野﨑まどのレビュー一覧

  • 死なない生徒殺人事件 ~識別組子とさまよえる不死~

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    ネタバレ

    このウィットに富んだ軽めな感じ、好きだな。他の野崎作品も読んでみたいと思う。「死なない&殺人」といえば、山口雅也『生ける屍の死』を連想するけれど、あちらはもっと重い話だったような。古典落語を知らないので「猫の皿」には落語の醍醐味みたいなものを感じ、「うまい」と思わず膝を打った。バーベキューで天名が伊藤のために肉を取りに行ったくだりや、中等部寮と高等部寮の横断幕でのやりとりが最高にウケる。声を出して笑ってしまった。変換ミスみたいな笑いはかな漢字変換の登場によって作りやすくなったのかもしれない。昔は作家の頭のなかだけが頼りだったのかと。でもこれは出てこないな。「銚子全摘(超自然的)」「チョーカー学的(超科学的)」。天名のキャラと相まっていい感じ。

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    2019年08月12日
  • バビロン2 ―死―

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    ミステリ。シリーズ2作目。
    これは…ミステリなのか?
    ラスト40ページは、エグい。
    大好きです。

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    2019年05月22日
  • バビロン2 ―死―

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    飲む劇薬?
    いいえ、これは「読む劇薬」。

    正義と悪、検察官と"悪女"の話。

    恒例のジャケ買い(※運命的出会い)で出会った1冊。
    なぜか私の"引き"がいいのか……価値観をひっくり返す、けれど納得の1冊に出会ってしまった。

    かつて、こんなに絶望する小説が存在しただろうか。

    男をたぶらかしたり、裏切ったり。でも少し可愛げのある…そんなキャラクターとしての"悪女"観は黒く塗り替えられた。

    これぞ本物の"悪"。

    そして作品の重要なテーマとなるのは「自殺」について。
    中盤、1つの新法を巡り、様々な思惑が交錯する展開。
    最初は絶対ダメ!(…やっぱダメだよね?)と思ったけど、話や状況が進んでいくと、
    「……た、確かに、確かに、確かに…ああああ確かにぃぃぃ」
    後半は「確かに」しか口から出てこない!

    そしてラストにかけて…
    恐怖の女「曲世愛」の魔の手が、読者の私の脳をも犯す。

    手が震える。絶望が止まらない。嗚咽。めくりたくない。イヤダイヤダイヤダ。読みたくない。吐きそう。うっ…もうだめ。一旦休憩………これもうあと一文字でも読んだら吐く。ウギャアアアウボロロロロ。もう本ちぎる!ちぎるよ、捨てる!捨ててやる!読みたくないんだからあああああぁもう目も当てられない!!今以上の絶望なんてあるわけない。さすがにフィクションだし救われるよね?!最後は…みーんな幸せになるんだよね?!(白目)誰か…誰か。お願いだから救われて…誰か彼らを救っ………うわあああああ#@☆$%○々→¥€〆〒%◎★いやだやめてお願いだか…ぁぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!

    苦しい…苦しい……
    ひいいいいなんて作品だこれは……!
    (読む劇薬なんてよく言ったもんだな!)

    直接的な表現を使っているわけではないのに、生々しく伝わってくる「死」と「恐怖」。

    いつのまにか彼に憑依するように、私もこの主人公とともに叫び、鼓動し、絶望し、泣いた……

    そして本当に絶望的なのは…
    この絶望がまだ終わらないってこと…!

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    2019年01月05日
  • BLAME! THE ANTHOLOGY

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    劇場版が面白くてノベライズを探していたけれど、このアンソロジーもとても面白かった。
    設定資料集とか関連資料を探して読みたくなる気持ちが分かる気がする。
    原作を読みたい気持ちも高まった。
    181103

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    2018年11月03日
  • バビロン3 ―終―

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     先日『水曜日のダウンタウン』という番組で、ペットと一緒にドミノを並べられるかという企画が、放送されていました。

     ドミノの完成には、きちんとペットがコントロールできるかがミソです。ペットが勝手に歩き回ればせっかく並べたドミノは倒れてしまいます。

     挑戦者たちはそれぞれ苦労しながら、ドミノを並べて行くわけですが、その分完成したドミノを倒すときの快感は、ひとしおではないかと思うのです。

     苦労して積み上げたものを終わらせる快感……。これって小説にも応用できるように思います。ミステリの叙述トリックなんかは、読者が積み上げた世界をぶち壊します。

     そして、この『バビロン』。叙述トリックではありませんが、この本も積み上げたものを終わらせる快感を、野崎さんが追い求めたからこそできあがった作品なのではないかと思います。

