去されてしまって、さらに放心状態が重なっています。かなりの長文を書いていただけに、思わず声を出してしまいました。夜の10時を過ぎていますが、別室でまだ仕事をしていたカミさんにも「どうした?」と驚かれ、迷惑をかけてしまいました。
本書は、「死」についてと、「正義とは何か」と「悪とは何か」についてをテーマにした小説です。こんなテーマで小説を書きなさいと言われても、本書のような作品には到底及ばない自信があります。私の想像を大きく超えた物語を突きつけられました。
本書で展開される出来事は、冷静に考えると荒唐無稽と言える -
Posted by ブクログ
[映]アムリタ シリーズの2作目。
野崎まどさん、ちょいちょい考えさせる事言いますね………ー→ ( ˙-˙=͟͟͞͞)!!
『[映]アムリタ』めちゃめちゃ面白かったので、期待大で読みました!
結果、こちらも負けぬ面白さ!!
ジャンルはSFなのかなぁ。
『[映]アムリタ』のシリーズだそうなのですが、続編という感じではないです。
舞台も登場人物も違うので、この話から読み始めても大丈夫。
連根山という山中にある叔父の屋敷に呼ばれ、そこで出会う不思議なお面少女とのお話。
第二次大戦以前に富を得た先祖から残された遺言、謎の箱、謎の岩、そして謎のお面少女…。
お面の少女は誰なのか
な -
ネタバレ 購入済み
情報とは?を考えさせられるSF
電子葉を埋め込み、情報を格段に操る人が増えた社会。その電子葉を生み出した天才常イチ。
彼は何を考えていたのか。彼が育てた知ルはどうなったのか。情報の捉え方やこの情報化社会が突き進む先、処理能力の違いがどう影響するのか。この話から考えさせられることは多い。面白い。
情報と宇宙論、神話との結びつけ方も興味深かった。あたり作に出会った。 -
Posted by ブクログ
ネタバレびっくりするくらい一瞬で読み終わってしまった…。さらっと読めるのにものすごく面白いし、心に残る素敵なお話ばかりでした。
この小説自体が面白いのはもちろんのこと、何より文章が本当に面白いんです! 電車の中でふふっと笑ってしまいそうになりました。
メガネをくいっと上げる以外仕事しない綾小路くんが好きすぎる…。本当にこれ以外ほぼ何もしていなかったのに、すごく印象に残っています。
表紙や各章の始めのページに、お話に出てきたいろいろな物が描いてあって「あれ!?」ってなりました。だからプリンセス・パールちゃんの可愛さに私も気づけてよかったです。
前半はわりとほのぼのしながら読めたのに、後半は急に感動するよ