     自殺法を巡って世界が揺れる中、開かれた世界サミット。各国の大統領や首相がそれぞれ想いを一つにし、ある問いとその答えを探し求めます。

     この問いに対する答えを出すまで、作者の野崎さんはかなりの思考実験をしたと思います。そして、そのたどり着いた答えを一瞬で無に帰してしまう絶望……。

     バビロンの一巻の帯に「神か、悪魔か、野崎まど、か」という言葉があります。作中の登場人物たちは曲世愛に、そして自分たち読者は、野崎さんの掌の上で、希望を見たかと思いきや、希望を見た分より深い絶望に突き落とされるのです。

     これってまさに神の戯れ、あるいは悪魔の所業という感じがします。そう考えると、あの帯の言葉も決して言い過ぎということはなかったのだな、と感じてしまいます。

     ここまでくると気になるのは、話の収束点。世界まで広がった絶望の物語はどこへ向かうのか。野崎さんの手腕がものすごく問われそうな次巻になりそうです。

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    2018年08月02日
  • バビロン2 ―死―

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    「いつからこの小説が、ただのミステリーだと錯覚していた?」

     この小説の感想を書こうと思ったとき、まずこの言葉は書いておかないといけない、と思いました。いや、もうホントにこれはヤバイ。

     一巻を読み終えた段階で、この小説はヤバイという匂いがしていましたが、二巻に至ってそのヤバさが爆発します。

     そのヤバさの中心にいるのは、もちろん曲世愛。不可思議で邪悪な女、というのは一巻で感じていたのですが、彼女はもはやそんな言葉では収まりません。

     神話の世界にセイレーンという、海に住む化け物がいます。その歌声を聞くと船員は惑わされ、遭難や難破してしまい命を落とすそうです。

     曲世愛は文字通りのセイレーンでした。ミステリの枠を超え、曲世は人の命を喰らい続けます。終盤の絶望感は、もはや言葉では表現できません……

     曲世の陰に隠れがちですが、この巻のテーマである自殺の是非についても色々考えさせられます。この巻のもう一つのハイライトは、自殺法の是非を巡っての討論番組。

     各党の党首が倫理面、経済面などあらゆる側面から自殺法を否定します。しかし、それを凌駕してくるまさかの展開……。この展開を持ってくることができるのも、野崎さんの奇才ぶりを見せつけているように思います。

     もはや化け物と(僕の中では)化した曲世をとめることは可能なのか? そして、曲世と自殺法は世界に何を求めているのか。話は三巻へと続きます。

     

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    2018年08月02日
  • [映]アムリタ

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    ネタバレ

    何て不穏な話だ。映画で人格を殺したり、精神を自由に出来るという発想。読みやすくて、どんどん読んでしまう。面白かった!

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    2018年07月02日
  • パーフェクトフレンド

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    好きな作家繋がりで読みました。

    今回は友達がテーマ。読んでいていろいろな感情が揺さぶられました。

    普段何気ない友人について、小学生にして数学者からの考察、論点に改めて友人・親友に対して深く考えさせられました。 小説って凄いなと強く実感。

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    2018年04月21日
  • 2

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    いい意味でとんでもない作品。

    スラスラ読める文面でアッという間に読破してしまった。 自主映画を作ったことがある人は感情をこれでもかと刺激されます。

    なんども固定概念が壊されました。 このオチは絶対読めない。

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    2018年04月21日
  • バビロン1 ―女―

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    予想の斜め上をいく壮大な構想に、ただただビックリ。
    まったくのフィクションでありながら、じわじわと人間の本質を問うてくるような筆力に脱帽。

    緻密に練り上げられ、しかも予想をことごとく外してくる展開の上に、キャラには軽めテイストを配するバランス感覚。

    すごい、この人天才かも、と久々に思わされた作家。

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    2018年04月11日
  • バビロン3 ―終―

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    バビロンの由来が明らかになり、沈黙の艦隊を思わせるサミットの論戦はニケーア公会議の様相を呈した後、魔界水滸伝か百億の昼と千億の夜か、という領域に。
    新域は原潜「やまと」と同様、人類に根源の問いを突き付ける。

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    2018年03月25日
  • バビロン3 ―終―

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    本作はⅡまでと比べ形而上学的な思考を要求される。正義とは何か、自殺は悪か、を問い続けてきたシリーズは遂に「善」そのものの定義に向けて動き出す。癖のある各国の首脳達は誇りと主義の下、サミットの場で意見を戦わせる。読んでいく内に彼らが好きになってくる。先導する今回の主役アレックスは感情移入しやすく馴染み深いキャラクターであり、同時に善性を象徴するかのような鍵となる存在。アレックスやシリーズ主人公の正崎が「善」の答に辿り着こうとする時、今回もまた絶望が待ち受けている。気付くと「最悪」を待っている自分がいる。

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    2018年02月01日
  • バビロン2 ―死―

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    読み手を圧倒的に絶望させる作品。あらゆる手で希望を摘み取る手法は感情移入することを躊躇わせるほど。自殺法をめぐる世論を動かす大勝負は、善と悪をの定義を考えさせるが、その裏ではまたしても「女」が悪意を振りまいている。前作よりもスピーディかつ抑揚のあるストーリーは相変わらず面白い。しかし今回はなかなか・・・・・・これ、もう勝てないのでは・・・・・・

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    2018年01月28日
  • バビロン3 ―終―

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    過去2作の主人公から離れて新キャラ目線で進む巻。序盤、今までのショッキングさは影を潜めていて、ともすれば繫ぎの巻である感が出てしまいそうなものを、展開を持たせる問題提議と終盤の圧倒的な加速は見事。続刊早く。

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    2018年01月12日
  • バビロン3 ―終―

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    完結するのかと思ったらまさかのつづく……。     
    ついに世界規模に発展してしまった物語。     
    曲世愛、世界へ進出。     
    善とは――。     
    悪とは――。     
    悪の道を邁進する曲世。    
    正崎善は、善を守れるのか。

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    2017年12月31日
  • バビロン3 ―終―

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     何もかもが規格外、という褒め言葉がふさわしい作品。素晴らしい小説には、人の精神を高揚させる力があることを、読者自身の身をもって教えられることになるだろう。
     前巻のあの終わりを引き継いで、次の巻がいきなりアメリカから始まるというのが、まずもってぶっ飛んでいる。正崎の登場を期待する読者にさっそくの先制パンチというわけだ。
     何事もなかったかのように、淡々と。長い分量を割いて、アメリカの登場人物の描写が始まる。その描写や演出ひとつ取っても、憎らしいほど丁寧に書かれている。やがて、自分が知らず知らずのうちにこのアメリカ人たちに感情移入していると気づく頃、満を持して現れる正崎のかっこよさといったら。思わず唸りたくなるほどセンセーショナルなのだ。
     物語は、作中に登場する自殺法の是非を登場人物に論じさせるだけにとどまらず、おそらく真のテーマであろう善悪の概念にまで踏み込んでいく。
     しかし、そうして物語に没頭する間にも、読者はもう一人の主人公、曲世の影を文章の端々に感じてしまうだろう。何気ない描写でも、これは「彼女」の前触れなのではないかと、伏線なのではないかと疑わせるような言葉に、知らず知らずのうちに蝕まれていくだろう。
     そして。
     「考える人」がたどり着く善悪の姿とは。この上なく整えられた舞台に彼女が降り立つ時、何がもたらされるのか。化け物の生み出す小説に頭から飲み込まれる、全く新しい体験があなたを待っている。

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    2017年12月13日
  • 2

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    前フリに5冊も読まないといけない
    なんという 鬼畜な小説
    しかし この5冊を読んでから
    「2」を読むと
    その用意周到に張り巡らされた
    野崎ワールドのすごさが実感できます

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    2017年11月30日
  • バビロン2 ―死―

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    自殺法うんぬんを隠れ蓑にして
    「これが悪ですよー」
    という 曲世の所業が酷い

    読み終わりは
    「あああああああああ~~~」
    と正崎善と同じく
    叫ぶことしか出来ませんでした

    動画を上手く使った
    人心掌握の方法など
    小説なのに
    映像がはっきりと目の前に見える
    そんな すごい小説でした

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    2017年11月22日
  • [映]アムリタ

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    途中までは 最早のどこが天才なのか
    わくわくして読むのですが
    最後は しーんとした
    恐怖が襲ってきます
    でも 二見君が
    最後まで 映画を見れるのを
    喜んでいた気持ちがわかるなぁ

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    2017年09月11日
  • [映]アムリタ

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    はぁー面白い! 冒頭で映画制作キャンパスライフが始まるのかと思ったら違った。映画制作するしキャンパスライフするのも間違ってはいないんだけど。
    Web漫画『映画大好きポンポさん』も映画愛に溢れたドープな傑作だったけど、これもまたすごい傑作でした。普通の映画じゃない、超常的な映画、神様の作った映画についてのお話。映画制作の過程がある種物語の上でのトリックというかギミックとして使われていて、そういうところにも愛がある。
    愛がある作品というのはいいものだと思う。

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    2017年06月17日